TOPアメリカン・プロレスLucha UndergroundLucha Underground 2016年 →LU:Best of Lucha Underground 2016 part.1

LU:Best of Lucha Underground 2016 part.1の分析


名勝負 LU王座戦:ミル・ムエルテス(ch)vs.フェニックス(S2E8 3/16/16)
好勝負 LU王座戦:ミル・ムエルテス(ch)vs.プリンス・プーマvs.ペンタゴンJr.(S2E7 3/9/16)

LU王座戦、アステカ・ウォー・フェア(S2E9 3/23/16)

@ギフト・オブ・ザ・ゴッズ王座戦:フェニックス(ch)vs.キング・クエルノ (S2E1 1/27/16)
 鉄板の攻防が止まらない。
 画面狭しと飛び回りますが、
 一つ一つが強烈で画面から目が離せません。
 1試合目でもあるので試合時間は短め。
 それ故にひたすらに走り続ければ
 そのままフィニッシュまでたどり着く。
 もう少しクライマックスへの区切り、
 演出さえあればなぁ、と思うのは否めないが、
 S2の先行きに十分期待を抱かせる内容。
 好勝負に少し届かず。

Aラスト・ルチャドール・スタンディング:フェニックスvs.キング・クエルノ(S2E3 2/3/16)
 この形式であっても序盤は身軽な攻防にならざるを得ない、
 現代ルチャの性質上ですが、これは風格足りず物足りない。
 ダイブの自爆誘発からクエルノが主導権。
 フェニックスも反撃し、そこから一進一退ですが、
 切り返し点に分かりやすいスポットを使っているのが良いですね。
 ただテクニコ/ルード要素は薄く、
 ラダー、テーブルが出てくるもフィニッシュで
 綺麗にまとめるためだけのもの。
 エンターテインな試合だが飛び切りではありません。
 ただ結局次につながる試合だったことを考慮すれば十分。
 平均的な良試合。

Bギフト・オブ・ザ・ゴッズ王座戦、ラダー・マッチ:キング・クエルノ(ch)vs.フェニックス(S2E6 3/2/16)
 クエルノがラダーへのパワー・ボム等
 フェニックスを甚振っていきます。
 カスケット・マッチの時のように容赦ないですね。
 ただ如何せんフェニックスは被虐表現薄目。
 前回は大流血でその部分が補われましたが、
 今回はその点で課題があることは否めない。
 また、スポットの都合上場外戦が長引いたのも
 リングの頂点を目指し、上空のベルトを取ったもの勝ちという
 ラダー・マッチの空間配置上、美しくはありません。
 前回と同じく、派手なスポットは多く盛り上がりましたが、
 試合のストーリー、訴求力は不十分。
 平均的な良試合です。

CLU王座戦:ミル・ムエルテス(ch)vs.プリンス・プーマvs.ペンタゴンJr.(S2E7 3/9/16)
 ムエルテスをヘビー級として強者に位置づけながらも
 プーマ、ペンタゴンの見せ場も同等比率でミックスされているのが驚異。
 場外でのスポットの連鎖は凄まじかったですね。
 プーマxペンタゴンの組み合わせだからこそ
 要所で途切れず波にのっていった部分はあるでしょう。
 リングに戻ってムエルテスへの2人でスーパー・キック連発等
 試合の流れが単調にならない工夫もされていて、
 LUが通常の3ウェイ形式でも傑作を生みだしたかと感慨深い。
 2人への同時技でフォールするのは
 それまでの鬩ぎあいからすると切り捨てすぎな気もするが、
 気になったのはそれぐらいかな。
 文句なしに好勝負。

DLU王座戦:ミル・ムエルテス(ch)vs.フェニックス(S2E8 3/16/16)
 ムエルテスは荒っぽさをメインに据えながらも、
 それでいて身軽な動きをアクセントで加えるので
 フェニックスと非常に精度の高い一進一退を繰り広げることができていますね。
 中盤の椅子攻撃でフェニックスが流血。
 S1のカスケット・マッチのように死闘になるかと期待感高まります。
 この期待に以前の試合とは別の方向性で応えて見せました。
 それは一方的な被虐による惹きこみではなく、一進一退の鬩ぎあい。
 序盤のようにフェニックスが要所で
 怪人ムエルテスが屈するだけのムーブを見せます。
 マスクを引き裂き、椅子でやり返したのは盛り上がりましたね。
 最後まで観客の注意を引く工夫を凝らし、
 熱狂のエンディングに導きました。
 ぎりぎり名勝負。
 

ELU王座戦、アステカ・ウォー・フェア(S2E9 3/23/16)
 またしてもマスターピースを一つ。
 思考の理が整っていて、
 丁寧、出し惜しみなく今の全てを出しきったな作品です。

 S2売出し中のフェニックスと
 遂に契約を交わしたミステリオを1,2番手に配置。
 ミステリオとムンドとの元WWE対決。
 ライアンでの息抜き。
 US vs.メヒコのチーム戦への転回。
 パワー・ファイター、ディーバ、ミニとバラエティを増やし、
 S1の好勝負を実現したライバリティのなぞり。
 RR形式はブッキングが6割、7割近く
 試合の出来を決めるといっても良いですが、天晴です。

 また、攻防も普通のRR形式なら停滞しがちな欠点がありますが、
 フォール脱落のみなのでルチャらしいダイブ、
 LUらしいハードコア・スポットも潤沢に詰まっています。

 後半スター・パワーが不足して、
 肝心のムエルテスもストーリー上、即座に脱落
 ⇒マタンザの衝撃デビューにつながるので
 攻防という面で後半は物足りなかったかな。
 ハイパーアーマー付与のラスボス・キャラ、
 マタンザもChikaraのデューカリオンの例があるので
 これを取り入れることは決して悪くありません。
 ただこんなに長ったらしくせず、
 こいつはどんな奴なんだ!?、と気になる感情を
 観ている側に残すぐらいにしておかないと勿体ない。
 RR形式最高レベルの一戦。
 文句なしに好勝負です。
 (執筆日:4/?/16)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ギフト・オブ・ザ・ゴッズ王座戦:フェニックス(ch)vs.キング・クエルノ(新チャンピオン!) (S2E1 1/27/16)
Aラスト・ルチャドール・スタンディング:フェニックスvs.キング・クエルノ(S2E3 2/3/16)
Bギフト・オブ・ザ・ゴッズ王座戦、ラダー・マッチ:キング・クエルノ(ch)vs.フェニックス(新チャンピオン!)(S2E6 3/2/16)
CLU王座戦:ミル・ムエルテス(ch)vs.プリンス・プーマvs.ペンタゴンJr.(S2E7 3/9/16)
DLU王座戦:ミル・ムエルテス(ch)vs.フェニックス(新チャンピオン!)(S2E8 3/16/16)
ELU王座戦、アステカ・ウォー・フェア(優勝:ザ・モンスター・マタンザ・クエト(新チャンピオン!))(S2E9 3/23/16)