TOPアメリカン・プロレスWWE 2009年 →WWE:The Bash 6/28/09

WWE:The Bash 6/28/09の分析


名勝負 なし
好勝負 IC王座コントラ・マスク:クリス・ジェリコ(ch)vs.レイ・ミステリオ

@ECW王座戦:トミー・ドリーマー(ch)vs.ジャック・スワガーvs.フィンレーvs.マーク・ヘンリーvs.クリスチャン
 1,2番手のクリスチャンとスワガーの絡みは素晴らしかったですね。
 しかし3人になって以降全体図を練っていないために
 多少の形は取っているものの基本的に発散していきました。
 悪くない試合。

AIC王座コントラ・マスク:クリス・ジェリコ(ch)vs.レイ・ミステリオ
 ジェリコは間と表情でもって上手く序盤を作りました。
 また雪崩式といったハードさと
 +1の切り返しを加えて更に潤沢になった攻防を
 本場ルチャを意識しながら自由自在に組み合わせていく様は
 最終戦にふさわしいマスターピースと言える。
 只それゆえに凄く勿体無い部分がある。
 所々でマスクに手をかけているんだけどもう少し印象的にして
 マスクが取れる部分も偶然ではなく意図的にしなければいけません。
 そしてこのマスクに関する部分を含めて
 彼らのアクションに対して咀嚼する間が欲しい。
 全力で詰め込んできたのでそこの意識が薄くなるのは分かるんですけどね。
 文句なしに好勝負。

BノーDQ:グレート・カリvs.ドルフ・ジグラー
 ベビーフェイス、ヒールが逆ならまだ誤魔化される可能性は残っていましたけどねぇ。
 最後はケインが現れカリを椅子で滅多打ち。
 ひどい試合。

Cタッグ王座戦:カリート、プリモ・コロン(ch)vs.テッド・デビアス、コーディ・ローデスvs.エッジ、クリス・ジェリコ
 エッジ、ジェリコが試合前に急遽参加しました。
 試合は実質的に参加しないエッジ、ジェリコによって試合が動く程フラットな内容で、
 両者タッグとして活動している事を考えると期待外れ。
 最初に第3者にタッチしたくないが、意図せずしてタッチされるという展開を見せており
 一応試合として完成はされている。
 悪くない試合。

D女子王座戦:メリーナ(ch)vs.ミシェル・マクール
 気持ちを出した激しい動きと
 絵になる場面だけを抽出した脚攻めにより思ったより見れました
 悪い試合。

E世界ヘビー級王座戦:CMパンク(ch)vs.ジェフ・ハーディ
 ROH王者時代のパンクが帰ってきました。
 サブミッションでの落とし方に場外の使い方は良く、
 スローながら見事に安定した試合運びでした。
 ジェフもその中で主張できました。
 反則フィニッシュもむしろこれはあるべき終わり方と言えます。
 しかし欠点もあります。
 PPV間が3週しかなく、パンクの狙いが非道なヒールではないために
 徐々にヒールへと寄っていったものの、
 まだはっきりとしたヒール転向を明示できない状態でこの試合を迎えた事。
 また幻の3カウントはレフェリーが
 パンクの脚がロープの外に出ていた(かかっていたのではなく)のを見逃していたためという理由。
 そして眼を負傷したというパンクが最後までそれがフェイクだと明かさなかった点。
 これらは結構絶妙の表現ではあるのだけど
 ここはWWEでマニアだけを相手にしている訳じゃないですから
 もっと分かりやすく、盛り上がりやすくしてあげないと駄目ですよ。
 そういう部分がこの1,2年のWWEは崩れてきてますね。
 まあまあ良い試合。

Fザ・ミズvs.ジョン・シナ
 敵わないと見るや場外に逃げ、
 追ってきた所でリングに戻り入って来た所を襲撃。
 この定型に1ムーブ加えるバランスで見せた序盤は
 ストーリーを考慮するしないにかかわらず試合として良い狙いでした。
 しかしそこからミズが攻め、十分追い込んでいないのに
 シナが反撃、そのままフルコースにより5分で幕、という内容には呆れ返る。
 これじゃあ技量も努力もあった物じゃない。
 PPVだというのに。
 少し悪い試合。

