TOPアメリカン・プロレスWCW TV Matches→ WCW:TV Matches 1995〜1997

WCW:TV Matches 1995〜1997の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@グラッジ・マッチ:スティーブン・リーガルvs.フィット・フィンレー(Saturday Night 4/13/96)
 テンションの高い打撃からスタート。
 2人とも打撃が重いですね。
 ただハード・ヒットというだけではなく
 そこには相手の協力に依存せず必要なら力でねじ伏せて自らに従わせようという意図があります。
 ごつごつとしたぶつかり合いで見応えがありました。
 最後はリーガルの仲間が乱入しDQというエンディングでしたがこれなら文句はないでしょう。
 平均的な良試合。

Aパーキング・ロット・ブロウル:フィット・フィンレーvs.スティーブン・リーガル(4/29/96)
 リングサイドに車4台、十字に向かい合う形に並べての試合。
 駐車場ではなく敢えて4台にした事でシンメトリー性が生まれています。
 またリングサイドなので観客も歓声を送る事が出来るメリットがある。
 まあ駐車場は駐車場で雰囲気という長所がありますけどね。
 窓を蹴破ったり、壊れたバンパーで殴りつけたりと
 後のシナvs.エディと同じくらい豊富なネタを見せていて面白かったですね。
 後はカメラ・ワークがよければ問題なしだったのだけど。
 まあまあ良い試合。

Bディーン・マレンコvs.獣神サンダー・ライガー(5/6/96)
 通常のレスリングをベースにしているにも関わらず
 回転運動やロープの振り返しが綺麗で見とれてしまいます。
 ほとんど観客を無視して2人の世界に入っていますが、その激しいファイトは観客を惹きつけます。
 カウンターも鋭かったですね。
 素晴らしい内容です。
 ただWCWはどうでも良いカードと扱っていて
 6分しか与えず試合中にフレアーの食事風景を差し込んでいます・・・。
 PPVで見たかったなぁ。
 平均的な良試合。
 (執筆日:5/9/10)

Cエディ・ゲレロvs.リック・フレアー(5/20/96)
 vs.マレンコのような特別な関係ではないが
 ベビーフェイスの攻めとヒールの受けが一致し両者が輝いている。
 フレアーは絶頂期のようなヘタレっぷりで一進一退をつくり出すなんて事はありませんが、
 そこはエディが試合運びもいけるレスラーなので問題ないし、
 感情を押し殺して凶器攻撃を狙うという新しいカラーを押し出している。。
 一方のエディはフレアー張りに場外で間を置いて焦らしたり、4の字を決めて試合を彩っています。
 相手の攻撃を受けている瞬間も考えているから
 他のカードよりも一進一退のタイミングが優れているし細かかったですね。
 このカードはPPVでも実現していましたがその際は細かいミスが目立ちましたからね、
 あれを見てより両者の力を発揮した試合が見たいと思ったらこれです。
 フィニッシュも素晴らしかった。
 中々良い試合。

DUS王座トーナメント1回戦:クリス・ベノワvs.スティーブン・リーガル(12/2/96)
 たった6分半でカメラは後半引きっぱなしという不遇なカード。
 しかし2人はエネルギーを凝縮した試合を見せました。
 組む、その前提行為から既に勝負として駆け引きし、
 顔面にパンチ、ヘッド・バッドを躊躇なく打ち込む。
 そしてレスリング技術で相手の動きを押さえつけようとする。
 相手の心根を削りあう異常なファイトでした。
 好勝負に少し届かず。

ETV王座戦:ウィリアム・リーガル(ch)vs.シコシス(Nitro 12/16/96)
 まずはリーガルがテクニカル・レスラーとしてホールドを見せてキャリー。
 シコシスはこういうレスリングでは弱いですからリーガルに任せていますね。
 中盤はシコシスがハイ・フライヤーとして活躍しますが、ここでもまた輝いていたのはリーガル。
 リーガルはシコシスの技を大ダメージのように振舞っていますが、
 只過大に表現しているように見せてその痛がり方は
 手足をじたばたさせているものと、ぐったり動かないものを使い分けて
 試合のリアリティーを向上させ、同時にシコシスの試合運びを助けている。
 終盤もまたリーガル。
 格闘家と呼ぶに値する打撃でえぐく攻め、技の攻防を超えた所まで踏み込んでいる。
 リーガルが実力を存分に発揮した試合。
 好勝負に少し届かず。

