TOPアメリカン・プロレスROHROH 2011年 →ROH:Tag Team Turmoil 7/8/11

ROH:Tag Team Turmoil 7/8/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

◆新ROH王者デイビーにコルネットがインタビュー。
 デイビーは感謝を示し、エドワーズを称える。
 ロデリックが現れ挑発して自分との王座戦を行うようほのめかす。
 デイビーがキレて、いつでもやってやる、と詰め寄るもコルネットが割ってはいる。
 マルティニにデイビーがリンチされないようエドワーズも登場。
 マルティニがまだ適切なタイミングではない、といって引き下がる。

@タッグ・チーム・ロッタリー#1:アダム・コール、カイル・オライリーvs.カプリス・コールマン、セドリック・アレクサンダー
 コールマンは相手を飛び越すときもロープに走るときも何から何までメリハリがない。
 身体に動きが身についていない上にまったく頭が回っていないせいです。
 良い所を見せなければと緊張でもしていたのか。
 中盤はオライリーの孤立。
 しかしオライリーは表情、仕草が劣る欠点があるにも関わらず
 孤立時は相手に委ねて何もしない事が多く余り面白くないですね。
 終盤はそこそこ盛り上がるも、これをします、カットします、と
 丁寧を通り越して機械的な進行で見てて気持ちよくなる事はない。 
 悪くない試合。

Aタッグ・チーム・ロッタリー#2:ブリスコ・ブラザーズvs.ブラヴァド・ブラザーズ
 ようやく出番が回ってきてこれからアピールしていかないといけないヒールのブラヴァドズに
 ROHで一番荒々しい事をしているヒールのブリスコズをぶつけるなんてナンセンス。
 試合はブリスコが自分達のカラーを出しドミネイト。
 ブラヴァドズは相変わらず焦って雑になっているし、
 ただのジョバー的役割しかありません。
 最後はブリスコズがドゥームス・デイ・デバイスを決めた後に椅子を持ってくると、
 WGTTが乱入、襲ってきたジェイを返り討ちにして、そこからまさかのブラヴァドズ勝利となります。
 ブリスコズをアピールしただけ。
 図らずも決勝に進むことになったブラヴァドズの株は一切上がっていない。
 悪い試合。

Bケニー・キングvs.マイク・ベネット
 ベネットのキャラがまったく出ていないが
 そつのない基本に沿った試合運びが見られます。
 ケニーがリーダー・シップを発揮し、
 所々でちゃんと一進一退の攻防も交えられています。
 面白いかどうかはまた別の問題だが、悪いという理由はどこにもない。
 最後ベネットがタイツを掴んでカウント3となるも
 観客の声を聞いてレフェリーが判定を覆しDQを下すのはTNAばりに馬鹿馬鹿しい。
 再試合にしないのは、ベネットがタイタスに手を出し、
 コルネットから交通機関のトラブルで相手がいなくなったタイタスと
 2試合目を行うよう命令が下るためだが、普通にタイタスの相手を別で調達すれば良い事。
 急場しのぎでひどいストーリーを作った所で意味がない。
 平均レベル。 
 
Cタッグ王座戦:レスリングズ・グレーテスト・タッグ・チーム(ch)vs.コルト・カバナ、エル・ジェネリコ
 ベンジャミンは技が投げもサブミッションも打撃も雑、
 表情、仕草も冴えず熱に浮かされてでもいるのじゃないかと思う。
 ハースの相手の呼吸とのずれは異常なレベルで
 序盤のロープに振るという凡庸な動きさえどたどたしている。
 カバナは最近の傾向通りテンション・表情が流れ関係なく変わっていく。
 ジェネリコは比較的まともだが、他を補うような細かい補佐を見せた訳ではない。
 最後はWGTTの代表的合体技、馬飛びしてのヒップ・ドロップも足がひっかかり気味。
 なに、そんなに年間裁定試合が欲しいのでしょうか。
 芸術性の欠片もない内容。
 カーニッジ・クルーもここまで幻滅させはしませんでしたよ。
 ひどすぎる試合。

