TOPアメリカン・プロレスTNA 2011年→ TNA:Turning Point 11/13/11

TNA:Turning Point 11/13/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@TV王座戦:エリック・ヤング(ch)vs.ロビーE
 序盤はエリックのおちゃらけ。
 ヒールをからかうのはファン・マッチの王道だけれども
 相手無視で自己完結している内容でいまいち。
 ロビーEの支配ターンになっても試合は改善されない。
 ヤングは何を強みとして見せたいのか分からないですね。
 ハルク・アップならぬヤング・アップを使いだした事にも原因があるでしょうね。
 ネタの性質上、過程に対する注意力が落ちるのも当然です。
 オープニングとしてファン・マッチを目指すにしても密度が薄過ぎる内容。
 悪い試合です。

Aタッグ王座戦:メキシカン・アメリカ(ch)、サリータvs.インクInc、トキシン
 このカードならヘルナンデスxジェシー、アナルキアxムーアになるのは分かるけれども
 その絡みでの色分けが微妙な事になっていますね。
 ヘルナンデスもジェシーもパワーをしっかりアピールできず、
 アナルキアは只やられて、不必要に尻を丸出ししている。
 ノックアウトは一部に活躍の場面を絞っており大勢に影響は及ぼしませんでした。
 尤も足を引っ張れるレベルじゃないですけど。
 最後はチープ・フィニッシュで終了。
 悪い試合です。

BXディビジョン王座戦:オースチン・エリーズ(ch)vs.ジェシー・ソーレンセンvs.キッド・カッシュ
 ベテラン2人が新人ジェシーに襲い掛かる形です。
 普通は2人が仲間割れする形ですが、
 ジェシーが一番弱くフォールを取りやすいからではなく
 ジェシーに敬意を叩き込むという理由で協力しているので
 最後までエリーズとカッシュの攻防はありません。
 それが逆に良かったですね。
 カッシュはハード・ヒッターですし、
 エリーズは陰謀を画策するストーリーを語れる選手ですから。
 ジェシーにここまでの待遇をする必要はあるのか、という前提に関しては議論の余地がありますが
 やるとしたなら間違いなくこの2人が適役です。
 ジェシーがネクスト・ビッグ・シングでなくても応援したくなりましたよ。
 まあまあ良い試合。

CノーDQ:RVD vs.クリストファー・ダニエルズ
 このカードを見てまず思うのはダニエルズ+ノーDQという組み合わせ。
 そこに不安要素を感じましたね。
 しかしノーDQとして組まれているからといってそうする必要はない、
 レスリング・マッチをしようじゃないか、と言いだしてきました。
 現状のダニエルズのヒール・キャラを上手く使った答えです。
 終盤で言い出しっぺの自分から禁を破って椅子を持ち出し、最後は負けるのも鉄板ですね。
 RVDは若干一貫性に欠ける所がありましたが、
 様々な技が次々と流の中で飛び出してきて状態は良かったですね。
 レスリング・マッチらしい何が起きるか分からない面白みのある内容。
 平均的な良試合。

Dクリムゾンvs.マット・モーガン
 パワーとスピード両方兼ね備えた者同士が攻め合いでぶつかり合う。
 これが形になると特異的な試合として爆発できる可能性がありますね。
 だからこそガソリンが切れるまでアクセルを押しっぱなしにするのが正解なのに、
 どうしてもシンプルに突っ切れない。
 特にモーガンがブレーキをかけている場面が目立ちますね。
 本人としては緩急を意識しているんだろうけど。
 最後は笑顔で拳を打ち込みあいます。
 それは良いもののその次の首を掴んでの殴り合いはリアルとは程遠いし、
 KOで意味がある内容なのにノー・コンテストでは台無しというものです。
 悪くない試合。

Eミスター・アンダーソン、アビスvs.ブリー・レイ、スコット・スタイナー
 流れを作る努力が一般放送レベルで何も印象に残らない攻防です。
 スコットも雪崩式サモアン・ドロップだったりと技は出すのですが
 その使い所が全然考えられていないですね。
 最後は相手陣営でタッチして交代が認められるという斬新なルール解釈からフィニッシュ。
 試合後アビスがテーブル葬されるも平然と起き上がって
 アンダーソンなんていらないよな、という結論に達してしまう。
 ひどい試合。

Fノックアウツ王座戦:ベルベット・スカイ(ch)vs.ゲイル・キム
 キムは技にキレがあるが、だからこそベビーフェイス向きです。
 リアルな人間関係から無駄に存在感だけあるカレンにつかれてちゃんとヒールがやれるのでしょうか。
 スカイは戦っていて何の見せ場も生まれない相手だし見所は皆無。
 ひどい試合でした。

Gジェフ・ハーディvs.ジェフ・ジャレット
 ハーディがヘルメットをつけて登場しました。
 それが最大の見所です。
 5秒決着後再戦を行いますが、その中身といったら5秒の試合とさほど変わりはしません。
 ハーディは不安定ですし、JJは煽るだけで勝利に結びつくとはこれっぽっちも思えない攻めでした。
 元々ダメージ値の高い技を使わない選手ではありましたけどねぇ。
 あぁ、もう1つ見所がありました。
 ハーディが背中にタトゥーを入れたようです。
 ひどい試合。

HTNA王座戦:ボビー・ルード(ch)vs.AJスタイルズ
 ルードはへたれヒール路線のようですが、
 同時に力強く充実しているのも魅力ですね。
 この両立がまだ十分出来ていないようです。
 相手に攻められている時にもう少し身振りを大きくして
 やられっぷりを印象に残したい所です。
 クオリティの面からはメインを安心して任せられますが、
 金を稼げれるか、試合における+α要素を作れるか、という面では
 まだまだ急造の王者だな、という印象が残りましたね。
 AJは一方的に攻めるシーンが多く、
 その中でAJらしさは出せていますが、
 相手と完全に合致して試合を進めれないとヘビー級ではないという事実を必要以上に見るものに感じさせてしまいます。
 まあまあ良い試合。
 やっぱり一度PPVのメインでBM対決をやっていても良かったのではないかしらん。

総評
 TNAにしては珍しくコントロバーシャルなストーリー展開がなく
 レジェンドの試合もほとんどありません。
 そのせいでまったくもってカード通り、実力そのままの内容となっています。
 特筆に値しません。
 (執筆日:11/14/11) 
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@TV王座戦:エリック・ヤング(ch)vs.ロビーE(新チャンピオン!)
Aタッグ王座戦:メキシカン・アメリカ(ch)、サリータvs.インクInc、トキシン
BXディビジョン王座戦:オースチン・エリーズ(ch)vs.ジェシー・ソーレンセンvs.キッド・カッシュ
CノーDQ:RVD vs.クリストファー・ダニエルズ
Dクリムゾンvs.マット・モーガン(ノー・コンテスト)
Eミスター・アンダーソン、アビスvs.ブリー・レイ、スコット・スタイナー
Fノックアウツ王座戦:ベルベット・スカイ(ch)vs.ゲイル・キム
Gジェフ・ハーディvs.ジェフ・ジャレット
HTNA王座戦:ボビー・ルード(ch)vs.AJスタイルズ