TOPアメリカン・プロレスTNA 2012年 →TNA:Bound for Glory 10/14/12

TNA:Bound for Glory 10/14/12の分析


名勝負 なし
好勝負 ストリート・ファイト(エンフォーサー:キング・モー):ジェームス・ストームvs.ボビー・ルード

TNA王座戦:オースチン・エリーズ(ch)vs.ジェフ・ハーディ

@Xディビジョン王座戦:ジーマ・アイオン(ch)vs.ロブ・ヴァン・ダム
ATV王座戦:サモア・ジョー(ch)vs.マグナス

Bストリート・ファイト(エンフォーサー:キング・モー):ジェームス・ストームvs.ボビー・ルード
 NWA時代のタフ・マンを髣髴とさせる拳ベースの戦い。
 それでいて観客への訴えや技という見せ場もある。
 WWEでは観れない流血もあり期待通りの内容です。
 ストームも流血した状態で良いダメージ表現も見せます。
 表現だけでなくゴミ箱の蓋を連続して叩きつけるようなクレイジーさもある。
 ストームは顔一面を真っ赤に染め、NWAの陰鬱さのレベルにまで達しました。
 場所の移動も適切で飽きさせず、
 序盤の前振りを回収すると画鋲にまで発展させる。
 ストームがぐったりと表現をベースにする一方で
 ルードは逆に最後まで動くことでフォローしあいました。
 モーが胸を突き返しただけで微妙な関わり具合だったのがモヤっとするものの
 総じて素晴らしい試合でした。
 文句なしに好勝負。

C(ライアンは勝利すればTNAと契約):ジョーイ・ライアンvs.アル・スノウ

Dタッグ王座戦、4コーナー・マッチ:クロストファー・ダニエルズ、カザリアン(ch)vs.チャボ・ゲレロ、ヘルナンデスvs.AJスタイルズ、カート・アングル
 序盤カート、AJが忙しなく攻めたのは良し。
 ただ受け手のチャボが全然リアクションを取らないのが問題。
 まるでジョバーでキャラに沿ったアクセントもつけれていません。
 一方でダニエルズは自惚れヒールとしてキャラをしっかり見せれている。
 その分AJとのライバル対決は中核に据えられていませんけどね。
 個人で言えば出来不出来がありますが形式としては中々のもの。
 テンポ良くアクション数を稼いでいますし、
 また全て控えからタッチして転換しており理も通している。
 連携技を織り交ぜながらここまでスムーズで一糸乱れない進行は見事です。
 またダニエルズ、カズvs.AJ、カートが前回と同様
 独創的でレベルの高いを見せたので終盤も盛り上がっていました。
 チャボ、ヘルナンデスの王座奪取によりタッグ王座戦のレベルが下がることが明白なだけに
 結果にはちょっとがっかりするところもありますが素晴らしい試合でした。
 好勝負に少し届かず。

Eノックアウツ王座戦:ミス・テスメイカー(ch)vs.タラ

FノーDQ:スティング、ブリー・レイvs.エースズ&エイツ
 試合後A&Eがリンチ。ホーガンが登場。A&Eを蹴散らしてリングに入るとハルク・アップ。A&Eのマスクを剥ぐとその正体はディーボン。ホーガン、レイ、スティングは動揺している。ディーボンは笑いながら退場。

GTNA王座戦:オースチン・エリーズ(ch)vs.ジェフ・ハーディ
 エリーズはベビーフェイスからヒールへとシフトしAAキャラを見せます。
 ジェフも場外を使って得意のハードコア・ファイトで試合を組み立て。
 アピール力を踏まえた試合運びもまた素晴らしいですね。
 またエリーズの一貫性のある腰狙いに対して
 色気や疲労(半分リアルでしょうが)で表現・魅了してくる。
 なんだかんだいって最近のジェフは
 ここぞの試合で熟練ぶりを発揮してきますね。
 2回トペや花道スポット、そして軽いとはいえ流血も交えて激戦を演出。
 メジャーとしての趣を保ちつつ、
 インディーらしい激しい攻防も交え素晴らしい試合に仕上げました。
 予想に反してBfGのメインにふさわしい内容。
 ぎりぎり好勝負です。