Fウルティモ・ドラゴンvs.ディーン・マレンコ(2/24/97)
 レスリングと技をフィットした形で行えているように
 安定した個々のスタイルが高い完成度でミックスしています。
 思ったように攻防を生み出していますね。
 前半ではマレンコの構築力、後半ではウルティモのムーブが際立っています。
 ただウルティモはオノに介入させないし、
 逆にマレンコがヒールっぽく振る舞い(観客はリベンジという形で見ていて歓声が起こっていますが)、チョークし続け反則になっています。
 ダブル・ターンを推し進める一環なのかもしれませんが、
 これ1試合で見ているのでどうにもしっくりこないし、そのフィニッシュは余りに弱く感じましたね。
 中々良い試合
 (執筆日:7/2/10)

Gフベントゥー・ゲレラvs.レイ・ミステリオJr.(2/24/97)
 定番の攻防ネタを活かして試合の展開をつなげると
 リング、エプロン、場外、この3つの場所を移動させながら
 軽量級としてハードな技の競い合いを行っています。
 最後はスプリングボード式ハリケーン・ラナでフィニッシュ。
 5分という短い試合にこの数え歌しかできないアクションを詰め込みました。
 平均的な良試合。

Hレイ・ミステリオJr.vs.サイコシス(3/17/97)
 腹に足を当てての飛び上がり。
 これでレスリングから一気にハイ・フライにつなげます。
 その後、サイコシスがパワーを見せ、すぐに豪快な自爆。
 4分しかないのですが、その中で一手で
 両者の魅力、コミュニケーションを確立していくのは見事です。
 最後はスプリングボード式ハリケーン・ラナですが
 サイコシスの頭部がマットにのめりこんでいてかなり危険なものでしたね。
 平均的な良試合。 

Iエディ・ゲレロvs.ディーン・マレンコ(11/17/97)
 よく心得たタイミングで戦っています。
 打撃を交わしながら双方の試合運びの息を合わせていますね。
 後半はエディがヘタレっぷりを加えながら美しい技の攻防。
 本来ならパワー・ボムやジャーマンで区切りがつくのだけど
 この2人の攻防はそれらが全て繋がりで見ても輝いている。
 最後が雪崩式バック・ドロップで両者カウントアウトというのはちょっと残念ですね。
 中々良い試合。

Jカート・へニングvs.クリス・ベノワ(10/6/97)
 ベノワが奇襲し苛烈な攻撃を叩き込む。
 その攻撃にヘニングが思いっきり倒れてかなり危険な受けっぷりをしていますね。
 反撃はコーナー上にのせドラゴン・スクリューから脚攻め。
 脚に対象を絞った攻めを1つ1つ重く見せています。
 ベノワは反撃時にいまいち脚の痛みを見せていませんが、
 その理を無視するだけの激しさがある。
 終盤はターン・バックを外しての攻防も追加して。
 6分ほどでしたがベノワの業界一の激しい攻めに対して
 ヘニングが明日を省みない危険な受けで真っ向から対し、素晴らしい化学反応を起こしました。 
 クライマックスのチョップ受けは必見。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Kサイコシス、ラ・パルカvs.フベントゥー・ゲレラ、レイ・ミステリオ(12/15/97)
 時間設定が短いのでいきなりフービーが捕まる展開に。
 シコシス、パルカが上手く捕まえましたね。
 技、タッチを防ぎ、連携技を見せる、三拍子押さえています。
 ただそれなのに何故か相手コーナーに振ってしまう所がルチャ的で余り感心しませんけど。
 タッチ後はルチャ・タッグならではのダブル・ダイブや
 スプリングボード系を潤沢に使用した派手な攻防。
 今からするとそこまでリミッターを超えているようには見えないが、
 当時の状況を考えると結構インパクトを与えたであろう内容です。
 中々良い試合。

