TOPアメリカン・プロレスROHROH 2011年 →ROH:Honor takes Center Stage:Chapter One 4/1/11

ROH:Honor takes Center Stage:Chapter One 4/1/11の分析


名勝負 なし
好勝負 ROH王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.クリストファー・ダニエルズ

@エル・ジェネリコvs.マイケル・エルガン
 ジェネリコは小気味良く、
 エルガンの巨人ではない重戦車スタイルの良さを引き出しています。
 エルガンも様々な形でパワーを見せていますね。
 只一方で芯の弱い所がある。
 エルガンは丁度良いバランスを表現するに当たって
 シリアスな脅威というものは失われる。
 それでいて介入からとはいえジェネリコに勝利してしまうのだから納得いかないですね。
 ジェネリコはこういう役割もはまるけれども
 スティーンを追放したのだから否応なく格と言うものは上がっているはずなのだけど。
 平均より少し上。

A4コーナー・サバイバル:ホミサイドvs.コルト・カバナvs.カレブ・コンレーvs.トマッソ・チャンパ
 スパンキーを気取るコンレーはレベルが低く話にならない。
 ホミサイド、カバナはほとんど争わずコンレー相手に遊ぶ形。
 チャンパは体は出来ているのでちゃんとこなせそうなのだが
 興味を持ってもらえていない状況でした。
 悪い試合。

Bサラ・デル・レイ、セレナ・ディーブvs.松本浩代、栗原あゆみ
 流石に日本人が加わっているのでちゃんと時間が与えられました。
 内容は本調子ではなかったですけどね。
 特にセリーナは受けが鈍く、印象付けも逆に唐突且つ浮いている印象を与えてしまっています。
 松本も攻めが重い、それだけでその後が続かないんですよね。
 他の2人はシングルでも良い物を生み出しているので安定。
 ドミネイトしようとするサラに栗原がクイックに反撃を仕掛けるのは見所となっています。
 悪くない試合でした。

Cブリスコ・ブラザーズvs.アダム・コール、カイル・オライリー
 普通のレスリングの中で
 オライリーのスタイルとブリスコズの格を提示。
 その後は連携技を綺麗に撃ち合います。
 機会を均等に分け与えていますね。
 特にブリスコズの立ち回り方は上手かったですね。
 2人受けでオライリーを引き立てたかと思えば
 次は影に隠れていたコールを表に引っ張り出して活躍させました。
 全体的には打ち合い一直線な印象もあるがヒールのブリスコズも面白そうと思わせる内容。
 中々良い試合でした。
 試合後ANEが現れブリスコズと場外乱闘。

Dロデリック・ストロングvs.デイビー・リチャーズ
 まずはレスリング。
 ストロングが仕掛けるものの、それに対するリチャーズのリアクションがいまいちですね。
 リチャーズは毒が抜けて凄く良くなった訳だけど
 それは同時に無色になる危険性を孕んでいて2011年はそれに陥ってしまうかもしれないですね。
 中盤。
 しっかりしていますが数え歌の関係性は使わず+αの提案も出来ていないので物足りない所があります。
 ここまではこのカードならいつでも出来るレベルです。
 今回打撃の音が聞こえなかったので
 観客がノって相乗効果を及ぼす事もありませんでした。
 しかし良いカウンターからお互い細かい攻めが出てくると熱を帯びてきます。
 一進一退とストロングの押し込みが同時進行で展開される。
 そして終盤の打撃の打ち合いは豊かで且つ激しく熱いです。
 どちらも仕掛けからの連鎖が素晴らしく、
 何か王座が賭けられているのかと勘違いする程の攻防でした。
 終盤だけは名勝負級でした。
 このために前半を耐える価値はある。
 好勝負に届かずも中々良い試合。
 
Eタッグ王座戦:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.レスリングズ・グレーテスト・タッグ・チーム
 序盤はWGTTがアピール。
 それは良いのだけどKoWが対抗してカラーを出してこない。
 強さを提示しないまま介入で返り討ちにあったりするので
 前半は興味をそそられない展開となっています。
 まあベンジャミンを孤立させる所から立ち直れるのがKoWの安定感という強みではありますね。
 ハースにちょっかいを出しながら観客を煽り立てるのでかなり良い孤立となっています。
 スターとして弱いと思われていたハースもタッチ成功後中々の爆発っぷりを見せます。
 密度のある打ち合いの中で高いセンスを感じさせる攻防を織り交ぜ終盤も盛り上げました。
 何回かやっている上での王座交代劇という事を考えるとがっかりする所もあるが
 求められているクオリティは最終的に何とか満たすことが出来ました。
 中々良い試合。

