TOPアメリカン・プロレスEvolve →Evolve:Evolve 2 Hero vs. Hidaka 3/13/10

Evolve:Evolve 2 Hero vs. Hidaka 3/13/10の分析


名勝負 なし
好勝負 クリス・ヒーローvs.日高郁人

1枚、約2時間30分です。

@ブラッド・アレンvs.クリス・ディッキンソン
 基本的にUWFスタイルの利点は3つある。
 1つは緊張感の創出であり、2つはプロレス技の重みの復活で、3つは情熱の伝道力ですね。
 この試合は1と3を少しばかり生み出せているが2が全然駄目。
 軽々しい上、見栄えが悪く、インパクトに絶対的に欠けます。
 模倣の前に理解しないと。
 少し悪い試合。

Aグラン・アクマvs.ブロディー・リー
 5年前は打撃系スタイルの先方として期待されたのに今やまったく打撃スタイルとしては評価できないアクマ。
 Evolveに呼ばれたからと言って原点を思い出す事もなく、ひどい蹴りの打ち方です。
 リーもリーで自分を鏡で見る必要のある、ひどい受けです。
 ラストもアクマがまったく重要性を持たせていない空っぽの力技とサブミッション。
 ひどい試合です。
 
Bエアロフォームvs.アップ・イン・スモーク
 インチキ・カンフー・キャラを見せ場として使って掴むと
 スピードにのってはいないものの退屈しない程度には軽業や連携技を打っていく。
 特に重み付けもなくあっさり終了しますが一応ファン・マッチにはなっているでしょう。
 少し悪い試合。

Cケン・ドーンvs.カレブ・コンレイ
 ジョバー相手にスカッシュではなく、WWEプロレスで時間をかけてあしらう内容。
 どこの層をターゲットにしているのかまったく理解に苦しみます。
 悪い試合。

Dカイル・オライリーvs.ハロウィックド
 オライリーは意図を持って動いているのは確かです。
 しかしその意図がどういうものか、オライリーからもその行動からも明らかにはなりません。
 そこが見せれないようではスタイルを使いこなすなんて先の事だし、試合に正の作用を与える事は出来ない。
 現状では打撃スタイルを特徴として主張でき、MMAスタイルのシーンに関する知識があるだけ。
 それ以上ではまったくありません。
 このレベルだとハロウィックドなんかではなく同じスタイルの選手に当てて試行錯誤させた方が良いのじゃない?
 と思ったらTJPの欠場により急遽ハロウィックドがダブル・ヘッダーを務めたんですね。
 なら仕方ないないか。
 少し悪い試合。

Eリコシェvs.チャック・テイラー
 やはり同属だと良い内容に仕上げられますね。
 テイラーが口で賑やかしながらも体も動かし安定したベース・ラインを作ると、
 リコシェが素晴らしい反応、タイミングで伸びやかなムーブを見せていきます。
 良い活かし方でしたね。
 まあまあ良い試合。

Fクラウディオ・カスタニョーリvs.ボビー・フィッシュ
 CCの状態が素晴らしいですね。
 相手を苦しめる説得力があるし、迫力を伝える表現力もある。
 フィッシュもMMAスタイルでありながらプロレスも出来ています。
 お互い相手を見て、動きを認識し、有効な反撃を導き出すので、知的な攻防が生まれています。
 終盤はフィッシュの詰め方が見えないものの、 
 CCがそれを補って余りあるスタイリッシュさを見せています。
 中々良い試合。

 試合後テイラーが挑戦を表明しCCが受諾する。

GWSU王座戦:メルセデス・マルチネス(ch)vs.坂井澄江
 日本人だからとテクニカルでハード・ヒッティングに対応する立場になっていますが、
 まるで技術はないから空振りしすぎだし、痛がり方も相当ひどいです。
 これは救いようが無い。
 ひどい試合。

Hジミー・ジェイコブスvs.ジョニー・ガルガーノ
 挑発など間を使った構築ですが、動きが安定していないから試合をちゃんと操れません。
 しかし同情であろうと一度観客側が歩み寄れば、
 盛り上がるのが楽しい攻防になっていて乗ることが出来ます。
 少し悪い試合

I4ウェイ・ダンス:マイク・クァッケンブッシュ、ジグソウvs.ザ・コロニーvs.オシリアン・ポータルvs.ハロウィックド、フライトメア
 この大人数でありながら物量ではなく個性でつなぎ、
 面白いレスリングや工夫した、ハードなスポットを見せているのは良いですね。
 しかしプロレス寄りになった今大会でもルチャ・ルールのタッグ系の存在を受け入れられる素地は高くありません。
 少々のりにくいリズムでしたし、10分台前半でまとめるべき内容でしょう。
 平均的な良試合。
 
