TOPアメリカン・プロレスROHROH 2011年 →ROH:Revolution: USA 5/6/11

ROH:Revolution: USA 5/6/11の分析


名勝負 なし
好勝負 キングス・オブ・レスリングvs.アメリカン・ウルヴス

約2時間35分です。

@ホミサイドvs.トマッソ・チャンパ
 チャンパの動きによってスリリングな攻防が生まれている。
 ただホミサイドは守りに入った時に何もせず、
 反撃への機運を高める事はないし、
 チャンパもオールラウンダーである事が没個性的に映る。
 目立たないけれど各試合1回ぐらいミス、あるいは崩れる事があるんですよね。
 ですからオールラウンダー以外の色をつけなければいけないのに
 サポートを受けようにも相手がホミサイドでは実現できる訳もなく・・・。
 少し悪い試合。

Aマイケル・エルガンvs.アンディ・リッジ
 エルガンはいちいちパワフルなムーブが出来ますね。
 ムーブを決める前に観客をちらっと見て溜めるのも良いし、
 今やCCに匹敵するパワフル・レスラーになれる素質が開花し始めている。
 そのエルガンに対し、リッジは蹴りとスピードという特徴を見せたのは良いですね。
 しかしその蹴りは脚が上がりきっていない不十分なもので、
 スカッシュ・マッチの相手になる事は出来ても
 リッジというレスラーの魅力を伝える事は出来なかった。
 少し悪い試合。

 試合後ホミサイドがエンバシーを蹴散らしオザイリスにコップ・キラー。

 コリノが自分と同じく良き人間に生まれ変わろうとしている人間を紹介しようとするもベネットが邪魔してくる。
 言い争いになりベネットが引導を渡してやるといってコリノを殴り倒す。
 元々ベネットと試合する予定だったレッドウッドが現れそのまま次の試合へ。

Bマイク・ベネットvs.グリズリー・レッドウッド
 ベネットは相手がいつもより小柄なレッドウッドである事を考慮していない受け。
 グリズリーもとかくスピードに走りすぎで漠然とした印象しか残らず。
 ひどい試合。

 レッドウッドを介抱するコリノをベネットが攻撃。

Cファースト・ブロッド・マッチ:ブリスコ・ブラザーズvs.オールナイト・エクスプレス
 最初から荒っぽくぶつかりあいます。
 私の中ではいまだにANEがベビーフェイスとしてしっくりこない所がありますね。
 容姿のせいもあるが、やられ姿で応援させるという意識が足りないのが一番の原因です。
 相手を叩きのめす際もリベンジという意味合いが込められていないといけません。
 試合に話を戻すと序盤は乱戦でカオスなので
 どこがその中でも盛り上がり所なのかいまいち分からないですね。
 後半で孤立シーンが出てくるのでいつも通り見ていけば良いのかと思ったら
 本来終盤間際に行われるダイブ・シーンでマーク、タイタスが流血。
 まあ変なタイミングで流血させてきましたね。
 マークが自分の流血に気づいて隠れたのに対し、
 タイタスが流血なんか気にせずジェイに連携技を決めたフィニッシュ方法は良いですが、
 それならそれで試合に負けて勝負に勝ったと言えるぐらいの絵を作り出したい。
 その連携技でジェイがKOされるべきです。
 平均より少し上。
 
 試合後ANEがシカゴ・ストリート・ファイトで叩きのめしてやる、とアピール。 

Dクリストファー・ダニエルズvs.コルト・カバナ
 ダニエルズがHoF入りして最初の試合とはいえ
 ダニエルズがヘタレを強調しすぎですね。
 カバナにからかわれている内は楽しくて誤魔化せるけど
 ダニエルズが試合を運ぶシーンになるとキャラによって精度が落ちている事を露呈してしまう。
 カバナは感情のため方がおかしい、終盤は流れ作業と化していました。
 平均レベル。

