TOPアメリカン・プロレスROHROH 2011年 →ROH:Supercard of Honor VI 5/21/11

ROH:Supercard of Honor VI 5/21/11の分析


名勝負 なし
好勝負 シカゴ・ストリート・ファイト:ブリスコ・ブラザーズvs.オールナイト・エクスプレス

誤って記事を削除してしまい、記憶と倍速映像を元に復元したので
少々至らない部分があるかもしれませんがご了承ください。

@ホミサイドvs.マイケル・エルガン
 ホミサイドが押せ押せで攻める中で技1つ1つにそれで終わりという意識がなく
 後の事を少しばかり考えているので雑になる事は防がれている。
 ただホミサイドの攻め→エルガンの攻めで終盤までいくように展開数は少ない。
 またエルガンの提案も余り活かせてなく、
 エルガンをもう少し引き立てられなかったかと不満が残る。
 少し悪い試合。 

Aブラバード・ブラザーズvs.アダム・コール、カイル・オライリー
 オライリーが序盤でトペを見せて勢いある所を見せると
 ブラバード兄弟もそこから孤立へ持っていく部分を上手くやってのけました。
 細部は粗いものの孤立に入ってからもタッチさせない意識があるのでまずまず。
 捕まったオライリー側に抵抗を見せる意思がないせいもありますし。
 終盤は要所で控えも入り混じってのハードな技、派手な合体技の撃ち合い。
 今トップ張っている選手がまだ駆け出しの頃のインディーってこういう感じでしたね。
 若手が若手らしいやり口で情熱を示した内容。
 平均的な良試合。 

 コリノがサポーターとしてジェイコブスを登場させる。
 ジェイコブスは名誉のためにROHで再び戦いたい、というもコルネットに退場させられる。

Bスティーブ・コリノvs.マイク・ベネット
 最後の対決って言われても二度以上見たくなるカードではないんだけど・・・。
 コリノはゴングを頭か股間の上にのせるかで観客を煽ったりと
 ベネットをまるで敵として扱っていないファイト。
 ベネットも大袈裟なリアクションを取っているだけで
 ヘタレながらも自分の優位性を築けていない所に問題がある。
 悪い試合。

Cエル・ジェネリコvs.クリス・ヒーロー
 4試合目とはいえSupercard of Honorですよ。
 何故ジェネリコはおもちゃのハンマーなんか取り出したりと
 緩い気持ちで挑んでいるのでしょう。
 中盤になってヒーローがエルボー・スタイルでドミネイトするようになってからクオリティは復調。
 しかしこういうシリアス・モードでやるならやっぱりあの序盤はないだろ、というお話です。
 終盤はジェネリコが一発一発で見せすぎていて
 もう少し本来の勢いのある攻めを反映させたかった所。
 ヒーローがロープ悪用のフォールを行うも、
 抗議から判定が覆り試合再開となりますが、
 それならフォールの前にローリング・ビッグ・ブーツなんてやるべきじゃないですね。
 説得力ありすぎてロープ悪用しなくてもカウント3取れていたと感じます。
 ちぐはぐの内容でいまいち。
 平均レベルです。

Dチャーリー・ハースvs.デイビー・リチャーズ
 ハースのアマレスにデイビーは対抗できるので
 序盤は期待を抱かせるものだったのでした・・・。
 デイビーがエプロンから胸をけりつける事に成功するもハースが腰攻めで支配。
 ハースに関しては韻の踏み方があからさまで、
 デイビーに関してはその腰攻めによるダメージを過剰に表現している。
 そのために試合の進行は実体よりも振りによって先行される形でおいてけぼり。
 またデイビーは自らの技でも腰に響くような演出をしていたが、
 ここまでやるならスーパープレックス、ジャーマンの時も貫きましょう。
 過剰にやって中途半端というのが一番見ていて難があります。
 エプロンへのアングル・スラムなんて過激なものから
 ジャーマンの10連発近くの打ち合いが終盤では披露されたが、
 これまた何の意味もなく打たれたもの。
 大切に打つか、機能的に打ち合うか、どちらかにしましょう。
 激戦を気取ってはいるがその装い方が下手です。
 平均より少し上。

Eグラッジ・マッチ:クラウディオ・カスタニョーリvs.シェルトン・ベンジャミン
 グラッジ・マッチと銘打たれているが、
 シェルトンのファイトには意欲がなく、
 基本的な試合運びを超えるものではない。
 中盤はCCが腕に狙いをつけるも
 シェルトンを追い込んでいる、という意味性を付与させる余地をシェルトンが与えていない。
 終盤はシェルトンの持ち技が少ない事も分かるけれど
 CCのパワフルな技を浪費させて、駆け上がり雪崩式ベリー・トゥー・ベリー一発で大逆転するのは
 余りに一方的な取引じゃないか。
 そんな関係で試合になっているのが気に入らないが試合自体は一定のレベルに達している。
 まあまあ良い試合。

