PWG:Battle of the Los Angels Night Two 9/5/10の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | 準々決勝:クリス・ヒーローvs.戸澤陽 |
1枚、約2時間40分です。
@準々決勝:ジョーイ・ライアンvs.オースチン・エリーズ
ライアンは肩にテーピングをして登場。
それはフェイクなのだけど実際にエリーズに狙われ痛める、という展開です。
スキット的なスポットをちゃんと試合に組み込める所はこの2人らしいと言えますね。
ライト・テイストで楽しませてくれました。
平均より少し上。
A準々決勝:クラウディオ・カスタニョーリvs.ロデリック・ストロング
CCがやりたい放題で叩きのめしく。
見事なもので天晴れというしかないですね。
一方ストロングはこれに対し、耐え忍んで打撃で切り崩していくスタイル。
しかし真っ向から対抗するには限界があり、もう少し捻って欲しかったですね。
まあCCが勝ち進む結果と連動してこの程度で抑えるという考えもあるけど。
平均的な良試合。
B準々決勝:ブランドン・ボナムvs.ブランドン・ガットソン
ただ得意技のカードを前に出して手早く組み立てただけ。
前日と比べると挑戦性が乏しいですね。
ブッカーにあっさり目にしろ、とでも言われたのかな。
少し悪い試合。
C準々決勝:クリス・ヒーローvs.戸澤陽
最初のレスリングでレベル、素養の違いが明らかとなりました。
戸澤の絶叫に観客が応える形でほんわか普通の試合になる様相を呈していました。
実際ヒーローの受けは特に戸澤用に改造されていなかったし、表現もありませんでした。
しかし試合が進むにつれ観客もレスラーも見方が変わってくる。
この試合の可能性が意外にも大きくふくらんできた。
そこからは一種の成長ストーリーとして
ヒーローの調節と戸澤の気持ちの見せ方が織り交ざって
この1年で1番といっても過言ではない最高の盛り上がりを見せていきました。
これは試合後戸澤が涙ぐんでいたのも分かりますねぇ。
文句なしに好勝負。
D準決勝:クラウディオ・カスタニョーリvs.ジョーイ・ライアン
CCは先ほどと異なり腕に狙いをつけてテクニカルな戦略をとっています。
しかしその力強さは健在。
お互いの立場が分かりやすく盛り上がりやすいですね。
問題はここでもまたCCの状態に相手が追いついていない事。
ライアンが勝った時にはブーイングが起こってましたからね。
まあ試合自体は面白かったですけど。
平均的な良試合。
E準決勝:ブランドン・ガットソンvs.クリス・ヒーロー
ガットソンが奇襲からのダイブで幕開け。
これは良いですね。
こういう始まり方をすると前回の試合を思い出します。
微妙にふらついているのには疑問ですが、
何にせよヒーローがローリング・エルボーで一旦止めます。
そこからはガットソンの攻めをヒーローが受け止めた上で
容赦なき力を見せつけ決勝へと駒を進めました。
どちらが勝つか分かりきっている準決勝としてはこれしかないという内容でしたね。
まあまあ良い試合。
Fジョニー・グッドタイム、リコシェ、ロッキー・ロメロvs.チャック・テイラー、ライアン・テイラー、ブライアン・ケイジ
どのシーンもベビーフェイスとヒールの役割を心得ていて楽しい時間を途切れさせません。
特にロメロ、リコシェ、テイラーが優れていましたが、
その中でもテイラーXリコシェは元IWA-MSの同僚という事で面白い攻防を積極的に作り出していましたね。
狙い通りテイラーXリコシェのシングルが見たいと思わされました。
良質なノン・トーナメント・マッチです。
平均的な良試合。
Gタッグ王座戦:ポール・ロンドン、エル・ジェネリコ(ch)vs.カットラー・ブラザーズ
序盤のアピールといい展開させるスポットといい強引だったり緩いものが多いですね。
PWGのタッグからイメージする加速度はまったくなく、
それぞれのタッグの中核の魅力のおかげで悪くはないけどね程度に終わる。
平均レベル。
H決勝:クリス・ヒーローvs.ジョーイ・ライアン
ライアンにはこの日3度目の腕攻め・・・。
耐えて耐えてのドラマ性でしょうか。
明らかにそんな物を期待する程ライアンに価値はありません。
そもそもベビーフェイスとして積極的に繰り出すパンチや頭部への蹴りは明らかにライアンの魅力からズレています。
そんな事を思っていたら今度はヒーローがふらついたりダウンしたりする。
今度はこちらがドラマ性?
