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LU:Best of Lucha Underground 2017 part.1の分析


名勝負 ヘル・オブ・ウォー:キルショットvs.ダンテ・フォックス(S3E37 Ultimate Lucha Tres part I 9/27/17)
好勝負 CCトーナメント:プリンス・プーマvs.ダンテ・フォックス(S3E29 8/2/17)

@LU王座戦、オール・ナイト・ロング・マッチ:ジョニー・ムンド(ch)vs.ザ・マック(S3E20 5/31/17)
 1時間番組内丸々使うアイアン・マン・マッチ。
 ムンドのセクシーへの度重なる襲撃に
 マックが復讐を誓って、という位置づけです。
 序盤から大技が繰り出されるも
 ムンドがコーナーを挟んで打撃をかわしていく等
 アスレチックな要素を交えているので
 ニア・フォールばかりで停滞するということにはなりません。
 ただ基本的に1本決まるまでの流れ作りが弱いですね。
 特にマックが顕著。
 スポットのインパクト量は申し分ないものの
 レスラーとしては課題点が残る。
 それでもLUがブックで全体設計を規定しているので
 ストーリー・テリングはそこいらの試合より上々。
 ムンドが脚を痛めた振りで時間稼ぎ+3-1に引き離すシーンや
 ムンドが余裕をかましてバンドに音楽を演奏させると
 バンドメンバーに扮していたスターがステージ・ダイブするシーンは最高でしたね。
 ただ残り5分のラダーを絡めた攻防は
 突然疲労感を出して時間調整してきて正直ダラダラした感も受ける。
 ハイ・テンポのLUらしくなかったですね。
 派手ながらレスラーとしてのスキルが追いつかなかった。
 中々良い試合。
 試合後オーナーのダリオが引き分けなんてLUではありえない、と
 翌週続きを時間無制限で行うことに。

ALU王座戦、サドン・デス・フォールズ・カウント・エニウェア:ジョニー・ムンド(ch)vs.ザ・マック(S3E21 6/7/17)
 当日ダリオがFCA形式と追加発表。
 ムンドがヘタレ要素を強めて逃げ回る中、
 マックが会場の各所でハードコアな一撃。
 2人のキャラ要素を特化させ、ストレートに組み合わせています。
 前回は長時間なので色々やる必要がありましたが、
 1フォールのみならこのやり方が単純明快で正しい。
 中々良い試合。 
 合わせて好勝負に届かずも中々良い試合。
 (執筆日:7/?/17)

BCCトーナメント:プリンス・プーマvs.PJブラック(S3E27 7/19/17)
 目を引いたのは序盤の定型の演舞ではなく
 落ち着いた中盤の試合運びですね。
 煽りや小技のサブミッションの使い方等
 地力が試される部分でしっかり魅せてくる。
 WWE経験者らしい基礎での魅せ方です。
 一進一退の末終盤においてまず
 スピン・キック、蹴りの打ち合いを絡める構成も良いですね。
 そこからの終盤も良かったですが、
 もう少しスケールを広げる変化があれば尚良かった。
 好勝負に少し届かず。

CCCトーナメント:プリンス・プーマvs.ダンテ・フォックス(S3E29 8/2/17)
 カウンターからダイブを打ち合うという
 単純明快ハイ・フライヤー冥利な見せ方からスタート。
 観客も非常に乗っていましたね。
 ルードのフォックスが中盤を支配しますが、 
 テンポを落とさないLUに一番良い試合運びをしていたのは好感が持てる。
 序盤と被せた同ロープ走りの応酬から終盤へ。
 2人の密度の高い攻防と
 レフェリーの速いカウントで
 緊張感が途切れずハイ・テンションの熱狂を導きます。
 良い意味でこの2人ならではのやりすぎマッチ。
 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:8/?/17)

Dクエト・カップ決勝:プリンス・プーマvs.ペンタゴン(S3E32 8/23/17)
 LUが誇るトップ・スター対決らしく
 細かく反撃を入れて譲らない攻防。
 徐々にスケール感を大きくしていきます。
 同じ技、似たような技を使っての演出は
 単純明快ながらこのカードでは最適でしょう。
 好勝負に少し届かず。

