WCW:TV Matches 1986の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | NWA王座戦、ケージ・マッチ:リック・フレアー(ch)vs. リッキー・モートン(Great American Bash 7/5/86) アンダーソンズ(アーン・アンダーソン、オレイ・アンダーソン)vs.ロックン・ロール・エクスプレス(リッキー・モートン、ロバート・ギブソン)(7/17/86) NWA世界タッグ王座戦、3本勝負:ミッドナイト・エクスプレス(ボビー・イートン、デニス・コンドリー)(ch)vs.ロックン・ロール・エクスプレス(リッキー・モートン、ロバート・ギブソン)(8/16/86) |
@タッグ王座戦:ロックンロール・エクスプレス(ch)vs.ミッドナイト・エクスプレス(Superstars on the Superstation 2/7/86)
Clash of the Championsが始まる前、
同じようなコンセプトで無料放送のSP版が行われた事がありました。
その一つがこのSuperstars on the Superstation。
ファン投票により選ばれたドリーム・マッチが組まれた大会でした。
さて試合はMNEの奇襲からスタート。
RREが反撃し相手2人をぶつけたりして華のある攻めを見せています。
MNEは要所で連携技を叩き込みながら
試合の大枠の流れを作る孤立シーンを上手く作っています。
ただ相手の抵抗の抑え方という点ではやっぱりスタン・レーンに劣りますね。
この頃はレーンではなくデニス・コンドレ-の時代ですから。
フィニッシャーの合体技ロケット・ランチャーをかわしてRREがタッチ成功。
爆発的な盛り上がりを生むとコルネットの介入絡みの攻防に持っていく。
ベビーフェイスとヒールの役割を明確に分け、
孤立シーンのダイナミズムで魅了した古きよきNWAタッグらしい内容。
この試合でMNEは初のタッグ王座を獲得しました。
中々良い試合。
(執筆日:10/14/09)
CNWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.ロニー・ガービン(Superstars on the Superstation 2/7/86)
アダム・ピアースにさえマジック・タイムがあったのだから
トミー・リッチよりもNWA王者になった事が解せぬロニー・ガービンという男にもその瞬間があったのかもしれない。
そう思ってWrestling Observerで評価されているこの試合を見つけたけれども・・・
あぁ、普通の試合ですねぇ。
鉄の拳なんて通り名を持っているロニーですけれども、張り手とその拳を使い分ける気はありません。
その打撃の後にたいした攻撃も続かず、
またフレアーの型にはまっていく、素直さとでもいうべき性質も持ち合わせていない。
耐え表現もないのでフレアーに迫る様子も様になっていないし、
反応が遅いせいで一進一退もタイミングがずれています。
ロニーがレスラーとしてとても評価できない事を改めて実感しただけの試合でした。
悪くない試合。
(執筆日:1/15/12)
BNWA王座戦、ケージ・マッチ:リック・フレアー(ch)vs. リッキー・モートン(Great American Bash 7/5/86)
シングルでは力不足のモートンですが
鼻の怪我というアングルが見事に補いましたね。
フレアーが相変わらずの一進一退にする中で
モートンがフレアーの鼻狙いで苛烈さを見せます。
フレアーがモートンのフェイス・ガードを奪い流血させた所から一方的な攻め。
モートンは5分以上何もしていませんでしたけれども
フレアーが観客を見ながらモートンの鼻を攻撃し流血させるので会場の気持ちが高ぶります。
そのためにたいした技でもないのにモートンがカウント2で返した際には
モートンの精神的なタフさを感じさせられました。
そしてクライマックスは流血したフレアーの痛がりっぷりに盛り上がった後
お約束のロープ悪用フォールで締めます。
鼻の怪我アングル以外は只々一進一退が素晴らしすぎるシンプルな内容だけど
だからこそ全盛期のフレアーの凄さを感じますね。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:10/14/09)
Cアンダーソンズ(アーン・アンダーソン、オレイ・アンダーソン)vs.ロックン・ロール・エクスプレス(リッキー・モートン、ロバート・ギブソン)(7/17/86)
R&Rに派手な所は譲りつつ
アンダーソンズはヒールとしての戦略性で貢献。
役割分担して支え側になる訳ですが、
細かな打撃も手を抜かず当て方が良いですね。
一つ一つのムーブがリズムとなってタッグの試合運び。
ちょっと試合時間はサバを読んでいますが、充実の内容でしたね。
ぎりぎり好勝負。
DNWA世界タッグ王座戦、3本勝負:ミッドナイト・エクスプレス(ボビー・イートン、デニス・コンドリー)(ch)vs.ロックン・ロール・エクスプレス(リッキー・モートン、ロバート・ギブソン)(8/16/86)
タッグの序盤の見せ方を散りばめて
3本勝負らしくどっしりと可能性を見せます。
続いてモートンの孤立。
細かなタッチと共に試合進行し、
ホット・タッグでまずは1本。
2本目も当時の大ダメージ行為である場外落下を絡めて。
1本目と同じくフォール時に相手セコンドのカットが間に合っているように見えるのが現代的感覚からするとちょっとした瑕疵。
それでも3本勝負に通常以上の激闘感を求めてしまう所は満たされます。
コーナー上からのビッグ・ムーブも多めに盛り上がりました。
この数え歌のエッセンスが入って頂点にふさわしい内容。
文句なしに好勝負。
(執筆日:2/?/25)