TOPアメリカン・プロレスCZWCZW 2011年 →CZW:Cage Of Death 13 12/3/11

CZW:Cage Of Death 13 12/3/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

@ワイアード王座戦:ジェイク・クリスト(ch)vs.デイブ・クリスト
 兄弟対決ならではの息の合った流れで
 機動力を生かしてリング銃を動き回ります。
 ジェイクのユニークなスポットとデイブのダメージ設定が光りましたね。
 そんな動きからその技を打つかと驚きっぱなしで
 最後は何と雪崩式カナディアン・デストロイヤー。
 5分半に驚異的なアクションを詰め込んできました。
 試合後ジェイクが握手を求めるもデイブは張り手をかまし逃亡。
 ヒール・ターンで抗争開始って感じでしょうか。
 次回は是非ロング・マッチでお願いします。
 中々良い試合。

A3本勝負、テーブルズ・マッチ:ラッカス、アレックス・コロン、クリッシー・リベラ
vs.ジョー・ゲイシー、ライアン・スレーター、キンバー・リー
 一般的にこういう試合の女子は3人目のはずなのに誰よりも目立っています。
 キャット・ファイトで始めつつも
 場外の男共の上にスーパープレックスを決めたり、
 コーナーのテーブルを滑って股下をすり抜けるユニークなスポットを見せています。
 またそれぞれテーブル葬を受けるという頑張りっぷり。
 天晴ですね。
 ただスポット・フェストで3本勝負の構成も弱い。
 最高のスピード感で驚異的なスポットを構成した1試合目の後では欠点が目立ちますね。
 平均レベル。

BCZW王座#1コンテンダーズ・マッチ:ドリュー・グラックvs.ライアン・マクブライドvs.デレク・フレイジャーvs.ダスティン・レイズvs.tHURTeen vs.アレックス・ペイン
 Jrヘビー級王座ではなくCZW王座の方の#1コンテンダーズ・マッチです。
 意味不明な面子ですね。
 ストーリーに絡んでいるグラックが勝利するという必然にして最悪の結果に。
 試合内容ですが淡々と6人で技をつないでいるだけです。
 デレクがカウントに納得いかずレフェリーに襲いかかろうとして
 返り討ちに合いトペを食らうシーンもありましたがナンセンスです。
 この中ではダスティン・レイズがわずかに目を引きましたが試合中に怪我してましたね。
 後は終盤で追放されたドリュー・ブラッドがデレクに襲いかかっていました。
 試合後ハイドに解雇されましたけどね。
 悪い試合。

C4コーナーズ・オブ・ペイン:ドレイク・ヤンガーvs.ローリー・モンド 
 ヤンガーはスコッティとの抗争の中でヒールではなくなりましたが、
 この一大抗争のおかげでデス・マッチ・レジェンドとしての位置づけに入りましたね。
 そのヤンガーの顔にモンドがパンチを叩き込みます。
 この無謀な行為に出た若者をレジェンドのヤンガーがシバキ倒します。
 そこにはモンドに過酷な受身を取らせてプッシュしようという思惑があります。
 しかしそれが明らかであっても尚目の前で広げられる光景には目を疑わざるを得ない。
 給水筒付バットをフルスイングし、ガラスをモンドの口にいれて拳で打ち抜き、
 最後は立てた椅子への雪崩式ドレイクス・ランディングです。
 受け身はモンドのわずかばかりの抵抗、ダイビング・ダブル・ストンプ系を食らったぐらいですが
 要所でガラスを被ったり、ガラスを食べたりと自己完結で狂った行為を見せてくれます。
 狙い通りモンドのプッシュに成功すると共に
 ヤンガーがレジェンドとして生まれ変わった事を強く印象付けるデス・マッチ。
 好勝負に少し届かず。

D伊藤竜二、佐々木貴、真霜拳號、男色ディーノ、KUDO vs.葛西純、沼澤邪鬼、佐々木義人、神威、高梨マサヒロ
 試合前にディーノが服を剥いで縛ったカメラマンを襲います。
 ゴングが鳴ってもディーノの生理的なゲイ・ムーブが羅列。
 10人タッグなのにバランス悪すぎますね。
 モップを尻に刺されてコーナー上でぐったりするも
 それがトラップ扱いとなってまだ試合に関わってきます。
 他の9人もゲストなんだからもう少し存在感を示さないと。
 過剰なディーノ押しが意味不明な内容。
 少し悪い試合。

Eフィリーズ・モースト・ウォンテッドvs.ホミサイド、エディ・キングストン
 PMWがCZWのレジェンドを立てるべく上手く形を整えていますね。
 ロートルのホミサイドに合わせてゆっくりやっているので
 決して盛り上がりやすい内容ではないですが
 これまで微妙だったPMWの本当の実力が発揮されています。
 キングストンもやや意気込みに欠けるファイトで
 ジョーカーが割を食っていましたがやっている事は悪くない。
 最後にメイヴェンが邪魔をした所から
 なぜかホミサイドがレフェリーにラリアットをかましぶち壊し。
 ちゃんとした試合なのに盛り上がらず、
 何の意味もないレフェリーのバンプに盛り上がる。
 嫌だねぇ。
 まあまあ良い試合。

FJrヘビー級王座戦:サミ・キャリハン(ch)vs.ARフォックス
 カリハンは動くなりフォックスの顔にビッグ・ブーツを叩き込みます。
 フォックスはダウン状態からの反撃が基本形になるのかなと思いきや
 引かずにカリハンと張り合っています。
 確かに気持ちが出ていてより観客に訴えかけるものがあります。
 しかしその分スタイルとしての完成度は落ちてしまいます。
 そして20分以上という普通にやっても難しい試合時間が割り当てられているため
 その影響は結構出てしまっている。
 特にCoDのために用意してきた双方のビッグ・スポット、
 エプロンでのエクスプロイダー、
 スプリングボード式450の柵への自爆などが
 試合の戦況に全然影響を与えない戦いとなっているのが問題。
 気迫は凄かったのだけどねぇ。
 まあまあ良い試合。

