ROH:ROH on HDNet Volume.6の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
約2時間55分です。
@TV王座トーナメント1回戦:ケビン・スティーンvs.リェット・タイタス(Episode 50 3/8/10)
スティーンがゆったりとしたペースで間隔を掴み、
タイタスが反撃時にまずまずの連続技で攻勢をかけて見せます。
まったりと楽しめる内容ですが
最後はスティーンがクロス・フェイスで締めたように
タイタスはスティーンの敵にはなりきれていない。
平均レベル。
ATV王座トーナメント1回戦:エル・ジェネリコvs.ケニー・キング(Episode 3/8/10)
ゆったり間をあけることも厭わず素晴らしい流れを生み出します。
その中で適切な一進一退の関係性も導き出されている。
ペースが落ちてもそれだけの価値ある攻防でクオリティが落ちないのもよいですね。
只安定している分余りハラハラしないという欠点はある。
平均的な良試合。
BTV王座トーナメント1回戦:エディ・エドワーズvs.コルト・カバナ(Episode 51 3/15/10)
カバナは比較的伸び伸びとした動きを見せているが
ゆとりがあり過ぎて訴える物にかける。
エドワーズの腰攻めによる中盤もまずまず。
終盤はコリノ介入などもありフィニッシュでインパクトを残せず。
悪くない試合。
CTV王座トーナメント1回戦:デイビー・リチャーズvs.デリリウス(Episode 51 3/15/10)
スムーズな進行でデリリウスの腕のセルも適切といえるでしょう。
しかし余りに取っ掛かりのない内容です。
攻防の作り方も適切だが、デイビーが負ける気はしない。
平均より少し上。
Dタイラー・ブラック、コルト・カバナvs.オースチン・エリーズ、ケニー・キング(Episode 43 1/18/10)
カバナが緩くてもエリーズ、ケニーがコミカルなタッチから控え受けという技術でもってクオリティとして回収する。
またエリーズが精度の高い介入をするので結構盛り上がっていますね。
只エリーズXタイラーはそこまで爆発せず、
最後もカバナがケニーからフォールを奪う形で軽く纏め上げました。
まあまあ良い試合。
Eクリス・ヒーローvs.ジェイ・ブリスコ(Episode 52 4/5/10)
メインでこのカードを組むという事は
気持ちを前面に押し出した打撃戦が見られると想像していたのに
中途半端にCCが介入したり、意思疎通が届かずのろったい進行だったり…。
ヒーローがジェイの打撃に対して一度下がる形を取っているのが一因ですね。
ブリスコズvs.KOWの抗争の一環なのでセコンドの応援ももう少し頑張る必要があります。
最後もメリハリの弱い介入からフィニッシュ。
期待外れの内容で、平均より少し上。
FTV王座トーナメント準決勝:ケビン・スティーンvs.エディ・エドワーズ(Episode 53 4/12/10)
スティーンが試合前のマイク・アピールで去年の抗争を思い出させます。
そして試合が始まるとエドワーズの腕を壊しにかかります。
エドワーズの必死にもがく対応もあり、非常に移入感の高い攻防となっています。
エドワーズをベビーフェイスの方に持って行きたいという事情からしても素晴らしい仕事ですね。
腕攻めに少々拘り過ぎですが、スティーンの良質なキャラ・アピールにより成功しています。
最後はジェネリコが現れスティーンの注意をそらした所でフィニッシュ。
それまでの内容を考えると少々勿体無かったですね。
平均的な良試合。
GTV王座トーナメント準決勝:ケニー・キングvs.デイビー・リチャーズ(Episode 54 4/19/10)
対等に位置づけるアピール合戦でスタート。
実績には差があるもののケニーは堂々とアピールしカウンターも冴えているので違和感がありません。
王座がかかっているトーナメントの準決勝なのだという雰囲気が生まれていきました。
デイビーの腕攻めや、ケニーの丸め込み等
試合を膨らませる要素を段階を踏んでつけくわえていっており終盤も見事にこなしていました。