GWWE王座戦、3ステージ・オブ・ヘル:ランディ・オートン(ch)vs.トリプルH
 通常形式/FCA戦/ストレッチャー・マッチで3本勝負を行うという形式です。
 何度と無く組まれたカードですが
 今回もまた激しさが彼らの魅力である様式美を殺す結果となっています。
 1本目はオートンが脚攻めを見せる中トリプルHが椅子攻撃で反則負け、
 トリプルHはそのまま椅子で滅多打ちにしてペディグリーで2本目を奪取、と
 1,2本目はストーリーがメインでした。
 こういう描き方はありですが
 明らかに試合前のイメージを悪い意味で裏切っています。
 FCA戦と聞いて只場外でペディグリーを打つだけとは誰も思わないでしょう。
 3本目は幾つか良い場面が生まれ、ましにはなりましたが
 やはりこれもイメージとは違う。
 ストレッチャー・マッチというのは担架で運ばれてしまう程壮絶な試合のはずです。
 入場ステージで攻防を繰り広げたり
 (つまり担架に乗せた時点でラインが目の前にある)
 試合に敗北したトリプルHが復活して勝ち誇るオートンをスレッジ・ハンマーでKOなんてしてはいけないのです。
 このように悉く表現を失敗しているようではHIAC戦にも希望が見えません。 
 平均レベル。

総評
 相変わらずジェリコ対ミステリオは鉄板ですね。
 しかしメインの失敗で印象は悪くなる。
 (執筆日:6/31/09)
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

