TOPアメリカン・プロレスLucha UndergroundLucha Underground 2015年 →LU:Best of Lucha Underground 2015 part.3

LU:Best of Lucha Underground 2015 part.3の分析


名勝負 なし
好勝負 LU王座戦、オール・ナイト・ロング・マッチ:プリンス・プーマ(ch)vs.ジョニー・ムンド(6/17/15)

セロ・ミエド・マッチ:ヴァンピーロvs.ペンタゴンJr.(Ultimate Lucha Part Two 8/5/15)
 
LU王座戦:プリンス・プーマ(ch)vs.ミル・ムエルテス(Ultimate Lucha Part Two 8/5/15)

@サブミッション・マッチ:ペンタゴンJr. vs.セクシー・スター(6/3/15)
 ペンタゴンが容赦ないハード・ヒットでスターを出迎えます。
 アピール能力も素晴らしいし、懐深いルチャドールですね。
 男女対決を豊かにする重要な要素、
 アマレスの使い方も出来ていて盛り上がりました。
 スターのムーブにもう少しキレがあればと思うけれども、
 それでも形式を上手く利用して作っているなと感心します。
 最後はスーパー・フライの裏切りからエンド。
 中々良い試合でした。

ALU王座戦、オール・ナイト・ロング・マッチ:プリンス・プーマ(ch)vs.ジョニー・ムンド(6/17/15)
 抑えていることを感じさせながら序盤を展開。
 この形式のこの2人の出だしとしては理想的な選択です。
 CM前にムンドがコークスクリュー・ダイブをかわされるも着地、
 即座にプリンスがコークスクリュー・ダイブを決めるというスポットで盛り上げます。
 最初の1本目は丸め込みですが、
 同ロープ走り含めた複数回のロープ・ワークで
 主導権の取り合いという演出を加えたのは上手かった。
 2本目に入り、ムンドが腕攻めを加えましたが、
 この加え方は自然で事前の取り決めのタイミングを感じさせませんでした。
 プリンスの適度なフライングの入れ込みも功を奏しましたね。
 フィニッシュも2本目として最適。
 ほんとにLUのブッキングには感心しますね。
 3本目に入り徐々に過激な戦いに転じていきます。
 木箱、バールという雰囲気に合ったチョイスにまたも感嘆です。
 この適切なシーンからムンドが4-1と大きく離してストーリー性を強めてきました。
 ここで台本だけでなくムンド自身も
 悪辣ヒールとしてしっかりアピールできていましたね。
 ここでストーリー性で押せる場面にも関わらず
 ラダー、テーブルを取り出し名場面誕生かと
 これまでに築いてきたLUへの期待感、信頼に応えていきます。
 ただテーブル葬といえど3本連取できるかは怪しいもの。
 FCAルールはありませんし。
 それを考えると4-1でなく3-1に抑えておいた方が、
 プリンス側の試合運びにリアリティが出て、
 勝敗への緊張感もより出たように思います。
 残り約9分で4-3にプリンスが追いついてきます。
 ここでムンドが逃げ戦略に入りますが、
 少々見せ方が先ほどのテーブル葬のインパクトと反していますね。
 その後のアルベルトによるムンド攻撃との抑揚をつける意識もあったんでしょうけど。
 アルベルトのマイク後残り3分。
 それぞれ5本目を賭けて1本勝負。
 3分にアクションを詰め込むために演武性も強いですね。
 テーブル葬後の終盤戦はしっかり構成付されているものの
 名勝負としての雰囲気感に欠けてしまったのが残念です。
 文句なしに好勝負。

