TNA:Slammiversary 6/11/12の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | タッグ王座戦:クリストファー・ダニエルズ、カザリアン(ch)vs.カート・アングル、AJスタイルズ |
◆ホーガンが登場。TNAの10周年を祝う。
@Xディビジョン王座戦:オースチン・エリーズ(ch)vs.サモア・ジョー
まず訴えたいのはこの記念すべきPPVがいつものスタジオではなくパーク・センターで行なわれ、
観客が5,000-6,000人入っているということです。
イギリスのTWCで一度実現したものの
本国ではこれまで望まれつつも決して実現していなかったPPVらしい大規模なスケールがそこにはあります。
記念すべきその大会を飾るにこの試合は確かにふさわしい。
ジョーは重量とハイ・フライな身軽さを同時に感じさせ、
エリーズは多角的な視点から隙を作ろうとしているために
ジョーと相対しても弱さを感じさせません。
物凄い歓声を勢いづかせる試合運び。
ジョーが初期の必殺技であるアイランド・ドライバーのような懐かしい技を使って盛り上げました。
結局試合の攻防としてはそんなに高度なものではありませんでしたが
かつてのXディビジョンを髣髴とさせるハード・ファイトで
TNA王座の下、という意識ならば決して実現しない見せ場の作り方でした。
中々良い試合でオープニングとしては最適。
Aキッド・カッシュvs.ヘルナンデス
Bディーボン、ギャレット・ビショフvs.ロビーE、ロビーT
C#1コンテンダーズ・マッチ:ジェフ・ハーディvs.ロブ・ヴァン・ダムvs.ミスター・アンダーソン
3人目がリングサイドでダウンして
自分が入るべきタイミングを見極め比較的早いタイミングで復帰していきます。
スムーズな繋ぎに重きを置いた3ウェイ構築。
それぞれ問題を抱えているスターにしては全然問題がなかったですね。
後半の始めにテンプレート上終盤的なものを使用しましたが
そこで引っ張られることなく、焦ることなく後半も地に足をつけながら攻防。
進行は甘く、妙手は見られないが方法論は予想以上にしっかりしていていた。
平均的な良試合。
Dオープン・チャレンジ:クリムゾンvs.?
ストームが登場。スーパー・キックにより2分ちょっとで勝利。
◆ディクシー・カーターが登場。TNAロスターもステージに勢ぞろい。最初のHoFとしてスティングの名前が発表される。スティングがリングに上がりスピーチ。
Eノックアウツ王座戦:ゲイル・キム(ch)vs.ブルック・テスメイカー
テスメイカーが王座奪取。
Fエニシング・ゴーズ:ブリー・レイvs.ジョセフ・パーク
ジョセフがリング下に潜ると代わりにアビスが出てきてテーブル葬。
アビスがリング下に潜ると再びジョセフが出てきてカバーし勝利。
◆ホーガンが登場。サプライズだといってクリスチャン・ケイジを呼び込む。クリスチャンが挨拶。
Gタッグ王座戦:クリストファー・ダニエルズ、カザリアン(ch)vs.カート・アングル、AJスタイルズ
乱闘っぽく始めましたが中途半端。
ダニエルズも40歳を超えて最近衰えが目立つようになりましたね。
AJとの絡みももう黄金カードではなくなっている。
カートとAJのタッグに関してはダブル・ブレーン・バスターぐらいのもので
タッグを組んだこと自体の特別性を前に押し出す形。
序盤は形にはまらず弱いことは否めません。
しかし良質ですし中盤からぐっと右肩上がりに。
まずAJがコーナー上で脚が引っかかり孤立するのは
ターニング・ポイントとして印象に残り納得感もあります。
またAJを孤立させる中でダニエルズ、カットの細かいタッチ・ワークが光りました。
後半にかけては合体技を連発し流れを作り上げました。
タッチ成功してのカートの登場。
まさにスープレックス・マシーンという按配で
スープレックスの魅力を十二分に使っていますね。
両者ダウン系を複数回挟みながらの
控えとの交錯しての打ち合いは見応えがある上、
それぞれの必殺技はまさにここしかないという場所に配置されている。
特に最近は何回も使うのが当たり前になっているアンクル・ロックの一撃性復活が素晴らしかった。
