TOPアメリカン・プロレスWWE 2009年 →WWE:Royal Rumble 1/25/09

WWE:Royal Rumble 1/25/09の分析


名勝負 なし
好勝負 ロイヤル・ランブル

@ECW王座戦:ジャック・スワガー(ch)vs.マット・ハーディ
 ちょっと細かく刻みすぎですが
 マットのリズムの作り方は悪くない。
 一方のスワガーも腕攻めで試合をコントロールするという
 題目をこなしており、鍛えれば伸びそうですね。
 悪くない試合。

A女子王座戦:ベス・フェニックス(ch)vs.メリーナ
 メリーナは体が柔らかいので
 べスのキャラをスケール・アップさせるには最適。
 只試合ペースが速い事もあってかメリーナはちょっと雑になった印象を受けました。
 少し悪い試合。

B世界王座戦:ジョン・シナ(ch)vs.JBL
 08年に低調な抗争をした両者ですが
 流石に王座戦となると下手な事はできない。
 試合展開をスローにしてでも
 1つ1つに意味を込めて着実に作り上げていきます。
 一部の変則的な魅せ方や
 HBKのサイド・ストーリーが利いて意外に面白かったですよ。
 まあまあ良い試合。

CWWE王座戦:ジェフ・ハーディ(ch)vs.エッジ
 こちらもトリプルHが抜けた事で心配な一戦でしたが
 上手く場外を作って試合を構築。
 2人の魅力が絡み合ってますね。
 更にラダー上から実況席へのダイブなど
 ハードコア風味にもなっており、こうなるとジェフに外れは無し。
 この時期じゃなかったら3,4ヶ月保持させても良かったな、と思わせる程しっかりした試合でしたね。
 中々良い試合。

Dロイヤル・ランブル
 最初の8人が今回のRRを語る上で重要になってきますね。
 まず1〜4番手はミステリオ、モリソン、カリート、MVPと
 キャラ・技巧ともにある軽量級で落ちるか落ちないか、の高品質な見せ場を提供しています。
 ここで5番手にカリ。6番手にコズロフで、コズロフがカリを落とします。
 7番手がトリプルHでコズロフを落とし、8番手がオートン。
 確かに軽量級がたまると小さくなる恐れがありますが
 開始数分にして最大の巨人を持ってきて
 すぐ落とされるというのは余りに飛ばしすぎです。
 (ついでにカリをコズロフが簡単に落としてしまう所に
 WWEとファンの間のずれを感じますね)
 7,8番手に本命2人ですからね。
 こうなるとその後入場者の質が落ちて勢い(あくまで加速度ですが)がなくなったのは否めません。
 
 また今回の特徴としてリングにレスラーが溜まっていましたね。
 この豪華な面子の後に9番手で出てくるJTGにしても
 瞬殺されるかと思いきや結局16番手のテイカーに落とされるまで粘りましたからね。
 只「溜まる=悪い」って訳ではないんです。
 正確には「溜まる=場が停滞する=悪い」であり
 そういう方程式が成り立っていたのはアティテュード時代ぐらいまで。
 最近は傾向として落とすか落とされるのかの攻防を意識しているので
 最初の等式が成立せず、今回も一定のテンション以下に落ちるという事はありませんでした。

 しかし溜まる、という事の裏の面、レスラーが脱落しにくかった、という点から見ると問題が出てきます。
 落ちる、ってのはRRにおいてはハイ・スポットな訳です。
 別に30番手ビッグ・ショーに巨人スポットをさせる狙いもなく
 その落ちるというハイ・スポットが偏りなく配置されたため
 試合の振れ幅は余り大きくなかったですね。
 必殺技が決まっても落とされない事もその側面を助長させたと思います。
 また落ちる、という事を余り利用しなかった結果として
 レガシー軍を始めとしてモリソン、ミズやケイン、テイカーなど
 結託した事による強化をアピールしきれなかった副作用も起こりました。

 先程最近の傾向について述べましたけれどもう1つあるように考えてまして
 それはファン・マッチ要素が軽視されているのでは、って事なんです。
 今回は25番手RVD、26番手ドゥガンのサプライズに
 27番手ジグラー、28番手マレラの瞬殺ってとこでしょうが
 この位置は完全におまけですよね(RVDの場合復帰ならアリですが)。
 確かにスポット自体は軽いものですが
 特に中盤に配置された時の中だるみを防ぐ効果など
 全体的な構築に与える影響は結構考慮に値すると思います。
 その点を改善すればより良くなり得た。