Eレスリングズ・グレーテスト・タッグ・チームvs.アダム・コール、カイル・オライリー
 いつもよりWGTTは先輩風を吹かせていますね。
 アマレスの技術で押さえ込み、余り相手に対して受けない試合運びをする。
 アーム・バーを狙ったオライリーに対し、
 ハースは力で持ち上げてパワー・ボム風に叩きつけています。
 受けないというのも相手を引き立てない事と同義ではないが、
 コール、オライリーが相手に委ねて能動的に抵抗していかないせいで
 試合の枠は広がらず、"WGTTが元WWEの威厳を見せ付けた"だけで終わり、
 "そのWGTT相手にコール、オライリーは気概を見せ、
 今後のタッグ王座挑戦が期待される"という感想は生まれていない内容。
 まあまあ良い試合です。

FノーDQ:ロデリック・ストロングvs.エル・ジェネリコ
 ロデリックの奇襲からスタート。
 ロデリックがフットワークを多用し、
 移動しながら追い討ち、返り討ちで動きを止めて、を繰り返します。
 技術的には高度だが、技という技がないため素っ気無いですね。
 ロデリックがエプロンでのバック・ブリーカーを決め中盤を支配。
 ここでもまた時間を埋める打撃と切るための打撃が多すぎるので、まだ味気ない内容となっています。
 これではジェネリコも終盤に向けての布石を作る事が出来ません。
 またノーDQという事で椅子が織り交ぜられているが
 椅子がなくても全然成り立つような使い方のため
 過激度が上昇すると共にギアが上がるなんて事もなかったですね。
 むしろ終盤はそのせいでこんなんでは決まらないだろうという嫌な安心感がありますし、
 HoFの乱入劇など表面的な演出になっているのだから足を引っ張ってさえいるか。
 力を入れた内容である事は分かるが十分には成功していない。
 平均的な良試合。

Gキングス・オブ・レスリングvs.アメリカン・ウルヴス
 KOWが奇襲を仕掛け、序盤から決着を狙いにいくスリリングな展開。
 翌日のタイトル戦を前に相手の気運を潰そうと目論んでの事ですが、
 相手にダメージを残そうという見せ方よりも上手く機能していますね。
 ウルヴスはパートナーに余り配慮が行き届かなくなっていて
 エドワーズの王者になったにも関わらずデイビーへの劣等感が消えないという状況とフィットしている。
 デイビーがエドワーズを気遣う印象的なシーンがあれば対照的でもっと良かったですけど。
 自然な流れでエドワーズ孤立にいくとKOWが要所で見事に試合を動かしていく。
 その後の終盤は濃厚なシングル対決。
 ROHの現在のTOP4が激突するカードにふさわしい内容。
 逆を言えば全力を尽くす方向性は定番過ぎて、予想以上の新しい化学反応は余りなかったですけどね。
 ぎりぎり好勝負。

 試合後KOWがエドワーズに合体技を決めようとするもデイビーが追い払う。
 しかしエドワーズは俺は王者であり、デイビーに助けて貰わなくてもやっていける、といって退場。

総評
 今のROHなら前半のスロー・スタートは仕方ないか。
 欲を言えばE、Fがもう一伸び欲しい所だったが
 王道的に大会が進むにつれ試合がよくなっていく内容で良質な大会。
DVD Rating:★★☆☆☆
(執筆日:9/1/11)

