TOPアメリカン・プロレスTNA 2010年→TNA:Victory Road 7/11/10

TNA:Victory Road 7/11/10の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

Twin PackとしてNo Surrender 9/5/10と同梱。

@Xディビジョン王座戦、アルティメットX/サブミッション・マッチ:ダグ・ウィリアムス(ch)vs.ブライアン・ケンドリック
 サブミッションでギブ・アップさせる事でベルトを手にする権利を得るのかと思いきや勝利条件が2つあるという形式です。
 こうなると狙いが分散する上に、テクニカルなダグがアルティメットXを、逃げキャラ&軽量級のケンドリックが慣れないサブミッションを狙う、という逆さまな状況になっています。
 ダグは意外にサイコロジーが下手という欠点を露呈したし、
 ブック・レベルでもレスラーの方でも見事に外した内容。
 最後は唯一ロープにぶらさがった状態のスポットから、
 落とす側のケンドリックが負傷、ダグがサブミッションをかけるという微妙なフィニッシュでした。
 悪い試合。

Aブラザー・レイvs.ジェシー・ニールvs.ブラザー・ディーボン
 ディーボンは控え室に閉じ込められるのでまったく人間関係を描く余地なし。
 レイ、ニールの行動はまったく記憶に残らず。
 最後にディーボンが出てくるも一瞬で試合が決着・・・。
 ストーリー・テリングもへったくれもあったものじゃない下手な試合。
 ひどい試合です。
 (執筆日:9/20/10)

Bタイトルvs.キャリア:マディソン・レイン(ch)vs.アンジェリーナ・ラブ
 試合レベル下がりすぎ。
 軸のぶれないWWEディーバの方が見れるでしょう。
 また最後も謎のバイカー(タラ)の乱入&予告なしに反則で王座移動させるというひどいオチ。
 王座を移動させれば良いなんて考えは末期WCWの物です。
 ひどすぎる試合。

CAJスタイルズ、カザリアンvs.ロブ・テリー、サモア・ジョー
 テリーのピュアなパワー・アピールは良いと思いますよ。
 不器用な所も含めてキャラとして素質がある。
 このテリーを中心にジョーの補佐や、
 AJ、カズの小ざかしさ、連携力が輝いた内容。
 ウルフ乱入もあり8分で終わりましたが、普通にもっと長い時間見たかったと感じましたよ。
 まあまあ良い試合。
 (執筆日:9/20/10)

Dケージ・マッチ:マット・モーガンvs.ヘルナンデス
 ヘルナンデスが俊敏に動き、モーガンが煽りと2人共意識はあるようですね。
 ただ試合を作ろうとして作れる選手ではありません。
 何も考えず、只々その役にのめりこみリアリズムの乱戦で勝負して欲しかったですね。
 ケージ上ダイブやフィニッシュの仕方など見所はありますが悪い試合。
 このフィニッシュなら試合後に殴り合いがあっても良さそうなものだったけど。

Eリック・フレアーvs.ジェイ・リーサル
 序盤は良いですね。
 フレアーが年齢故に鈍いからといって躊躇する事なく、
 経験で洗練された一連の攻防を行っています。
 その後はチョップの打ち合いからスーパープレックス、フレアーの脚攻め、と
 余りにシーン間の脈絡がないのが駄目。
 その後はリーサルが脚の痛みをセールして対等なレベルに落ちて攻防ですけれども、
 フレアーの衰えが典型的な脚攻めの感覚にまで及んでいるのは残念でした。
 試合としてはそこまでではありませんが
 フレアーがこんな年になってもスーパープレックスを受け尻を丸出しにするといった驚きと、
 リーサルがフラッシュバック的な意味合いで(なんかずれているけど)技を選んで締めてきた事でファン・マッチとしては成立しています。
 平均レベル。

Fタッグ王座戦:モーター・シティ・マシンガンズvs.ビア・マニーInc
 MCMGが動き回るもそれに対するBMIの受けが単一的ですね。
 また調整する過程で細部が零れ落ちレベルが落ちている所もある。
 しかし全体を通してマイナス面と言うべき欠点は出さず、
 高いレベルで良い物を生み出して行っている。
 終盤は複数人のスポットで連鎖的に爆発させます。
 レフェリー誤爆、再開のブックも変化を必要としている状況にありましたから良いですね。
 中々良い試合。

Gカート・アングルvs.ディアンジェロ・ディネイロ
 ディネイロはレスリングで相手に捕らえられた時、
 動くタイミングに意図がないのでクオリティを上げる理生むが生まれません。
 一方でスタンディングにおいてはカートのキャリーに乗って良い攻防、間を見せています。
 それにしても旬のレスラーだったはずのポープのアピール力、観客への働きかけが落ちており、
 普通のレスラーになってしまっているのは少々ショックでしたね。
 03年のシナ戦ぐらいの物になってもおかしく無かったと思いますが・・・。
 カートが精密機械のように動いてフォルト気味のボールも正確に打ち返した試合。
 平均的な良試合です。

HTNA王座戦:RVD(ch)vs.ミスター・アンダーソンvs.アビスvs.ジェフ・ハーディ
 アンダーソンはベビーフェイスになっても
 愛嬌あるヒール的なスタイルを保っていて良いですね。
 ジェフもアンダーソンを信じられるか、というストーリーに沿って動いている。
 一方でアビスですが能動的に見せる怪物性は予定調和内だし、
 受動的な見せ方もばっちりとは言い難い物でしたね。
 まあ似非ホーガンを気取っているよりマシである事は確かですが・・・。
 RVDはこういう複数人形式だと目立ちもせず隠れもせず飄々と自分の位置を確立するだけ。
 良くも悪くもね。
 結局、試合としてはそれぞれが個性を確立しているので
 ストーリーが適切に語られ、まあまあ良い試合となっています。
 ただ普通に防衛で終わったりとメインとしてのインパクトには欠ける。

インタビューとフォト・ギャラリーを収録。

総 評
 前半はひどいものでしたが後半はコンスタントに良試合や話題性を提供しています。
 後の5番勝負程ではないがMCMG vs. BMIがあるのもポイント。
(執筆日:7/13/10)
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

 なし

試合結果

@Xディビジョン級王座戦、アルティメットX/サブミッション・マッチ:ダグ・ウィリアムス(ch)vs.ブライアン・ケンドリック
Aブラザー・レイvs.ジェシー・ニールvs.ブラザー・ディーボン
Bタイトルvs.キャリア:マディソン・レイン(ch)vs.アンジェリーナ・ラブ(新チャンピオン!)(DQ)
CAJスタイルズ、カザリアンvs.ロブ・テリー、サモア・ジョー
Dケージ・マッチ:マット・モーガンvs.ヘルナンデス
Eリック・フレアーvs.ジェイ・リーサル
Fタッグ王座戦:モーター・シティ・マシンガンズ(新チャンピオン!)vs.ビア・マニーInc
Gカート・アングルvs.ディアンジェロ・ディネイロ
HTNA王座戦:RVD(ch)vs.ミスター・アンダーソンvs.アビスvs.ジェフ・ハーディ