感情の載った中々良い試合。
Hオースチン・エリーズvs.デリリウス(Episode 56 5/3/10)
噛み付きのようなコミカルな動きとダイブのようなスポットが
ほぼ同列に扱われた微妙な内容。
エリーズの支配によって辛うじて再浮上しましたが、
最後はエリーズの頭部蹴り上げが喉に入ったとして
試合が中断する展開となり、そこで制止を聞かなかったエリーズにDQが下されるというもの。
中身がこれでこういう終わり方ではねぇ。
少し悪い試合。
I#1コンテンダーズ・マッチ:ブリスコ・ブラザーズvs.ダーク・シティ・ファイト・クラブ(Episode 57 5/10/10)
DCFCは怪我の影響か暴れっぷりが弱くなっていますね。
経験を積んだ事で構成上重要な場面でアピールしようという意識はありますが、
元が弱まってしまえばどんなに伝達率が上がっても…、な部分がある。
見せ場は幾つかあり最後の丸め込みも成功しているが良い試合とまでは言い切れない。
平均より少し上。
JTV王座トーナメント決勝:エディ・エドワーズvs.デイビー・リチャーズ(Episode 55 4/26/10)
ヒール同士ながらタッグ・パートナーという事で尊重し合ったクリーンな運び。
正攻法で対等に描き土台を作っていきます。
ドロップ・キックなど基礎技も良い感じに使われていますね。
リチャーズは自信を持ってゆったり間を取り、しっかりキャリーしているし、
エドワーズも外さない安定感がありますね。
クオリティの高い一戦でした。
しかし唐突に組まれた事を考慮しても
”リチャーズ対エドワーズ”としては不十分。
互いを知る仲だけに決められない攻防を見せたいが
エドワーズ側の持ち技が浸透してない、という事でリチャーズ側のみに留まっています。
いや、そもそも対等な関係というのがおかしな話なのです。
エドワーズにはシングルとしてもトップを走るリチャーズに対して嫉妬があってしかるべきだし、
一方でリチャーズはエドワーズを補佐役として軽視していてもおかしくないはずです。
こういうのは試合の中で昇華させれば
別に試合後タッグを解散させる必要はありませんし、
初代TV王座戦という場にふさわしいドラマ性が生まれた事確実です。
そうドラマ性がこの試合に欠けている物です。
エドワーズは試合運びが綺麗過ぎて気持ちが出ていないし、
エプロンのスポット、鉄柱スポット、
そして終盤の”カウント2で返されるやのサブミッション”やり合い等は
方法論的上手さが空回りして形骸化している。
エドワーズ勝利という結末を満たすには1サムシング足りないのです。
クオリティは高いし、狙いもあるのに
それを7割方でしか成功させられない、という
最近のROHを象徴しているような試合が多いですね。
これもその1つです。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:5/4/10)
総評
今回はTV王座トーナメントが特集され、全試合収録されているので
いつにもましてBest版という印象は薄い内容。
期待されていたウルヴス対決が決勝で実現した事自体は素晴らしいものの
そのためにトーナメントの他の試合は改めてDVD化する必要を感じません。
その決勝も今年の一戦に比べるとまだまだエドワーズが過剰評価された内容で、
この1戦のために手に入れる価値がある、とは言い切れない。
(執筆日:5/17/11)
DVD Rating:☆☆☆☆☆
注目試合の詳細
初代TV王座戦:デイビー・リチャーズvs.エディ・エドワーズ(Episode 55 4/26/10)握手を交わす。
組むと体勢を入れ替えあいリチャーズがコーナーに押し込む。
クリーンに離れる。
組むとエドワーズがコーナーに押し込みクリーンに離れる。
組むとリチャーズがヘッド・ロック。
ロープに振られショルダー・タックル。
ロープに走る。
エドワーズがアーム・ドラッグで腕を取る。
グラウンド・ヘッド・シザースに返されるも跳ね除けスーパー・キックへ。
リチャーズはかわすとハイ・キックへ。