FROH王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.クリストファー・ダニエルズ
 レスリングは前回同様絶品。
 ダニエルズは力のこもったレスリングで
 かけて終わりではない、かけ続ける事にまで意味を持たせています。
 エドワーズもROH王座を持った事で心が大きくなったか
 様になっていて観客を見て確かめるようになっています。
 戦いの中でファン・サービスを出来るようになったのも立派。
 しかし未だ途上で、体が動き出そうとするのを頭で止めてそういう時間を作り出しています。
 中盤の攻防は前回の3本勝負を念頭に置くとより楽しめます。
 この技が有効だったな、という記憶を頼りに戦略を立てています。
 テンポも良いですね。
 エドワーズの思わぬ健闘に焦ったダニエルズは
 ダーク・サイドの誘惑に負けテーブル、椅子スポットに手を出します。
 ストーリーとしては素晴らしいものの
 その前を一進一退よりも少しエドワーズ押しにした方が効果的ですし、
 その後も長々とせず一気に終盤に突入しても良かったように思いますね。
 しばらく腰狙いで引き伸ばした後終盤。
 良質な攻防の後エンジェルズ・ウィングをカウント2で返した所から
 加速度的にドラマチックな要素を加えてそのまま〆ました。
 3本勝負〜ヒール・ターンの中間として上手く描く激闘です。
 ただ30分の試合にしたのにはやはり疑問を呈しましょう。
 エドワーズがやたらコーナー上を使っている印象を受けたように
 ロング・マッチを前提にして方法論からそうせざるをえない行動がありました。
 実際にこの2人が戦う、最高の試合をするために何がしたいか、という事から考えた時には誤った選択だろうと思います。
 ただエドワーズがROH王者としてやっていくにあたって
 一歩上の変化を求めるのは決して誤っているとはいえないのが難しい所。
 タイラー同様前半は模索しながらメインを務め上げる格好になるのでしょう。
 ぎりぎり好勝負。

総評
 メジャーの持つ面白みがいつも以上に欠けている気はするけれども
 後半は全て見応えのある内容で、前半も新人、女子の試合がいつもより良く、
 一日目にも関わらず全体的に平均点の高い大会となりました。
 (執筆日:4/10/11)
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

