TOPアメリカン・プロレスWWE 2002年 →WWE:Wrestlemania X8 3/17/02

WWE:Wrestlemania X8 3/17/02の分析


名勝負 なし
好勝負 ザ・ロックvs.ハルク・ホーガン

Cカート・アングルvs.ケイン
 ケインのような大柄相手でも説得力を保つ
 カートの投げの数々がケインの足りない部分を補います。
 アンクル・ロックの使用も見られましたね。
 ケインの対応もまずまずで4試合目としては適当な内容。
 平均レベルです。
 (執筆日:1/23/10)

ハードコア王座戦はまさに24/7の真骨 頂。
大会を通してスキットで展開。
他では見られないばかばかしさで楽しめます。

Dリック・フレアーvs.アンダーテイカー
 フレアーが年齢を感じさせず
 入場するなり勢いよく殴りかかってそのまま場外へ。
 両者しっかり脚を使って違和感ないナックル・ファイトですね。

 ただ打撃戦以外で勝負しにくい懐事情もあるか。
 フレアーはコーナー一回転受けをミスしてしまうし、
 フレアー流血後はダウン・ベースで
 スポットにより引き延ばす試合運びになっています。
 それ自体は悪くはないものの
 目指すクオリティはそこそこで
 それ以上を目指すことを放棄しているからこその作戦です。

 終盤も凶器頼みのハードコア・テイスト。
 ただテイカーの顔芸が素晴らしいし、
 アンダーソン乱入というおまけもついていたりして十分楽しめる。

 まあまあ良い試合。
 (執筆日:5/?/20)

Fスティーブ・オースチンvs.スコット・ホール
 オースチンがゴングを待たずに獰猛に襲いかかります。

 彼の拳が如何に最高かを感じる一方で
 2人のコンディションが決して良くない中で
 それに甘んじた内容ともいえる打撃戦オンリーの内容。

 セコンドのナッシュの介入により
 終盤はフィニッシャーのみでの攻防。

 箸休めの内容ですが、最後のスタナー2連発の
 2発目の派手なホールの受け身は実にエンターテイメントでした。

 平均レベル。
 (執筆日:12/?/21)


メインはザ・ロックvs.ホーガン戦で観客が燃えつきてしまったのが痛いですね。
良い試合ですがメインとしては物足りない。


Hザ・ロックvs.ハルク・ホーガン
 NWOとして侵攻してきたホーガンをザ・ロックが迎え撃つ。
 当然ザ・ロックがベビーフェイス、ホーガンがヒールの図式ですね。
 しかし観客は入場してきたザ・ロックにブーイングを送り、ホーガンに歓声を送りました。
 ホーガンが尚圧倒的なカリスマがあるから?
 ザ・ロックが映画撮影のために離れる事が分かっているから?
 おそらく理由はもっと単純で、そこがカナダだからなんでしょう。
 ステロイド使用を認め、ヒールになって生き長らえていた
 堕ちたヒーローがカナディアンによって再びリアル・アメリカンとして復活する。
 何の因果でしょうか。
 面白い事です。

 さて試合が始まります。
 興味深い事にホーガンはヒールに徹しました。
 一方のザ・ロックは観客に合わせてベビーフェイスの立場から降りています。
 技には出していませんが微かにヒールがかっています。
 プロレスでは観客を見て試合を変える事も
 試合を貫いてそこに観客をのせる事もあります。
 この試合においてどちらを取るべきだったかは一概に言える問題ではありません。
 しかし2人のスタンスが食い違った、ちぐはぐの試合です。
 
 人々が団結した時足し算で計る事の出来ない力を生む事があります。
 最近の出来事で言うならオバマ大統領の誕生でしょうか。
 人々が生み出す圧倒的なエネルギーは媒体を通じても尚届いてきて体を震わせます。
 その体験は何事にも変えがたいものです。

 この夜の一体となった6万人の人々もその変革する力を持っていました。
 だからこそこの試合はプロレス・ファンにとって特別で、
 是非とも見て感じ取ってもらいたいと思います。
 