注目試合の詳細

Gキングス・オブ・レスリングvs.アメリカン・ウルヴス
 KOWが奇襲。
 ヒーローがロープに走ったエドワーズを追いエルボー。
 頭部を踏み下ろしローリング・エルボー。カウント2。
 ジャイアント・スイング+スライディング・キックもデイビーがカット。
 デイビーはヒーローのビッグ・ブーツをかわすとCCにトペ・スイシーダ。
 エプロンにぶつけ蹴りだす。
 そしてエプロンを飛び越えてトペ。
 エドワーズが ヒーローにスーパー・キック2発。
 ロープに走ろうとする。
 ヒーローがタイツを掴んで引き寄せバック・ドロップ。
 パワー・ボムもカウント2。
 デス・ブローを狙う。
 エプロンに上がってきたデイビーがジャンピング・キック。
 スプリングボードを狙う。
 CCが引き摺り下ろしフェンスにぶつける。
 タッチすると連携技。カウント2。
 CCが持ち上げ下ろした所にヒーローが後頭部へのエルボー。カウント2。
 サブミッションも織り交ぜ追い込んでいく。
 CCとエドワーズがアッパーカート/チョップの打ち合い。
 CCが打ち勝つ。
 タッチし羽交い絞め。
 ヒーローがビッグ・ブーツ。
 踏みつけてカバーするもカウント2。
 エドワーズを場外に落とすとサラが蹴り。
 何とかリングに戻ったエドワーズにヒーローがスライディング。キック。カウント2。
 エドワーズはCCとヒーローにチョップ。
 ヒーローにスーパー・キック。
 CCにドラゴンスクリュー。
 デイビーにようやくタッチ。
 デイビーが2人に蹴りを打ち込んでいく。
 エプロンを走りヒーローの胸を蹴り飛ばす。
 かわして良い気になっているCCに飛びつきトルネードDDT。
 CCをリングに戻しミサイル・キック。カウント2。
 コーナー上へ。
 サラ、ヒーローが邪魔をする。
 CCがUFOを狙う。
 デイビーが丸め込んでアンクル・ロックへ持っていく。
 CCが回転するとヒーローがロープ越しにエルボー。
 CCがUFO。カウント2。
 デイビーを抱え上げる。
 交代したヒーローがロープに走りエルボー。カウント2。
 デイビーはCCにインディアン・デス・ロックを決めると同時にヒーローにノーザンライト。カウント2。
 CCがチョーク・スラム。カウント2。
 デイビーがエクスプロイダーを狙う。
 防がれたので延髄切り。
 耐えてクローズラインを狙ってきたCCにエクスプロイダー。
 両者タッチ。
 エドワーズとヒーローがビッグ・ブーツの打ち合い。
 ヒーローが後を追いエルボー。
 ロープに走る。
 エドワーズが落とそうとする。
 ロープを掴んだヒーローを蹴り落とす。
 邪魔しようとしたCCも落とす。
 アサイ・ムーンサルト。
 ヒーローをリングに戻しミサイル・キック。。
 ヒーローはタイガー・スープレックスを防ぐとローリング・エルボー。
 エドワーズがコーナーから飛びついてのコード・ブレイカー。
 タイガー・スープレックス。カウント2。
 バックパック・スタナーを狙う。
 逃げられるも丸め込み。
 ヒーローも丸め込むがカウント2。
 エドワーズをヒーローを打ち上げデイビーが蹴り上げる。
 ジャーマン+スーパー・キックの合体技を決めるもカウント2。
 ヒーローがカウンターでエドワーズにローリング・ビッグ・ブーツ。カウント2。
 デス・ブロー。カウント2。 
 頭部を踏み下ろそうとする。
 エドワーズはかわして転がすとハーフ・ボストン・クラブ。
 CCがDDT。
 KOWがAWを持ち上げようとする。
 AWが着地しジャーマン。
 気合で起き上がったKOWにもう一発。
 コーナーで蹴りまくる。
 エドワーズがヒーローにハーフ・ボストン・クラブ。
 抵抗したので頭部を蹴りぬく。
 ヒーローがコーナー上へ。
 デイビーが駆け上がり雪崩式ジャーマン。
 エドワーズがダイビング・ダブル・ストンプ。
 デイビーも。
 エドワーズがカバー。
 カウント2で返されるなりハーフ・ボストン・クラブ。
 CCがデイビーをフェンスにぶつけてリングに。
 蹴りつけていくもエドワーズは離さない。
 ならばとロープに走る。
 デイビーがロープ越しにスリーパー。
 CCは引きずり込む。
 逃げられるもニーをエドワーズに誤爆させる。
 ヒーローがエドワーズの後頭部にローリング・エルボーを決めカウント3。

試合結果

@ホミサイドvs.トマッソ・チャンパ
Aマイケル・エルガンvs.アンディ・リッジ
Bマイク・ベネットvs.グリズリー・レッドウッド
Cファースト・ブロッド・マッチ:ブリスコ・ブラザーズvs.オールナイト・エクスプレス
Dクリストファー・ダニエルズvs.コルト・カバナ
Eレスリングズ・グレーテスト・タッグ・チームvs.アダム・コール、カイル・オライリー
FノーDQ:ロデリック・ストロングvs.エル・ジェネリコ
Gキングス・オブ・レスリングvs.アメリカン・ウルヴス