TOPアメリカン・プロレスROHROH 2011年 →ROH:No Escape 7/9/11

ROH:No Escape 7/9/11の分析


名勝負 なし
好勝負 アメリカン・ウルヴスvs.アダム・コール、カイル・オライリー

約2時間25分です。

@マイク・ベネットvs.アンディ・リッジ
 ベネットはエプロンへのバック・ブリーカー、スパイン・バスターなど
 持ち技を印象的なポイントで打つ事が出来るようになりました。
 アンディの特徴も出した上でアピールできていますね。
 5分の試合ながらこれまでの中で一番ちゃんと見れる内容ですね。
 前回のANEとの2試合ブッキングがちょっとした成長のきっかけとなったか。
 悪くない試合。

Aグラッジ・マッチ:ケニー・キングvs.マーク・ブリスコ
 パートナーは手錠で鉄柱に縛り付けられるという補佐ルールあり。
 最後にパートナーが凶器を渡したりして関わってくるのが定番ですが、
 ここではその範囲なら攻撃してもレフェリー公認という面白い曲解を見せています。
 限定ランバージャックといった感じでしょうか。
 場外が普通に戦える場所と、自分に有利な場所、相手に有利な場所、と
 3つに分かれるので普通のランバージャックより可能性はあるかもしれないですね。
 テンポの良く一進一退も織り交ぜました。
 まあまあ良い試合。

Bグラッジ・マッチ:リェット・タイタスvs.ジェイ・ブリスコ
 こちらもパートナーが手錠で鉄柱に縛られていて、使い方は同じ。
 敵をパートナーにぶつける、というスポットぐらいが唯一の工夫か。
 こちらもテンポ良い戦いに。
 タイタスの耐え、ジェイの荒っぽい打撃があるので抗争の生々しさはより出ています。
 ただケニーに比べるとタイタスは雑な部分がありますね。
 最後は枝切りバサミでマークが解放され2対1になってフィニッシュ。
 平均より少し上。

 WGTTが現れブリスコズを追い払う。

Cアメリカン・ウルヴスvs.アダム・コール、カイル・オライリー
 デイビーXオライリー、エドワーズXコールが軸です。
 オライリーはふらつくのが早く、攻防の移行にぎこちなさもあります。
 しかしデイビーが師匠として積極的にオライリーの感情を刺激する方法を考えているので
 オライリーの孤立シーンもいつもより面白いですね。
 そもそもウルヴスとしてのタッグ・ワークも冴えていました。
 ウルヴス対決を経てわだかまりが解消されたため戦略的な連携が復活しています。
 コールはこの孤立シーンでは控えなので
 直接活躍する事はありませんがちゃんとレフェリーに抗議して盛り立てています。
 そしてタッチすると見事な流れの生み方を見せています。
 技の重ね方、アピールの挟み方は目を見張るものがあり、
 エドワーズも同質の上手さを持っていますから試合はどんどん盛り上がっていきます。
 終盤はウルヴスのタッチせずの介入と
 オライリーの控えとして関わるスポットが要所に挟まれ、
 最後まで両者の魅力が引き出されました。
 ぎりぎり好勝負。

Dマイケル・エルガン、チェイス・オーウェンズvs.カプリス・コールマン、セドリック・アレクサンダー
 ミステリー・パートナーとして選ばれたのはオーウェンズ。
 HoFに入れるかの試験試合だとマルティニが説明。
 エルガンが鋭い打撃と十八番の2人まとめての投げを見せいつもの如くトップ・クラスのアピールを見せます。
 一方でオーウェンズは半ばガチに駄目っぷりを露呈し、
 試合後に制裁される布石となっている。
 一方のカプリス、セドリックは前日に比べて緊張がほぐれており、
 依然粗い部分は残しつつもより芳醇なタッグ・スポットを提供している。
 平均レベル。

