TOPアメリカン・プロレスWCW 1989年→WCW:The Chi-Town Rumble 2/20/89

WCW:The Chi-Town Rumble 2/20/89の分析


名勝負 NWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.リッキー・スティムボート
好勝負 なし

約2時間50分。

@マイケル・ヘイズvs.ルシアン・アサシン#1
 ヘイズの観客にアピールする動きが受けてますが
 勘弁して欲しい程見応えのない試合を長々と。
 ひどい試合。

Aスティングvs.ブッチ・リード
 スティングが執拗なヘッド・ロックや腕攻めを見せていますが
 リードが前半まるで攻めないので意味なし。
 リードは後半出来もしないヒールに挑戦しています。
 持っているパワーを使えば良いのに。
 これまたえらく長かった。
 ひどい試合。

Bルーザー・リーブスNWA:ミッドナイト・エクスプレス、ジム・コルネットvs.オリジナル・ミッドナイト・エクスプレス、ポールEデンジャラスリー
 オリジナル側はデニス・コンドリーではなくジャック・ヴィクトリーが入っています。
 それにマネージャーが参加しているので
 ややスポットに頼って展開させていく形を取っていますね。
 しかし良好なストーリー・テリングで両マネージャーの使い方も適切。
 特にコルネットは動きこそみすぼらしいですが凄く感情が伝わってきますね。
 平均的な良試合。

CTV王座戦:リック・スタイナー(ch)vs.マイク・ロトンド
 アマレスのバック・ボーンを見せた後
 ロトンドが粛々と卑怯な戦法を見せます。
 多少攻防が崩れてもリックのナチュラルな力が栄えて問題にならないですね。
 しかしリックが低能キャラとはいえサリバンが気を逸らしてからの
 リックの行動は余りに間抜け過ぎて盛り下がる。
 平均より少し上。

DUS王座戦:バリー・ウィンダム(ch)vs.レックス・ルガー
 どちらもスケールの大きな技を見せて良い試合になるかと思われましたが
 バリーが自分一人の力だけでキャリーして
 ルガーの良さが出ない形へとなっていきます。
 最後もバック・ドロップを食らった方のルガーが腕を上げて3カウントなんて弱いフィニッシュ。
 少なくともルガーのイメージ像からはふさわしくないでしょうに。
 期待を下回って、平均より少し上。

E世界タッグ王座戦:ロード・ウォーリアーズ(ch)vs.ケビン・サリバン、スティーブ・ウィリアムス
ウォーリアーズはいつ暴れるべきで、どのように入っていくべきかを考えておらずいまいちな内容。
 孤立後のタッチは盛り上がったが、そこはやり慣れているからで・・・。
 サリバン、ウィリアムスはUSタッグ王者で王者対決だったのに大きく期待を下回りました。
 ひどい試合。

FNWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.リッキー・スティムボート
 この時期に行われた黄金カードの絶品計3試合の第1戦。
 プロレスのシステムを語る時に
 必ず緩急って言葉が出るけれど
 例えばこの緩にしてもダウンしていたり相手にサブミッションを食らっていたりと
 色々種類がある訳ですね。
 これを仮にA、Bの2種類あるとしたならば
 この2人は間違いなく緩A、急Aの同種による効果と
 緩A、急Bの異種による効果の違いを知っており
 それを尚且つ意図的に使い分けていますね。
 これは度数なし物差しを2種類持つという事で
 ある高さをよりピンポイントに正確に狙えるという事を意味するという訳。
 で、ここでまたこの2人の絡みが凄いのは
 その狙うべき高さがどこにあるかを知っていて
 そこで止まる勇気を持っているという事なんです。
 いやはや黄金カードは伊達じゃない。
 ついでといっちゃあ何だけど
 中盤への持ち込みにロープ、打撃の導入を使い
 終盤前に敢えて4の字を決めてお約束を打ち破る事で
 特別性と非予測性を高めたりと全体的な構成も流石です。
 歴史的な名勝負です。
(執筆日:11/22/08)