総評
 今更ジェフの王座挑戦、AJとカートがタッグ・マッチに押し込められているということで
 観る前の期待は余り高くなかったものの
 蓋をあけてみれば素晴らしい試合が3試合も生まれました。
 他のカードはTV王座戦以外捨て試合でしたが、それは目をつぶりましょう。
 BfGとしてTNAの今年一番の大会に仕上がっています。
 (執筆日:10/16/12)

DVD Rating:★★★☆☆

注目試合の詳細

Bストリート・ファイト(エンフォーサー:キング・モー):ジェームス・ストームvs.ボビー・ルード
 殴り合いからスタート。ストームが押しエプロンに寝かしてニー。ルードが殴り返しモーと顔を突き合わせる。ストームがその隙を突いて殴りつけモーと顔を突きあわせる。ルードに柵へのロシアン・レッグ・スイープ。実況席へのアイ・オブ・ストームを狙う。ルードは逃れると鉄柱へのスリング・ショット。流血したストームの背中に椅子を叩きつける。竹刀、ゴミ箱をリングに投入。椅子をコーナーに設置する。その隙にストームが復活して竹刀を掴みルードに叩きつける。ルードはストームを花道に出すとゴミ箱を叩きつけようとする。ストームは防ぐとルードを引っ張り花道へのDDT。観客の松葉杖を叩きつける。ゴミ箱の蓋をお互い叩きつけ合う。ストームが押し勝ち連打。ルードがカウンターでスパイン・バスター。実況席に移動し殴り合い。ルードがストームにスピアーを決め隣のテーブルに道連れで落下。リングに戻してカウント2。レフェリーにつかみかかり抗議。モーがリングに上がり割ってはいる。ルードが胸を突く。モーが突き返す。ストームがルードにコード・ブレイカー。スーパー・キックを決めるがカウント2。もう1発狙う。ルードが受け止めコーナーの椅子にぶつける。そしてすかさず丸め込んでタイツを掴む。カウントは2。コーナー上にのせ椅子を叩きつける。リングに画鋲を撒き、スーパープレックスを狙う。ストームが突き飛ばして落としダイビング・エルボー・ドロップ。カウントは2。ルードがビール瓶を持ってくる。飲んでから瓶を叩きつけようとする。ストームがロー・ブローで阻止。飲んでから瓶を叩きつける。スーパー・キックを叩き込みカウント3。

Dタッグ王座戦、4コーナー・マッチ:クロストファー・ダニエルズ、カザリアン(ch)vs.チャボ・ゲレロ、ヘルナンデスvs.AJスタイルズ、カート・アングル
 カート、AJがチャボを攻める。ダニエルズが勝手にタッチしAJらと火花を散らす。その隙を突いてチャボが大勢を建て直す。カズの孤立へ。自らは控えの敵にタッチしないが押し込んだり、コーナーに近づいた際にタッチが起きる。AJがダニエルズを攻め込むもエプロンのカズにクローズラインを食らいダウン。カズ、ダニエルズに攻め込まれるもカズにペイレイ・キック。タッチしたカートがダニエルズ、ジャーマンにクローズラインを連発し投げまくる。ダニエルズがエプロンからカートにサンセット・フリップを狙うもアンクル・ロックに切り返す。カートはカットしにきたカズにジャーマン。ダニエルズに雪崩式ベリー・トゥー・ベリーを決めカズにぶつける。カバーするもカットされる。控えが次々と技を決めて行く。ダニエルズが場外のカートにアラビアン・プレス。ヘルナンデスがダニエルズを落としトペ。カズがエプロンのヘルナンデスに飛びつきヘッド・シザース。AJがスプリングボードでヘルナンデス、ダニエルズにトペ・アトミコ。リングでチャボがカートに3アミーゴを狙う。カートが防いでアングル・スラム。コーナー上へ。ヘルナンデスが捕まえボーダー・トスを狙う。AJがタッチして入りカット。カートと2人でヘルナンデスを投げる。ダニエルズがAJにBMEを決めるもカウントは2。チャボが場外にダイブ。リングでダニエルズがAJにエンジェルズ・ウィングを狙う。AJはリバース・スープレックスに切り返すと一回転してのリバースDDT。スタイルズ・クラッシュを狙う。ダニエルズが押し込んで防ぐとヘルナンデスがAJにタッチ。ヘルナンデスがダニエルズにボーダー・トス。チャボがすかさずフロッグ・スプラッシュでカウント3。

