TOPアメリカン・プロレスTNA 2010年→TNA:Final Resolution 12/5/10

TNA:Final Resolution 12/5/10の分析


名勝負 なし
好勝負 タッグ王座戦、フルメタル・メイヘム:モーター・シティ・マシンガンズ(ch)vs.ジェネレーション・ミー

@#1コンテンダーズ・マッチ:インクInc vs.ビア・マニーInc
 BMIはまず見下して格をアピールし、次に控えの受けによってよりエンターテインにします。
反撃ポイントはレフェリーの目を逸らすことでより印象付け、連続攻撃も心地よいですね。
 BMIの上手さが目立ちます。
 それ故にインクIncの魅力の薄さが目立ちますね。
 決して悪くはなかったですが、工夫したダイブのスポットぐらいで他の見せ場はありません。
 全体的な意見としてはBMIがやられすぎな気もしますが、
 良い試合をしようと全力を尽くした結果なので特に責める事は出来ないですね。
 平均レベル。

Aフォールズ・カウント・エニウェア:タラvs.ミッキー・ジェームス
 前回と同じく気持ちの持ちようと言う点で特筆すべき物をこのカードは見せている。
 柵の当たり方などは甘いですがそれでも良い乱戦といえます。
 問題はこの試合に対する認識が間違っているという事です。
 この試合の魅力はWWE的エンターテイメントではなくNWA的憎しみにあります。
 そこまで場所を変える必要は無かったし、男子用トイレでチープ・フィニッシュを演じるなんて最悪の選択肢です。
 それでも尚この試合には見る価値があり悪くない試合です。

BXディビジョン王座戦(クッキーは上空の檻に閉じ込められる):ロビーE(ch)vs.ジェイ・リーサル
 ロビーは受けで試合を作ろうとしています。
 それは褒めましょう。
 しかし結果としてリーサルのリズムを邪魔していますし、過剰で意味の無い受けも見られます。
 そこは叱りましょう。
 リーサルはチョップ含め意図的に変化をつけようとしていますが
 その結果いつもより試合を作れて居ないのが悲しい。
 フィニッシュは仕返しでも勝利無視での暴走でもないので不満しか残らない。 
 もう少しやりようが無かったか。
 悪い試合。

Cファースト・ブロッド・マッチ:ライノvs.RVD
 ファースト・ブロッドという決着方法を意識して戦っているのは良いですね。
 しかし序盤から妙に意識しすぎて自らに制限をかけてしまっている所がある。
 あくまで決着方法ですから中盤から意識づけるぐらいでよいですね。
 ファースト・ブロッド・マッチらしいことは必ずしも良い試合になる事と同一化しないので
 上手くそれを忘れる技術、忘れさせる技術が重要です。
 また基本的にECWレスラーである事は保っていましたが
 ライノの受けは悪く、自分の価値を下げているシーンが目立ちましたね。
 カウント2に相当する攻防が無かったのも試合としてはマイナス。
 悪くない試合。

DTV王座戦:AJスタイルズ(ch)vs.ダグ・ウィリアムス
 観客の反応はこのカードをどう見れば良いのか十分に示唆が与えられていない事を示しています。
 2人は挑発に必殺技狙いで始めましたが正解でしょうね。
 先が見えなければまず真っ直ぐ走り距離を稼ぐ事です。
 その後も良い試合の要素をしっかり満たしています。
 相手と考えを交わし合って故の上質な攻防が見られますし、その数も多い。
 ただ効果という面では決して最適化されていません。
 ダグは飄々としすぎて試合の展開に乗る事が出来ていません。
 場外カオス・セオリーといった特別なフィニッシュを必要とする領域にはなかったですね。
 平均的な良試合。

Eタッグ王座戦、フルメタル・メイヘム:モーター・シティ・マシンガンズ(ch)vs.ジェネレーション・ミー
 GMはTNAにおいてベスト・ワークを見せたのではないでしょうか。
 インディーでの経験を活かした悪意ある表情、主導権への執着心で土台を築き上げると
 お互い競い合うようにイノベイティブなスポットを生み出して行きます。
 こんな組み合わせ方があったかと簡単するばかりですね。
 スポット優位に試合を運んでいますが、それで試合を作れる所がスキルの高さの証明です。
 ラダーに上るもベルトを取らずテーブルを取りに行ったクライマックス前のポイントは個人的には気に入りませんね。
 中盤は感情優位ではなかったし
 恵まれた才能による多すぎる予期せぬスポットはそれが本来あるべき、ラインからの逸脱という役目を為しえていませんからね。
 一度目的を変えると基本的に最後まで変更は利かないのでクライマックス全体を通して論理から外れる事になりました。
 また他に欠点として挙げるならTLCのミックスと立体性の構築はやや美しくありません。
 しかしながらこれまでにない程独創力で勝負し、結果を出したTLCマッチである事に変わりありません。
 ぎりぎり好勝負。