総評
 MNE以外は低調な内容でしたが
 メインで伝説の1戦目が生まれました。
 (執筆日:3/8/10)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

FNWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.リッキー・スティムボート
  スティムボートが圧倒しロール・アップ。カウント2。
  フレアーは一度場外に逃れ流れを立ちきろうとする。
  スティムボートはチョップを打ち返しショルダー・スルー。
  フレアーは命乞いから強烈なチョップを繰り出すも
  同じくらい強烈なチョップが返ってくる。
  スティムボートはヘッド・ロックを中心に試合を支配していく。
  ダブル・チョップからカバー。カウント2。
  フレアーは再び場外へ。
  ダブル・チョップを再び食らったフレアーはそのまま場外へ倒れこむ。
  その後もヒップ・トスにヘッド・シザースとスティムボートの猛攻は止まらない。
  チョップを食らったフレアーは場外転落。
  フレアーは一瞬の隙を突きスティムボートを場外に引きずり出すと柵にぶつけていく。
  これで流れを引き寄せたフレアーはニー・ドロップ。
  アイリッシュ・ウィップで一回転するもエプロンに着地し
  別のコーナーからダイビング・クロス・ボディ!
  スティムボートが体勢を入れ替える!カウントは2!
  フレアーは10カウント・パンチをアトミック・ドロップに返すと4の字!
  ロープを掴んで威力を強める。
  フレアーは後一歩のところまで追い詰めるも
  寸前のところでロープ悪用が見つかってしまう。
  スティムボートが反撃しチョップを浴びせていく。
  フレアーのクロス・ボディで両者転落してしまう。
  フレアーはスティムボートを鉄柱にぶつけるとリング内へのブレーン・バスター。
  カバーするもカウント2。
  フレアーがバック・ブリーカーからロープ悪用のカバー。しかしカウント3ならず。
  フレアーが観客に気を取られた隙にスティムボートが丸め込む。カウントは2。
  コーナーに振られたスティムボートは跳ね返り際にクロス・ボディにいくも
  読んでいたフレアーはそこにいず自爆。
  スティムボートはカバーからブリッジで立ち上がるとダブル・アーム・スープレックス!
  カバーするもフレアーはロープに脚をかける。
  スティムボートのバック・スライド。カウントは2。
  チョップの打ち合いからスティムボートがフライング・ショルダー・タックル。
  コーナー上から飛んでチョップを叩き込み
  そしてダイビング・クロス・ボディ! 
  しかしレフェリーが巻き込まれて気絶してしまう。
  レフェリーを起こそうとしているスティムボートをフレアーが丸め込むも、いまだ気絶中。
  フレアーはスティムボートを落としレフェリーを起こそうとする。
  エプロンに着地していたスティムボートはダイビング・クロス・ボディへ!
  だが避けられ自爆!
  フレアーはすかさず4の字へ!
  しかしスティムボートはスモール・パッケージに切り返す!
  同時にセカンド・レフェリーが入ってきて1,2,3!
  スティムボートが新NWAチャンピオンに!

試合結果

@マイケル・ヘイズvs.ルシアン・アサシン#1
Aスティングvs.ブッチ・リード
Bルーザー・リーブスNWA:ミッドナイト・エクスプレス、ジム・コルネットvs.オリジナル・ミッドナイト・エクスプレス、ポールEデンジャラスリー
CTV王座戦:リック・スタイナー(ch)vs.マイク・ロトンド(新チャンピオン!)
DUS王座戦:バリー・ウィンダム(ch)vs.レックス・ルガー(新チャンピオン!)
E世界タッグ王座戦:ロード・ウォーリアーズ(ch)vs.ケビン・サリバン、スティーブ・ウィリアムス
FNWA王座戦:リック・フレアー(ch)vs.リッキー・スティムボート(新チャンピオン!)