Eヘル・オブ・ウォー:キルショットvs.ダンテ・フォックス(S3E37 Ultimate Lucha Tres part I 9/27/17)
 ファーストブラッド、ノーDQ、アンビュランス・マッチという
 ハードコア三本勝負の試合形式。
 1本目。
 まずはフライヤー演舞から始めるも、
 場外に出るや椅子攻撃と
 ハードコア要素は早々に入っていきます。
 しかしスピード感は維持したまま。
 観客席上段からのフライなど
 LUならではのスポットもあり楽しんでいると
 最後は予想を超えるまさかのガラス葬。
 1本目から、というか1本目だけで素晴らしい試合ですね。
 流血箇所が額でないというのもLUらしくてにくい。

 2本目。
 逆にこんな1本目からデス・マッチをしてしまうと
 ハードコア度が下がってダレるのではないかという不安があるも
 それもまた杞憂に終わってくる。
 フォックスがちゃんと表情・感情を見せて
 ストーリーでぐっと引き寄せてくるんですね。
 その上で最後のフィニッシュは
 有刺鉄線ボード、ガラスボード破片を使っていて
 1本目に負けじ劣らじのスポットです。

 3本目もLUの勢いは止まりません。
 観客は行き着く暇もなく魅了されっぱなしで
 もはや名物として定着した演奏席からの高所落下。
 1、2本目の更に更に上を行き、
 KOではないアンビュランス行きにふさわしいスポットです。
 3本通じて壮絶な内容でしたが、
 振り返ってみるとデス・マッチ3本勝負ではやっぱり駄目で
 ファーストブラッド、ノーDQ、アンビュランス・マッチ、
 この3つの形式、それもこの順番であるからこそ意味がある。
 これにはもう脱帽するしかありません。
 驚天動地のセンス。
 この才覚には観ていて嫉妬さえ覚えます。
 ぎりぎり名勝負です。

Fカベジェラ・コントラ・カベジェラ:フェニックスvs.マーティ・ザ・モス(S3E37 Ultimate Lucha Tres part II 10/4/17)
 マリポーサがモスを見限って退場。
 モスがヘタレつつも悪漢としてマスク引き裂きと
 決着戦らしくちゃんとストーリーが整っているし、
 攻防も全体感では一進一退が上手く行っています。
 ただ細かなところでは合っていいなくて雑な部分は否めないですね。
 それを帳消しにしたのはフェニックスの流血。
 モスにも飛び散る程の大流血です。
 そのフェニックスを思ったよりいびれず
 ブーイングを十分に浴びていない所にモスの限界を見た気がしますが、
 それでも後半にはハサミという分かりやすい極悪凶器や
 メリッサも出てきての演出に助けられました。
 好勝負に少し届かず。

GLU王座vs.キャリア:ジョニー・ムンド(ch)vs.プリンス・プーマ(Ultimate Lucha Tres 10/18/17)
 観客2階席から飛ぶもかわされてエプロン着地、
 即座にS式SSPに繋げるなんてスポットがあります。
 フィナーレにふさわしい素晴らしいスポットですね。
 LUで一皮むけたムンドはトップ・ヒールとして良い働き。
 ただプーマの動きにジャストでは合っていないので
 観客を煽る余裕まではない様子。
 終盤はレフェリー気絶からムンド軍団乱入、
 アンヘリコが助けに駆けつけると
 レフェリーまでトペコンして盛り上がります。
 キャリアも賭けられているだけあるニア・フォール合戦を
 だれることなくやりきりました。
 好勝負に少し届かず。
 (執筆日:10/?/17)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@LU王座戦、オール・ナイト・ロング・マッチ:ジョニー・ムンド(ch)vs.ザ・マック(3-3)(S3E20 5/31/17)
ALU王座戦、サドン・デス・フォールズ・カウント・エニウェア:ジョニー・ムンド(ch)vs.ザ・マック(S3E21 6/7/17)
BCCトーナメント:プリンス・プーマvs.PJブラック(S3E27 7/19/17)
CCCトーナメント:プリンス・プーマvs.ダンテ・フォックス(S3E29 8/2/17)
Dクエト・カップ決勝:プリンス・プーマ(優勝!)vs.ペンタゴン(S3E32 8/23/17)
Eヘル・オブ・ウォー:キルショットvs.ダンテ・フォックス(2-1)(S3E37 Ultimate Lucha Tres part I 9/27/17)
Fカベジェラ・コントラ・カベジェラ:フェニックスvs.マーティ・ザ・モス(S3E37 Ultimate Lucha Tres part II 10/4/17)
GLU王座vs.キャリア:ジョニー・ムンド(ch)vs.プリンス・プーマ(新チャンピオン!)(Ultimate Lucha Tres 10/18/17)