エドワーズはガードするとドロップ・キックへ。
リチャーズが同時にドロップ・キックを放つ。
仕切り直し。
ナックル・ロック。
エドワーズが押し込む。
リチャーズがブリッジから五分に戻し押し込む。
エドワーズがブリッジから戻す。
リチャーズが後転で捻る。
スナップ・メアからチン・ロック。
エドワーズが起き上がりリスト・ロック。
リチャーズが前転から脇の下に頭を入れスープレックス。
腕を取る。
エドワーズは起き上がると前転からリスト・ロックに返す。
リチャーズは前転から手を払いドロップ・キック。
側頭部を蹴る。
ロープに振りクローズライン。
ブレーン・バスターからカバー。カウント1。
グラウンド・ヘッド・シザース。
エドワーズが転がりロープに足をかける。
リチャーズが蹴りを打ち込みフォア・アームズ。
フォア・アームズを打ち返してきたエドワーズにソバット。
ロープに振ろうとする。
振り返されたのでハンドスプリング・エルボーへ。
エドワーズがカウンターでドロップ・キック。
リチャーズを起こすとロープに振りクローズライン。
カバー。カウント2。
バック・ブリーカー。
カバー。カウント2。
チン・ロック。
起き上がったリチャーズにエルボーを入れバック・ドロップへ。
リチャーズは着地するとドロップ・キック。
ロープに走る。
エドワーズはカウンターで蹴りを入れると場外へのブレーン・バスターへ。
リチャーズはエプロンに着地するとフォア・アームズ。
場外へのブレーン・バスターを狙う。
エドワーズが耐えリング内へのブレーン・バスターを狙う。
リチャーズはニーを入れて防ぐと背を通ってリング内に戻る。
ロープに走る。
エドワーズの蹴りをスライディングで避けると蹴り。
場外へのブレーン・バスターへ。
しかし自らも道連れとなり転落。
リチャーズがエプロンに上がる。
エドワーズも後を追いエプロンに上がる。
張り手の打ち合い。
同時にビッグ・ブーツ。
同時にビッグ・ブーツ。
エドワーズが突進。
リチャーズは場外へと打ち上げると蹴り上げる。
リングに戻るとトペ・コンヒーロで追撃。
リングに戻す。
胸に蹴りを叩き込む。
ロープにもたれさせ胸に蹴りを連打。
ロープに振ろうとする。
振り返されたのでハンドスプリング・キック。
カバー。カウント2。
ジャーマンを狙う。
エドワーズはバック・エルボーを叩き込みロープに走る。
リチャーズがソバット。
ロープに走りビッグ・ブーツ。
バックを取る。
バック・エルボーを叩き込んできたので避けてノーザンライト。
カウント2で返されるなりハンマー・ロック。
エドワーズがもがいてロープに脚をかける。
リチャーズはエドワーズを起こすとジャーマンを狙う。
エドワーズがアーム・ドラッグに切り返す。
コーナーのリチャーズに突進。
リチャーズはカウンターで蹴りを入れるとロープに走る。
エドワーズがカウンターでベリー・トゥー・ベリー。
コーナーのリチャーズにランニング・エルボー。
ブレーン・バスターで倒すとコーナーに上りミサイル・キック。
場外に逃れたリチャーズにトペ・スイシーダ。
リングに戻す。
コーナーに上りダイビング・ダブル・ストンプへ。
リチャーズは避けるとソバット。
ロープに走る。
エドワーズが担いでガット・バスター。
ロープに走り頭部を蹴りつける。
カバーするもリチャーズの脚がロープに掛かる。
ブレーン・バスターへ。
リチャーズが後ろに着地しバックを取る。
エドワーズがバックを取り返す。
リチャーズがバック・エルボーを叩き込む。
コーナーにもたれたエドワーズに突進。
エドワーズがカウンターで蹴り。
コーナー上から飛びつきコード・ブレイカー。
バックにつきフェイス・バスター。
カバーするもカウント2。
リチャーズをコーナーにのせるとスーパープレックスを狙う。
リチャーズがフォア・アームズ。
エドワーズがフォア・アームズ。
ヘッド・バッドを打ち合っていく。
リチャーズが張り手を連打、拳を腹に叩き込んでいく。
サンセット・フリップ・パワー・ボムへ。
エドワーズが耐え殴りつける。
リチャーズは一旦引くも戻って雪崩式バック・ドロップを狙う。
