TOPアメリカン・プロレスTNA 2011年→ TNA:Hardcore Justice 8/7/11

TNA:Hardcore Justice 8/7/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@Xディビジョン王座戦:ブライアン・ケンドリック(ch)vs.アレックス・シェリーvs.オースチン・エリーズ
 TNAに復帰を果たしたエリーズはAAキャラ。
 他の2人を敵に回し、前半は場外で様子を伺い、後半は3人目をリングに上がらせない形。
 Big Bangを思わせますね。
 3ウェイならではの驚き、スリリングさはないものの
 シェリーがグラウンド・テクニックを遺憾なく発揮していて目を引きます。
 その結果としてケンドリックは王者なのに存在感がなし。
 クライマックスの雪崩式スライス・ブレッド#2もミスしていましたね。
 キャラもころころ変わっている印象でとてもTVでプッシュすべきとは思えない状態です。
 エリーズのケンドリックに濡れ衣を着せるスポットが
 一瞬理解できないように3人の息が思ったより合わず、
 単独でそこそこ頑張っているだけの内容。
 平均より少し上。

Aタッグ王座戦:タラ、ミス・テスメイカー(ch)vs.サリータ、ロジータ
 テスメイカーの勢いとタラのパワーは良さ気でしたが、
 テスメイカーはサリータがリズムに乗れるような受けが出来ないし、
 タラはちょっと融通が利かない所が出てきており、
 非情になればそろそろ切り捨てるべき時かもしれない。
 サリータは変なマスクをつけているが滑り気味。
 元々ギミックの似合わない選手ではあったけれど
 無理矢理ギミックを加えるより他の選手候補を探した方が良いと思いますねぇ。
 ロジータはインサイド・ワークにおいて
 相手との感覚が合わず失態続き。
 雑に構成された内容で、ひどい試合。

BBfGシリーズ:ディアンジェロ・ディネイロvs.ディーボン・ダッドリー
 試合開始時にポープがリングに寝てわざと負けようとし、
 ディーボンがそんな勝利はいらない、と挑発して戦いになるという展開がありました。
 その戦いになった後のポープの試合振りが無気力なのだから笑えない。
 きびきびと充実した動きが出来る、ってのが売りだったのにね。
 相手のディーボンがヘビー級でやりづらい事を言い訳に出来ない内容でした。
 ディーボンもブリーに比べると感情は伝わらずいまいち。
 ひどい試合。

Cノックアウツ王座戦:ミッキー・ジェームス(ch)vs.ウィンター
 展開を考えてもミッキーがいきなりドラゴンスクリューを打ったのは場違い。
 物事には順序というものがあるのです。
 その後も構成がひどく、ベビーフェイス/ヒールでかろうじてストーリーが分かる程度。
 ウィンターは攻めの繋ぎが出来ていなくてマイナス。
 最後のミストも中途半端過ぎてばっちい印象を受ける・・・。
 ひどい試合。

DBfGシリーズ:RVDvs.クリムゾン
 クリムゾンは引き続きMMAや強さのイメージを携えている。
 そこに可能性が見えます。
 RVDはやや自らを矮小しているが
 蹴りをコンスタントに打ち相手との差別化を明確にしたのは良し。
 所々の攻防は雑だが楽しめる内容です。
 しかし終盤がひどく、両者ダウン後いきなりフロッグ・スプラッシュが炸裂します。
 そしてフィニッシュは試合を見ていてリンのカットでDQというもの。
 これで大きく落として悪くない試合、という評価になります。

