TOPアメリカン・プロレスLucha UndergroundLucha Underground 2016年 →LU:Best of Lucha Underground 2016 part.4

LU:Best of Lucha Underground 2016 part.4の分析


名勝負 LU王座戦、アステカ・ウォーフェア(S3E11 11/16/16)
好勝負 グレイヴス・コンセクエンスズ:ミル・ムエルテスvs.プリンス・プーマ(S3E10 11/9/16)

@レイ・ミステリオvs.ペンタゴン・ダーク(S3E1 9/7/16)
 試合数を絞ったためかミステリオのコンディションは良好。
 軽妙な攻防で観客を沸かせます。
 場の攻防の種類がそれぞれ少し散漫していますが
 逆に言うと様々な攻防が行えているということで良い部分もある。
 終盤は見応えのある大技でニア・フォールが出来、
 ドリーム・マッチに求められるラインは超えてきました。
 中々良い試合。

Aグレイヴス・コンセクエンスズ:ミル・ムエルテスvs.プリンス・プーマ(S3E10 11/9/16)
 プーマが不意打ちの蹴りでムエルテスを
 ステージから落としてダイブを仕掛けます。
 これ対しムエルテスもハイパー・アーマーを活かして反撃。
 序盤からハイ・テンションのラフ・ファイトが展開されます。
 過激になれば戦局は停滞しがちだけど、
 LUらしいスピード感も両立できているのは異常。
 ムエルテスのキャラ、プーマのエース感が上手く作用していますね。
 スポット連発でもう攻防が生まれないとこまで行っています。
 棺桶がつぶれてしまって2つ目を用意しないといけなくなり、
 最後の最後は無駄に時間かかった印象ですが、
 それ以外は素晴らしい試合でした。
 ぎりぎり好勝負。

BLU王座戦、アステカ・ウォーフェア(S3E11 11/16/16)
 悪のオーナーに反発したムンドが作為的に2番手に。
 対する1番手は絶対強者マタンザ。
 中々試合としては記憶に残るものが作れていないものの
 そのキャラは魅力的だし、中の人、コブも決して下手者ではありません。
 マタンザvs.ハイ・フライで短期的シーンを作る分には一級品のものができる。
 1番手のムンドを初めとして
 それぞれが自分の色味を出しながら
 マタンザと豊かな攻防を繰り広げていきます。

 第2の軸となったのがワールドワイド・アンダーグラウンドこと
 ムンド、PJブラック、エヴァンスの悪童チーム。
 チームとして戦略を持って戦うものがいると幅が広がりますね。
 ブラック・ロータス・トライアドがペンタゴンをKOするという
 次につながるストーリー・ラインもあれば
 過去の遺恨を振り返る小ネタの絡みもあり、
 相変わらず特殊形式の作りこみが半端じゃありません。
 LUとはいえトップ・レスラーばかりではありませんから
 色物で流す時間帯もありますが、
 その時間帯もフォールを挟んでテンションが落ちないよう配慮されている。

 #18で第3の要素ムエルテス。
 ムエルテスもまたLUが生み出した最高のルードですね。
 ブッカーが筋書を超えた演出を練り、
 レスラーがそれを形にする。
 やはりLUは概念から違う、と感嘆してしまう。
 プロレスだからと考えていなかった部分、甘かった部分をしっかり作りこみ、
 ストーリー・テリングを映画的観点から再構築しました。
 一方で、プロレスの場を理解しており、
 プロレスの門外漢だけで出来るものでもないのが脅威。
 終盤はアンヘリコが復帰祝いのステージ・ダイブを繰り出し、
 重要な役回りを負かされたセクシー・スターもその期待に応え、
 最後までLUならとんでもないものをやる、という
 共通認識、期待感を超え続けた。
 文句なしに名勝負。

Cガントレット・マッチ:ブラック・ロータス・トライアドvs.ペンタゴン
(S3E13 11/30/16)
 ブラック・ロータスが雇った女戦士3人ということで
 スターダムからドク(宝城カイリ)、ユーレイ(岩田麻優)、ヒトキリ(紫雷イオ)
 
 まずvs.ドク。
 ペンタゴンが男性と変わらない攻めを叩き込みます。
 その苛烈さに盛り上がっていますが、
 カイリとしては正直不本意な所もあるのではないでしょうか。
 また、仕草がヒールになりきれていない所もありました。
 ペンタゴンがドクの腕を折って勝利。

 2試合目はvs.ユーレイ。
 さっきの打撃戦と打って変わってルチャの攻防。
 ユーレイがドクの仕返しとばかりにペンタゴンを場外で甚振ります。
 ただリングに戻ってからもユーレイの攻めが結構続きましたね。
 3試合目があることがお約束として分かっている中で、
 この一方的な展開は少し退屈でしたね。
 ペンタゴンが再びユーレイの腕を折って勝利。
 
 最後はvs.ヒトキリ。
 不意を突いて現れると高度のあるミサイル・キック、
 ダイビング・ボディ・アタックにトペ。
 ドク、ユーレイも見栄えのする技を放てるとはいえ
 それ以上のものを見せつけて期待感を高めました。
 ベースは再びの場外戦ですが、
 これも前の2試合以上のハードコアっぷり。
 攻守の切り替えが前の試合と同じく少ないのは残念でしたが、
 その中でアップセットに説得力を持たせるために
 持ってきたのはヒトキリのまさかの二階席からのダイブ。
 これには度肝を抜かれましたね。
 攻防でもっと頑張って欲しかったものの
 ブックの妙は相変わらずLUマジック。
 好勝負に少し届かず。

 (執筆日:11/?/16)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@レイ・ミステリオvs.ペンタゴン・ダーク(S3E1 9/7/16)
Aグレイヴス・コンセクエンスズ:ミル・ムエルテスvs.プリンス・プーマ(S3E10 11/9/16)
BLU王座戦、アステカ・ウォーフェア(勝者:セクシー・スター)(S3E11 11/16/16)
Cガントレット・マッチ:ブラック・ロータス・トライアドvs.ペンタゴン
(S3E13 11/30/16)