10周年大会の試合であることの意味をこめる気合の入った戦いは必見。
ぎりぎり好勝負です。
HTNA王座戦:ボビー・ルード(ch)vs.スティング
ビール瓶によるチープ・フィニッシュでルードが防衛。
試合後スティングがルードにステージから下のテーブルへのスコーピオン・デス・ドロップ。
総評
10周年という特別性を感じさせる大会。
ただ時代遅れのメインが残念ですね。
BMI対決を持ってきても良かったと思うし、
スティングならHoF入りに絡めて最後の王座戴冠をさせるぐらいの
無茶ぶりの方がまだ様になったように思います。
(執筆日:6/12/12)
DVD Rating:★★★☆☆
注目試合の詳細
Gタッグ王座戦:クリストファー・ダニエルズ、カザリアン(ch)vs.カート・アングル、AJスタイルズAJがリングに入るなり試合に。ドロップ・キックを狙う。カズが読んでいて丸め込む。カウント2。AJがカズにドロップ・キック。ダニエルズにもドロップ・キック。場外でカズがAJを振り返し柵にぶつけようとする。AJは柵の下を潜ると柵を踏み台にフォア・アームズ。リングに戻すとカートと2人でダブル・ブレーン・バスター。カウント2。AJがダニエルズにスタイルズ・クラッシュを狙う。ダニエルズがあわてて逃げタッチ。カズがAJの隙を突き襲いかかる。
AJがコーナー上へ。ダニエルズの介入に気を取られカズに蹴りを食らう。すると片方の脚がロープに引っかかり逆さまに。カズとダニエルズが細かいタッチ・ワークでAJを攻め込む。合体技を決めて行く。ポーズを決めて煽る。カズがブレーン・バスターを狙う。AJが逆に持ち上げネック・ブリーカー。両者ダウン。両者タッチ。
カートがダニエルズに勢い良く襲い掛かる。ダニエルズにベリー・トゥー・ベリー。
カズにジャーマン。ダニエルズにジャーマン。アングル・スラムを決めカバー。カウント2でカット。カズのバックを取り返しジャーマン連発。カズが投げられまいとダニエルズにしがみつく。ダニエルズはロープにしがみつく。AJがジャンピング・キック。
カートが2人まとめての3発目。ダニエルズにアンクル・ロック。カズが延髄切りでカット。ダニエルズが先に起き上がりエンジェルズ・ウィングを狙う。カートがリバース・スープレックスに切り返す。
両者タッチ。AJがスプリングボード式フォア・アームズ。2人を殴り倒して行く。動きを止められるもコーナーから一回転して後ろに回りカズにリバースDDT。同時にダニエルズにDDT。カズにスプラッシュを狙う。カズがかわし延髄切り。ダニエルズがAJにラスト・ライツ。カートがダニエルズにTボーン・スープレックス。カズがカートに飛びつきDDT。AJがカズにフェイス・バスター。カウントは2。全員ダウン。
AJがカズにスーパープレックスを狙う。カズが押し飛ばす。カートが駆け上がりカズに雪崩式ベリー・トゥー・ベリー。ダニエルズがカートにSTO。ダニエルズとAJが殴りあい。AJがヘッド・バッド連打。ディスカス・ラリアットへ。ダニエルズがチョーク・スラム。BMEへ。かわされ着地するもジャーマンを食らう。カズがカートにクローズラインを狙う。カートがかわしAJがカズにペイレイ・キック。タッチしたカートがダイビング・ボディ・プレス。カウント2でダニエルズがレフェリーを引きずり出す。AJが場外のダニエルズにスプリングボード式SSP。カートはAJの無謀な技に呆然。カズが隙を突きカートにリバース・ツームストンを狙う。カートが丸め込みアンクル・ロックへ。脚を巻きつける。カズがロープに手を伸ばすも耐え切れずタップ。
試合結果
@#1コンテンダーズ・マッチ:ブリー・レイvs.ジェームス・ストームAXディビジョン王座戦:オースチン・エリーズ(ch)vs.ジーマ・アイオン
Bタッグ王座戦:サモア・ジョー、マグナス(ch)vs.クリムゾン、マット・モーガン
CTV王座戦、オープン・チャレンジ:ロビーE(ch)vs.ディーボン(新チャンピオン!)
Dノックアウツ王座戦:ゲイル・キム(ch)vs.マディソン・レイン
EAJスタイルズ、ミスター・アンダーソンvs.カザリアン、クリストファー・ダニエルズ
Fジェフ・ハーディvs.カート・アングル
Gノー・ホールズ・バード:ボビー・ルードvs.スティング