TOPアメリカン・プロレスCZWCZW 2011年 →CZW:Prelude to Violence 6/11/11

CZW:Prelude to Violence 6/11/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

2枚、約3時間25分。
@ロバート・アンソニーvs.キット・オズボーン
 誕生日を迎えたアンソニーがスカッシュ。

 準備運動を終えたアンソニーはムーアを呼び出す。
 ムーアが現れ観客席の中にもつれ込む乱闘に。
 ムーアがアンソニーをバルコニーから落とそうとするも
 PMWが駆けつけ、逆にムーアがバルコニーから下のテーブルに投げ落とされる。

ABLK OUT(ラッカス、アレックス・コロン)vs.ランナウェイズ
 ランナウェイズの軽快な連携という色合いは
 ゲイシーが持っていたブル・ファイターとしての可能性を食いつぶしている。
 早く解散してカリハンと組んでいた頃のスタイルを取り戻して欲しいですね。
 前回新メンバーを迎え復活したBLKですが、
 ラッカスが良くぞここまで落ちたな、と思うほど
 試合と同期が取れていないひどい自己主張ムーブを見せていて、
 早くも新加入メンバーがリーダーのラッカスを追い出さないか、と考えている私がいる。
 悪い試合。

Bヤング・アスリーツ・ライジング・ファスト・マッチ:アクマvs.タイ・ハーゲンvs.リッキー・レイヤースvs.ライアン・イーグルスvs.VSK vs.ライアン・マクブライド
 何故かレイヤースが含まれていたりしてヤングかどうかには疑問の余地がありますが、
 軽量級によるファン・マッチとしては悪くない。
 アクマは1つぐらいあった気がしますが、いつもと比べるとミスはなかったと言えるレベルです。
 6人も参加している事を考えると非論理的な調整もあったでしょうが
 カメラが遠方に引かなかったし、画面外に出ても頭に残るようなスターでもないので気にはならなかったですね。
 最後はマクブライドが前回に続き技巧派アピールをする丸め込みでフィニッシュ。
 悪くない試合。

 試合後キンバーが情けないアクマに平手打ち。
 アクマが遂に手を上げ、キンバーにテクニ・クラッシュ。
 これまでのファイトを見ているとキンバーの方に理解を示したくなるのですけど・・・。

Cサミ・カリハンvs.ジェイク・クリスト
 カリハンのハイ・テンション・スタイルは吹っ切れていないですね。
 機動力を活かす観点を持ちつつ、自分の体格の小ささを自覚しているからなのでしょうが、
 それならば受け(特によろめき)のリアクションが大げさ過ぎです。
 受けで応援したくなるようなリアリティーが欲しい。
 クリストは相手のテンポにしっかりとのって試合を運んでいます。
 ただトライアングル・チョークをキーに据えるなら
 もう少し技術力のある所をベースでもアピールしたいですね。
 終盤は見せ方がぶれないジェイクが圧倒していました。
 その中でカリハンがブリッジを潰してカウント3・・・。
 カリハンとは程遠いしフィニッシュ方法だし、
 クリストのようなテクニカルを前に出された相手にそれを決めるのは相当のレベルでないと説得力が出ない。
 カート・レベルでないと無理でしょう。
 そもそも説得力云々の前に方法自体が弱すぎるってのもありますけど。
 平均レベル。

 試合後カリハンとクリストが握手。 
 コールが現れカリハンの注意を引いている裏から
 ハイドがリングに入りカリハンにラリアット。
 クリストがハイドに襲いかかるもミア・イムの妨害もありダウン。
 コールは自慢げに退場。
 ハイドはそのまま査定試合に。

DUVルールズ:リトル・モンドvs.DJハイド
 ガラス・スポットが2回あるなどボリュームはありますが、モンドの痛がり方がひどいですね。
 鉢巻を巻いてくるセンスといい実にチープです。
 実況によるとデス・マッチ・デビューだそうです。
 この名前を名乗っている所を見ると本当か?と疑ってしまいますが、
 どちらにせよ本物の1%も才能を持っていない事がこれで証明されました。
 DJは力を見せ付けるファイト・スタイルなので
 ヒールになってもそれを流用していて特に変化は見られず。
 終盤でエクセレントが乱入。
 普通にハイドに技を決めても試合が続行していましたがどういう事でしょうね。
 UVルールとはいえ、頻繁にやるのだからそこらへんの詰めが甘いと駄目だと思いますよ。
 ボリュームはあるもその価値はなく、途中で他ならぬCZWファンからBoringの声も聞かれた、悪い試合。

 試合後ピンキーが現れ代わりに俺をTODに登場させてくれ、と志願。
 ハイドがTODに出たいなら自らの力を証明する必要がある、
 他に志願者はいないかと尋ねると、トレモントが現れ試合に。

EUVルールズ:ピンキー・サンチェスvs.マット・トレモント
 ピンキーはCarnage Cup優勝という
 中身がなくても聞き心地の良い経歴を持っているんですが
 この試合で見せているようにジョバー根性が根付いてしまっているのが何とも。
 この試合に限ってはそれが仕事として求められている事なので悪くないんだけどねぇ。
 BdK加入時やCZWでホットな抗争をしていた頃を思い浮かべると悲しい凋落です。
 トレモントはスカッシュ・マッチ的内容なのでどこまでいけるかは未知数ながら、
 デス・マッチ・ファイターとして可能性は感じるのでアピール・マッチとして見ると成功している。
 少し悪い試合。
 