Eフォーチュン(AJスタイルズ、カザリアン、クリストファー・ダニエルズ)vs.イモータル(アビス、ガンナー、スコット・スタイナー)
 序盤はサンドバックより劣る相手にAJらが技を披露するというもの。
 残念な内容になりそうなスタートでしたが、
 イモータルのメンバーのバランスが予想以上に良く、
 試合が進むにつれてチーム戦という雰囲気が出てきました。
 アンダーソンをスコットに入れ替えたのは正解でしたね。
 スコットとガンナーが体格で被っているものの
 ガンナーは積極的に控え受け等の役回りを引き受けるのに対し、
 スコットは受けででしゃばらず定番芸の攻めに徹しているので差別化されている。
 キャリアが長いだけあって今何が求められているかの判断は他の2人よりも優れていました。
 あくまで比較してですけど。
 アビスも引き続き状態は良く存在感を示している。
 試合全体としても雑ではあるものの
 要所の展開はダイナミックで最後もテーブルを絡ませて〆ています。
 まあまあ良い試合でMOTN。

Fブリー・レイvs.ミスター・アンダーソン
 試合開始時の拳は思ったより気持ちがのっているアンダーソンでしたが・・・
 攻めすぎ。
 そしてカウンターでバック・エルボー食らっただけで完全にダウン。
 構築上何の役にも立たない受け一辺倒に早変わり。
 終盤はいきなり必殺技を絡ませるし、
 ブリーを担げなくて失態を晒すしで、
 TVに出ている他の誰よりも駄目な試合っぷり。
 ひどい試合でした。

Gタッグ王座戦:ビア・マニー(ch)vs.メキシカン・アメリカン
 復帰したストームが万全である事を印象づけるよう
 BMが躍動感ある連携を見せています。
 相手も悪くなかったですね。
 アメリカンは受けの移動距離を大きく取って合わせているし、
 ヘルナンデスはタッグの2人目としては空気を読めるタイプです。
 攻めにおいても事故というべき強烈な体当たり系の技を見せている。
 只王座戦に絡むにはもう一歩。
 BMを孤立させるシーンがワン・パターンですし、
 アナルキアが後半埋もれています。
 ラストなんてヘルナンデス転落の衝撃を受けてコーナー上で体勢を崩しかける動きがあっても良いはず。
 道化色をつけると良いと思いますね。
 悪くない試合。 

HTNA王座戦:スティング(ch)vs.カート・アングル
 ジョーカー・スティングはスキット・キャラとしては面白いと思います。
 このPPVのオープニング映像は一番の見所かもしれませんから。
 ただし、試合に改善効果はなく衰退の一途を辿るばかり。
 その余波を受けてかカートも味気ない試合運び。
 グラウンド・サブミッションを挟む基礎の流れをなぞるだけです。
 ボリューム不足のまま終盤へ。
 早々に必殺技のカードを切りますが、
 そのくせカートお得意のボリュームのある攻防は見られず。
 積み重なっていない動きも半分ぐらいあります。
 スティングもジョーカーVerの変更点か、掟破りをやっていますが、
 自分の必殺技との織り交ぜは全然駄目です。 
 最後は無理のありすぎるレフェリー誤爆からホーガンが絡んできて〆。
 カートのヒール・ターンらしいですが、
 相対するホーガンがスティングにどんだけ翻弄されていようと
 試合への介入を試みた人物ですので分かりにくいですね。
 悪くない試合程度。

総評
 余りに未来の見えない内容なのでメインを見てホーガンvs.カートを期待してしまう・・・。
 (執筆日:8/8/11) 
DVD Rating:☆☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@Xディビジョン王座戦:ブライアン・ケンドリック(ch)vs.アレックス・シェリーvs.オースチン・エリーズ
Aタッグ王座戦:タラ、ミス・テスメイカー(ch)vs.サリータ、ロジータ
BBfGシリーズ:ディアンジェロ・ディネイロvs.ディーボン・ダッドリー
Cノックアウツ王座戦:ミッキー・ジェームス(ch)vs.ウィンター(新チャンピオン!)
DBfGシリーズ:RVDvs.クリムゾン(DQ)
Eフォーチュン(AJスタイルズ、カザリアン、クリストファー・ダニエルズ)vs.イモータル(アビス、ガンナー、スコット・スタイナー)
Fブリー・レイvs.ミスター・アンダーソン
Gタッグ王座戦:ビア・マニー(ch)vs.メキシカン・アメリカン
HTNA王座戦:スティング(ch)vs.カート・アングル(新チャンピオン!)