TOPアメリカン・プロレスCZWCZW 2010年 →CZW:Cage of Death 12/11/10

CZW:Cage of Death 12/11/10の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

2枚、約3時間です。

@BotB予選:アレックス・コロンvs.ジョナサン・グレシャムvs.アクマvs.リッチ・スワン
 テンプレートな攻防にも関わらずスピードがいまいちだったりタイミングが悪かったりする。
 誰も矯正しようとせず、わざとらしさが抜けないまま進みます。
 危険な技、2人技によって無理やり盛り上げると最後は良い技の選択でようやく褒める所が出ました。
 アクマがせっかく新しい舞台に繰り出したのに緩さがまた出てきているのが心配。
 少し悪い試合です。

 グレッグ・エクセレントが母親と登場。母親にドライバーを決める。

A#1コンテンダーズ・マッチ:ロバート・アンソニーvs.サミ・カリハン
 アンソニーの煽りは素晴しく受けでもクリエイティブな才能を発揮しています。
 一方カリハンは見得が空白でクイックな動きとの統一が図れていません。
 まだベビーフェイスとして完成されていませんね。
 両者移動テクニックが冴えているのでそのまま勝負していけば良いのに
 早い段階でハードコアな展開へと突入していきます。
 椅子を使い、観客席へのパワー・ボム、場外投げと畳み掛けます。
 ベース・ラインでも無茶をするので体を張っているだけの効果を得れていませんね。
 誰でも汎用が利く内容とも言えます。
 終盤でもトップ・ロープから雪崩式パワー・ボムという無茶っぷり。
 ダメージ設定含めどう決着したら良いのやら適切な終着点がない状況。
 内容、カードともにAでやるものではありませんでしたね。
 まあまあ良い試合。

BJrヘビー級王座戦:アダム・コール(ch)vs.ARフォックス
 コールは試合運びが安定していますね。
 コールの呼び込みからフォックスが良いムーブを生み出しとはまっています。
 能力からして十分な内容だったと言えるでしょう。
 しかし若手として成長面に期待する所があるので、
 変に完成度を高めるよりもっと挑戦しても良かったですね。
 具体的にはコールが全体設計を担当しすぎで、
 フォックスに対して1スポット以上に放任して欲しかった所です。
 平均より少し上。

 試合後タイラー・ヴェリタスが登場し連続して王座戦に。

CJrヘビー級王座戦:アダム・コール(ch)vs.タイラー・ヴェリタス
 コールは引き続き相手との兼ね合いを考えているけど
 ヴェリタスの理解力が乏しいので繋ぐためにらしくない技を打たざるをえない状況にあります。
 フォックスに当ったスポットをヴェリタスなんかが奪ってはいけませんね。
 ヴェリタスが勝たなかったことだけが救い。
 後、試合後のコールは実にうざい表情で素敵でしたね。
 ひどい試合。
 
Dタッグ王座戦:オシリアン・ポータルvs.フィリーズ・モースト・ウォンテッド
 まずは流れるような普通のレスリング。
 CZWファン向きではないがOPがしっかりしているので反応もちゃんとあり拒絶されていません。
 序盤は相手に華を持たせていたPMWですが孤立で本領を発揮。
 フラストレーションといった感情を反映させた意味ある動きを見せています。
 特にジョーカーがお見事。
 受けで立場を確立し、技で自己の価値を上げていきました。
 セイビアンもこれまたパートナーとしてよい働きを見せています。
 OPはどうしても型で考えてしまうのが課題ですね。
 またCZWだからといってダブル450スプラッシュ後にダンス・タイムを行うのは問題です。
 盛り上がるけれどそれは別の性質のものです。
 ジョーカーの表情とステップが素敵だったので良いけどさ。
 そこまでクロスしていないがお互いが自分の領域、
 OPがシンクロ性、PMWが個々の役割の組み合わせで貢献した内容。
 平均的な良試合です。

 試合後ブリスコズが登場し王座挑戦を表明。

ECZW王座戦:ジョン・モクスリー(ch)vs.ホミサイド
 ホミサイドは技一つ一つの価値が低い。
 そのくせそのひとつに意味合いがあるように思わせる試合運びをする。
 だから空振りするのです。
 モクスリーは対等な関係で試合を作ろうとしますが、
 それをする事で自分のレベルを下げてしまっている事に気づくべきです。
 決して悪くはないですが、予想通り実にがっかりする内容で試合中もざわつきが収まりませんでしたね。
 悪くない試合。
 試合後ブロディ・リーが現れモクスリーにビッグ・ブーツ。
 王座取りをアピールです。