でもそんなやられ姿を見せる理由がないよね、と戸惑うばかりです。
決勝という特別な空間を作り出したい意図は分かるが
クオリティが普通な上にズレた工夫をされてもどうしようもない。
終盤はローリング・エルボーやスーパー・キックを気合で打ち合いますが、
ライアンが明らかに道を見失っていて最後までだから自分のやり方ではないでしょ、と突っ込まされる。
そしてフィニッシュは何故かスモール・パッケージで・・・。
平均レベル。
総評
KOWが圧倒的に充実している中でライアンを優勝させるというブックのせいでぼろぼろと崩れ落ちていきました。
ただ予想に反してCのような好勝負が生まれ落ちたのが救いですね。
(執筆日:12/4/10)
DVD Rating:★★☆☆☆
注目試合の詳細
C準々決勝:クリス・ヒーローvs.戸澤陽ヒーローの出した手をはじくように戸澤が合わせる。
戸澤がバックを取りフロント・ヘッド・ロック。
入れ替えられるも戻して裏から挟むようにヘッド・ロック。
戸澤が脚を取って倒しヘッド・ロック。
回転されるも対応。
バックを取る。
ヒーローがそのまま起き上がる。
前に放り捨てる。
組むと戸澤が何とかロープに押し込み絶叫。
ヒーローが体勢を入れ替えチョップ。
戸澤はすぐに体を起こし余裕の表情。
組むと戸澤がヘッド・ロック。
ロープに振られショルダー・タックルも倒せない。
ヒーローが吼える。
戸澤がロープに走りショルダー・タックルも倒せない。
ヒーローが吼える。
戸澤がロープに走る。
戸澤はロープを掴んで止まりアーム・ドラッグを自爆させるとドロップ・キック。
ドロップ・キックで揺らがせる。
ヒーローがロープにもたれビッグ・ブーツへ。
戸澤はかわすとドロップ・キックで落とす。
フェイク・ダイブからポーズ。
入ってきたヒーローに蹴りかかりチョップ。
ヒーローは耐え前に詰め寄る。
チョップを打ってきた戸澤を殴りつける。
チョップで倒しボディ・スラム。
セントーン。
カバー。カウント2。
ターン・バックルにぶつける。
ニー。
スライディング・キック。
カバー。カウント2。
ドラゴン・スリーパーを狙う。
戸澤がロープに逃げる。
起こすとクラバート。
ニーを突き上げていく。
戸澤が受け止めバックを取り丸め込む。カウント2。
脚を取りにいく。
ヒーローが防いでクラバート・スープレックス。
カバー。カウント2。
ストンピング。
顔に軽くパンチ。
戸澤が耐え体を起こす。
胸に張り手。
ヒーローが顔を突く。
戸澤がチョップ。
ヒーローがチョップ。
戸澤が胸に張り手を連発。
ロープに走る。
ヒーローが対角に走りドロップ・キック。
カバー。カウント2。
頭部をストンピング。
コーナーにもたれさせ殴る。
腹を突き倒す。
後転からのセントーン。カウント2。
起こしてチョップを打っていく。
ロープに走る。
戸澤が追いドロップ・キックで落とす。
トペ・スイシーダで追撃。
リングに戻りもう1発。
ワン・モア・タイムといわれリングに戻る。
しかしヒーローがすぐ追いコーナーに振ろうとする。
戸澤は振り返すとエルボー。
バック・ドロップを狙う。
ヒーローがバック・エルボーを叩き込む。
戸澤がロックを離さず持ち上げようとする。
ヒーローがバック・エルボーを叩き込む。
戸澤が耐えバック・ドロップ。
カバー。カウント2。
アピールしジャーマンを狙う。
ヒーローは耐えるとバック・エルボー。
逃れるとクラバート・スープレックス。
コーナーの戸澤にランニング・エルボー。
ロープに走る。
戸澤がソバット。
ロープに走る。
ヒーローが追いビッグ・ブーツ。
セカンド・ロープからヒーローズ・ウェルカム。
カバーするもカウント2。
パワー・ボムを狙う。
戸澤がハリケーン・ラナに切り返そうとする。
跳ね除けられるも即座にシャイニング・ウィザード。カウントは2。
起こそうとする。
ヒーローがチョップ。
胸に張り手を打ち合う。
ヒーローがニーを打っていく。
ローリング・エルボーへ。
戸澤がジャンピング・キック。
ジャンピング・キック。
ジャーマン。カウントは2。
ジャーマンへ。
耐えて腰を落としたヒーローの背中を蹴り。
頭部をスピン・キック。
ロープに走りスライディング・キック。
カバー。カウント2。
達磨指揮ジャーマンを狙う。
ヒーローはヒップ・アタックで逃れるとレッグ・ロック・バック・ドロップ。
カバー。カウントは2。
パワー・ボムもカウントは2。
戸澤が起き上がり向き直る。
ヒーローがロープに走りビッグ・ブーツでなぎ倒す。
カバー。カウントは1。
戸澤がエルボーを打っていく。
ロープに走る。
ヒーローが追いローリング・エルボー。
押し倒すとムーンサルトで1,2,3!
ヒーローの勝利!
ヒーローは戸澤を起こすと握手を求める。
応じた戸澤とハグ。
試合結果
@準々決勝:ジョーイ・ライアンvs.オースチン・エリーズA準々決勝:クラウディオ・カスタニョーリvs.ロデリック・ストロング
B準々決勝:ブランドン・ボナムvs.ブランドン・ガットソン
C準々決勝:クリス・ヒーローvs.戸澤陽
D準決勝:クラウディオ・カスタニョーリvs.ジョーイ・ライアン
E準決勝:ブランドン・ガットソンvs.クリス・ヒーロー
Fジョニー・グッドタイム、リコシェ、ロッキー・ロメロvs.チャック・テイラー、ライアン・テイラー、ブライアン・ケイジ
Gタッグ王座戦:ポール・ロンドン、エル・ジェネリコ(ch)vs.カットラー・ブラザーズ
H決勝:クリス・ヒーローvs.ジョーイ・ライアン(優勝!)