TOPアメリカン・プロレスTNA 2011年→ TNA:No Surrender 9/11/11

TNA:No Surrender 9/11/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@#1コンテンダーズ・マッチ:ジェシー・ソーレンセンvs.キッド・カッシュ
 ソーレンセンはアーム・ドラッグからフォールを返されての浮きまで
 いちいち体を大きく使っているのが良いですね。
 ただパンチは下半身をまったく使っていないのでいまいちですけど。
 一方のカッシュはベテランらしくキャラ・アピール、試合のコントロールをバランスよく織り交ぜています。
 またこれまでにない荒っぽいファイトはソーレンセンのような新人の頑張りが映える。
 表舞台に再び出てくるだけのものがありますよ。
 最後はガンナーがリバースDDTを決めフィニッシュ。
 確かに新人はまだ必殺技を知られてないから認知させる事は重要だけど
 新人が必殺技一発で大逆転というのは少々厳しいものがありますねぇ。 
 悪くない試合。

ABfGシリーズ:ブリー・レイvs.ジェームス・ストーム
 ブリーはやたら焦らし過ぎ。
 ストームはいきなりアーム・ドラッグ連発からアーム・バーにいくように腕攻めに絞ったユニークな攻め。
 しかしこちらも悪い意味で拘りすぎ。
 そして拘りまくったのに最後シャープ・シューターを混ぜたのは意味不明。
 悪い試合。

Bノックアウツ王座戦:ミッキー・ジェームス(ch)vs.ウィンター
 序盤のヒール戦略をミッキーが返り討ちする形。
 それは定番であり印象的だけど、只数を重ねようとしているのは感心しない。
 序盤は一応スピードがあったから成り立っていたけど
 終盤のベルト攻撃なんかは本当に出鱈目なタイミングです。
 レフェリーとの見ない/見せないの息の合わせ方もひどすぎます。
 最後はウィンターのミストを絡ませた攻防ながら
 1回目、失敗したのか色がついていないため誤爆したラブが苦しんでいるのが茶番に見える。
 それこそ実は誤爆を装っていたとすればヒール味も出るのにねぇ。
 悪い試合。

Cタッグ王座戦:メキシカン・アメリカ(ch)vs.ディーボン、ディアンジェロ・ディネイロ
 アナルキアは声、姿、振るまいが見事に小物として絵になっている。
 ヘルナンデスとのちょっと穴があるタッグ・カラーも良い。
 それに対しディーボン、ポープは息のあった連携が求められますが、こちらはまだ粗いですね。
 しかしポープはかつての勢いある攻めが戻ってきているし、
 ディーボンはパワフルな動きを見せている。
 だからといってヘルナンデスが安易に倒れる受身を取るのはどうかと思いますけどね。
 本格的なタッグ・マッチではないがセコンドのロジータら含めそれぞれが楽しませてくれた内容。
 平均レベルです。

Dサモア・ジョーvs.マット・モーガン
 ジョー、モーガンのような体格でじっと受けるのは少々不自然ではあるが
 人工的な流れをつくり、それにより持ち技を早い段階から織り込む構築はユニーク。
 その中でモーガンは体格があるのにダイビング・クロス・ボディも出来るという独自の魅力を取り戻し再生している。
 中盤からはジョーが相手の抵抗を無視した良い意味で自分勝手な試合運びで
 モーガンが受け手に回るだけの攻めを見せてくれました。
 クリムゾン戦に続いてジョーが相手のカラーから新しく世界観を作った面白い内容に仕上げました。
 平均的な良試合。  

EBfGシリーズ:ガンナーvs.ボビー・ルード
 ルードの腕狙いは一貫性があるし。
 それに対しガンナーが、腕が痛む中で反則技を効果的に使おうとするのも納得がいく。
 しかし前のBfGシリーズと同じで方向性はしっかりしているのにそれをどう豊かにするかがまったく考えられていない。
  終盤の技を食らった後のダウン調整もいまいち。
 コンセプトで自ら首を絞めてしまった内容。
 少し悪い試合です。

FXディビジョン王座戦:ブライアン・ケンドリック(ch)vs.オースチン・エリーズ
 序盤はエリーズがペースを掴んだと思いきや、やられる展開。
 上手く定番というものを利用していますね。
 そのような攻守が盛りだくさんになる中で
 ROHの一戦を思い出すようなスライス・ブレッド#2の防御を要所に配置している。
 エリーズが技とキャラをバランスよく融合させたAAスタイルを見せ付けた内容。
 平均的な良試合。
 
GBfGシリーズ決勝:ブリー・レイvs.ボビー・ルード
 ルードを支持する声は思ったより大きいですね。
 その中でルード自身も自分はスターである、と静の魅力で持ってアピールしている。
 ただそういうアピールで流れが余り生み出せていないように適切な試合運びが用意できていない。
 前の試合で相方のストームがブリーの腕を攻めて、
 自身が腕攻めで勝ちを掴んだ状況にありながら、今回腕攻めをしないのも良く分からないですね。
 まあ全9試合の中3試合で腕攻めというのは問題でしょうが、
 それなら何故両シリーズで腕攻めをさせたのかという話。
 クライマックスも決勝らしくなくいまいち。
 悪くない試合。

HTNA王座戦:カート・アングル(ch)vs.スティングvs.ミスター・アンダーソン
 カートは、お前らでやれ、といっている直後にリングに戻って2人に攻められます。
 まるでちぐはぐだけどこんな事になるのは残り2人のせいです。
 最初から最後までまるで5秒先のビジョンの欠片も感じられなかった。
 特にスティングはカートがヒールとして戦略的に動くからでしょうが
 これまで以上にジョーカーVerである意味性が感じ取れず。
 また3人の入れ替わりも微妙。
 タイミングは相手が落とされたから入るという完全に同時のタイミングで、
 攻撃はその後場外でじっと倒れておくには弱すぎるものです。
 といってもカートが脚を引っ張られまくったという印象でもない。
 確かに終盤の要所でのジャーマンを使った変化付けは見事ながら
 カート自身の衰えも感じさせる働きでした。
 悪くない試合。

総評
 ぱっと見筋を通そうという意図やスターを生み出そうとの思惑に
 相変わらずWWEへの後追い意識が見える。
 しかし肝心のBfGシリーズは低調でメインも同じく。
 BfGメインはカートvs.ルードという思い切ったカードになりましたが、
 これではちょっと心配ですねぇ。
 (執筆日:9/12/11) 
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@#1コンテンダーズ・マッチ:ジェシー・ソーレンセンvs.キッド・カッシュ
ABfGシリーズ:ブリー・レイvs.ジェームス・ストーム
Bノックアウツ王座戦:ミッキー・ジェームス(ch)vs.ウィンター(新チャンピオン!)
Cタッグ王座戦:メキシカン・アメリカ(ch)vs.ディーボン、ディアンジェロ・ディネイロ
Dサモア・ジョーvs.マット・モーガン
EBfGシリーズ:ガンナーvs.ボビー・ルード
FXディビジョン王座戦:ブライアン・ケンドリック(ch)vs.オースチン・エリーズ(新チャンピオン!)
GBfGシリーズ決勝:ブリー・レイvs.ボビー・ルード(優勝!)
HTNA王座戦:カート・アングル(ch)vs.スティングvs.ミスター・アンダーソン