 さて結構改善点を述べたので低調だったのかと誤解されるかもしれませんが、
 本当に高度且つ洗練された内容だったんですよ。
 大いに可能性があったのに、小さくまとまってしまったのが残念だっただけでね。
 WMへの掴みとして十分な仕事を果たしました。
 さあWMに向け面白くなってきましたよ。
 ぎりぎり好勝負。
  
総評
 両王座戦が外れず、RR戦も成功したんですが
 RR戦の印象と同じく大会としてビッグ・イベント感が無かったかな、と思います。
 (執筆日:1/28/09)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

 Dロイヤル・ランブル

  ミステリオ対モリソンで試合開始。
  モリソンが顔を張るなりスピーディーな攻防が始まる。
  ミステリオがブルドッグに切り返そうとする。
  モリソンがその動きを利用して落とそうとする。
  何とかエプロンに落ちたミステリオを蹴りつける。
  ミステリオはショルダー・ブロックを入れるとスプリングボード式クロス・ボディ。
  回り回ってのヘッド・シザースから受け流して落とそうとする。
  エプロンに落ちたモリソンにドロップ・キック。
  モリソンの脚がエプロンから離れるもロープにつかまっていたため落下はせず。
  3番手はカリート。
  モリソンにアップル・ミストを決める。
  ロープに振り返されたミステリオがラ・ケプラーダへ。
  カリートは受け止めると下ろしてネック・ブリーカー。
  モリソンがカリートを場外へ投げようとする。
  カリートはエプロンに着地。
  モリソンのクローズラインを避けるとダブル・スプリングボード式ムーンサルト。
  ミステリオを起こし投げようとする。
  ミステリオがすり抜けて逃れる。
  4番手はMVP。
  勢い良く3人に攻撃。
  モリソンにポーズしてからのエルボー・ドロップを狙う。
  邪魔しに来たミステリオにベリー・トゥー・ベリーを決め手からエルボー・ドロップ。
  モリソンはMVPをコーナーに振り返すとセカンド・ロープから跳んでのジャンピング・キックへ。
  MVPが避けたためカリートに誤爆。
  MVPがモリソンにシャイニング・ケンカ・キック。
  ミステリオをロープに振る。
  ミステリオはロープ際に止まり蹴りを入れると両脚で首を挟む。
  MVPがロックを外して投げる。
  ミステリオはエプロンに着地するとリング内に跳ぶと同時にヘッド・シザース。
  5番手にカリ。
  入ろうとするカリに襲い掛かっていくも全員返り討ちに合う。
  カリがアピール。
  ミステリオの攻撃は利かずカリートのバック・クラッカーも決める事すらできない。
  6番手にコズロフ。
  カリとロックアップ。
  蹴りにヘッド・バッドでふらつかせるとビッグ・ブーツ。
  投げ捨ててカリを脱落させる。
  MVPがコズロフにコーナーへのビッグ・ブーツを放つ。
  コズロフは避けるとコーナーに引っかかり動けなくなっているMVPを落とす。
  カリートも投げ捨てる。
  カリートはエプロンに着地しスプリングボード式の技へ。
  コズロフは受け止めてリングに叩きつけてから場外に落とす。
  ミステリオを持ち上げるもミステリオは何とか逃れる。
  7番手がトリプルH。
  コズロフがランニング・ヘッド・バッドへ。
  トリプルHは避けてコーナーに激突させるとフェイス・バスターから投げ捨てる。
  8番手にオートン。
  トリプルHとオートンが殴り合い。
  オートンがネック・ブリーカー。
  早くもRKOを狙う。
  トリプルHは押し飛ばして逃れるとぺディグリーを狙う。
  モリソンがセカンド・ロープから跳びトリプルHにジャンピング・キック。
  ミステリオがオートンにウェスト・コースト・ホイップ。
  モリソンにドロップ・トー・ホールドを決めロープにもたれさせると619。
  全員ダウン。
  9番手にJTG。
  オートンがミステリオを担ぎ上げて後ろに投げようとするもミステリオは首を両脚で挟んで耐え切る。
  10番手にデビアス。
  殴り合っているモリソンとJTGにダブル・クローズラインで落とそうとする。
  2人はロープを掴んで何とか耐え切る。
