TOPアメリカン・プロレスROHROH 2011年 →ROH:Defy or Deny 3/18/11

ROH:Defy or Deny 3/18/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

約3時間30分です。

◆ベネットがTV王座への挑戦をアピール。コリノのように叩きのめしてやるぜ、とアピール。
コリノが現れお前に少しでも敬意というものがあれば王者になれるのにな、と言う。
そしてエヴァンスを殴り倒す。
逃げていくベネットにお前が心配しなければならないのは王座戦ではなくこの俺だ、とコリノが告げる。

@マーク・ブリスコvs.カイル・オライリー
 マークが相手の事を考慮したファイトをしているのが印象的。
 オライリーも順調にアピールが定着していますね。
 これで沈められないならこれを、という競い合いが自然と生まれています。
 平均より少し上。

Aスティーブ・コリノ、グリズリー・レッドウッドvs.オールナイト・エクスプレス
 コリノが正々堂々と戦おうと何かするんじゃないかという疑念がついてきます。
 だからこそ相手のタイタスが何かするんじゃないかと思わせ実際卑怯な行動に出るのは非常に効果的です。
 ケニーのレッドウッドの扱いも適切で、終盤は誤爆などで予想以上に盛り上がりましたね。
 平均より少し上。

Bトマッソ・チャンパvs.アダム・コール
 トマッソがハード・ヒットから煽り、間まで
 オールラウンドに何でも出来るレスラーである事が伝わってくる内容。
 コールはやや無色だがベビーフェイスとしての絵姿はあり、
 若手がしっかり仕事を果たしました。
 まあまあ良い試合。
 
Cクリス・ヒーローvs.TJP
 身長差のある状況で、ヒーローが倍返しし、
 更にS&S介入まで繰り出して絶対的な差を作り上げました。
 TJPは時々しか参戦していないとはいえ、そこまでアンダードッグ扱いされるのには疑問を感じるし、
 何よりこういう状況でTJPは飄々としていて攻めと受け、一連の流れとして魅せていく事が出来ない欠点が露呈される。
 欠点があるならその欠点が試合に出ないようにすれば良いのです。
 TJPが優れたアスリートである事は確かなのですから
 もっとリアリティーを前に押し出して作っていけば良かったのにねぇ。
 平均的な良試合。

Dブラヴァド・ブラザーズvs.マイク・テイベン、セドリック・アレクサンダー
 特に見る価値のない連携技を披露して最後は丸め込みフィニッシュ。
 ヒールのブラヴァドとしては煽っているつもりなんだろうけど
 子供が騒いでいるようなもので気に留めすらしない。
 悪い試合。

Eエディ・エドワーズvs.マイケル・エルガン
 エドワーズが懐の深い試合運びで、
 エルガンもまたエドワーズの事をよく理解し試合を押し上げている。
 両者の魅力が交錯した、広く空間を使った試合展開となっていますね。
 また団体側もこの試合をエルガンの大一番と位置づけており
 予想だにしなかった場外スラム・スポットまで飛び出す。
 エドワーズがあわやリングアウトという格好になり盛り上がりましたね。
 後々に繋がる攻め、受け、そして理解しあった攻防があり充実している。
 フィニッシュもまた素晴らしかったですね。 
 好勝負に少し届かず。

FTV王座戦:クリストファー・ダニエルズ(ch)vs.マイク・ベネット
 ダニエルズが色々な形でベネットを押さえつけ痛めつけるので楽しめはしますね。
 ベネットは如何にもTV用なオーバーリアクション。
 それが試合に利いていないのでうざったく感じます。
 試合を通してクオリティがない訳ではないが・・・、って状態が続きました。
 悪くない試合。

Gクラウディオ・カスタニョーリvs.デイビー・リチャーズ
 まずはCCとの体格差設定を作り上げた形ですが、やや過剰に見えますね。
 確かにCCは充実しているけれどもデイビーもまた充実しているのですから、
 デイビーが撹乱してトペをしてまで主導を握れないというのにはいまいち納得がいきません。
 しかしそのCCには絶対に勝てない設定から、
 セコンドをまずは排除し、同じステージへと押しあがっていく所は
 上手く見せれていて盛り上がっていきました。
 一方でそこから更にどちらが力尽きるかまでの勝負に持っていったのは欲張りというもの。
 独自の武器で勝負していてダイナミックではあったものの
 全般的にふり幅を大きくとったせいで密になりきれていない所がある。
 好勝負に少し届かず。

Hディファイ・オア・ディナイ・エリミネーション・マッチ:ロデリック・ストロングvs.エル・ジェネリコvs.ホミサイドvs.ジェイ・ブリスコ
 (ストロングが勝てば他の3人は二度とROH王座に挑戦できず、他が勝てば挑戦権を得るという形式。)
 ホミサイドがヒールとしてストロングにつきタッグ・マッチの形でスタート。
 ストロングXジェネリコ、ジェイは好勝負を生み出している組み合わせですが、
 タッグとなるとまず双方がチームとしてどうなのかが問題になってくる。
 ストロング、ホミサイドは煽るもダラっとした試合運びだし、
 ジェネリコ、ジェイも対抗して結束した、とは言えないほど連携力がありません。
 相変わらず粗いホミサイドが裏切りますが、
 ここでベビーフェイスであるかのように動いていて最後まで救えません。
 まずはホミサイドが脱落。
 次の3ウェイではジェイがスピード感のある試合進行をしていて激しい攻防となります。
 良質ではあるものの急き過ぎです。
 先ほどとの落差が大きく、感覚がフィットする前にジェイが脱落してしまう。
 最後はストロング対ジェネリコ。
 ストロングが甚振り、ジェネリコが気持ちのこもった反撃を見せる、というのが基本のライン。
 今度はドラマチックに引きもうという事ですが、
 これまた3ウェイとの場面切り替えが上手くいっていない。
 最後も介入からあっさりフィニッシュですしね。
 各シーンごとに色合いを変えるのは重要ですが、
 今回はそれが相互にマイナスに作用し機能せず。
 最初のタッグがいまいちすぎたのも痛かったですね。
 平均より少し。

総評
 エルガンがキャリア・メイキング・マッチを見せるというサプライズもあり充実した内容となっています。
 しかしメインが唯一の例外となっていて残念な大会だったという印象が刻まれてしまう。
DVD Rating:★☆☆☆☆
 (執筆日:5/25/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@マーク・ブリスコvs.カイル・オライリー
Aスティーブ・コリノ、グリズリー・レッドウッドvs.オールナイト・エクスプレス
Bトマッソ・チャンパvs.アダム・コール
Cクリス・ヒーローvs.TJP
Dブラヴァド・ブラザーズvs.マイク・テイベン、セドリック・アレクサンダー
Eエディ・エドワーズvs.マイケル・エルガン
FTV王座戦:クリストファー・ダニエルズ(ch)vs.マイク・ベネット
Gクラウディオ・カスタニョーリvs.デイビー・リチャーズ
Hディファイ・オア・ディナイ・エリミネーション・マッチ:ロデリック・ストロングvs.エル・ジェネリコvs.ホミサイドvs.ジェイ・ブリスコ