TOPアメリカン・プロレスTNA 2011年 →TNA:Lockdown 4/17/11

TNA:Lockdown 4/17/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@#1コンテンダーズ・エクスケープ・マッチ:マックス・バックvs.ジェレミー・バックvs.アメージング・レッドvs.ロビーEvs.クリス・セイビンvs.スーサイドvs.ケンドリックvs.ジェイ・リーサル
 ケンドリックは一瞬カリスマ性を発揮できるようになったように見えましたがその実キャラが滑っていますね。
 ケンドリック自身の演技のみならずTNA側の扱いも分からない。
 途中までコーナーに座り込んで参加させずクレイジーぶりをアピールさせたにも関わらず
 最後の3人にまで残ってベビーフェイスの役割を任せるのですからね。
 マックスはロビーと手を組んでジェレミーと良い関係性を見せていますが、
 シングルだと色が足りないというのが本音。
 ジェレミーは加えて遺恨表現がちょっとわざとらしいものがあります。
 リーサルは今の地位がぴったりという感じ。
 プレッシャーもなく伸びやかなムーブを繰り出して光っています。
 セイビンとレッドの攻防は立体的で素晴らしかったですね。
 試合としてはエクスケープ・ルール、脱落ルールに足を引っ張られた所が大きい。
 行動によって生まれた価値と脱落がつりあわないから継承されていかないのです。
 それでライト・テイストになってしまってます。
 まあオープニングなので許容範囲内ですけど。
 平均より少し上。

Aケージ・マッチ:スコット・スタイナー、クリムゾンvs.エリック・ヤング、オーランド・ジョーダンvs.ブリティッシュ・インベイジョンvs.インクInc
 4チームとも試合の中核に入り込んでおらず、
 それぞれが勝手にすみっこでアピールしているだけ。
 最後の脱出vs.ピンフォールも空振ってます。
 ひどすぎる試合。

Bノックアウツ王座vs.ヘア、ケージ・マッチ:マディソン・レイン(ch)vs.ミッキー・ジェームス
 ミッキーの肩の負傷のせいで30秒決着。
 少なくとも負傷を受けても王座移動を変更しなかったのは良し。

Cケージ・マッチ:サモア・ジョーvs.ディアンジェロ・ディネイロ
 ポープは前回滑ってた記憶があるけれども
 いきなりボディ・スラムを決めるようにそれ程制限は作らず、
 自身の武器、インサイド・ワークを使って色分けで攻防を行う事が出来ています。
 真っ向からの張り手の打ち合いは意表をついていたし面白かったですね。
 只ベースは結構待ちが見えていて精度を向上させる余地はありますね。
 終盤もフィニッシュ以外は今一つな感ありです。
 平均より少し上。

Dケージ・マッチ:ヘルナンデスvs.マット・モーガン
 何故モーガンはいきなりバック・エルボー連打にいくのでしょう。
 持ち技の価値がない。
 受けでもぐったりででかい者同士が戦っている迫力もなし。
 メヒコ軍を作ってもトップのヘルナンデスがこれではどうしようもない。
 ひどい試合。 

Eウルトラ・メイル・ルールズ・ケージ・マッチ:カート・アングルvs.ジェフ・ジャレット
 1本目。
 サブミッション・マッチとはいえサブミッションに拘り過ぎですね。
 リズムを壊していてサブミッションの切り返し合いはテクニカルだけど
 試合の構築としては余り褒められたものではありません。
 4分で終えるなら先にピンフォールでやった方が格好がついたように思います。
 2本目。
 ケージを使う頻度を増やしステージを上げていきますが、展開の妙に乏しいですね。
 こちらもピンフォール・マッチだからサブミッションは関係ないという短絡的思考に陥っているのが残念です。
 3本目。
 眼を見張るスポットはありましたね。
 トップ・ロープからのパワー・ボムは試合を続行出来たのが不思議な程です。
 しかしカートが扉から出ようとして考え直すのは去年のアンダーソン戦、
 第3者がケージの外に椅子を持って陣取り、その結果ケージ上からムーンサルトというのはベノワ戦でやったネタです。
 最後のカレンの介入も一旦退場していようと驚きではないし、
 二番煎じの印象が前面に出てしまう結果となっています。
 MOTNだが完成度の高い試合でもないし、
 私生活を持ち込むまいとする分遺恨も突き詰め切れていません。
 中々良い試合。

