TOPアメリカン・プロレスTNA 2007年→TNA:Sacrifice 5/13/07

TNA:Sacrifice 5/13/07の分析


名勝負 なし
好勝負 テキサス・デス・マッチ:クリス・ハリスvs.ジェームス・ストーム

@Xディビジョン王座戦:クリス・セイビン(ch)vs.ジェイ・リーサルvs.ソンジェイ・ダット
 基本はセイビン対リーサル、ソンジェイで
 捕まることもなくテンポの早い試合を。
 Xディビジョンならではのムーブも多く良い感じですね。
 3ウェイの要素も上手く取り入れている。
 只セイビンが余裕たっぷりな感じが
 筋、フィニッシュに合ってないですね。
 王座が脅かされて焦っている感じにしたら、
 もっと活きてくるのに惜しい。
 好勝負には届かない物の中々良い試合で
 久しぶりに期待させられるオープニングでした。 

Aジェフ・ジャレットvs.ロバート・ルード
 JJの試合構築が冴えまくり。
 完全にツボを押さえています。
 大プッシュ中のルードも脚を引っ張らない。
 最後は古典ネタの力を借りねばならなかったとはいえ
 盛り上がりました。
 まあまあ良い試合でした。

Bライノvs.クリストファー・ダニエルズ
 スティング・マスクなんかつけて入場し
 格好良さ激減のダニエルズが
 ライノさん、ライノさん俺が腕攻めでセールしますよ、と
 言ってやってんのに
 ECW最後の王者という肩書きだけで食いつなぐ
 ライノさんは小粒な反撃しか出来ないのでありました。
 それでもダニエルズは自身を評価しない
 会社の筋書きに忠実に従って必殺技でなく
 バット攻撃で勝利し、試合後には流血して見せたのでした。
 ご苦労様です。
 悪い試合。

Cキップ・ジェームスvs.バシャム、ダマジャ
 BGはプレ・ショー襲われ
 ホイットは飛行機が遅れているという素晴らしいストーリーのおかげで
 ハンデ戦になり苦痛の時間は4分で終わってくれました。
 本当にひどい試合でした。
 Ladies and Gentleman,Boys and Girls〜を言わない
 VKMなんて何の価値もないのである。

Dテキサス・デス・マッチ:クリス・ハリスvs.ジェームス・ストーム
 何が素晴らしいって2人の流血具合が素晴らしいのである。
 ハリスが放射線状に飛び散る鮮血で
 一方のストームが顔面真っ赤の血泥。
 テキサスらしい泥々とした
 男のストリート・ファイトを様式美で彩るのであります。
 簡単に試合を振り返ると
 観客席乱闘→観客席へのダイビング・クロス・ボディ
 (これでカウント3はいけなかったなぁ)
 →テーブルの攻防X2
 →椅子やゴミ箱での攻防
 →ジャクリーンが介入し手錠をかけようとするもキムに防がれる
 →最後は両者ビール瓶を手にして・・・
 (ここで一撃した後すぐカバーせず余韻に浸るように
 突き上げた腕からビール瓶の破片がこぼれ落とすシーンは素晴らしい。)
 というもの。 
 いきなり観客席乱闘にいったが
 その前に何か加えて20分越えしたら名勝負も狙えた出来。
 (これはHHH対オートンと同じですね。
 この2試合が両団体の色合いの違いを如実に示していて面白い。
 個人的にはこちらの方が好きです。
 TNAは好きじゃないけど。)
 これこそTNAにおける年間最高試合だと言って良いでしょう。
 WWEでもう1度この対決を見たい。
 是非ストームもWWEへおいで。
 文句なしに好勝負。

E4コーナー・サバイバル:タイガー・マスクWvs.ジェリー・リンvs.センシvs.アレックス・シェリー
 この4人が一堂に会するというのは面白いものがあるけれども
 おそらく4コーナー・サバイバルなんて
 やった事がないのであろうタイガーマスクが
 浮いており自分勝手するので
 それにつられて何やら4ウェイのような中身になってしまったのでありました。
 平均より少し上程度。 

Fタッグ王座戦、4コーナー・サバイバル:チーム3D(ch)vs.LAXvs.トムコ、スコット・スタイナー
 相対的にトムコが良く見えるとは、
 何てとんでもない世界であろうか。
 こんな世界にいるホミサイドもかわいそうである。
 エリーズにならってこんな会社には
 是非とも辞表を突きつけて欲しいものだ。
 試合はファン・マッチ的で
 ひどい動きのスコットが笑わせてくれるのである。
 悪い試合。 
  