Gサムタック・ピット&ネイル・ボード:マット・トレモントvs.ダニー・ハボック
 次代のデス・マッチ・ファイターとして期待をかけられているトレモントですが
 こちらはブル・ファイターとしての大勢して欲しい事から
 ヤンガーvs.モンドと違ってハボック側が積極的にバンプを取りにいきました。
 しかしこれにはトレモントの受身がまだまだって部分もありそうです。
 必要以上にトラップからダメージを受ける危険性がある。
 実際この試合ではブーツにネイルが突き刺さって抜けなくなるシーンがありましたね。
 まあブーツだから良かった話で、これがトラップの怖さを再実感させる事にもなったけど。
 試合はちょっと長くグダグダした所でドリュー・グラックが乱入。
 ハボックをボードに沈め、抗議したトレモントにはトフィガがラリアット。
 これでトレモントがハボックの上に倒れてカウント3。
 試合を壊された形となっています。
 まあまあ良い試合。

HDJハイドvs.グレッグ・エクセレント
 試合開始時で体力MAXなはずなのに
 エクセレントが羽交い絞めにして観客にチョップを打たせる展開。
 1分経たずしてもう駄目だ、と見るのを止めたくなります。
 遺恨戦なんじゃないの。
 その後すぐにカイリー・ピアース、ミア・イムが乱入。
 ホーガンの入場曲をバックにエクセレントのハルク・アップ。
 エクセレントの母親が出てきてハイドの味方の振りしてハイドに椅子攻撃+スタナー。
 女性にやられすぎです。
 最後はザンディグが現れハイドにディスカス・ラリアットを叩き込んで幕。
 エクセレントは3つの願いを叶えてもらえることに。
 TNAもびっくりの茶番です。
 ひどすぎる試合。

ICZW王座戦、ケージ・オブ・デス:デヴォン・ムーア(ch)vs.MASADA vs.ロバート・アンソニーvs.スコッティ・ヴォルテックス
 通常のケージを斜めに外側に倒し、
 4つのコーナー上にラダーがのっていて上空の四角い鉄棒につながっています。
 その鉄棒の近くにあるベルトを奪取すれば勝利です。
 そこに上ってベルトを取れば勝利。
 1つのケージは有刺鉄線仕様、1つのケージは中央がガラスになっています。
 また各エプロンにはガラス、有刺鉄線、ケージ+足場が設置されています
 
 試合ですがスポットをやり終えたら
 端にどいていた選手が動き出して次のスポットへ、という感じで
 4ウェイならではの密度はありません。
 また試合の展開に理もありませんでしたね。
 勝利するためにはラダーを上らなければいけないのに
 上空を目指すシーンは少なく上記のとおりスポットのために上がっている印象でした。
 ムーアがラダーにぶらさがったアンソニーをスピアーで打ち落としたシーンや
 アンソニーがスコッティにリングからケージ真ん中のガラスを通って場外テーブルへのランニング・ライガー・ボムを決める等
 インパクトのあるシーンもありスケールの大きなデス・ファン・マッチとしては楽しめますけどね。
 最後はベルトが落下、鉄棒から落とされたムーアがベルトを拾って勝利というしっくりこないもの。
 ヒールならまだしもムーアはベビーフェイスですからね。
 そもそもCZW王者にムーアってきついと思うんだけど。
 平均的な良試合。

総評
 どインディーでトップにのし上がったクリスト兄弟、
 レジェンドとなったヤンガーからは今後も目が離せない。
 キャリハンとPMWのシングル/タッグの2枚看板も安定してきそう。
 CZWの試合が面白くなってきた印象があります。
 一方でハイドのヒール・オーナー化など一定の話題を提供してきたストーリー・ラインが
 逆に惨憺たる状況に陥りつつある気がしてならない。
 現状では棲み分けされていてそんなにトップ・レスラーの試合をぶち壊しそうな雰囲気はないですけれども。 
DVD Rating:★★☆☆☆ 
(執筆日:12/15/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ワイアード王座戦:ジェイク・クリスト(ch)vs.デイブ・クリスト
A3本勝負、テーブルズ・マッチ:ラッカス、アレックス・コロン、クリッシー・リベラvs.ジョー・ゲイシー、ライアン・スレーター、キンバー・リー(2-1)
BCZW王座#1コンテンダーズ・マッチ:ドリュー・グラックvs.ライアン・マクブライドvs.デレク・フレイジャーvs.ダスティン・レイズvs.tHURTeen vs.アレックス・ペイン
C4コーナーズ・オブ・ペイン:ドレイク・ヤンガーvs.ローリー・モンド 
D伊藤竜二、佐々木貴、真霜拳號、男色ディーノ、KUDO vs.葛西純、沼澤邪鬼、佐々木義人、神威、高梨マサヒロ
Eフィリーズ・モースト・ウォンテッドvs.ホミサイド、エディ・キングストン(ノー・コンテスト)
FJrヘビー級王座戦:サミ・キャリハン(ch)vs.ARフォックス
Gサムタック・ピット&ネイル・ボード:マット・トレモントvs.ダニー・ハボック
HDJハイドvs.グレッグ・エクセレント
ICZW王座戦、ケージ・オブ・デス:デヴォン・ムーア(ch)vs.MASADA vs.ロバート・アンソニーvs.スコッティ・ヴォルテックス