 ただ恐ろしくエンターテイメントな試合だった、で終わらせる前に1つ思い出して頂きたい。
 彼らがその力で何をしたのか、を。
 これは筋書きを超えたドラマではありません。
 筋書きを書き換えたドラマです。
 ホーガンがヒール・プレイをした時ブーイングが飛びかけましたが
 すぐにそれを上回る歓声が起こりブーイングを掻き消しました。
 観客はレスラーのやっている事を否定し自分の好きなように書き換えたのです。
 冷静に考えて、これは随分と横暴な事です。
 彼らが情熱を持って成した努力から意味を奪っているのです。
 2人がプロレスラーとしてこれまでやってきた結果として導かれたこの舞台で
 プロレスラーでなくてもいい、と言っているも同然ではないでしょうか。
 余りに残酷な仕打ちです。
 
 救いはある。
 クライマックスで必殺技の打ち合いをする時、
 必然的に2人はベビーフェイス、ヒールという枠組みを超えます。
 わだかまりは残っているが、観客の力は後押しに働いている。
 そこに否定はありません。
 そして試合後にはホール、ナッシュにより原因であったヒール要素が取り去られる。
 ザ・ロックはザ・ロックでありながらドゥエイン・ジョンソンに戻る。
 ホーガンはホーガンでありながらテリー・ボレアに戻る。
 もはや誰も2人を支配する事はできない。
 2人は自由になり、傷は癒されます。

 プロレスを超えたプロレスではなくプロレスではないプロレス。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:10/29/09)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

Hザ・ロックvs.ハルク・ホーガン
  ホーガンには割れんばかりの歓声が降り注ぐ。
  その凄まじさはザ・ロックのそれを超える!
  ホーガンはザ・ロックを押し飛ばすとマッスル・ポーズからJust Bring It!
  これに対しザ・ロックが本家本元のJust Bring It!
  しかしまさかのブーイングが浴びせられる!
  ホーガンはロック・ボトムの体勢にとらえられるも
  エルボーを叩き込んで逃れると反撃開始。 
  噛み付いたり,チョークをしても帰ってくるのは歓声だけ。
  この異常事態にザ・ロックは椅子を手にするもレフェリーが奪いとる。
  ザ・ロックの攻撃がレフェリーに誤爆する。
  ザ・ロックはスパイン・バスターからシュープ・シューター。
  ホーガンからタップを奪うもレフェリーは気絶中。
  ホーガンはロー・ブローからロック・ボトム!
  カバーするもカウントは2!
  ホーガンはベルトでむち打っていく。
  ザ・ロックもDDTを決めるとお返しと言わんばかりにベルトを叩き付けていく。
  そしてロック・ボトム!カバーするもハルク・アップでカウントは2!
  ホーガンはビッグ・ブーツからレッグ・ドロップ!
  カバーするも、驚くべき事にザ・ロックはカウント2で返す!
  ならばと再びビッグ・ブーツからレッグ・ドロップを狙うが
  ザ・ロックは避けてロック・ボトム!
  カバーにいかず、再びロック・ボトム!
  跳び起きると業界一しびれる技ピープルズ・エルボー!
  これにはさすがのホーガンも返せずカウント3!
  ザ・ロックの勝利!
  ホーガンは立ち上がるとザ・ロックに手を差し伸べる!
  ザ・ロックも応じ握手!
  ホール、ナッシュが出て来てホーガンを責め襲いかかる。
  ザ・ロックが戻って来て2人でホール,ナッシュを蹴散らす!
  ホーガンは去ろうとするもザ・ロックが引き止めハルカマニアックスを忘れているぞという!
  ホーガンは戻って来てお馴染みのポーズ!
  ザ・ロックはホーガンのためにロープを下げ2人して去っていく。

試合結果

@IC王座戦:ウィリアム・リーガル(ch)vs.RVD(新チャンピオン!)
Aヨーロピアン王座戦:DDP(ch)vs.クリスチャン
Bハードコア王座戦:メイヴェン(ch)vs.ゴールダスト(終了時の王者:メイヴェン!)
Cカート・アングルvs.ケイン
Dアンダーテイカーvs.リック・フレアー
Eエッジvs.ブッカーT
Fスティーブ・オースチンvs.スコット・ホール
Gタッグ王座戦、エリミネーション・マッチ:ビリー&チャックvs.APAvs.ダッドリー・ボーイズvs.ハーディ・ボーイズ
Hザ・ロックvs.ハルク・ホーガン
I女子王座戦:ジャズ(ch)vs.リタvs.トリッシュ・ストラタス
J統一王座戦:クリス・ジェリコ(ch)vs.トリプルH(新チャンピオン!)