 IC王座コントラ・マスク:クリス・ジェリコ(ch)vs.レイ・ミステリオ

  ジェリコがバックを取りマスクに手をかける。
  ミステリオはバック・エルボーを入れてコーナーに追い詰める。
  ジェネリコが殴り返しヘッド・ロック。
  ロープに振られショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  リープ・フロッグにいったミステリオを潜ると止まって蹴り。
  コーナーに振り突進。
  ミステリオがカウンターで蹴り。
  セカンド・ロープから飛びつきヘッド・シザースで落とす。
  スライディング・キックへ。
  ジェリコはキャッチすると脚を掴んでまわしフェンスにぶつける。
  エプロンにぶつける。
  リングに戻りアピール。
  リングに入ってきたミステリオにロープへのスリング・ショット。
  ブレーン・バスターからカバー。カウント2。
  チン・ロック。
  ミステリオは起き上がるとバック・エルボー。
  ジェリコが殴りつけコーナーに乗せる。
  殴りつけマスクに手をかける。
  ミステリオはバック・エルボーを叩き込んで落とすと飛びついてテーズ・プレス。
  ロープに走る。
  ジェリコがカウンターでバック・ブリーカー。
  カバーするもカウント2。
  背中を蹴りつける。
  コーナーに押し込むと喉に脚を押し当てる。
  コーナーに頭部を叩きつける。
  スライディング・キックで落とす。
  エプロンに上がってきた所でリング内へのブレーン・バスターを狙う。
  ミステリオは後ろに着地すると蹴りにパンチ。
  ロープに振りショルダー・スルーを狙う。
  ジェリコは蹴り上げるとドロップ・キック。
  カバーするもカウント2。
  バタフライ・ロック。
  ミステリオは起き上がると蹴りつけていく。
  殴りつけロープに振ろうとする。
  ジェリコが振り返す。
  ロープを掴んで止まったミステリオに突進。
  ミステリオがカウンターで低空ドロップ・キックを決めるとジェリコは転落。
  ミステリオがコーナー上から飛びテーズ・プレス。
  リングに戻しスプリングボード式クロス・ボディ。カウント2。
  コーナーに振ろうとする。
  振り返されるもコーナーを使って裏に回る。
  ヘッド・シザースでターン・バックルにぶつける。
  スプリングボードで別のロープに映るとそこからアラビアン・プレス。カウント2。
  ロープに振りショルダー・スルーを狙う。
  ジェリコが蹴り上げクローズラインへ。
  ミステリオは避けるとラ・ケプラーダへ。
  ジェリコがキャッチしパワー・スラム。カウントは2。
  ヘッド・バッド。
  コーナーに振り突進。
  ミステリオは避けてコーナーに激突させるとムーンサルト。カウントは2。
  ロープに走る。
  回転して飛びつきフェイス・バスターを狙う。
  ジェリコは防ぐとウォール・オブ・ジェリコ。
  ミステリオがロープを掴む。
  突進。
  ミステリオはかわすとかろうじてエプロンに止まったジェリコに低空ドロップ・キック。
  ジェリコはエプロンでロープにもたれる形に。
  ミステリオがロープに走り619へ。
  ジェリコは降りて避けるとエプロンに上がる。
  走り寄ってきたミステリオにクローズライン。
  コーナー上へ。
  ミステリオが殴りつけジャンピング・キック。
  雪崩式ハリケーン・ラナへ。
  ジェリコが雪崩式パワー・ボムに切り返す。
  ロープに脚をかけてカバー。カウントは2。
   ライオン・サルトへ。
  ミステリオは避けるとハリケーン・ラナ。カウント2。
  ジェリコのクローズラインを避けると背中にドロップ・キック。
  ジェリコはロープにもたれる。
  ミステリオがロープに走る。
  ジェリコが起き上がりアルゼンチン・バック・ブリーカーの体勢に捕らえて回転。
  ミステリオがDDTに切り返す。
  カバーするもカウントは2。
  ジェリコを蹴りつけロープに走る。
  クローズラインを避けるとセカンド・ロープから飛ぶ。
  ジェリコがカウンターでコード・ブレイカー。
  カバーするもカウントは2。
  背中を蹴りつける。
  持ち上げコーナーに投げつける。
  コーナーにのせるとヘッド・バッドを叩き込んでいく。
  雪崩式コード・ブレイカーを狙う。
  しかしミステリオがかがんでロープを掴んでために自爆。
  ミステリオがジェリコの背中にミサイル・キック。
  ロープにもたれた所で619。
  スプリングボード式ハリケーン・ラナへ。
  ジェリコが耐えてウォールズ・オブ・ジェリコ。
  ミステリオが体を股下に入れ首を掴む。
  ジェリコが持ち上げようとする。
  ミステリオがサンセット・フリップを狙いにいく。
  ジェリコが座り込んで潰す。
  カウント2でミステリオが体勢を入れ替える。
  カウント2でジェリコが体勢を変える。
  マスクを掴んで押さえ込む。
  ミステリオがカウント2で返した際にマスクが取れる。
  ジェリコはしてやったりの表情で振り向く。
  そこにはまだマスクをつけたミステリオが。
  ミステリオが延髄切り。
  ロープにもたれた所で619。
  スプリングボード式ボディ・プレスで1,2,3!
  ミステリオが新ICチャンピオンに!

試合結果

@ECW王座戦:トミー・ドリーマー(ch)vs.ジャック・スワガーvs.フィンレーvs.マーク・ヘンリーvs.クリスチャン
AIC王座コントラ・マスク:クリス・ジェリコ(ch)vs.レイ・ミステリオ(新チャンピオン!)
BノーDQ:グレート・カリvs.ドルフ・ジグラー
Cタッグ王座戦:カリート、プリモ・コロン(ch)vs.テッド・デビアス、コーディ・ローデスvs.エッジ、クリス・ジェリコ(新チャンピオン!)
D女子王座戦:メリーナ(ch)vs.ミシェル・マクール(新チャンピオン!)
E世界ヘビー級王座戦:CMパンク(ch)vs.ジェフ・ハーディ(DQ)
Fザ・ミズvs.ジョン・シナ
GWWE王座戦、3ステージ・オブ・ヘル:ランディ・オートン(ch)vs.トリプルH(2−1)