Dタッグ・チーム・ロッタリー決勝:ブラヴァド・ブラザーズvs.アダム・コール、カイル・オライリー
 先ほどヒールとしてアピールできなかった
 ブラヴァドズが奇襲してヒールとして再設定。
 今度はコールが孤立するのでその中で良質な一進一退が生まれています。
 しかしオライリーは控えでいる時に何もしてないですね。
 控えであろうと見られている意識をもってちゃんとコールを励まして欲しいものです。
 またブラヴァドズの片割れが先ほどの試合で腕を痛めた設定を組んでいて
 それは攻防の一端を担っているが上手く痛がれていないので結果的に±0ですね。
 終盤はブラヴァドズが縦、横以上の攻防を生み出して資質を示し、
 コール、オライリーも良質なスポットを繋げて格好よくフィニッシュしました。
 まあまあ良い試合。

Eレット・タイタスvs.マイク・ベネット
 ブリスコズとの抗争で経験を積んでいるタイタスは
 相手を荒っぽく扱う事を丁寧に行う事が出来るようになった。
 ベネットも悪くない働きだが、
 凶器を紐を解くのに時間がかかるブーツの中、
 更に靴下の内側にチェインを隠したのはコメディーとしか思えない。
 過大待遇でリアルに嫌な奴と化しているベネットが負ける事で
 ほんの少しばかりはこの大会のド失敗に対する不満が消えたかもしれないけれど…。
 悪くない試合。

Fアメリカン・ウルヴスvs.ロデリック・ストロング、マイケル・エルガン
 資質を示してきたエルガンがメインに抜擢されて喜んでいましたが、
 まったくもって本質を分かっていない。
 デイビーのエプロンを走っての蹴りを
 エルガンが受け止めてラリアットで薙ぎ払うなど
 エルガンをアピールするスポットは序盤から数多く見られます。
 ロデリックも敢えてサポート役に回っていますね。
 しかしそれはそういうスポットを置いただけ。
 他3人がトップである事を証明する仕事をしたにも関わらずエルガンがそれに匹敵する働きを見せた、のではなく
 他3人が低いレベルに自らを落としてまでエルガンが活躍する機会を与えたという事です。
 どちらも相対的な見せ方ではあるけれどもその価値は天と地程の落差がある。
 何故そんなにエルガンを下に見て、わざとらしく見せ場を与えているのか。
 エルガンがこの試合に入った理由はこれまでに資質を示してきたからでしょう。
 それならばエルガンを信用して、こうするがエルガンならきっと応えてくれるだろう、という姿勢で試合を作るべきです。
 流石にシングルで激突したエドワーズは他よりもエルガンをちゃんと見据えていましたけどね。
 エルガンの形だけのアピールばかりで無駄打ちが多く、
 それに伴いロデリックの位置づけも不明瞭です。
 終盤は全力を尽くしてぶつからなければいけないからこそそれまでの無駄な配慮がなくなり
 エルガンの本当の良さが出てきて面白かったですが、終盤まではタイムパフォーマンス悪し。
 TVプロレスでは中々機会のない長時間の試合時間を与え、
 レスラーの能力を最大限に発揮する機会を与えることこそROHの強みだが、
 レスラーの能力や試合の方向性を無視して長い試合時間だけ設定するのは間違いです。
 平均的な良試合。

総評
 ロッタリーは抽選を絡めて若手中心にした事により決勝で何とか良い試合になった程度に終わる。
 そこを王座戦やメインのタッグが補いたい所だが前者は壊滅的で後者はROHならではの失敗。
 2011年のROHの大会で一番悪い内容になるでしょう。
DVD Rating:☆☆☆☆☆
 (執筆日:9/25/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@タッグ・チーム・ロッタリー#1:アダム・コール、カイル・オライリーvs.カプリス・コールマン、セドリック・アレクサンダー
Aタッグ・チーム・ロッタリー#2:ブリスコ・ブラザーズvs.ブラヴァド・ブラザーズ
Bケニー・キングvs.マイク・ベネット(DQ)
Cタッグ王座戦:レスリングズ・グレーテスト・タッグ・チーム(ch)vs.コルト・カバナ、エル・ジェネリコ
Dタッグ・チーム・ロッタリー決勝:ブラヴァド・ブラザーズvs.アダム・コール、カイル・オライリー(優勝!)
Eレット・タイタスvs.マイク・ベネット
Fアメリカン・ウルヴスvs.ロデリック・ストロング、マイケル・エルガン