Eクリス・ヒーローvs.コルト・カバナ
 カバナがローリング・エルボーなどを読みきり、からかう展開。
 その後ヒーローが丁寧に試行錯誤を入れ自分が優位に立つ所まで持って行きます。
 IWA-MSからの旧知という関係性を押し出してきたために
 少々私的でシリアス度は薄れているものの
 最近のカバナの試合の中では上質な方で、
 自由度の高い攻防は最近のヒーローが中々見せてくれないものでもある。
 攻防自体は読ませず、私的で
 平均的な良試合。

Fレスリングス・グレーテスト・タッグ・チームvs.ブラヴァド・ブラザーズ
 シェルトンはアマレスで力を見せ付けるが、相手がそれに対して何もできなくても気にしない。
 ハースは雑に投げてればそれで満足。
 中盤でブラヴァドズに主導権を渡すも、そこでは自分のアピールにならないから、と手抜き。
 終盤はストレートに攻め続けスカッシュ・マッチでしかない。
 折角王座を任したのにここで劣化して自分勝手になられると困りますねぇ。
 デイビーも毎回登場できる訳ではないし外れ興行が少し増える可能性がある。
 悪い試合。

 ブリスコズが現れWGTTと乱闘を始める。
 ハースをテーブル葬。
 ANEが現れるとブリスコズはあっさり引き下がる。

Gケージ・マッチ:ロデリック・ストロングvs.エル・ジェネリコ
 ジェネリコが入場してきたロデリックに襲い掛かり
 ケージ外の乱闘からテンション高く始めたのは良好。
 しかし中盤になっても脱出を狙う場面はなく、
 かといってケージにこすりつけたり、流血させたりする
 残虐な一面の表現もないのでケージ・マッチである意味性が失われていきます。
 終盤になっても脱出を狙わない事から
 ケージ・マッチ特有の雪崩式系の見せ場もなくケージの上からのダイブもありません。
 結局ケージはそこに置かれている以上の物になれませんでした。
 中身自体は高いクオリティで安定している。
 どのタイミングまで一方的に攻めて良いか両者良く分かっていますし、
 ケージが揺らぐほどハードに叩きつけているのでインパクトもあります。
 流れるような切り替えし合いは見事でコンビネーションも冴えています。
 全編に渡ってコンビネーション押し、
 ケージの利用が不十分な事もあってやや単調な部分もありましたが、中々良い試合でした。

総評
 ストーリー・ラインからすると弱めなラインナップながら
 WGTT以外は着実な仕事をしましたし、
 Cは期待通りコール、オライリーがROHで更なるステップ・アップを遂げるきっかけになり得る試合でした。
DVD Rating:★★☆☆☆
 (執筆日:9/25/11)