FROH王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.クリストファー・ダニエルズ
 握手を交わす。
 組むとエドワーズがアーム・ドラッグ。
 組むとエドワーズが腕を取り倒す。
 ダニエルズが脚をかけて倒す。
 ヘッド・ロック。
 エドワーズがハンマー・ロック。
 ダニエルズが起き上がりヘッド・ロックから引き離す。
 腕を取る。
 回転してのでひねる。
 回転にあわせて回転。
 回転したエドワーズを押さえ込む。カウント2。
 クローズラインを受け止め丸め込む。カウント2。
 パンチを受け止めヘッド・ロック。
 ロープに振られたのでショルダー・スルーを狙ったエドワーズを蹴り上げる。
 クローズラインへ。
 エドワーズがかわしチョップ。
 ダニエルズは場外に転がり落ちたかと思いきやリングにすぐ戻ってきて胸を突く。
 エドワーズがチョップ。
 ダニエルズがすぐ張り手で返す。
 仕切りなおし。
 組むとダニエルズがコーナーに押し込みショルダー・ブロックを連発。
 エルボーにチョップ。
 ストンピング。
 ニーを押し当てる。
 掌底。
 ターン・バックルにぶつけコーナーに振る。
 エドワーズはコーナーを使って裏に回ると股下を通りハリケーン・ラナ。
 アーム・ドラッグで腕を取る。
 起き上がったダニエルズをコーナーに押し込みチョップ。
 チョップで倒す。
 カバー。カウント1。
 チョップ。
 ロープに振ろうとする。
 振り返されたのでリープ・フロッグを潜りハリケーン・ラナへ。
 ダニエルズはそれを利用してハーフ・ボストン・クラブ。
 エドワーズがロープを掴んで場外へ。
 ダニエルズがロープ越しに蹴り飛ばそうとする。
 かわされるもフェンスに振ろうとする。
 エドワーズは防ぐと突進してきたダニエルズにフェンスへのヒップ・トス。
 チョップ。
 別の角でチョップ。
 リングに戻すとバック・ドロップ。カウント2。
 コーナー上に載せる。
 抵抗されたのでエプロンに出てジャンピング・キック。
 逆さ吊になったのを見て場外に下りる。
 そこからドロップ・キック。
 リングに戻りカバー。カウント2。
 チン・ロック。
 ダニエルズが腹にパンチ。
 張り手。
 ロープに走る。
 エドワーズがベリー・トゥー・ベリー。
 カバーするもカウント2。
 ブレーン・バスターを狙う。
 ダニエルズは後ろに着地すると首を掴んでターン・バックルにぶつける。
 エドワーズがチョップを打ちロープに走る。
 ダニエルズがカウンターでブルー・サンダー・ドライバー。
 クローズライン。
 クローズライン。
 STO。
 コーナーのエドワーズに突進。
 エドワーズはカウンターでバック・エルボー。
 セカンド・ロープから飛びつきダブル・ニー。
 フェイス・バスターからカバー。カウント2。
 起こそうとする。
 ダニエルズがジョー・ブリーカーから延髄切り。
 チョーク・スラムを狙う。
 エドワーズがアーム・ドラッグに切り返し突進。
 ダニエルズはカウンターで蹴りを入れるとコーナー上に座る。
 エドワーズがジャンピング・キック。
 エプロンに出るとおんぶしてのスタナーを狙う。
 ダニエルズは逃れるとクローズラインを受け止める。
 そして横のテーブルへのチョーク・スラム。
 リングに戻る。
 レフェリーがカウントを数える。
 ダニエルズは待たずして場外に下りると立てた椅子へのボディ・スラム。
 王座を持ってアピール。
 リングに戻す。
 ロープ越しに飛んでエルボー・ドロップ。カウント2。
 ボディ・スラム。
 もう1発。
 3発目。カウント2。
 背中にニー。
 アイリッシュ・ウィップ。
 背中にストンピング。
 ブレーン・バスター。
 カウント2で返されるやチン・ロック。
 起き上がったダニエルズにチョップを打っていく。
 ロープに走る。
 ダニエルズがスパイン・バスター。カウント2。
 コーナーに押し込み上にのせる。
 スーパープレックス。カウント2。
 コーナー上にのせると掌底。
 今度はトップ・ロープからスーパープレックスを狙う。
 エドワーズが腹にパンチ。
 ヘッド・バッドを叩き込んで落とす。
 ミサイル・キック。
 両者ダウン。
 エドワーズが蹴り飛ばす。
 ロープに走り蹴り飛ばす。
 もう1発狙う。
 ダニエルズがかわしオコーナー・ロール。
 返されロープに走り丸め込む。
 丸め込みの応酬。
 ダニエルズがカウント2で返しエルボー。
 突進。
 エドワーズはカウンターでヒップ・トスを決めて落とすとトペ・スイシーダ。
 カウント14でダニエルズをリングに戻しコーナー上へ。
 ダイビング・クロス・ボディ。カウント2。
 チョップ。
 チョップ。
 もう1発。
 コーナーでチョップを連打。
 タイガー・スープレックス。カウント2。
 バックを取る。
 ダニエルズがヘッド・ロックからエルボーを打ち下ろす。
 エドワーズが蹴りを放つ。
 受け止められるも延髄切り。
 フェイス・バスター。カウント2。
 ダイビング・ダブル・ストンプを狙う。
 ダニエルズはかわすとクルーシーフィックスの入りからコウジ・クラッチ。
 エドワーズの身体が崩れ落ちる。
 ロープに伸ばす腕も絡め取る。
 エドワーズが何とかロープに脚をかける。
 ダニエルズはエドワーズをコーナーにぶつけると後頭部にエルボー。
 雪崩式サイド・スラム。カウント2。
 エルボーを打ち込みジョー・ブリーカー。
 延髄切りへ。
 エドワーズはガードするとハーフ・ボストン・クラブ。
 ロープに手を伸ばすダニエルズを中央に戻す。
 ダニエルズがコウジ・クラッチに引きずり込む。
 エドワーズがすぐ両肩をつけにいく。カウント2。
 エルボーの打ち合い。
 エドワーズがエルボー連打。
 ダニエルズが突っ張りから掌底。
 ロープに走る。
 エドワーズがスーパー・キック。
 ダニエルズがすぐに延髄切り。
 バック・ドロップ。
 ロープに走る。
 エドワーズがカウンターでクローズライン。
 クローズラインから2K1ボム。カウント2。
 起き上がるとコーナー上にのせ雪崩式技を狙う。
 ダニエルズが雪崩式エンジェルズ・ウィングを狙う。
 エドワーズがリバース・スープレックスで落とし
 かがんだダニエルズの腰にダイビング・ダブル・ストンプ。
 胸に蹴り。
 起こしてパワー・ボムへ。
 ダニエルズが逃れエンジェルズ・ウィング。カウント2。
 首をかっきるアピール。
 チョーク・スラムからBME。カウント2。
 ダニエルズは信じられない表情。
 マウント・パンチ。
 BMEへ。
 エドワーズが脚を上げて迎撃。
 丸め込む。
 カウント2で返されるやハーフ・ボストン・クラブ。
 ダニエルズが反転して蹴りまくる。
 エドワーズが戻して頭部を踏みまくる。
 ダニエルズが反転して蹴りまくる。
 エドワーズが戻そうとする。
 ダニエルズは更に回転して戻すと蹴り飛ばす。
 エドワーズも崩れ落ちる。
 ダニエルズは先に身体を起こすも腰が痛む様子。
 ツッパリから張り手。
 コーナー上に載せ雪崩式チョーク・スラムを狙う。
 エドワーズが殴りつけ雪崩式2K1ボム。
 もう1発決めカウント3!
 握手を求めるもダニエルズは拒否する。

試合結果

@エル・ジェネリコvs.マイケル・エルガン
A4コーナー・サバイバル:ホミサイドvs.コルト・カバナvs.カレブ・コンレーvs.トマッソ・チャンパ
Bサラ・デル・レイ、セレナ・ディーブvs.松本浩代、栗原あゆみ
Cブリスコ・ブラザーズvs.アダム・コール、カイル・オライリー
Dロデリック・ストロングvs.デイビー・リチャーズ
Eタッグ王座戦:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.レスリングズ・グレーテスト・タッグ・チーム(新チャンピオン!)
FROH王座戦:エディ・エドワーズ(ch)vs.クリストファー・ダニエルズ