TOPアメリカン・プロレスTNA TV Matches →TNA:TV Matches 2016

TNA:TV Matches 2016の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@ファイナル・ディレイション:マット・ハーディvs.ジェフ・ハーディ(Impact Wrestling 7/5/16)
 プロレスが遂に禁断の領域へ。
 この試合はなんとアクション・ムービーです。
 @舞台
 舞台は深い森の闇の中。
 焚火で明るくして無観客で行います。
 巌流島みたいなものですね。

 A編集
 テンポを良くするため
 動作の細かなカットを入れます。
 例えばラダーを登るとして
 登り始めの映像からカットで登りきった映像に飛ばします。
 AAAで似たような編集を見たことはありますが、
 ここではプロレスではなく映像として強く意識して行っていますね。
 同様の理由でカメラ・ワークも頻繁に切り替え、
 それぞれ顔がアップになりセリフを述べるシーンも多かったですね。

 Bドラマ性
 レイヴェン系のプロモを思い起こさせるような
 兄弟間の人間模様を作りこんでいます。
 試合の中で回想シーンもありましたね。
 これはLUがドラマを意識したストーリーの見せ方をしているのに触発されましたかね。

 Cエンターテイメント
 プロレスの一面、何でもアリな面白さを取り入れています。
 当然ハードコア・マッチになっていますが、
 米国初!?ロケット花火を凶器として使ったり、
 フィニッシュも装置物による演出となっています。

 Dそしてプロレス
 上記のこれまでにない取り組みをして
 アクション・ムービーになっていますが、
 ベースにあるのはやっぱりプロレス。
 加工元はプロレスなんです。
 ただ、困ったことにプロレスの部分がダメ。
 衰えて動きに迫力がないし(相変わらずToFは汚い)、
 ライブでなく撮り直しが利くにも関わらず理が疎か。
 象徴的なのが次のシーン。
 ジェフがラダーにマットを寝かせると
 リング横の木に上ってスワントーンを放つのですが自爆。
 しかしジェフがマットをカバーするという…。
 ひどすぎますね。
 
 面白いんだけどプロレスをもう少し頑張りましょう。
 平均的な良試合。

 一つ一つの要素はこれまでにもありましたが、
 集結させてアクション・ムービーの体裁にしてしまったのははじめてなはず。
 これをプロレスと呼ぶのか呼ばないか、という
 根本的な議論もできるであろう一戦です。
 これがプロレス界にどんな影響を与えるか。
 それとも歴史の中に埋もれるのか。
 気になりますね。
 (執筆日:7/?/16)

ATNA王座戦、Xディビジョン王座戦、ケージ・マッチ:ラシュリー(TNA ch)vs.エディ・エドワーズ(X ch)(7/21/16)
 ダブル・タイトルとはいえ軽量級/重量級の王者。
 それに乗っ取り試合はラシュリー優位で進みます。
 最初の奇襲トペは良かったですが、
 もう少し同じように工夫を凝らしてエドワーズの攻めを作りたかった。
 ラシュリーの腰攻めで理は通っているが退屈ですね。
 エドワーズの反撃はケージを絡めて。
 これまた体格差を覆す方法としては正攻法。
 序盤にケージをスケール・アップさせる前振りや
 流血という直接的表現でもう一段上に行きたかったか。
 通常放送ということで抑えたのでしょうか。
 必殺技の攻防・返し合いは結構ありましたけどね。
 中々良い試合。

Bタイトルズvs.タイトル:ラシュリー(TNA ch & X ch)vs.ジェームス・ストーム(KOTM ch)(Impact Wrestling 8/11/16)
 2人とも悪くない試合運び。
 テンポは心地よいし、スポットへの緩急もあります。
 ただ終盤までストームが奇襲の仕返し→ラシュリーの反撃と
 主導権が実質1回しか入れ替わらないにも関わらず
 その瞬間をCMの中にしてしまい、リプレイすら流さないのは
 団体側の放送の仕方が杜撰としか言いようがない。
 終盤は王座移動が必ず起こる試合にふさわしい
 カウント2.9の鬩ぎあいで見応えはありましたね。
 中々良い試合。

Cデリート・オア・ディケイ:ブロークン・ハーディーズvs.ディケイ(Impact Wrestling 9/8/16)
 ハーディーズ劇場 第2章。
 前回コントロバーシャルな内容で
 話題をさらったことに味を占めて早くも2回目の作品。
 ロケット花火などの小道具の演出と
 おじさんを絡めてのストーリー展開はファンではありますが、
 仮想世界を演出するリングという舞台装置と
 フォールという合意ルールを手放した時点で
 これはプロレスではなく
 B級映画になってしまったと感じます。
 個人的には前回より評価が低くなります。
 平均レベル。

Dタッグ王座戦、アポカリプト・マッチ(Impact Wrestling 12/15/16)
 ハーディーズ劇場 第4章。
 大人数でキャンプ場的プロレス。
 フォールによるイリミネーション・ルールなので
 比較的プロレスの体を保ちつつストーリー演出をします。
 クレーン車に乗ってプロレスをするのバカっぷりは良いのだけど
 なんら攻防的に必然性がないのにクレーン車からのスワントーン
 を成功ではなく自爆にしたりと考えたらずが相変わらず目立つ。
 プロレスの見せ方としては雑な部分を改善して欲しいのだけど。
 最後のフィニッシュもバカの極致なので是非ハーディーズ劇場の年収めをご覧ください。
 まあまあ良い試合程度。

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ファイナル・ディレイション:マット・ハーディvs.ジェフ・ハーディ(Impact Wrestling 7/5/16)
ATNA王座戦、Xディビジョン王座戦、ケージ・マッチ:ラシュリー(TNA ch)(新チャンピオン!)vs.エディ・エドワーズ(X ch)(7/21/16)
Bタイトルズvs.タイトル:ラシュリー(TNA ch & X ch)(新チャンピオン!)vs.ジェームス・ストーム(KOTM ch)(Impact Wrestling 8/11/16)
Cデリート・オア・ディケイ:ブロークン・ハーディーズvs.ディケイ(Impact Wrestling 9/8/16)
Dタッグ王座戦、アポカリプト・マッチ(勝者:ハーディーズ(ch))(Impact Wrestling 12/15/16)