TOPアメリカン・プロレスWCW TV Matches→ WCW:TV Matches 1998 (Benoit vs. Booker T series)

WCW:TV Matches 1998 (Benoit vs. Booker T series)の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@7番勝負第1戦:クリス・ベノワvs.ブッカーT(Nitro 5/25/98)
 ベノワの仕掛けに対しブックが応え良い動きを見せる関係性です。
 そこからベノワがタイミングを心得て反撃。
 テンポが速いだけでなく落とすべき所ではちゃんと落としてきますね。
 ブックはやられている仕草は良いがそこから何もしていないのが問題です。
 反撃の時もロープに振るなり自分の特性が活きる行動をしたい所ですね。
 終盤においても最適化しきれていません。
 ハングマンズ・オーバーをベノワとダイビング・ヘッド・バッドの対応技にする等工夫の余地はあったと思いますけどね。
 ただ1戦目ですから攻防を十分に用意できただけで合格点でしょう。
 ガタガタしている所もありながらもクオリティを築き上げた内容。
 平均的な良試合。

A7番勝負第2戦:クリス・ベノワ(1)vs.ブッカーT(Thunder 5/27/98)
 ブックが技術では抑えきれない黒人ならではのバネある動きを見せていますね。
 ただそれで活躍する分試合の枠に関してブックが関わる%が増えています。
 ベノワもブックがしてしまった事に関してはどうしようもなく
 それに応じる形で対処していかざるを得ません。
 後半ブックの反撃が鈍かったですね。
 1戦目から強調しているダイビング・ヘッド・バッドから始めたのは良いのですが、
 もう少しカバーを織り交ぜるべきですし、ジャンピング・キックの攻防ミスも痛い。
 ブックが一歩前に踏み出した事で関係性は崩れてしまったが、
 フィニッシュも含めブックの勢いを感じさせる事には成功している。
 平均より少し上。 

B7番勝負第3戦:クリス・ベノワ(1)vs.ブッカーT(1)(Saturday Night 5/30/98)
 リングに入るなりベノワが殴りかかり速いペースでの攻防を始めます。
 ブックのカウンターが冴えていますね。
 前回終盤に持ってきたジャンピング・キックの自爆を
 中盤にもってきて更に上を目指す姿勢は良いですね。
 ただ今回はその先はまた今度という形。
 実質的に中盤のまままだ倒える状態でカウント3が生まれてしまうという幕引きを選択しています。
 悪くない試合。

C7番勝負第4戦:クリス・ベノワ(2)vs.ブッカーT(1)(Nitro 6/1/98)
 前回のフィニッシュを受けてブックがラッシュするのは良いですが、
 怒りの感情がちょっと不足していますね。
 いつもよりナチュラルに試合を展開させ、
 ライバルが凌ぎあう事による消耗感も生み出している。
 最後はベノワが1戦目と同じくクロス・フェイスを決めます。
 前よりちょっと長く耐えるも最後はタップしブックが追い込まれました。
 平均より少し上。

D7番勝負第5戦:クリス・ベノワ(3)vs.ブッカーT(1)(Thunder 6/4/98)
 ブックは後が無いものとしての気迫を見せていますね。
 間も意識している。
 ただだからといって毎回吼えなくても良いでしょうに。
 中盤はベノワがジャーマン3連発やクロス・フェイスといった
 過去の試合の光景を利用した追い込みを見せていきます。
 スティービー・レイが応援に駆けつけ、ブックが反撃。
 短めでしたが王道の流れが一体感を生み、
 観客が完全にブックの味方になった内容。
 平均的な良試合。

E7番勝負第6戦:クリス・ベノワ(3)vs.ブッカーT(2)(Nitro 6/8/98)
 形式的過ぎない形で仕切って格式を生み出しています。
 これまで作ってきた攻防に対し価値を維持しながらも前の段階で作っていく。
 経験をストレートに活かしていますね。
 ブックもベノワから学び取ったのか良い変化をつけています。 
 前回と同じくスティービー・レイの応援ネタを使い素晴らしい流れを生み出します。
 ベノワが戦略的に勢いを切り、獰猛に牙をむく中、ブックが丸め込みで追いつく。
 素晴らしい展開でしたね。
 あらゆる面においてこれまでの成果を凝縮させた内容。
 中々良い試合でした。

F7番勝負第7戦:クリス・ベノワ(3)vs.ブッカーT(3)(Thunder 6/11/98)
 前の試合で一つの頂点にたどり着いてしまったこのカード。
 今回は細かい攻防を増やし、初めて一極攻めを導入しています。
 ただそのせいでブックはどう試合を作るかにおいて混乱している。
 中盤はベノワがテクニカル・アピールで追い詰めていきます。
 PPVを見据えてじっくりやっているのでしょうがこれはちょっと長かったですね。
 終盤は両者の得意技をストレートにぶつけ合います。
 最後はブレットが介入しブックに椅子攻撃。
 ベノワはフォールせずレフェリーに説明し自ら反則負けを選ぶという
 チープ、それでいてドラマチックなフィニッシュでした。 
 まあまあ良い試合。

G7番勝負最終戦:クリス・ベノワvs.ブッカーT(Great American Bash 6/14/98)
 ブックもあんな勝ち方には納得していないという事で最終戦を行う事に。
 抗争の中、尊敬が生まれて激突するという熱い展開ですね。
 試合は第5戦に似た間を使った構築。
 集大成にするかと思いきや着実な積み重ね路線でしたね。
 ベノワの試合運びも教科書以上のものではありません。
 終盤、スーパープレックスなど大技に対する扱いは上手く、
 そこに挟むベノワの打撃も良いのだけど最終戦としてはやや想像を下回る内容。
 まあまあ良い試合。

注目試合の詳細

なし

試合結果

@7番勝負第1戦:クリス・ベノワvs.ブッカーT(Nitro 5/25/98)
A7番勝負第2戦:クリス・ベノワ(1)vs.ブッカーT(Thunder 5/27/98)
B7番勝負第3戦:クリス・ベノワ(1)vs.ブッカーT(1)(Saturday Night 5/30/98)
C7番勝負第4戦:クリス・ベノワ(2)vs.ブッカーT(1)(Nitro 6/1/98)
D7番勝負第5戦:クリス・ベノワ(3)vs.ブッカーT(1)(Thunder 6/4/98)
E7番勝負第6戦:クリス・ベノワ(3)vs.ブッカーT(2)(Nitro 6/8/98)
F7番勝負第7戦:クリス・ベノワ(3)vs.ブッカーT(3)(DQ)(Thunder 6/11/98)
G7番勝負最終戦:クリス・ベノワvs.ブッカーT(Great American Bash 6/14/98)