PWG:DDT4 5/9/10の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
1枚、約2時間30分です。
@タッグ王座戦:ジェネレーション・ミー(ch)vs.ジョニー・グッドタイム、LTP
ジェネレーション・ミーがエゴ表現を積極的に押し出しリード。
グッドタイム、LTPは適切なスポットでのムーブという役割ですね。
受けと混同されることが多い受身は時に誤った方向で議論されますが、
こういう試合においては受身というのは非常に重要ですね。
スポットの重さが全然変わってきます。
そしてこの試合のGMは素晴らしい受身を見せています。
また終盤の見せ方はスポット押しの流れにも関わらず意外に重層的でした。
LTPらが結構動いているにも関わらず精度が落ちなかったのも褒めたいですね。
10分ありませんがMOTNの中々良い試合。
Aスコット・ロスト、チャック・テイラーvs.エル・ジェネリコ、ポール・ロンドン
ロンドンは相変わらずふざけているけれども、
両チームそのシーンに適当なスパイスを良く利かせた試合運びです。
普段しない広げ方、続け方を見せていますね。
そしてそれに伴いテイラーの柔軟さもアピールされている。
安心できるベースにちょっとした楽しみを、といった内容。
まあまあ良い試合でした。
Bカットラー・ブラザーズvs.ロデリック・ストロング、ライアン・テイラー
ストロングは熱が伝わる打ち方をしているけれども
そのせいでストロングに乗っかっているライアンの物足りなさが目立ちますね。
また相手とのやり取りで言えばカットラーズとどちらがイニシアティブを取るのかもうちょっとはっきりさせた方が良いですね。
カットラーズのインパクト、姿勢、入り方の3拍子揃ったフィニッシャーのおかげで平均レベルにはたどり着いているけど。
Cブリスコ・ブラザーズvs.YAMATO、戸澤陽
戸澤の熱の出し方が下手すぎる。
売れ線のテンプレートではあるが、その平均像と自身がいかにかけ離れているかを考慮すべきです。
YAMATOはヒールをアピールする割りに姿勢が良くなく打ち合いに応じすぎ。
捻くれているという表現にもなっていませんね。
ブリスコズも相手に合わせて少々自分を見失っており低調な内容。
悪くない試合です。
Dタッグ王座戦、準決勝:ヤング・バックス(ch)vs.カットラー・ブラザーズ
GMはカットラーズの受け止め方を分かっていますね。
攻防、スポットの作り方は双方の魅力に沿っています。
ただロング・マッチをするという前提がマーケティングに合っているかは少々疑問ですね。
最後までクオリティを維持して良い試合に仕上げているが
別に@のようなやり方もあって、そちらの方が向いているように思われてならない。
平均的な良試合。
E準決勝:エル・ジェネリコ、ポール・ロンドンvs.ブリスコ・ブラザーズ
ロンドンはいつになったら真面目になるのでしょう。
そしてジェネリコは何もせず、ブリスコズもずれている。
この試合で何を伝えたかったのか、
それは一流のブリスコズを急増のジェネリコ/ロンドンが破るアップセットでしょう。
しかしブリスコズは一流ではなかったし、ジェネリコ/ロンドンは情熱も魅力も見せれていないのです。
少し悪い試合。
Fクリス・ヒーローvs.ブランドン・ボナム
ヒーローが一連で統一感のあるベースをしき、
やり過ぎないよう注意し、移動で停滞を防いでいる。
間を置いて印象付けた打撃に対し、
ボナムも体重をのせたハード・ヒットで応えています。
ボナムは受けも適切で同じ土俵でありながらそれぞれの立場を描いていますね。
終盤はお互いの技が輝いていて盛り上がりました。
それは思いっきりの良さだったり多少の抵抗を加えいるからです。
これがゲームとは違う+αの要素ですね。
平均的な良試合。
Gタッグ王座戦、決勝:ヤング・バックス(ch)vs.ポール・ロンドン、エル・ジェネリコ
捻りとはいえ乱戦勃発の瞬間を見せないなんて本質を見失っています。
乱戦の荒々しさを見せれないままジェネリコ孤立へ。
ロンドンは独創的ですが自分勝手で他の人につながりにくいですね。
そんな中フェイス・バスターでニックが気絶してしまいます。
低調だったので悲しいかな特にマイナスには働いていないのだけどこれで完全にリセットされましたね。
復活するといきなりSSPを繰り出しクライマックス状態へ。
まるで意味がなく微妙な対処にしか見えません。
この4人の誰よりも躍動感あるムーブを他ならぬレフェリーが見せた後、
そこからそこそこのニア・フォールで観客は熱狂し王座交代の瞬間を迎えますが、
まったくもって感心できた内容ではありませんね。
平均より少し上。
総評
有名大会ながら試合の半分が駄目すぎてお勧めできない。
(執筆日:12/4/10)
DVD Rating:☆☆☆☆☆
注目試合の詳細
なし試合結果
@タッグ王座戦:ジェネレーション・ミー(ch)vs.ジョニー・グッドタイム、LTPAスコット・ロスト、チャック・テイラーvs.エル・ジェネリコ、ポール・ロンドン
Bカットラー・ブラザーズvs.ロデリック・ストロング、ライアン・テイラー
Cブリスコ・ブラザーズvs.YAMATO、戸澤陽
Dタッグ王座戦、準決勝:ヤング・バックス(ch)vs.カットラー・ブラザーズ
E準決勝:エル・ジェネリコ、ポール・ロンドンvs.ブリスコ・ブラザーズ
Fクリス・ヒーローvs.ブランドン・ボナム
Gタッグ王座戦、決勝:ヤング・バックス(ch)vs.ポール・ロンドン、エル・ジェネリコ(優勝!新チャンピオン!)