注目試合の詳細

Cアメリカン・ウルヴスvs.アダム・コール、カイル・オライリー
 握手を交わす。
 エドワーズとコールの腕の取り合い。
 エドワーズがショルダー・タックル。
 コールは巴投げをよけられるもアーム・ドラッグ。
 足を払ってカバーするもお互い返される。
 同時にドロップ・キック。
 コールが腕を取りタッチするも逃げられる。
 オライリーはデイビーを指名。
 エドワーズはデイビーにタッチ。
 牽制の打撃。
 組むとオライリーがトライアングル・チョークへ。
 デイビーがアンクル・ロックに切り返す。
 蹴りをかわしあって離れる。
 蹴りを打ち込みあう。
 オライリーが蹴り倒す。
 タッチすると2人でキッチン・シンク、背中への蹴り+ドロップ・キック。
 コールがカバーするもカウント2。
 タッチすると2人でバック・エルボー。カウント2。
 トライアングル・チョークからエルボーを打ち込む。
 デイビーがジャックナイフに持っていく。カウント2。
 コーナーで体勢を入れ替えながら打撃を打ち合う。 
 オライリーが打ち勝ちカバー。カウント2。
 雪崩式技を狙う。
 デイビーは逃れるとオライリーの体勢を崩す。
 コールを殴り落とす。
 エドワーズがオライリーに蹴りをいれ逆さ吊りにする。
 2人でオライリーにドロップ・キック。
 交代したエドワーズはコールを殴り落とす。
 場外に落とす。
 デイビーがオライリーをフェンスにぶつけビッグ・ブーツ。
 デイビーが振りエドワーズがチョップで倒す。
 リングに戻すとデイビーがテキサス・クローバー・リーフ。
 エドワーズが入ってきてコールを落とすとデイビーにチン・ロックを決めて更に逸らしあげる。
 コールがカット。
 オライリーが倒れた状態から蹴りを放つも
 デイビーは余裕で耐えて蹴り。
 オライリーが起き上がってエルボーを打つもデイビーが耐えて蹴り倒す。
 オライリーが起き上がりエルボーを打つ。
 デイビーは打ち合いに応じソバット。
 バック・ドロップへ。
 後ろに着地し放ってきた蹴りを受け止めバック・エルボー。
 蹴りを放つ。
 オライリーが受け止めハイ・キック。
 両者ダウン。
 エドワーズが入ってきてコールをビッグ・ブーツで落とす。
 オライリーが2人に張り手を打ち込んでいく。
 ロープに走る。
 エドワーズがソバット。
 デイビーが蹴りを放つ。
 オライリーは受け止めるとエドワーズに渡してデイビーに連鎖ドラゴン・スクリュー。
 オライリーがコールにタッチ。
 コールがデイビーにミサイル・キックで落とす。
 エドワーズのクローズラインをかわすとクローズラインにドロップ・キック。
 エドワーズのビッグ・ブーツをかわしバックを取る。
 取り返されるも延髄切り。
 サンセット・フリップ。カウント2。
 コーナーのエドワーズにバック・エルボー。
 コーナーに振り返されるもカウンターで蹴りをいれセカンド・ロープからドロップ・キック。
 カバー。カウント2。
 エルボーの打ち合い。
 エドワーズがチョップを打っていく。
 コーナーでチョップ連打。
 コールが体勢を入れ替えエルボー連打。
 エドワーズがチョップ連打。
 コールが張り手連打。
 ロープに走る。
 エドワーズがチョップを打ちクローズラインへ。
 コールが担ぎ上げネック・ブリーカー。カウント2。
 コールがバックを取る。
 エドワーズがバック・エルボーで振り払う。
 セカンド・ロープにのったコールにジャンピング・キック。
 バックパック・スタナー。
 デイビーがオライリーを蹴り落としてカットを防ぐもカウント2。
 コールが2人の腹を殴りつけていく。
 ロープに走る。 
 デイビーがソバット。
 2人はロープに走りコールを蹴りで挟み撃ちしようとする。
 コールがかわし誤爆させる。
 エドワーズを自陣に誘い突進をかわす。
 同時にオライリーが蹴り。
 コールを蹴ってエドワーズにトルネードDDT。
 持ち上げるとコールがダイビング・クロス・ボディで合体させる。カウント2。
 コールはエドワーズをコーナー上にのせスーパープレックスを狙う。
 エドワーズが抵抗しヘッド・バッドで落とす。
 邪魔しに来たオライリーを蹴り落とす。
 かがむコールにダイビング・ダブル・ストンプを狙う。
 かわされるも突進してきた所を受け流しハーフ・ボストン・クラブ。
 かっとしようとするオライリーをデイビーが捕まえジャーマンを狙う。
 オライリーがギロチン・チョークに切り返す。