Jクリス・ヒーローvs.日高郁人
 今年の#1レスリング・マッチかもしれません。
 サブミッションを維持する事、上位サブミッションへの移行、逃れ方、切り返し、
 グラウンドの全てが体勢、ポジション取りという要素からつむぎだされている。
 技術的にも素晴らしく美しいし、構築的にも評価すべき空間使いです。
 苦しさを使える伝達力もありますね。
 グラウンドのマスターピースです。
 しかしこの試合はMOTYCとは言い難い。
 こういう充実しすぎたグラウンドの中では一極狙いの布石は霞んで消えます。
 体格故変化の付け方に劣るとはいえ日高はスタンディングへの移行まで我慢すべきでした。
 そしてスタンディングでは、ヒーローはエルボーを解禁して良いポージングを見せますが、日高は若さがまるでありません。
 対比となれるロープ・ワークはスピードがない上そもそも余り使用しませんでしたし、
 エルボーに対抗して多用した蹴りは、良い蹴りではあるものの熱い情熱をのせる事は出来ない蹴りです。
 5年前ならこの戦い方でも良かったのですが
 現状で勝利を取るならアンクル・ロックで締めなければならなかった。
 観客の拍手を終盤で熱狂に変えなければいけなかったのですよ。
 脚攻めの扱い次第では名勝負になれた内容でした。
 ぎりぎり好勝負。

総評
 前回に比べてプロレス寄りになり時間も15分伸びていますね。
 せっかく特化していたのにそれが弱まってしまったという点で大会構成は前回より劣ります。
 ただKOWをロスターに加えられたのは凄く大きい。
 今回のフィッシュみたいにブレイクスルーの手助けになるでしょうからね。 
 いらない、機能していない要素はあるものの2大会目という事を考えると十分褒めるに値する内容です。
 (執筆日:8/4/10)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

