TOPアメリカン・プロレスCZWCZW 2011年 →CZW:Best of the Best X 4/9/11

CZW:Best of the Best X 4/9/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

2枚、約3時間10分です。
参加者でセレモニー。グレッグが現れハイドにパイル・ドライバーを決めてメッセージを送る。
 
@1回戦、エリミネーション・マッチ:ザック・セイバーJr vs.ジョナサン・グレシャムvs.アクマ
 3人目が様子見という比較的難易度の低い切り口でスタート。
 これは俺たちが主役の大会なんだとメッセージを発するように
 グレシャムとセイバーが特別力の入った動きを見せて盛り上がります。
 構成には難がありましたが、相変わらず見劣りするアクマが最初に脱落した後は
 コンボ・ムーブを主体に組み合わせるので誤魔化す事は出来ている。
 平均レベル。

A1回戦、エリミネーション・マッチ:アダム・コールvs.カイル・オライリーvs.ジョニー・ガルガーノ
 今年活躍する若手3人という事を考えるともう少し挑戦的な内容であって欲しかったか。
 しかししっかりした働きで3ウェイ・ムーブも個々の絡みもこなしています。
 観客の盛り上がりも踏まえての試合運びが光ります。
 またこの試合の妙はコールのヒール・キャラ調整。
 他団体でのオライリーとのタッグを匂わせつつも、
 勝ち進んでいく者としてCZWでのヒール・キャラも忘れない。
 良い味付けになっています。
 平均的な良試合。

B1回戦、エリミネーション・マッチ:チェック・テイラーvs.関本大介vs.ブランドン・ガットソン
 関本が軽量級トーナメントに紛れ込んできたとあって
 テイラー、ガットソンが必要なら協力する形で構成。
 構図上関本のショー・ケースの色合いが強くなってしまうのは仕方ないか。
 しかしゲストである事を考えるとテイラーにヒールをお願いしても良かったかも。
 平均レベル。

C1回戦:ジェイク・クリストvs.ARフォックスvs.サミ・カリハン
 スピード感良く入り乱れてスタートし差別化。
 スーサイド・ダイブや危険な技が詰まった内容ながら
 個々においてはカリハンの表現力やクリストの綺麗な補佐的受身、フォックスの映える長身などの要素も見られる。
 8分という試合時間でなければもう少し気を使うべき所も出てくるだろうが
 現状ではこれで合格点を与えられる。
 まあまあ良い試合。 

 グラックが現れるもムーア、ブリスコズが追い出し、アンソニーらを呼び出す。

DCZW王座戦、タッグ王座戦:デヴォン・ムーア、ブリスコ・ブラザーズ(Tag ch)vs.ロバート・アンソニー(CZW ch)、フィリーズ・モースト・ウォンテッド
 凄い事はしていないもののその時間帯に求められている事をしっかりしています。
 序盤はロープ・ワークで広く土台を作り、
 セコンドのモクスリーがチーム・アピールで雰囲気を作り上げた後追放、
 孤立を中盤に挟んで(ここはもう少しクオリティが欲しい。)、
 終盤はレフェリー気絶から入り乱れての打ち合いに持っていきモクスリーがレフェリーとして再登場。
 ブックによるストーリーがヒットし良質なトリオとなっています。
 また前半軽量級が結果を残したからこそ、この試合のスター選手への期待が高まって
 観客が素晴らしい盛り上がりを見せ試合を後押しした事にも言及しておきます。
 平均的な良試合。

E準決勝:ザック・セイバーJr vs.アダム・コール
 コールがセイバーのサブミッションに注目させるスマートな試合運びを見せます。
 しかしその割りに後半は普通の試合に落ち着いてしまった感は否めない。
 いやBoringチャントが起きかけたにも関わらず、ぶれずに封じ込めただけで良しとすべきか。
 平均より少し上。

F準決勝:サミ・カリハンvs.関本大介
 関本との体格差設定をした時に
 カリハンの道は一本道に制限される。
 テンションだけではどうにもならない道を作ってどうするのでしょう。
 結局カリハンが対抗してデッドリフト・サイトウ・スープレックスを打つようなクライマックスをしたいのなら
 それに何ら活きてこない体格差設定などいらないのです。
 一般性から特異性を導こうとして失敗した一例。
 まあ観客の反応を見て動かしている点が救いにはなっている。
 悪くない試合 

GUVU王座戦、ラグナロクン・ロール・ガラス・クラッシュ・デス・マッチ:葛西純(ch)vs.ダニー・ハボック
 大袈裟な名前になっていますが通常のガラス・デス・マッチとそれ程変わりません。
 画鋲やストラップがついたガラスもありましたが、
 ガラスが炸裂する視覚効果の前には特に変化をつけれていませんしね。
 しかし葛西が楽しそうに、クレイジーっぷりをアピールしながら試合を運んでいたのが印象的です。
 それによりレジェンドとして観客も受け入れていましたね。
 ダニーもまた激しい流血でしっかりお仕事。
 惜しむべくはレジェンドを倒す過程にドラマが生まれていない事ですが、
 このラインのレスラーはリアルな関係性に依存せざるをえない所があるので仕方ない。
 平均的な良試合。

H決勝:アダム・コールvs.サミ・カリハン
 決勝という事で前2戦の疲労っぷりを反映させてスローにスタートさせる手もあったでしょうが
 それに逃げずに最初から激しい攻防に打って出ます。
 前の試合がデス・マッチでしたからね。
 ここで最初からまったりいけば相対して楽に見られる可能性がありましたから良い選択です。
 後半から自然な流れで疲労度を高めていき、それでいて激しい攻防は維持します。
 コールのヒールっぷりも要所で前に出してきますね。
 女子マネがやられるスポットもあり、この大会の締めとしても機能しています。
 最後のストレッチ・マッファーは似合ってない事もあり少々微妙。
 やるなら他の得意技もパクって伏線を引きたかったですね。
 まあまあ良い試合。

総評
 最近では珍しい程充実した内容。
 結局関本は話題作りのネタに留まる形ながら
 CZWの中心レスラーで最後までしっかり大会を盛り上げたのだから全然良い。
DVD Rating:★★★☆☆
(執筆日:6/22/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@1回戦、エリミネーション・マッチ:ザック・セイバーJr vs.ジョナサン・グレシャムvs.アクマ
A1回戦、エリミネーション・マッチ:アダム・コールvs.カイル・オライリーvs.ジョニー・ガルガーノ
B1回戦、エリミネーション・マッチ:チェック・テイラーvs.関本大介vs.ブランドン・ガットソン
C1回戦:ジェイク・クリストvs.ARフォックスvs.サミ・カリハン
DCZW王座戦、タッグ王座戦:デヴォン・ムーア(新チャンピオン!)、ブリスコ・ブラザーズ(Tag ch)vs.ロバート・アンソニー(CZW ch)、フィリーズ・モースト・ウォンテッド
E準決勝:ザック・セイバーJr vs.アダム・コール
F準決勝:サミ・カリハンvs.関本大介
GUVU王座戦、ラグナロクン・ロール・ガラス・クラッシュ・デス・マッチ:葛西純(ch)vs.ダニー・ハボック(新チャンピオン!)
H決勝:アダム・コール(優勝!)vs.サミ・カリハン