Gサモア・ジョーvs.AJスタイルズ
 さてセミ・メインは交流面で名勝負にならない数え歌です。
 それは両者も分かっているようで
 とにかく定石を敢えて外すという作戦に出ました。
 何をするのかという面白さは生まれた物の
 質の向上にはつながらない。
 このカードでもあまり良くない中々良い試合程度。
 
HNWA王座戦:クリスチャン・ケイジ(ch)vs.スティングvs.カート・アングル
 カードだけで見れば面白そうな組み合わせである。
 しかしスティングがいる。
 フレアー相手に好勝負の1つもできないスティングである。
 ついでにクリスチャン、カートだってTNAに来てからは
 あまり良くないのである。
 しょっぱい試合になりそうだったが
 最初はカート対スティングという夢の対決から入り
 (スティングの試合に夢もへったくれもないのだが一応そうなっている。)
 その後スティングには場外でのアングル・スラムでオネンネしてもらい、
 スティングが戻った所でちょっとした3ウェイ・ムーブを
 挟みながらクライマックスへ、と
 意外に良くできた、まあまあ良い試合だったので驚いたのでありました。

総評
 的はずれな暴走で批判ネタしか提供できなかった
 最近のTNAにしては珍しく試合のレベルが高く
 Dという素晴らしい試合もあって
 満足いく内容でした。
 TNA内ではこれが07年最高の大会ではないかな。
 (執筆日:10/3/07)
DVD Rating:★★★☆☆

注目試合の詳細

@Xディビジョン王座戦:クリス・セイビン(ch)対ジェイ・リーサル対ソンジェイ・ダット

  セイビンが中央に寝て、それをソンジェイがカバーする。
  リーサルがカットし、どういう事だと口論。
  これが狙いだったようだが
  相手を叩きのめせと、けしかけたために2人に狙われる羽目に。
  ソンジェイがセイビンにブレーン・バスターを狙う。
  そのセイビンをリーサルが丸め込む。カットされる。
  セイビンを投げ落とすとソンジェイが襲いかかる。
  避け合いからソンジェイがロール・アップの動きを経てキャメル・クラッチ。
  そこにセイビンが戻ってきてリーサルにドロップ・キック。
  今度はセイビンがリーサルにキャメル・クラッチをしてソンジェイに指示。
  ソンジェイはドロップ・キックに行くもその標的はセイビン。
  ヘッド・シザースも決める。
  リーサルがソンジェイにハイ・タッチを求める。
  無視されるも我慢してセイビンにダブル攻撃を狙う。 
  セイビンはリーサルの攻撃をソンジェイに誤爆させると
  リーサルにトルネードDDT。
  その過程でソンジェイに延髄切り。
  カバーするもカウント2。
  ソンジェイが場外でダウンしている隙にセイビンは攻め込む。
  リーサルが反撃しロープに走る。
  セイビンは同ロープに走り脚を払う。
  スプリングボード式の技にいくぞとアピール。
  ソンジェイが変形619でセイビンの脚を払う。
  リーサルが場外のセイビンにコーナー上からダブル・アックス。
  ソンジェイが2人目がけアサイ・ムーンサルト。
  ソンジェイはセイビンをリングに戻すとコーナー上へ。
  セイビンはソンジェイの体勢を崩すと雪崩式ハリケーン・ラナを狙う。
  ソンジェイはロープを掴んで自爆させるとミサイル・キックへ。
  セイビンが避けたため背後にいたリーサルに誤爆。
  セイビンはリーサルを落とすとソンジェイに狙いをつける。
  急ぐことなく甚振っていく。
  ソンジェイがセイビンにヘッド・シザース。
  リーサルが戻り技を打ち合い全員ダウン。
  ソンジェイが勢いづいている。
  ソンジェイがコーナーのリーサルにレッグ・ラリアットを決めた直後に
  セイビンが2人まとめてのバック・エルボー。
  ソンジェイをリーサルにかぶせるように逆さ吊りにすると
  ビッグ・ブーツにドロップ・キック。
  カバーするもカウント2。
  リーサルがセイビンに延髄切りからスーパー・キック。
  ソンジェイもフルネルソン・スープレックスで排除すると
  セイビンにダイビング・エルボー・ドロップ!
  カバーするもカソンジェイがカット。
  リーサルはソンジェイを軽くいなすとセイビンにフェイス・バスターを決めカバー。
  そこにソンジェイが450°スプラッシュ!
  リーサルをカバーするもカウント2!
  セイビンもカバーするがカウント2。
  ソンジェイとリーサルが胸をつきあう。
  その隙をついてセイビンがソンジェイをリーサルにぶつけてから丸め込み1,2,3!
  防衛したセイビンが逃げ去る。
  ソンジェイとリーサルが殴り合い。
  そこにナッシュが仲裁に現れる。
  しかしソンジェイはナッシュを蹴りつけ去っていく。


