Impact Wrestling:TV Matches 2023 part.3の分析
名勝負 | Impact世界王座戦:スティーヴ・マクリン(ch)vs.アレックス・シェリー(Against All Odds 6/9/23) |
好勝負 | Impact世界王座戦、ノーDQ:スティーヴ・マクリン(ch)vs.PCO(Under Siege 5/26/23) |
@ノックアウツ王座戦:デオナ・パラッツォ(ch)vs.ジョダイン・グレイス(Under Siege 5/26/23)
(ジョダインは敗北するとデオナが王者である間、二度と王座に挑戦できない)
ロープワーク一つとってもレスラーの質感がありますね。
構築もしっかりしていて骨太です。
ただ小刻みにまとめるので
試合のスケール感はそこまで比例していません。
数え歌の最終戦みたいなシチュエーションですが、
実際はジョダインがフリーエージェント化していて
思ったより淡白な格好で終わりましたね。
好勝負に届かずも中々良い試合。
AImpact世界王座戦、ノーDQ:スティーヴ・マクリン(ch)vs.PCO(Under Siege 5/26/23)
マクリンのハードコア特性あるとはいえ、
王座返上後の立て直しの流れの中で何故55歳のPCOと思ってしまいましたが、
Impactの団体としての充実度を侮っていましたね。
機動力とハードコアのミックスにより迫力ある形で始めると
マクリンがトペを迎撃され大流血。
これが中々ないレベルの流血でした。
そして、その状態でありながら試合を攻めでリードするマクリン。
思わぬアクシデントにも役回りを手を抜かず、
しっかりと王者としてこなします。
そしてPCOにも体を張ることを強烈に求め、
唇をホッチキスで綴じたりします。
PCOもその要求に応えると共に、
ギミックを上手く活かして形をつけていきました。
終わってみれば歴史の一ページに残るハードコア・マッチになりました。
文句なしに好勝負。
BXディビジョン王座戦:トレイ・ミゲル(ch)vs.クリス・セイビン(Against All Odds 6/9/23)
場を使った試合の展開、
技種の組み合わせ、特にサブミッションに落とし込む韻は素晴らしいものがあります。
一方で2人の充実度を考えると
もう少し攻防、展開にスピード感を持たせたいですね。
AJ、ダニエルズの技を使うというドラマ要素があったセイビンに対し、
トレイはそこを押し出した方が100%本領発揮されたはず。
カードが良すぎて少し物足りなさもありました。
好勝負に届かずも中々良い試合。
CImpact世界王座戦:スティーヴ・マクリン(ch)vs.アレックス・シェリー(Against All Odds 6/9/23)
マクリンは観客を良く見つつヘビー級らしい試合運び。
02年のHHHを彷彿とさせつつ、
トペの織り交ぜ、ノー・セル等クラシカルに留まらない独自の感性が光りますね。
シェリーはロープを使ったドラスク等から部位攻めを蓄積させていく形。
得意のレスリング力活かしつつヘビー級の様式に合わせていたのが印象的です。
また新たな境地に至っていて非常に興味深いですね。
両者の心血とアイディアが正のスパイラルを描いた攻防。
シェリーのこれからが楽しみで、
敗北したマクリンも再びの王者の姿を見たいと確信させる働きで予想以上の内容です。
ぎりぎり名勝負。
DImpact世界王座戦:アレックス・シェリー(ch)vs.スティーヴ・マクリン(Down Under Tour Night One 6/30/23)
オーストラリア興行で前回PPVのリマッチ。
調和の取れた攻防は前回に比べてスケール感で劣るものの安心して見てられますね。
シェリーが脚を攻めてスタンディングでの攻防を抑止すれば
マクリンも腰攻めで着実な追い込み。
終盤にかけてもう少しはっきりとステップ・アップさせれば
より印象な攻防となりクオリティも上がったでしょうね。
前回に劣るものの合格点。
中々良い試合。
(執筆日:5/?/23)