GTNA王座戦:オースチン・エリーズ(ch)vs.ジェフ・ハーディ
 エリーズが傲慢さを見せる。グラウンド・ヘッド・シザースを食らったところでドロップ・キックに持っていこうとする。ジェフがかわす。ジェフがサンセット・フリップへ。エリーズが逃れてドロップ・キック。 リングの周りを走り回ってアピール。コーナーの上に横になってみせる。怒ったジェフを見ても笑いながらリングに入ろうとする。ジェフがロープを蹴り上げて股間にぶつける。鉄階段にぶつける。柵にもたれさせると鉄階段を踏み台にレッグ・ラリアットウィスパー・イン・ザ・ウィンドへ。エリーズはかわして自爆させるとセカンド・ロープからエルボー・ドロップ。カウント2。ジェフがカウンターで蹴り。セカンド・ロープにのりアピール。ボディ・プレスにいくも剣山を食らう。エリーズが腰狙いで攻めて行く。ジェフは中々反撃の糸口をつかめない。ジェフがようやく反撃しコンビネーションのドロップ・キックやウィスパー・イン・ザ・ウィンド。カウント2。ツイスト・オブ・フェイトは防がれるがすかさずヘッド・シザースで落とす。プランチャへ。エリーズはリングに戻ることでかわして自爆させるとトペ・スイシーダ。もう1発決めるもカウント2。ならばとラスト・チャンスリー。ロープ・ブレイク。花道に出してブレーン・バスターを狙う。ジェフが後ろに着地しツイスト・オブ・フェイトを狙う。エリーズが押し飛ばしクローズラインでロープに叩きつける。更にロープで横にしてネック・ブリーカー。リングに戻しミサイル・キック。串刺しドロップ・キックへ。ジェフがカウンターで蹴り。ローリング・エルボーを防ぐとツイスト・オブ・フェイト。カウントは2。ならばとスワントーン・ボムへ。エリーズがロープにもたれ体勢を崩させる。トップロープにたって雪崩式ハリケーン・ラナ。串刺しドロップ・キックからブレーン・バスター。しかしカウントは2。コーナーに逆さつりにしてダブル・ストンプを狙う。ジェフはかわすとスタナーからツイスト・オブ・フェイト。シャツを脱ぐとスワントーン・ボムでカウント3。
[Winner:ジェフ・ハーディ(新チャンピオン!)(24:00)]

試合結果

@BfGシリーズ準決勝:ジェフ・ハーディvs.サモア・ジョー
ABfGシリーズ準決勝:ブリー・レイvs.ジェームス・ストーム
Bノックアウツ王座戦:ミス・テスメイカー(ch)vs.タラ
CXディビジョン王座戦:ジーマ・アイオン(ch)vs.ソンジャイ・ダット
Dロブ・ヴァン・ダムvs.マグナス
Eタッグ王座戦:クリストファー・ダニエルズ、カザリアン(ch)vs.AJスタイルズ、カート・アングル
FBfGシリーズ決勝:ジェフ・ハーディvs.ブリー・レイ