Fクリストファー・ダニエルズvs.コルト・カバナ
 カバナを相手にすると必要以上にヘタレを意識しまって
 自分のスタイルのバランスを崩すという事がよくある。
 ダニエルズさえその穴に陥ってしまっている。
 カバナをベースして試合がきっちり作り上げられているが、
 それをベースにした事で大きく発展する可能性はほとんどない。
 平均レベル。

 試合後コリノがマルティニから真実の本を奪いカバナを助けるも
 依然抗争していたカバナは不審がって退場。
 残されたコリノがHoTにリンチを受けます。

Gシカゴ・ストリート・ファイト:ブリスコ・ブラザーズvs.オールナイト・エクスプレス
 ブリスコズがヒールである事を一瞬忘れるほど
 ANEが喧嘩の雰囲気を出して積極的に応戦しています。
 試合はいきなりテーブル葬スポットが飛び出ると
 その後もチェーンで鉄柱に巻きつけようとした所にトペコン、
 コーナー上から突き落としてテーブルの上に落としたりと無茶苦茶。
 スポットの使いどころは敢えて気取られないようにランダムに置いている印象ながら
 上のテーブル・スポットでタイタスが脱落し、
 孤立したケニーがチェーンで絞首刑にあうも反撃し消火器を噴射など
 その中ではタッグのエッセンスも見られている。
 NWAばりの陰鬱さがあり後のラダー・ウォーよりも良い関係性から作り上げられた激戦です。
 ただ最後椅子をぶつけられたジェイが倒れこんでカウント3というものだが、
 倒れる前にふらつきすぎてシリアスさを損ねてしまっているのは惜しい。
 ぎりぎり好勝負。

HROH王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.ロデリック・ストロング
 ストロングが奇襲を仕掛けハードにフェンスにぶつけエプロンの上に落としていきます。
 エドワーズを王者だと認めていない、という苛烈なもので
 早くも前回の王座交代劇を踏まえたドラマがそこにはあります。
 ただそれ故に腰攻めで王座をすぐに奪いにいく、という勝負論と
 王者だというのなら証明してみろよ、という感情論の兼ね合いが微妙。
 エドワーズもまた真っ向から一進一退に臨みこじ開けるという大枠は良いのですが、
 その中には前回のようにチョップとエルボーを色分けするといった段階付けの意識が欲しい。
 終盤も意表をついたタイミングでの動き、
 ニア・フォールの中のサブミッション、掟破り、と
 全てを押さえた濃厚な攻防だが、そのバランス故に個性を感じ取れない。
 最後のエドワーズのハーフ・ボストン・クラブからのストンピングも見せ方がまだまだ。
 素晴らしい試合ながら前回To be continuedの形で王座を移動させた意味合いを感じ取れなかったのは残念。
 好勝負に少し届かず。

 試合後HoTがエドワーズをリンチ。
 デイビーが救い出すもエドワーズは必要なかった、俺は一人でもやれる、と言う。
 そしてそれを証明するためにお前と戦いたい、と続ける。
 真剣な思いに、デイビーも了承する。

総評
 セミは素晴らしかったものの
 メインは必ず比較される前回に劣る結果となったし、
 何よりそれまでのカードが大大会SoHとは思えない心意気で行われている。
 WWEへの流出に悩む中、WGTTのシングルというカードを切ってきたものの
 2人のモチベーション、仕事内容が当初に比べて落ちている時期に重なり成功とは言えず。
 悪くはないがもう1度見て記事を書く気にはなれなかった。
 (執筆日:3/25/11)
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ホミサイドvs.マイケル・エルガン
Aブラバード・ブラザーズvs.アダム・コール、カイル・オライリー
Bスティーブ・コリノvs.マイク・ベネット
Cエル・ジェネリコvs.クリス・ヒーロー
Dチャーリー・ハースvs.デイビー・リチャーズ
Eグラッジ・マッチ:クラウディオ・カスタニョーリvs.シェルトン・ベンジャミン
Fクリストファー・ダニエルズvs.コルト・カバナ
Gシカゴ・ストリート・ファイト:ブリスコ・ブラザーズvs.オールナイト・エクスプレス
HROH王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.ロデリック・ストロング