 試合前にドリュー・グラックが現れレスリング・マッチにするために自分がレフェリーを務める、としゃしゃり出てくる。

FUVU王座戦:ニック・ゲイジ(ch)vs.宮本裕向
 ゲイジともなると低レベルなレスリングでも見得を切れていますね。
 しかしグラックのネタはいらない。
 フラストレーションを溜めて爆発という意図はわかりますが、
 二段構成にして能率的にそれを活かす構築力が無いが故に
 前半は結局何もしていないという事になっています。
 焦らすのとフラストレーションを与える事は違います。
 宮本も余り考えていませんね。
 まあそれで無茶なスポットを躊躇しない所が魅力なんでしょうけど。
 ゲイジ主導の弱い試合運びの中スポット1つ1つの大きさで勝負する展開。
 適切な量はあり、ゲイジもある程度責任をもって動かしています。
 しかし宮本の考えは甘すぎますね。
 そこに何の意味があるのか良くわからない動きが散見されました。
 平均より少し上。

Gケージ・オブ・デス:カルト・フィクション(ドレイク・ヤンガー、MASADA、ブレイン・ダメージ、tHURTeen)vs.スーサイド・キングス(ダニー・ハボック、スコッティ・ヴォルテックス、ディスファンクション、デヴォン・ムーア)
 ヤンガーが入った事でCFのビジュアル・シーンが凄く良くなっていますね。
 試合前のインタビュー・シーンが最大の見所。
 一方でSKのビジュアルは正直言って素人です。
 スター性皆無ですね・・・。

 さて装置としては二辺に有刺鉄線ケージが垂直に設置され、天井横には高台が設置されています。
 残り二辺はケージがくの字に設置され中間は場外のテーブル対して開けている状態です。
 
 最初の1対1。いきなりグラムが技を食らい、ケージ天辺からのスラム、この試合最大のスポット?、が飛び出ます。
 まったくもって理解不能な立ち上がりです。
 2対2になると既にごちゃごちゃし戦局に意味がなくなります。
 そんな中ヤンガーは流石の働き。
 攻めにはリズムがあり、エゴの塊としてキャラを上手く演じています。
 一気に良い支配シーンとなりましたね。
 しかしそのヤンガーがですね、
 スコッティが芝刈り機を持ってきたのを見て自ら場外に出て脱落するという展開・・・。
 スコッティをライバルとして設定するのは2011年の抗争を考えると良いのだろうけれど
 CODという大舞台で最大のプレイヤーがこんな形で抜けてはがっかりするしかありません。
 しかもそのスコッティまで場外に落とされて(+微妙な落ち方)脱落。
 ヤンガーが介入するならまだしもね。
 スコッティが生き残りになるべきでしたよ。
 後半スポットは出鱈目気味。
 ダニー、tHURtennは天辺から落下して脱落。
 この2人は肉体的にそれなりの代償を払っていて端役としては合格点を与えられます。
 その後、矢継ぎ早に落ちていって最後は余り絵にならない形でフィニッシュ。
 試合後ヤンガーが現れムーアをリング内に放りましたが、
 これがこの試合2番目に大きいスポットかもしれません・・・。
 B-Boyがサプライズで登場し追い払いますが、
 この役割はそれほど痛手を負っていないスコッティが務めるべきで・・・。
 過去最低レベルのCODでした。
 悪くない試合。
 
総評
 前半は良かったもののゲストの低調な働きとCODの失敗で印象は良くない。
 (執筆日:2/10/11)
DVD Rating:★☆☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@BotB予選:アレックス・コロンvs.ジョナサン・グレシャムvs.アクマvs.リッチ・スワン
A#1コンテンダーズ・マッチ:ロバート・アンソニーvs.サミ・カリハン
BJrヘビー級王座戦:アダム・コール(ch)vs.ARフォックス
CJrヘビー級王座戦:アダム・コール(ch)vs.タイラー・ヴェリタス
Dタッグ王座戦:オシリアン・ポータルvs.フィリーズ・モースト・ウォンテッド(新チャンピオン!)
ECZW王座戦:ジョン・モクスリー(ch)vs.ホミサイド
FUVU王座戦:ニック・ゲイジ(ch)vs.宮本裕向(新チャンピオン!)
Gケージ・オブ・デス:カルト・フィクション(ドレイク・ヤンガー、MASADA、ブレイン・ダメージ、tHURTeen)vs.スーサイド・キングス(ダニー・ハボック、スコッティ・ヴォルテックス、ディスファンクション、デヴォン・ムーア