TOPアメリカン・プロレスPWGPWG 2012年 →PWG:Mystery Vortex 12/14/12

PWG:Mystery Vortex 12/14/12の分析


名勝負 なし
好勝負 ロデリック・ストロング、エディ・エドワーズvs.ヤング・バックス

PWG王座戦、ゲリラ・ウォーフェア:ケビン・スティーン(ch)vs.アダム・コール

@ロデリック・ストロング、エディ・エドワーズvs.ヤング・バックス
 オープニングから好カードに観客は既に大きな声を上げて盛り上がる。
 その反応の波に合わせてロデリック、エディはキレのある動きを合わせています。
 その精度が極めて高いのでYバックスは若干受身に回りすぎ。
 ヘタレて攻めを引き出すのは王道ですが、
 もう少し無理矢理押さえ込んだり、憎たらしく煽っても良かったですね。
 それにしたって観客の盛り上がりが異常です。
 技が一つ一つ決まるたびに会場中が声を上げている。
 ロデリック、エディのフローは心地よく、
 Yバックスのタッグとしての攻防の広げ方も見事です。
 一瞬でのスポットの詰め込みが素晴らしく、
 逆に言えばそれ以外でもう少し間を空けても良いが、
 試合として重たくなることを嫌ったのかもしれませんね。
 ぎりぎり好勝負。
 
Aサミ・キャリハンvs.ドレイク・ヤンガー
 最初から大きなインパクトを生む打撃技狙い。
 場外利用時に敢えて椅子も絡めて
 他とは違うCZW出身色を加えていますね。
 ただタップアウト・マッチだからとサブミッションに落とし込んでいるが
 ベースが激し過ぎる故にその場面では観客もざわついてしまっている。
 後半は打撃の打ち合い、ジャーマン連発と偏執的な攻防に転じます。
 俺の方がタフマンだぞと証明して上回らなければいけないよう
 ライバル関係ではあるし、勢いとテンションで誤魔化せる部分もあるけれど
 CZW的四天王プロレスに若干陥りすぎていることは否めない。
 中々良い試合。

◆コールがスティーンを呼び出す。今夜の試合がゲリラ・ウォーフェアに変更。

Bタッグ王座戦:スーパー・スマッシュ・ブラザーズ(ch)vs.ロックネス・モンスターズ
Cジョーイ・ライアン・フェアウェル・マッチ:ジョーイ・ライアンvs.スコーピオ・スカイ
DB-Boy vs.ブライアン・ケイジvs.ウィリー・マックvs.TJパーキンス
Eエル・ジェネリコvs.リコシェ

Fロデリック・ストロング、エディ・エドワーズvs.スーパー・スマッシュ・ブラザーズ
 ロデリック、エディが奇襲を仕掛けるという予期せぬ展開でスタート。
 一気呵成のたたみかけは見事ですが、
 こういう攻防になるとウノの体の重さが目立ちますね。
 ストゥピファイドもキャリア、実績を気にしてか
 圧倒されて自主性がなくなっていました。
 それでもタッチ成功後の控えのエディへの3連発ダイブは常識外で大盛り上がり。
 オープニングの圧倒的なスピード感と比べると
 一呼吸おいて控えが関わる形で多少もたつく場面もありますが、それぞれの個性が立っている。
 またフィニッシュへの攻防は独創的で、強く記憶に残ります。
 中々良い試合。
 
GPWG王座戦、ゲリラ・ウォーフェア:ケビン・スティーン(ch)vs.アダム・コール
 スティーンがコールを取るに足らない存在とドミネイト。
 4コーナーの鉄柱に股間からぶつけ、
 4エプロンの角にパワー・ボムで叩き込みます。
 良くも悪くも馬鹿げた行為で
 完全に会場の空気をスティーン色に染め上げました。
 同時にこれでコールのヒール色が消えました。
 リングに戻ったところでラダーを中心とした凶器の追加。
 コールが多少動きはするものの引き続きスティーンズ・タイム。
 スティーンの一方的な攻めが過激だからと楽しませるもの。
 後半になってようやくコールが本格的に反撃。
 カナディアン・デストロイヤーなど
 体格の小ささを感じさせない技もしくは凶器スポットを使って
 スティーンと対等に過激スポットのカウント2での返しあいを演じます。
 椅子を3段重ねたトラップへの投げ、画鋲を経て最後は王座移動。
 スティーンの体重がどうしようもなく2013年変化することができないと推測される中で、
 コールがスティーンの苛烈な洗礼を禊的に受け続けバトンを引き継いだ特別な内容。
 ぎりぎり好勝負です。

総評
 色の違う試合内容、好勝負が複数あり、他の試合も全て良い試合というクオリティの高さ。
 1日2試合を織り交ぜた予想の上をいくブッキング。
 今のPWGらしさが存分に出た理想的な大会です。
 (執筆日:12/23/12)
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ロデリック・ストロング、エディ・エドワーズvs.ヤング・バックス
Aサミ・キャリハンvs.ドレイク・ヤンガー
Bタッグ王座戦:スーパー・スマッシュ・ブラザーズ(ch)vs.ロックネス・モンスターズ
Cジョーイ・ライアン・フェアウェル・マッチ:ジョーイ・ライアンvs.スコーピオ・スカイ
DB-Boy vs.ブライアン・ケイジvs.ウィリー・マックvs.TJパーキンス
Eエル・ジェネリコvs.リコシェ
Fロデリック・ストロング、エディ・エドワーズvs.スーパー・スマッシュ・ブラザーズ
GPWG王座戦、ゲリラ・ウォーフェア:ケビン・スティーン(ch)vs.アダム・コール(新チャンピオン!)