Fカスケット・マッチ:アビスvs.ディアンジェロ・ディネイロ
 色々と問題がありますね。
 ポープ単独で言えば個性化を図ってのテンプレート逸脱が悪い方向に働いている。
 アビスは試合運びにおいて相手と離れるのが頻繁すぎます。
 そしてこの2人の戦力バランスがおかしい。
 アビスが押されすぎです。
 強さを失った、大きな赤ん坊みたいなキャラで今のアビスらしいっちゃアビスらしいのだけどこれでは駄目です。
 ある意味ではサイコロジーが通っているけどねぇ。
 キャラ自体が戦いにおいて魅力的でなかったらどうしようもない。
 1つだけこの試合の良い点を上げると棺桶の使い方は良かったですね。
 構築としても勝負論としても正しい位置づけでした。
 形式をばっちり抑えるとこの2人の状況でも平均レベルは満たせる。

Gサブミッション・マッチ:ジェフ・ジャレットvs.サモア・ジョー
 JJのMMAを語る技術は冗談みたいな代物。
 MMAの膠着性だけを抽出したような退屈極まりない内容になっていますね。
 サブミッションを意識して見せ方、手順がおかしくなっていますよ。
 ジョーが攻めすぎで何も語られなずチープ・フィニッシュ。
 年間ワースト・マッチ候補にして翌年のJJ vs.カートの期待を見事に打ち砕いてくれた試合。
 ひどすぎる試合。

HTNA王座戦、ノーDQ(レフェリー:ミスター・アンダーソン):ジェフ・ハーディ(ch)vs.マット・モーガン
 モーガンの跳躍力、俊敏性には目を見張るのですが驚く程試合の中で+にならない。
 試合構築自体が通常放送かと思われる簡易構築なんですね。
 何の意味もないカウント2返しやうんざりする程のToH連発した後は
 このために試合はあるんだとでもいうようなブックによる演出。
 ビショフやらの派閥状況は知らないが何の表現もない結果だけの茶番である事は分かります。
 ほんとWCWみたい。
 悪い試合。
 

総評
 クオリティ分布はこんなものだとは思いますが、タッグで貯金するもトップ・カードで浪費するのはイメージ悪いですね。
 またHはオートン/バレットを意識してのブックでしょうか。
 対抗しても裏目に出てばかりのような気がしますけど・・・。
(執筆日:12/19/10)
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