Dテキサス・デス・マッチ:クリス・ハリス対ジェームス・ストーム

  いきなり場外で殴り合い。
  ハリスがストームを手錠で締め上げ花道に投げ捨てる。
  観客席に移行し壁とかにぶつけていく。
  リングに戻るとハリスは酒をあおり
  観客席のストーム目がけダイビング・クロス・ボディ。
  カバーし1,2,3!
  カウント9で起きあがったストームをリングに入れコーナー上へ。
  ストームは椅子を投げつけると
  逆さ吊りになったハリスの顔目がけ椅子攻撃。
  ハリスが流血。
  ストームはテーブルを投入し雪崩式ハリケーン・ラナでテーブル葬を狙う。
  ハリスはロープを掴んで自爆させる。
  ストームはサンセット・フリップへ。
  ハリスはその動きを逆に利用してシャープ・シューターを狙う。
  抵抗され狙いを変える。
  スリング・ショットでテーブルにぶつける。
  ストームも流血。
  ハリスがテーブルへのブレーン・バスターを狙う。
  ストームはロー・ブローで逃れるとアイ・オブ・ザ・ストームでテーブル葬!
  カバーし1,2,3!
  カウント9で起きあがる。
  ストームが場外にテーブルを設置。
  そしてリングからそこへのレイザーズ・エッジを狙う!
  逃れられるもショルダー・スルー。
  エプロンに着地されるも捕まえてロープを使ってのDDT。
  ストームはゴミ箱やふたをリングに投げ入れ竹刀を手にする。
  そしてリングに戻るべくエプロンへ。
  そこにハリスのスピアーが炸裂しテーブル葬!
  ハリスも勢い余って転落。
  カバーしようとするもジャクリーンが邪魔する。
  リングに戻りハリスが椅子を振りかぶる。
  ストームは避けると椅子越しのスーパー・キック。
  カバーするもカウントは2。
  ストームがゴミ箱の蓋を叩きつけていく。
  ハリスも同じくゴミ箱の蓋を叩きつけていく。
  ハリスはゴミ箱の蓋での一撃を避けるとゴミ箱へのカタトニック!
  カバーするもカウントは2!
  手錠を手にしたジャクリーンがハリスに襲いかかる。
  キムが現れジャクリーンを連れ去る。
  ストームはビール瓶を手にする。
  ハリスもビール瓶を手にしている。
  気づいていないストームは油断してハリスをこちらに向けさせる。
  そこにハリスが一撃!
  ハリスが上空に突き上げた手から破片がこぼれ落ちる。
  ハリスがカバーし1,2,3!
  ストームが起きあがりかけるも崩れ落ちカウント10!
  ハリスの勝利! 

試合結果

@Xディビジョン王座戦:クリス・セイビン(ch)vs.ジェイ・リーサルvs.ソンジェイ・ダット
Aジェフ・ジャレットvs.ロバート・ルード
Bライノvs.クリストファー・ダニエルズ
Cキップ・ジェームスvs.バシャム、ダマジャ
Dテキサス・デス・マッチ:クリス・ハリスvs.ジェームス・ストーム
E4コーナー・サバイバル:タイガー・マスIV vs.ジェリー・リンvs.センシvs.アレックス・シェリー
Fタッグ王座戦、4コーナー・サバイバル:チーム3D(ch)vs.LAX vs.トムコ、スコット・スタイナー
Gサモア・ジョーvs.AJスタイルズ
HNWA王座戦:クリスチャン・ケイジ(ch)vs.スティングvs.カート・アングル(新チャンピオン!)