Jクリス・ヒーローvs.日高郁人
  ヒーローが日高の蹴りを受け止めるも逃げられる。
  日高が軽くロー・キック。
  ヒーローが足を取って倒す。
  日高は体勢を変えて起き上がるとドロップ・トー・ホールド。
  ヘッド・ロックにいく。
  ヒーローがフロント・ヘッド・ロック。
  日高が体勢を変えフロント・ヘッド・ロック。
  ヒーローが体勢を変えレッグ・ロック。
  体勢を変え向かい合う形。
  足を締め上げる。
  日高が腕を取って逃れる。
  ヒーローは後ろにすり抜けカバー。
  日高はカウント2で返すと体勢を変えていき逃れる。
  日高が腕を取る。
  ヒーローがバックを取り持ち上げる。
  前に倒し起こそうとする。
  日高がアーム・ドラッグに切り返す。
  ヒーローが足を払いカバー。
  日高が返し足を払いカバー。
  ヒーローがすぐ返す。
  日高がロー・キックで牽制。
  ヒーローがリスト・ロック。
  体勢を変えドラゴン・スリーパー。
  転がす。
  日高が体勢を変えサーフボード・ストレッチ。
  アンクル・ロックに持っていこうとする。
  ヒーローが慌てて逃げる。
  日高がレッグ・ロック。
  ヒーローが体勢を変えてアーム・バーを狙う。
  ロックを外しキー・ロック。
  日高が後転して丸め込む。
  カウント2でヒーローが戻す。
  回転させてより良い体勢に。
  回転させる。
  体を起こすと圧迫する。
  起こして腕を取ると背に回して引っ張り挙げる。
  倒してアーム・ロック。
  日高がクルーシーフィックスに持って行く。
  ヒーローがカウント2で返しハンマー・ロック。
  日高が回転して逃れようとするもヒーローが戻す。
  もう片方の腕も取る。
  日高が首筋に蹴りを入れて行き外させる。
  仕切りなおし。
  日高が回転して足を取ろうとする。
  外されるも足を取って倒しレッグ・ロック。
  ヒーローは倒立から後ろに回転して腕を取る。
  回転してマットに叩きつける。
  カバー。カウント2。
  腕を取る。
  反対の腕を取ろうとする。
  防がれたのでチン・ロック。
  日高が体勢を変え脚を引っ張る。
  回転してレッグ・ロック。
  ヒーローが叩いて腕を取る。
  日高は体勢を変える。
  ヒーローが日高の体を動かしアーム・バー。
  日高が体を起こし両肩をつけにいく。
  カウント2で返されるやハーフ・ボストン・クラブ。
  ヒーローがロープを掴む。
  日高がロー・キックを蹴りこんで行く。
  倒れたヒーローにレッグ・ロック。
  体勢を変えより強力なレッグ・ロック。
  ヒーローは起き上がって逃れると腕を踏みつける。
  引っ張って倒し腕にニー・ドロップ。
  スライディング・キックからカバー。カウント2。
  フロント・ヘッド・ロック。
  アーム・ロック。
  足で抑えて踏みつける。
  カバー。カウント2。
  アーム・ロック。
  ボディ・シザースも決め動けなくする。
  両肩を付けに行く。
  カウント2で返して体を起こした日高の腕を蹴り飛ばす。
  腕を取ろうとする。
  日高が抵抗しパンチを連打。
  ロープに走りボディ・シザースで飛びつく。
  ヒーローは前に降ろすとエルボー。
  カバー。カウント2。
  ハンマー・ロック・バック・ブリーカー。
  カバー。カウント2。
  横からエルボー。
  チョップ。
  チョップ。
  横からエルボー。
  倒れた日高をカバー。カウント2。
  アーム・ロック。
  ヘッド・シザースを決めて動きにくくしている。
  日高が回転して逃れレッグ・ロック。
  ヒーローが抵抗して蹴り飛ばす。  
  ヒーローがロープに走りスライディング・キック。
  カバー。カウント2。
  日高が近づいてきたヒーローの腹にヘッド・バッド。
  ヒーローが顔を突き飛ばす。
  日高が近づいてきたヒーローの腹にヘッド・バッド。
  起こしてチョップで倒す。
  横からエルボーで倒す。 
  日高が近づいてきたヒーローの腹にヘッド・バッド。
  起き上がりパンチを入れて行く。
  ヒーローがエルボーを打ち込み倒す。
  セントーン。
  カバー。カウント2。
  セントーン。
  カバー。カウント2。
  パワー・ボムを狙う。
  日高がDDTに切り返す。
  ヒーローがコーナーの日高に突進。
  日高がカウンターで蹴り。
  ミサイル・キック。
  スーパー・キック。
  回転してリバースDDT。
  カバー。カウント2。
  ロー・キックを連打しロープに走る。
  ヒーローが追いエルボー。
  リリース・スープレックスからカバー。カウント2。
  腕を取ると左右上からエルボー。
  ロープに走る。
  日高がカウンターで低空ドロップ・キック。
  アンクル・ロック。
  ヒーローが反転して蹴り飛ばそうとする。
  日高は耐えると反転させる。
  ヒーローは反転すると蹴りつけて行く。
  日高は放すもロープに跳ね返って戻ってくると回転してアンクル・ロック。
  ヒーローがロープに足をかける。
  日高はエプロンに出るとスプリングボード式低空ドロップ・キック。
  アピールしてロープに走るとショーン・キャプチャーへ。
  ヒーローは前に下ろすとローリング・エルボーへ。
  回転したヒーローの後頭部に炸裂。
  起き上がると日高を起こしてバック・ドロップ。
  コーナーの日高にフライング・エルボー。
  ロープに走る。
  日高がカウンターでスーパー・キック。
  ロープに走る。
  ヒーローがエルボーを決めカバー。カウント2。
  日高を起こすとパワー・ボムへ。
  日高は持ち上げられながらも逃れてドラゴン・スクリュー。
  もう1発狙う。
  ヒーローは押さえ込むと逃れてローリング・エルボー。
  ジャックナイフ固め。カウント2。
  蹴りかかる。
  日高は受け止めると足を蹴り上げる。
  蹴り払って倒す。
  ロープに走りショーン・キャプチャー。
  耐えるヒーローの足を蹴りつけアンクル・ロック。
  ヒーローが耐えロープを掴む。
  日高がヒーローを起こして蹴りつける。
  ロープに走る。
  ヒーローはかわすとローリング・エルボー。
  チョップ。
  ロープに走る。
  日高がスペース・ローリング・エルボー。
  ロープに走る。
  ヒーローが追いビッグ・ブーツ。
  日高は落ちるかと思いきや戻ってくる。
  ヒーローが対応しエルボーで倒す。
  カバー。カウント2。
  起こして後頭部へのローリング・エルボーを狙う。
  日高が不意を突いてバック・スライド。カウント2。
  ヒーローがロープにやってのローリング・エルボーを狙う。
  日高がカウンターでエルボー。
  ソバット。
  蹴り上げる。
  ハイ・キックへ。
  ヒーローがエルボーで打ち払う。
  日高がハイ・キックへ。
  ヒーローがかわしエルボー。
  ローリング・エルボーへ。
  日高がカウンターでハイ・キック。
  カバー。カウント2。
  起こすと張り手を叩き込んで行く。
  蹴りを叩き込みハイ・キック。
  カバーし1,2,3!
  日高の勝利!

試合結果

@ブラッド・アレンvs.クリス・ディッキンソン
Aグラン・アクマvs.ブロディー・リー
Bエアロフォームvs.アップ・イン・スモーク
Cケン・ドーンvs.カレブ・コンレイ
Dカイル・オライリーvs.ハロウィックド
Eリコシェvs.チャック・テイラー
Fクラウディオ・カスタニョーリvs.ボビー・フィッシュ
GWSU王座戦:メルセデス・マルチネス(ch)vs.坂井澄江
Hジミー・ジェイコブスvs.ジョニー・ガルガーノ
I4ウェイ・ダンス:マイク・クァッケンブッシュ、ジグソウvs.ザ・コロニーvs.オシリアン・ポータルvs.ハロウィックド、フライトメア
Jクリス・ヒーローvs.日高郁人