 Eタッグ王座戦、フルメタル・メイヘム:モーター・シティ・マシンガンズ(ch)vs.ジェネレーション・ミー

 MCMGが駆け込んできてそのまま場外で乱闘。
 GMがエプロンに叩きつけたりする。
 椅子を立てるとシェリーを座らせエプロンに。
 邪魔しようとしたセイビンにショルダー・ブロックを決めフェイス・バスター。
 その後シェリーにムーンサルト。場外にテーブルを立てる。
 セイビンに場外へのブレーン・バスターを狙う。
 抵抗するので2人でDDT。
 シェリーに目隠ししてのトペコンを狙う。
 セイビンが横からニックにラリアット。
 シェリーがマットを押さえつけセイビンがドロップ・キック。
 ニックは椅子を取ろうとしたシェリーの手を踏みつけ椅子に叩きつける。
 椅子をコーナーに設置。
 シェリーをコーナーに振ろうとする。
 セイビンが振り返すとシェリーンがニックターン・バックルにぶつける。
 セイビンがシェリーを踏み台にしての攻撃。
 今度はシェリーがセイビンを踏み台にして飛びかかる。
 ニックは椅子を手にするとそれを投げつけカウンター。
 シェリーに蹴りを叩きこみコーナーの椅子に突っ込ませる。
 2人でリングにラダーを入れようとする。
 MCMGがラダー越しにスライディング・キック。
 目隠しトぺ・スイシーダへ。
 マットが椅子で迎撃。
 シェリーの脚に椅子を叩きつける。
 シェリーがラダーでニックをコーナーに押し込む。
 そこを駆け上がりマットにスライス・ブレッドを狙う。
 マットは防ぐとラダーへのパワー・ボム。
 ニックはラダーを持ってコーナー上からシェリーの上に倒れこむ。
 ラダーを中央に立てニックが登っていく。
 マットはシェリーを抑え込んでいる。
 シェリーがアトミック・ドロップに切り返す。
 セイビンがシェリーを踏み台にしてニックを引きずり下ろす。
 マットはセイビンの頭部を脚で挟むとラダーを掴んで登っていく。
 水平になった所でニックがスプリングボード式ダブル・ドロップ。
 そのまま場外のシェリーにトペ・スイシーダ。
 マットはヘッド・シザースでセイビンをラダーにぶつけた様子。
 マットが登っていく。もう少しで届く所でシェリーが引きずりおろす。
 再び登ろうとするマットの脚を掴むとラダーへのドラゴン・スクリュー。
 マットをラダーに挟むとダブル・ストンプ。
 ニックをそのラダーの上にフェイス・バスター、ブルドッグ。
 ラダーを中央に立てる。
 シェリーが2人を抑え込みセイビンがラダーを登る。
 GMが押し込んでラダーを倒す。セイビンはロープの上に落ちる。
 セイビンがニックにコーナー・ラダーへのドロップ・キック。
 マットがシェリーに雪崩式技を狙う。シェリーがマットを逆さ吊りにする。
 セイビンから受け取った椅子を前に出す。
 セイビンが椅子越しにドロップ・キック。
 GMを横にダウンさせるとラダーと椅子をのせる。
 シェリーがダイビング・ダブル・ストンプ。
 ラダーを中央に立てシェリーが登っていく。
 ベルトを掴むも何か問題があったようで一度下りる。
 2人は場外からラダーを持ってくる。
 中央のラダーの横に立て登っていく。
 GMも登っていく。頂上で殴り合い。
 ニックが落ちるもシェリーを引きずり下ろす。
 セイビンが殴り落とされる。シェリーがマットを落とす。
 蹴り合う。
 マットが脚でシェリーの頭部をはさみ動けなくする。
 ニックが椅子を手にする。
 セイビンが奪い取り腹を突く。マットに蹴りを入れる。
 セイビンがマットを前に抱える。
 シェリーが椅子を渡してから飛びついてのダブル・ニー・フェイス・バスター。
 テーブルを持ってくる。
 3脚のラダーの上にテーブルをのせる。
 ニックはバックを取り押さえつけようとするシェリーにロー・ブロー。
 エプロンに出る。
 シェリーがニックを捕まえ肩車。
 セイビンが三角飛びクロス・ボディ。
 MCMGは別のテーブルを持ってくる。
 ラダーの横にテーブルを立てる。
 ニックがシェリーの背中に椅子。
 テーブル上を滑らせセイビンの腹に椅子を当てる。
 シェリーをテーブルの上にのせ唾を吐く。
 ニックがラダーを登ろうとする。
 シェリーがスーパー・キック。
 エプロンに出ると場外テーブルへのスライス・ブレッド。
 セイビンとマットが椅子を持ってラダーを登っていく。
 天辺のテーブルの上に立ちベルトを掴む。
 椅子でチャンバラ。
 セイビンが打ち勝ち背中に椅子を叩きつける。
 ニックは体勢を崩し横のテーブルの上に落下。
 セイビンがベルトを奪取し勝利。

試合結果

@#1コンテンダーズ・マッチ:インクInc vs.ビア・マニーInc
Aフォールズ・カウント・エニウェア:タラvs.ミッキー・ジェームス
BXディビジョン王座戦(クッキーは上空の檻に閉じ込められる):ロビーE(ch)vs.ジェイ・リーサル(DQ)
Cファースト・ブロッド・マッチ:ライノvs.RVD
DTV王座戦:AJスタイルズ(ch)vs.ダグ・ウィリアムス(新チャンピオン!)
Eタッグ王座戦、フルメタル・メイヘム:モーター・シティ・マシンガンズ(ch)vs.ジェネレーション・ミー
Fカスケット・マッチ:アビスvs.ディアンジェロ・ディネイロ
Gサブミッション・マッチ:ジェフ・ジャレットvs.サモア・ジョー
HTNA王座戦、ノーDQ(レフェリー:ミスター・アンダーソン):ジェフ・ハーディ(ch)vs.マット・モーガン