FUVU王座戦:ダニー・ハボック(ch)vs.tHURTeen
 ハボックは旧世代とやりあっている分には
 安定して体を張る点が評価されるのだけど
 新世代として引っ張っていく所になると攻めの弱さがネックになる。
 それは普通に試合の組み立てといった部分も含めてね。
 この試合ではtHURTeenが早い段階で腕と手に傷を負ったせいか
 ハボックが凶器を抑え目に攻めるシーンが多く、
 通常プロレスの能力が十分でない事が目立ってしまう。
 どうも試合に熱狂する事を阻害する要素が多い内容で、少し悪い試合。

Gジュニア・ヘビー級王座戦:アダム・コール(ch)vs.ジョナサン・グレシャム
 序盤にグレシャムが蜜なヘッド・ロックを見せたのは良いですね。
 思ったより重さがあり驚きました。
 コールは主導権を握りいく流れ、及び首攻めがしっかりしていて外さない。
 しかし終盤はグレシャムが没個性的。
 キレはあるが凄い技はなくて、リコシェ辺りのコピー・キャットという印象をぬぐえません。
 平均レベル。

H坂井澄江vs.井上京子
 誰か出る団体を間違えているよ、と教えてあげなかったんでしょうか。
 なんでまたCZWなんでしょう。
 それはともかくとして試合です。
 相変わらずサブミッションをお手本のように決めていて絵になりますが、
 受身やハイ・フライの抑制を見ていると流石に衰えがあるようですね。
 体重をコントロールしきれていない印象があります。
 豊田みたいにレジェンド扱いして試合を作れる相手ならまだまだ輝けるでしょう。
 そしてそういう試合を、とは言いすぎだが
 方向性としては合っている試合を坂井が作り上げた点に驚きました。
 アーム・バーから畳み掛けるように動いて京子を引き立てていましたね。
 当然最後は切り捨てられるような形で、
 USで1試合するならこんなカードじゃないだろ、と再び疑問がわき上がってきますが、
 両者に拍手を送りたい爽やかな試合。
 悪くない試合です。

IWIRED王座戦:ドリュー・グラック(ch)vs.ARフォックス
 フォックスは思いっきり良く技を打っていますね。
 グラックは古典的匂いを醸しながら構築。
 フォックスとの対比性もあっていつもほど退屈ではないですね。
 まあ細部の攻防が試合全体から見たときに余り深い関係性を持っていないので悪くない試合程度ですけど。
 フォックスが勝利し王座移動。
 前回Jrヘビー級王座に挑戦し失敗した人が別の王座を取るなんて王座の差別化が出来ていない証拠ではありますが
 WIRED王座はグラック個人に結びつきの強い王座になってましたし、
 コールもフォックスも王者にしたい気持ちは良く分かるので良いのではないかと。
 
Jタッグ王座戦:フィリーズ・モースト・ウォンテッド(ch)vs.アズリエル、バンディードJr
 テンポを早くしすぎてテンポにレスラーが動かされている序盤。
 それに加え前回大会の馬鹿げた王座移動のせいか観客の雰囲気も良くないですね。
 そんな観客を無視するように只動きだけ重ねていくので改善は見られず。
 最後はブラス・ナックルでのひと悶着を絡めてフィニッシュ。
 今回も相手は良いタッグなのにクオリティは駄目駄目。
 少し悪い試合。
 試合後アンソニーは、TODでPMWがムーアに挑戦すると言う。
 ムーアもこれを了承する。

KTLCマッチ:ドレイク・ヤンガーvs.スコッティ・ヴォルテックス
 TもCも前回やりきりました。
 残るはLですが上空にベルトが吊り下げられていないと
 ラダーの特殊性は生まれず只の凶器の一つになってしまいます。
 そしてその凶器を試合という戦いの中で位置づける事は出来ていない。
 そんな中で剣山をのせて椅子を叩きつけるという二番煎じに手を出し
 抗争の感情よりも凶器を数こなして試合時間を満たす事に主眼がある。
 前回過剰にやっておいて今回掟破りをフィニッシャーに持ってきたのにも首を傾げる。
 そこはストレートにTLCを絡めたフィニッシャーで良い。
 平均より少し上。

 試合後ヤンガーは早々に立ち去ったスコッティを呼び戻すと抗争決着戦を要求。 
 スコッティも了承しタングルド・ウェブ戦が決定する。

総評
 ここにきて突然抗争を思い出したヤンガーXスコッティですが外れ気味。
 情けないことに京子参戦が一番の目玉になってしまうのかな。
DVD Rating:☆☆☆☆☆
(執筆日:8/1/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ロバート・アンソニーvs.キット・オズボーン
ABLK OUT(ラッカス、アレックス・コロン)vs.ランナウェイズ
Bヤング・アスリーツ・ライジング・ファスト・マッチ:アクマvs.タイ・ハーゲンvs.リッキー・レイヤースvs.ライアン・イーグルスvs.VSK vs.ライアン・マクブライド
Cサミ・カリハンvs.ジェイク・クリスト
DUVルールズ:リトル・モンドvs.DJハイド
EUVルールズ:ピンキー・サンチェスvs.マット・トレモント
FUVU王座戦:ダニー・ハボック(ch)vs.tHURTeen
Gジュニア・ヘビー級王座戦:アダム・コール(ch)vs.ジョナサン・グレシャム
H坂井澄江vs.井上京子
IWIRED王座戦:ドリュー・グラック(ch)vs.ARフォックス(新チャンピオン!)
Jタッグ王座戦:フィリーズ・モースト・ウォンテッド(ch)vs.アズリエル、バンディードJr
KTLCマッチ:ドレイク・ヤンガーvs.スコッティ・ヴォルテックス