注目試合の詳細

DUS王座トーナメント1回戦:クリス・ベノワvs.スティーブン・リーガル(12/2/96)
 お互い簡単には組まない。
 ベノワがバックを取る。
 リーガルが腕を取り倒す。
 両手を取って押し込む。
 ベノワが跳ね起きる。
 リーガルがヘッド・バッド。
 ベノワも応じヘッド・バッド。
 押し込んで倒す。
 リーガルは跳ね起きると切手顔にパンチを叩き込んでいく。
 ヒップ・トスでカバー。カウント2。
 ベノワが腹にヘッド・バッド。
 腕を捕らえ顔に連続でパンチ。
 ヒップ・トスからカバー。カウント2。
 リーガルがドロップ・トー・ホールドで倒し顔に掌底。
 ヘッド・ロック。
 ベノワが起き上がり腕を押し上げる。
 ヘッド・ロック。
 リーガルが腹にパンチ。
 ベノワがやり返し締め続ける。
 リーガルがひざをつかせようとするも防がれる。
 ベノワがロープに振られショルダー・タックル。
 リーガルが顔に掌底。
 倒すと腕を持ったまま回転。
 背中に蹴り。
 顔に足をこすりつける。
 ニーを突き上げる。
 ベノワが蹴り。
 コーナー下チョップ。
 チョップをを打っていく。
 リーガルが体勢を入れ替えパンチ連打。
 蹴り。
 ニーを突き上げて倒す。
 ヘッド・ロック。
 その状態で顔にパンチを入れていく。
 起こそうとする。
 ベノワが腹にパンチ。
 殴り倒す。
 足をこすりつける。
 チョップ。
 ボディ・スラム。
 コーナーに上りダイビング・ヘッド・バッド。
 カバー。カウント2。
 ツームストンへ。
 リーガルが体勢を入れ替える。
 ベノワが体勢を入れ替えツームストン。
 リーガルがたまらず場外に転がり落ちる。
 ベノワがブランチャを狙う。
 リーガルがかわして自爆させる。
 リングに戻すとアッパーカート。
 コーナー上にのせると蹴りにパンチ。
 トップ・ロープに立つと腕を絡め雪崩式の投げ。
 カバーに行く。カウント2。
 腕を絡めると引っ張って前に戻しクローズラインへ。
 ベノワがかわしジャーマン。
 コーナーにもたれたリーガルにチョップ。
 ヒップ・トスを狙う。
 リーガルが防いで腕を取る。
 ベノワが戻すと前に回転させてコーナーにぶつける。
 頭を抑えるリーガルにドラゴン・スープレックスを決め1,2,3!
 ベノワの勝利!

試合結果

@グラッジ・マッチ:スティーブン・リーガルvs.フィット・フィンレー(DQ)(Saturday Night 4/13/96)
Aパーキング・ロット・ブロウル:フィット・フィンレーvs.スティーブン・リーガル(4/29/96)
Bディーン・マレンコvs.獣神サンダー・ライガー(5/6/96)
Cエディ・ゲレロvs.リック・フレアー(5/20/96)
DUS王座トーナメント1回戦:クリス・ベノワvs.スティーブン・リーガル(12/2/96)
ETV王座戦:ウィリアム・リーガル(ch)vs.シコシス(Nitro 12/16/96)
Fウルティモ・ドラゴンvs.ディーン・マレンコ(DQ) (2/24/97)
Gフベントゥー・ゲレラvs.レイ・ミステリオJr.(2/24/97)
Hレイ・ミステリオJr.vs.サイコシス(3/17/97)
Iエディ・ゲレロvs.ディーン・マレンコ(ダブル・カウントアウト)(11/17/97)
Jカート・へニングvs.クリス・ベノワ(10/6/97)
Kサイコシス、ラ・パルカvs.フベントゥー・ゲレラ、レイ・ミステリオ(12/15/97)