TOPアメリカン・プロレスCZWCZW 2010年 →CZW:Tournament of Death 6/26/10

CZW:Tournament of Death 6/26/10の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

2枚、約3時間10分です。

ハイドが挨拶すると共にアシッドを追悼。

@ハボックズ・ハッピーランド・デス・マッチ:JCベイリーvs.ダニー・ハボック
 蛍光灯中心の形式。
 両者共に体の動かし方で魅せれる訳ではないので様式作りは特に効果を上げていない。
 蛍光灯での攻撃も狂気に走らず、かといって意表をつく工夫はなし。
 オープニングにも関わらず思ったより尺が長いのが売りになるかな。
 ベイリーは無駄にレッグ・ロックをしたりとヒール・アピールは空振り気味。
 試合後も攻撃する事でようやく、といった感じです。
 まあまあ良い試合。

Aウェイポンズ・オブ・マス・デストラクション:アブドゥーラ小林vs.ニック・ゲイジ
 ゲイジが見事なヒール、不満屋状態で小林を迎えるにあたって最高の舞台が整っています。
 そんな中、序盤の挑発合戦において小林は蛍光灯を打ち返す代わりに自らの口で噛み砕いて見せた。
 終盤椅子攻撃で剣山が外せない程食い込んだシーンと合わせて
 TODの名場面と呼ぶにふさわしい熱狂がありましたね。
 ただ小林は攻めが絶対的にインパクト不足でその盛り上がりにも波がありましたね。
 この試合だけで言うなら小林が粘りながらも力尽きて敗北がベストでしょう。
 持ち技だろうと只のダイビング・エルボー・ドロップ(しかも初お披露目)ではフィニッシュとして弱すぎます。
 グッド・マッチに届かずも中々良い試合。

Bサムタック・キック・パッズ&ペインズ・オブ・グラス:ディスファンクションvs.スコッティ・ヴォルテックス
 良い蹴りだし、グラス割りも迫力があるけれど前の試合の後では盛り上がりはいまいち。
 2人も変に焦りを持って試合を進めていましたね。
 もっとプロレス・ベースで構築しても良かった。
 平均より少し上。

Cファンズ・ブリング・ザ・ウェポンズ:デヴォン・ムーアvs.MASADA
 ?枠で出てきたのはムーア。
 しかし冒頭のハイドの挨拶に乱入してヒール・アピールしているし、ヒール対決となりますね。
 レベルの低いハードコア・マッチでそれを冗長させるようにステージの手すりが壊れたり・・・。
 盛り上がれる要素が見つからないまま試合が勝手に進んでいきますね・
 リングとステージの往復がだるかったり通常技がやたら多かったり。
 息抜きも必要ながらそれを狙うならトーナメント外でやればよいわけですしねぇ。
 悪い試合。

Dファンズ・ブリング・ザ・ウェポンズ:サミ・カリハン、ジョー・ゲイシーvs.DJハイド、グレッグ・エクセレント
 野外乱闘。
 カリハンの機動力が素晴らしくゲイシーもラフ・ファイターとしての素質を開花させています。
 ハイド、エクセレントは悪くはありませんが軽くアピールを交えてスパイスを利かせて欲しかったですね。
 木の上からダイブなど面白いスポットがあり、新しい形式に出来る可能性がありました。
 01年の爆破マッチとかに通じる雰囲気があったんじゃないかな。
 後半はリングに戻って。
 長い蛍光灯は良いですが、明らかに落とし所を何回も見逃している状況。
 前半、後半と分けないで、決着をつけるためだけに戻るぐらいのバランスでよかったですね。
 まあまあ良い試合。

E準決勝、ログ・キャビン・ライト・チューブス5本勝負:JCベイリーvs.アブドゥーラ小林
 ベイリーの行動が改善され、観客の準備も出来ているのでベイリーはヒールとして機能。
 小林も持ち技が伝っている分適切に試合を構築する事が出来ています。
 ただ蛍光灯櫓へのビッグ・スポットが定数分前提として配置されるので形式的に限界は感じますね。
 この形式なら小林を勝ち上がらせなくても良かったようにも思う。
 まあまあ良い試合。

F準決勝、ボーズ・オブ・デス:スコッティ・ヴォルテックスvs.MASADA
 ラフをベースにしてスコッティのアンダードッグ性を活かす、というMASADAの向かい方が良いですね。
 両者通常プロレスの能力から上手くデス・マッチ・スポットに繋げています・
 ただ場外に出た所から後半、MASADAがただ攻撃していくだけになります。
 最近のMASADAにはよくありますが雰囲気を出すのに固執し、
 勝つ気がまったく見えなくなりグダグダになっていく。
 ブロックへのボディ・スラム3連発も無駄です。
 スコッティも普通より盛り上がるからといってセコンドを攻撃しすぎです。
 それでは弱い者が更に弱い者に八つ当たりしているだけです。
 後半でドラマ性が死んだ内容。
 平均レベルです。

Gタイペイ・デス・マッチ:ドレイク・ヤンガーvs.ブレイン・ダメージ
 どちらにも揺ぎ無い強さを感じる事は出来ませんが、
 適切な切り替えで両者が良い形に持って行く事は出来ています。
 ヤンガーが血の噴き出すシーンもありましたね。
 完全に劣化版ですが、あの対決を思い起こして浸れる程には充実している。
 まあまあ良い試合。

H決勝、テーブルズ,ラダーズ&ライト・チューブス:JCベイリーvs.スコッティ・ヴォルテックス
 ラダー中段から蛍光灯テーブルへのスポットは設置含め
 相手への待ちがあからさま過ぎて問題ありですね。
 しかし他のトラップは序盤の、コーナー上から場外テーブルに落ちる意表をついたスポットのみ。
 後は蛍光灯のみで大仰なスポットに頼っていません。
 これが功を奏してベイリーのヒールも良い意味で無視された応援合戦に突入。
 2人に気持ちを重ねて良い時間を過ごすことが出来ました。
 驚異的なスポットはありませんが、決勝にも関わらずじっくりやりぬいた内容で
 このTODの決勝としてはふさわしい。
 中々良い試合。

総評
 決して今後に光明が見えた内容ではないけれど
 予想より充実していて小林の招聘は成功しているし、何よりJCの遺作となってしまったので。
 (執筆日:9/5/10)
DVD Rating:★★★☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ハボックズ・ハッピーランド・デス・マッチ:JCベイリーvs.ダニー・ハボック
Aウェイポンズ・オブ・マス・デストラクション:アブドゥーラ小林vs.ニック・ゲイジ
Bサムタック・キック・パッズ&ペインズ・オブ・グラス:ディスファンクションvs.スコッティ・ヴォルテックス
Cファンズ・ブリング・ザ・ウェポンズ:デヴォン・ムーアvs.MASADA
Dファンズ・ブリング・ザ・ウェポンズ:サミ・カリハン、ジョー・ゲイシーvs.DJハイド、グレッグ・エクセレント
E準決勝、ログ・キャビン・ライト・チューブス5本勝負:JCベイリーvs.アブドゥーラ小林(3−2)
F準決勝、ボーズ・オブ・デス:スコッティ・ヴォルテックスvs.MASADA
Gタイペイ・デス・マッチ:ドレイク・ヤンガーvs.ブレイン・ダメージ
H決勝、テーブルズ,ラダーズ&ライト・チューブス:JCベイリーvs.スコッティ・ヴォルテックス(優勝!)