FTNA王座戦、ケージ・マッチ:スティング(ch)vs.RVDvs.ミスター・アンダーソン
 アンダーソンがエゴを前に出して標的になる形からスタート。
 スティング、アンダーソンが早い段階で必殺技を出していますが、
 悲しいかな、そこに違和感はなく構築上貢献しています。
 アンダーソンは良い意思疎通が出来ていませんでしたね。
 凡庸な仕事が続きます。
 最後は全員ダウンした所からホーガンが登場。
 特に良いとはいえないもののザ・ロックよりかは適切な絡み方です。
 平均レベル。

Gリーサル・ロックダウン:イモータル(ブリー・レイ、マット・ハーディ、アビス、リック・フレアー)vs.フォーチュン(カザリアン、ジェームス・ストーム、ロバート・ルード、ダニエルズ)
 アビス対カズでスタート。
 カズは良いですね。
 パワーの前に体格の小ささを認めつつしっかりと反撃が出来ています。
 一方のアビスはもうキャリアも長いので改善は見られないでしょう。
 しかしその存在感は使いようはある訳で、
 チームの中の強力な戦力として1番手以外で使ってやるべきでした。
 次に入ったのはマットとダニエルズ。
 マットはそのシーンのための、ワン・フォー・オールの攻防が出来ています。
 ダニエルズはインパクトに欠ける欠点が露呈しながらもカズとの合体技を見せるなどして合格点。
 フレアーとストーム。
 入ってきたレスラーがすぐに見せ場を務めるのが一般的ながら
 ストームがフレアーに瓶を叩きつけ流血させるという驚きのスポット以外は目立たず。
 マットが躍動感ある動きだったり遺恨を感じさせる動きを見せたりとバランス良く貢献していましたね。
 ルードとレイ。 
 ルードはストーム含め他の影に隠れる形。
 天井が下りる直前に定番のビア、マニー!のアピールをしただけですね。
 このシーンで目立ったのは一足遅れのフレアー。
 前に倒れこむムーブやケージを上って逃げようとしたりと定番ムーブで沸かせていました。
 天井が下りてからは単発X2だけながらスポットのでかさで勝負。
 ダニエルズの天井からのダイブとAJのサプライズ復帰。
 お膳立てでリングを制圧する際のレイの凶器攻撃もハードでした。
 フィニッシュは脇固めなんかじゃなくAJにスタイルズ・クラッシュを打たせれば良い気がしましたね。
 各シーンを誰かしらが引っ張っていて、密度は濃くないもののメインを務めるに値する程には良い内容です。
 平均的な良試合。
 (執筆日:2/15/11)

総評
 TNA王座戦とリーサル・ロックダウンの入れ替えも利いて
 比較的バランスの良い大会になっています。
 しかし実に普通の大会です。
 一般的な水準でしかありません。
 シングル・マッチを削ってこれだけ多くのレスラーを参加させるのなら
 もう少し豪華な大会だという印象を残したかったですね。
 その点でWMを超えたと言い切れずWMよりましだったね、という言い方になる。
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@#1コンテンダーズ・エクスケープ・マッチ:マックス・バックvs.ジェレミー・バックvs.アメージング・レッドvs.ロビーEvs.クリス・セイビンvs.スーサイドvs.ケンドリックvs.ジェイ・リーサル
Aケージ・マッチ:スコット・スタイナー、クリムゾンvs.エリック・ヤング、オーランド・ジョーダンvs.ブリティッシュ・インベイジョンvs.インクInc
Bノックアウツ王座vs.ヘア、ケージ・マッチ:マディソン・レイン(ch)vs.ミッキー・ジェームス(新チャンピオン!)
Cケージ・マッチ:サモア・ジョーvs.ディアンジェロ・ディネイロ
Dケージ・マッチ:ヘルナンデスvs.マット・モーガン
Eウルトラ・メイル・ルールズ・ケージ・マッチ:カート・アングルvs.ジェフ・ジャレット(2-1)
FTNA王座戦、ケージ・マッチ:スティング(ch)vs.RVDvs.ミスター・アンダーソン
Gリーサル・ロックダウン:イモータル(ブリー・レイ、マット・ハーディ、アビス、リック・フレアー)vs.フォーチュン(カザリアン、ジェームス・ストーム、ロバート・ルード、ダニエルズ)