  デビアスがミステリオを持ち上げる。
  ミステリオがロープ際でハリケーン・ラナに切り返し落とそうとする。
  デビアスはエプロンに落ちて耐え切る。
  11番手にジェリコ。
  真っ先にデビアス、オートンに襲いかかる。
  トリプルHにブルドッグを決めライオン・サルトへ。
  トリプルHが避けて着地したジェリコにぺディグリーを狙う。
  ジェリコがウォール・オブ・ジェリコに返そうとする。
  トリプルHは耐え切り蹴り飛ばすと場外へ投げる。
  ジェリコはエプロンに落ちて耐え切る。
  12番手にノックス。
  ミステリオに襲いかかる。
  オートンとデビアスは相談し、まずJTGを目標にした様子。
  13番手にミズ。
  モリソンと共にオートンへ連携技を決める。
  ミステリオがモリソンにボディ・シザースの形で飛びつく。
  モリソンは前に持ち上げるとオートンを蹴らせる形でぶつける。
  バック・ドロップへ。
  ミステリオは後ろに着地すると押し飛ばす。
  その先にいたオートンがRKO。
  ミズにもRKO。
  JTGにもRKO。
  トリプルHがオートンにぺディグリー。
  モリソンをミズにぶつけると2人はまとめて転落。
  トリプルHがミステリオを投げる。
  ミステリオは落ちたかに思われたが場外に屈んでいたモリソンを踏み台にして地面への落下を防ぐ。
  ミズも踏み台にしてエプロンまで戻る。
  14番手はフィンレー。
  フィンレーがアトミック・ドロップを連発。
  15番手はコーディ。
  オートン、コーディ、デビアスは3人でリンチしていく。
  エプロンで様子を見ていたミステリオは近づいてきたオートンにショルダー・ブロック。
  スプリングボード式の技へ。
  オートンが空中で捕らえてRKO。
  16番手にテイカー。
  全員が攻撃を止め待ち構える。
  テイカーは全員を殴りつけていく。
  JTGを落とす。
  コーディにスネークアイズからビッグ・ブーツ。
  17番手にゴールダスト。
  デビアスに襲い掛かったゴールダストをコーディが止める。
  ゴールダストはコーディを攻め立てる。
  コーディは2度落とされかけるもエプロンに落ちて防ぐ。
  オートンがゴールダストにRKO。
  コーディがゴールダストを落としオートンと握手。
  18番手にパンク。
  勢い良く暴れる。
  トリプルHがパンクにぺディグリーを狙う。
  パンクはG2Sに返す。
  19番手はヘンリー。
  ヘンリーは他を圧倒しパンクを投げ捨てる。
  パンクはエプロンに落ちて耐える。
  20番手はベンジャミン。
  ジェリコとパンクが同コーナー上で殴りあう。
  ベンジャミンがそのコーナーに跳躍し2人同時に雪崩式フェイス・バスター。
  トリプルHがパンクを投げ捨てるもパンクはエプロンに落下。
  21番手はリーガル。
  パンクに襲いかかっていく。
  ミステリオがヘンリーを落とすことに成功。
  コーディ、デビアスがトリプルHを落とそうとするもトリプルHはエプロンに落ちて耐える。
  22番手がコフィ。
  パンクにも攻撃する。
  テイカーがベンジャミンを落とす。
  23番手がケイン。
  テイカーとケインは共闘する様子でデビアスにダブル・チョーク・スラム。
  24番手がリーガル。
  パンクがリーガルを落とす。
  Rトゥルース。
  25番手はなんとRVD。
  みな驚いている様子。
  RVDが暴れる。
  トゥルースにフロッグ・スプラッシュを狙うべくコーナー上へ。
  トリプルHが体勢を崩そうと突進。
  RVDは跳び超えて着地するとトリプルHにスピン・キック。
  トゥルースの上に倒れたトリプルHに2人まとめてローリング・サンダー。
  26番手はケンドリック。
  RVDとミステリオは協力攻撃。
  ケンドリックがコーナー上のコフィを突き飛ばし落とす。
  調子にのるもトリプルHに落とされる。
  27番手はジグラー。
  ジグラーはケインに握手を求める。
  ケインは応じるもそのままロープに振り落とす。
  28番手はマレラ。
  入った瞬間ケインにクローズラインを食らい落ちる。