Bフォールズ・カウント・エニウェア:ケイジvs.ザ・マック(Ultimate Lucha Part One 7/29/15)
 機動力のあるパワー・ファイター対決。
 理想通り移動を上手く使って場外戦を魅せましたね。
 フィナーレといってもオープニング・マッチなので8分程度なんですが、
 終始クオリティは高く、最後のブロック・フィニッシュまで
 目が離せない所がLUの恐ろしい所ですね。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Cジョニー・ムンドvs.アルベルト・エル・パトロン(Ultimate Lucha Part Two 8/5/15)
 リング下にまで逃げての粉攻撃と
 ムンドがこずるいルードとして初手に明確に表現。
 かといってそれに引きずられ過ぎることなく、
 小気味良いアクションを存分に入れ込んでいきます。
 パトロンは攻防の中で楔を打ち込み、
 要所ではアピールで絵姿を作っているし、
 ムンドの技の選択もそれまでの過程を十分に考慮している。
 終盤若干間が短いのが課題か。
 またメリーナ絡みのフィニッシュは弱いかも。
 ただ試合後のアクションはフィニッシュに基づいて上手く回収している。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

Dセロ・ミエド・マッチ:ヴァンピーロvs.ペンタゴンJr.(Ultimate Lucha Part Two 8/5/15)
 ヴァンピーロは神父姿でカリスマティックな登場。
 老体ではあるものの移動の重要性を理解しているし、
 椅子を叩きつけられた時の姿作りも意識している。
 一部ではあるものの試合への貢献度は非常に高い。
 途中でドクター・チェックを展開に挟まざるを得なかったものの
 CMを挟んで見る分には問題なし。
 直後に画鋲を持ってきて、セントーン・バンプと斜め上を行きましたしね。
 一方のペンタゴン、ロー・キックを混ぜてのリズム作りや良し。
 アピール力含めて懐深く試合を運びました。
 画鋲、蛍光灯も問題なく扱って盛り上げました。
 最後は火炎テーブル葬。
 ヴァンピーロが受け身の際に飛ぶ高さが低いので
 最大限のインパクトとはいえない所ぐらいか、
 この試合で残念と言えるポイントは。
 デス・マッチが持つべきストーリーが
 LUの類まれなる脚本によって形作られた一戦。
 ペンタゴンのマスター探しというストーリー含めて堪能し尽くしたい。
 ぎりぎり好勝負。

ELU王座戦:プリンス・プーマ(ch)vs.ミル・ムエルテス(Ultimate Lucha Part Two 8/5/15)
 殴り合いを見れば2人の間に適切なバランス感が作れているか
 スピード感、テンポを2人でコントロールできているかが分かります。
 最初の殴り合いはこの試合がフィナーレの最終戦として
 ふさわしいものになることを確信させるに足るものでした。
 場外戦も移動の兼ね合いで
 本来のバランスからずれることが多々ありますが、
 この試合は逸脱せず、また一進一退も豊富です。
 女子マネや階段を使ったムーブも盛り上がりました。
 リングに戻っての攻防も高レベル。
 ただムエルテスのカウンター・パワー・スラムから
 プーマのダウン・シーンへと変調させたのは少し無理がありましたね。
 後に引き切れなかった場外テーブルへのスピアーを
 前倒ししてこの辺りに持ってきても良かった。
 それでも王座交代劇として十分合格点を与えられる。
 ぎりぎり好勝負。
 ムエルテス軍団が王座を独占する形でシーズン1は終了です。


 (執筆日:8/?/15)


注目試合の詳細

なし

試合結果

@5番勝負最終戦:ドラゴ(3)vs.エアロスター(2)(4/15/15)
Aトリオス王座決勝:イヴリス、ソン・オブ・ハヴォック、アンヘリコvs.ケイジ、キング・クエルノ、テハノvs.ビッグ・リック、ザ・マック、キルショット(4/22/15)
Bトリオス王座決勝:イヴリス、ソン・オブ・ハヴォック、アンヘリコ(初代チャンピオン!)vs.ザ・クルー(コルテス・カストロ、ミステル・シスコ、バール)
Cアルベルト・エル・パトロンvs.ジョニー・ムンド(5/6/15)
Dジャック・エヴァンスvs.エアロスター(5/13/15)
Eトリオス王座戦、ラダー・マッチ:イヴリス、ソン・オブ・ハヴォック、アンヘリコ(ch)vs.ザ・クルー(コルテス・カストロ、ミステル・シスコ、バール)(5/20/15)
FLU王座戦:プリンス・プーマ(ch)vs.ヘルナンデス(5/27/15)
Gデス・マッチ:フェニックスvs.ミル・ムエルテス(5/27/15)