 デイビーがアンクル・ロックに切り返す。
 エドワーズがコールの抵抗を防いで決めなおす。
 オライリーが起き上がりデイビーに延髄切り。
 それを見たエドワーズはハーフ・ボストン・クラブを外しオライリーにスーパー・キック。
 コールがエドワーズにスーパー・キック。
 コールはデイビーのクローズラインを蹴り払うとスーパー・キック。
 リバース・ハリケーン・ラナを決める。
 デイビーが気合で起き上がりコールにラリアット。
 全員ダウン。
 同時にタッチ。
 オライリー、デイビーが同時にビッグ・ブーツ。
 エルボーを打ち合う。
 デイビーが頭部を蹴り上げまくる。
 オライリーもやり返す。
 デイビーが再び。
 オライリーも再び。
 デイビーがソバット。
 打ち返してきたオライリーにラリアット。
 カウント2で返されるなりアンクル・ロック。
 コールがビッグ・ブーツを打つもデイビーは耐える。
 もう1発打つも耐えられる。
 ロープに走る。
 エドワーズがロープ越しに羽交い絞め。
 コールは振り払うとロープを飛び越えてエドワーズにエプロンへのDDT。
 コールは体勢を変えるとデイビーにシャープ・シューター。
 デイビーが体勢を変えスモール・パッケージ。カウント2。
 デイビーが突進。
 コールがカウンターでドロップ・トー・ホールド。
 ロープにもたれたところをコールが場外からジャンピング・キック。
 オライリーがダブル・アーム・スープレックスを連発。
 デイビーが3発目で逆に持ち上げようとする。
 コールが入ってきてデイビーにスーパー・キック。
 コール、オライリーがデイビーにDDTからジャーマン。
 頭部を蹴りで挟み打ち。
 オライリーがカバーするもエドワーズがカット。
 コールがエドワーズを落としプランチャを狙うもかわされ自爆。
 オライリーがデイビーにブレーン・バスターを狙う。
 ニーをいれ逃げられたのでビッグ・ブーツへ。
 かわされロープに引っかかる。
 エドワーズがすかさずロープを使ってのドラゴン・スクリュー。
 交代したエドワーズはロープに引っかかったオライリーにダイビング・ダブル・ストンプ。
 カバーするもカウント2。
 起こしてラリアット。カウント2。
 パワー・ボムを狙う。
 オライリーがギロチン・チョークに切り返す。
 エドワーズが押しのけるとデイビーが蹴り。
 エドワーズがスーパー・キック。
 デイビーがジャーマン。
 エドワーズがジャックナイフ固め。
 コールがカット。
 ウルヴスはコールを追い出すとパワー・ボム+バック・クラッカー。
 エドワーズがカバー。
 カウント2で返されるなりハーフ・ボストン・クラブ。
 デイビーがカットしようとするコールにロープ越しにスライディング・キック。
 フェンスに振ろうとする。
 コールが振り返してぶつける。
 オライリーが反転させ逃れようとする。
 決めなおそうとするエドワーズに、背後のコールがロープ越しにジャンピング・キック。
 コールがリングに入りデイビーにトペ・スイシーダ。
 オライリーがエドワーズにインサイド・クレイドル。
 エドワーズはカウント2で返すとハーフ・ボストン・クラブ。
 まだロープに向かう気力のあるオライリーの頭部をストンピング。
 もう1発。
 オライリーが気絶しレフェリーが止める。
 しかしゴングが鳴らなかった事からエドワーズはしばらく決め続けレフェリーが止めさせる。
 デイビーはやりすぎじゃないか、とエドワーズの胸を突く。
 エドワーズがゴングが鳴らなかったからだ、と反論し言い合いに。
 デイビーはオライリーの状態を心配している。
 ウルヴスはまだ言い合いをしている。
 エドワーズがふてくされ、おざなりに握手を求める。
 デイビーが応じないのでそのまま退場。
 デイビーはコールと共にオライリーに肩を貸して退場。

試合結果

@マイク・ベネットvs.アンディ・リッジ
Aグラッジ・マッチ:ケニー・キングvs.マーク・ブリスコ
Bグラッジ・マッチ:リェット・タイタスvs.ジェイ・ブリスコ(ノー・コンテスト)
Cアメリカン・ウルヴスvs.アダム・コール、カイル・オライリー
Dマイケル・エルガン、チェイス・オーウェンズvs.カプリス・コールマン、セドリック・アレクサンダー
Eクリス・ヒーローvs.コルト・カバナ
Fレスリングス・グレーテスト・タッグ・チームvs.ブラヴァド・ブラザーズ
Gケージ・マッチ:ロデリック・ストロングvs.エル・ジェネリコ