  ケインがトリプルHを落とそうとするもトリプルHはロープを掴んで耐える。
  29番手はドゥガン。
  30番手はビッグ・ショー。
  テイカーが向き合う、
  横からケインが不意打ち。
  ビッグ・ショーが返り討ちにする。
  ドゥガンがショーを持ち上げようとするもできず落とされる。
  テイカーがパンクを投げるもパンクはエプロンに落ちる。
  ショーがトゥルースをリフト・アップし場外に捨てる。
  ショーがパンクを投げ捨てる。
  パンクは何度も粘るが最後はボクシング・パンチに落ちてしまう。
  ミステリオがノックスの肩車される状態に。
  そこから落とそうとしてロープ際へ。
  そこにフィンレーも絡まる。
  ショーが後ろから払いあげるとノックスとミステリオが落下する。
  スワグルが出てきてリングに入る。
  ケインが近づいてきたスワグルにチョーク・スラムを狙う。
  助けようとしたフィンレーにチョーク・スラムを狙う。
  スワグルが脚にタックルして助け出すもフィンレーはケインにショルダー・スルーを食らって落下。
  ショーとテイカーが向き合う。
  テイカーがパンチをガードしながら殴りつけていく。
  ジェリコが背後からショーに襲いかかる。
  RVDがオートンにフロッグ・スプラッシュを決める。
  RVD自身も痛がっている所をジェリコが不意打ちして落とす。
  にやついているジェリコの後ろにテイカーが立つ。
  ジェリコは果敢に立ち向かいコードブレイカーを決める。
  ふらついたテイカーに突進。
  テイカーが受け流して落とす。
  ケインがオートンを落とそうとしている。
  デビアス、コーディが後ろから襲い掛かって落とす。
  残りはオートン、コーディ、デビアスとテイカー、ショー、トリプルHの6人。
  ショーがトリプルHに襲いかかる。
  オートン、コーディ、デビアスは3人でテイカーを取り囲み襲いかかる。
  ショーがトリプルHにチョーク・スラム。
  テイカーが反撃しオートンにチョーク・スラム。
  デビアス。コーディにもチョーク・スラムを決める。
  ショーとテイカーが再び向き合う。
  ショーがテイカーをコーナーに振り突進。
  テイカーはカウンターで蹴りを入れるとロープに走りクローズライン。
  ふらついたショーにビッグ・ブーツを決めるも
  ショーはロープにつかまってエプロンに落ちる。
  テイカーが殴りつけていく。
  オートンがテイカーの背後に忍び寄りRKOを狙う。
  テイカーは押し飛ばして自爆させる。
  ショーはテイカーの喉元を掴んでエプロンに出す。
  テイカーも喉元を掴んで逃れると殴りつける。
  オートンがショーにRKOを決めてロープに叩きつけて落とす。
  テイカーがオートンを殴りつける。
  デビアス、コーディがテイカーに近づく。
  テイカーは喉元を掴むも場外のショーが脚を払って落とす。
  テイカーとショーは殴りあいながら退場。
  3人でトリプルHを取り囲む。
  トリプルHはSuck itポーズから立ち向かっていくがリンチされダウン。
  デビアスとコーディがトリプルHを押さえつける。
  そしてオートンがRKOを狙う。
  トリプルHは押し飛ばしてオートンをコーナーにぶつける。
  デビアスがオートンに大丈夫かと確認。
  その間にコーディがトリプルHをロープに振る。
  トリプルHはショルダー・スルーを狙ったコーディにフェイス・バスター。
  デビアスにスパイン・バスター。
  コーディにぺディグリーを狙う。
  近づいてきたオートンにその状態のままショルダー・スルー。
  オートンはエプロンに落ちて防ぐ。
  トリプルHがコーディにぺディグリーを決める。
  突進してきたデビアスを受け流して落とす。
  コーディも落とす。
  その隙にオートンが襲いかかり投げ落とす。
  オートンが優勝!

試合結果

@ECW王座戦:ジャック・スワガー(ch)vs.マット・ハーディ
A女子王座戦:ベス・フェニックス(ch)vs.メリーナ(新チャンピオン!)
B世界ヘビー級王座戦:ジョン・シナ (ch)vs.JBL
CWWE王座戦:ジェフ・ハーディ(ch)vs.エッジ(新チャンピオン!)
Dロイヤル・ランブル(優勝:ランディ・オートン)