殴りつけられ引くも戻ってきて雪崩式バック・ドロップを狙う。
エドワーズがヘッド・バッドを叩き込んで抵抗。
リチャーズがたまらず下がる。
しかしコーナーを駆け上がると雪崩式ジャーマン。
コーナーのエドワーズにランニング・エルボー。
ロープに走り頭部にニー・ストライク。
ジャーマンを決めるもカウントは2。
側頭部を蹴りつけカバー。
カウント2で返されるやアーム・バー。
エドワーズは体勢を起こすと持ち上げコーナーの上にのせる。
リチャーズが殴りつける。
エドワーズがジャンピング・キック。
リチャーズが腹を殴りつけヘッド・バッド。
エドワーズはひるむもジャンピング・キックを入れるとコーナー上トップから雪崩式ハリケーン・ラナ。
パワー・ボム。
カウント2で返されるやボストン・クラブ。
リチャーズはけんけんで起き上がると張り手。
エドワーズが殴ろうとしてきた所をアーム・バー。
エドワーズがジャックナイフがために切り返す。カウント2。
リチャーズがクローズラインへ。
エドワーズが避けロープに走る。
リチャーズは打ち上げて蹴り上げる。
ラリアットを狙う。
エドワーズがカウンターでスーパー・キック。
ジャーマンへ。
リチャーズが着地しラリアットへ。
エドワーズは蹴り払うとスーパー・キック。
ジャーマン。
リチャーズが気合で起き上がりラリアット。
両者ダウン。
リチャーズがエプロンに転がり出る。
エドワーズが同じエプロンに転がり出る。
フォア・アームズの打ち合い。
リチャーズが蹴りを叩き込んでいく。
気合を入れて蹴りを放つ。
エドワーズが避けると鉄柱に誤爆。
エドワーズがリチャーズの脚を掴むとエプロンへのニー・クラッシャー。
エプロンで立ち上がる。
リチャーズがロープへエドワーズの腕を叩きつける。
エプロンのエドワーズを起こそうとする。
エドワーズがロープへのドラゴン・スクリュー。
コーナーに上りダイビング・ダブル・ストンプ。
カバー。
カウント2で返されるやハーフ・ボストン・クラブ。
リチャーズは反転させると蹴り飛ばす。
突進してきたエドワーズに蹴り。
突進してきたエドワーズをかわし肩から鉄柱に突っ込ませる。
コーナーに上ると腕にミサイル・キック。
コーナーにのぼるとシューティングスター・プレス。
カウント2で返されるやハンマー・ロック。
エドワーズが両肩をつけにいく。
リチャーズはカウント2で返すとアーム・バー。
エドワーズが体勢を変えてすり抜けハーフ・ボストン・クラブ。
リチャーズがタップする!
エドワーズが初代TVチャンピオンに!
リチャーズはベルトを取るとエドワーズの腰に巻き腕を上げる。
試合結果
@TV王座トーナメント1回戦:ケビン・スティーンvs.リェット・タイタス(Episode 50 3/8/10)ATV王座トーナメント1回戦:エル・ジェネリコvs.ケニー・キング(Episode 3/8/10)
BTV王座トーナメント1回戦:エディ・エドワーズvs.コルト・カバナ(Episode 51 3/15/10)
CTV王座トーナメント1回戦:デイビー・リチャーズvs.デリリウス(Episode 51 3/15/10)
Dタイラー・ブラック、コルト・カバナvs.オースチン・エリーズ、ケニー・キング(Episode 43 1/18/10)
Eクリス・ヒーローvs.ジェイ・ブリスコ(Episode 52 4/5/10)
FTV王座トーナメント準決勝:ケビン・スティーンvs.エディ・エドワーズ(Episode 53 4/12/10)
GTV王座トーナメント準決勝:ケニー・キングvs.デイビー・リチャーズ(Episode 54 4/19/10)
Hオースチン・エリーズvs.デリリウス(DQ)(Episode 56 5/3/10)
I#1コンテンダーズ・マッチ:ブリスコ・ブラザーズvs.ダーク・シティ・ファイト・クラブ(Episode 57 5/10/10)
JTV王座トーナメント決勝:エディ・エドワーズ(初代チャンピオン!)vs.デイビー・リチャーズ(Episode 55 4/26/10)