TOPアメリカン・プロレスCZWCZW 2009年 →CZW:Tournament of Death Rewind 10/25/09

CZW:Tournament of Death Rewind 10/25/09の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

2枚、約3時間5分です。

@1回戦、UVU王座戦、カリビアン・ピッツ・オブ・デス:ダニー・ハボック(ch)vs.サミ・カリハン
 何度も組まれているカードですが
 これまでのどの同一カードよりも試合への取り組み方が真摯です。
 そのために形式のトラップが2つのみであろうと
 ゲイシー介入やスタンガンが使われようとしても崩れない確固とした内容。
 平均的な良試合です。

A1回戦、4コーナーズ・オブ・ファン・ドッグ・カラー・マッチ:ジョン・モクスリーvs.サムタック・ジャック
 4つのファンはネズミ捕り、ホッチキス、レゴ・・・
 最後は手錠かな、とにかく凶器自体は弱いのですが
 TJのダメージ以上の流血っぷりと
 モクスリーのリアクション芸が素晴らし過ぎます。
 2人の高いオリジナリティーがしっかり絡んだ内容で
 この日の中で一番好きな試合になりました。
 ブーイングが飛んでましたがフィニッシュは見事でしたよ。
 中々良い試合。

B1回戦、ニュー・テキサス・デス・マッチ:ブレイン・ダメージvs.MASADA
 Holy Shit!
 脳挫傷が痩せています。
 でもかつての脳挫傷が戻った訳ではないですね。
 怪我から復帰したレスラーのような痩せた姿で
 MASADAがつきあっているのが虚しくなるような内容です。
 フィニッシュ時に脚がロープの外に出ていましたが
 そんな細かい所に気を払おうと払わまいと印象が変わらないですね・・・。
 少し悪い試合。

C1回戦、ペイン・イン・ザ・グラス:ザンディグvs.ニック・ゲイジ
 ハイドとの新旧オーナー対決のはずが
 いつの間にかvs.ゲイジに変更されたんですね。
 試合はザンディグが得意技のボディ・リフトを使わなかったりと底の見えたファイトで
 グラスというインパクトのある物を単発で割っていくだけです。
 ゲイジも体が重かったですが場外テーブルへのショルダー・スルーという予期せぬスポットに挑戦。
 これで試合は一時中断してしまいましたが
 現役としてのプライドで復活し試合を終わらせません。
 これで見る価値のある物が生まれました。
 蛇足ながら最後は蛍光灯付フェイス・ウォッシュで終わっとけば良かった。
 平均レベル。
 試合後ハイドがザンディグを褒め永久王者としてベルトを渡します。

Dリッチ・スワンvs.グレッグ・エクセレントvs.スコッティ・ヴォルテックス
 ジョークのようなレベルで格好をつけようとした3ウェイ。
 何故ここでトラック上からのダイブというカードを切ってしまうかなぁ。
 ひどい試合。

E準決勝、UVU王座戦、トランシルバニア・デス・マッチ:サミ・カリハン(ch)vs.サムタック・ジャック
 カリハンはこの試合でも容赦の無い打撃を見せています。
 CODの重み、責任を感じているのでしょうね。
 しかし試合はいまいち。
 形式は画鋲入りコフィンに入れて蓋を閉じられたら負け、というゲーム的ルールで
 フィニッシュもAで何本も見せた針1本で行っています。
 悪くない試合です。

F準決勝、ホームラン・ダービー:ニック・ゲイジvs.MASADA
 Cでゲイジの回復の遅さを見て危惧してましたが
 予想に反してゲイジの動きが良くなってきています。
 お互いの体を苛め抜いてたどり着く境地に入ってますね。
 テキサス・クローバー・ホールドでのフィニッシュには
 疑問を感じるけれども往年のTODの熱気をよみがえらせたのは素直に褒めたい。
 好勝負に届かずも中々良い試合です。

Gデヴォン・ムーアvs.xOMGx
 休憩させるために試合を挟みたいのは分かるが
 有刺鉄線ボード+椅子のぬるいデス・マッチをされてもなぁ。
 悪い試合。
 試合後ムーアはxOMGxを痛めつけながらヤンガーとの王座戦を要求しましたが
 その王座戦をここにセッティングできない所に台所事情の辛さが見えたり。

H決勝、UVU王座戦、ハウス・オブ・ペイン:サムタック・ジャック(ch)vs.MASADA
 これまでの形式で使われた凶器、場外のステージを経て
 シンダー・ブロックへの技、竹串対針の刺し合い、
 そしてTJのみならずMASADAも注射器貫通を受ける。
 オール・イン・パックで内容量は多く、
 また認める訳ではないが注射器貫通も
 ボストン・クラブと絡める事で単なるサドマゾ・スポットではなく
 ギブ・アップに追い込む、という側面を加えている。
 しかし彼らなりにデス・マッチというジャンルと戦っているとはいえ
 このTJvs.MASADAの問題はあからさまな構築の暗喩なんかで、
 時間勝負、尽きることの無いカウント2返しで盛り上げている事ですね。
 デス・マッチ・ファイターが打算で動いてはいけません。
 デス・マッチはもっとピュアで良い。
 歯車は”やられたらやり返す”の理だけで良いのです。
 素晴らしい決勝ながらこの試合は濁っている。
 好勝負に届かずも中々良い試合。

 試合後ゲージが現れレフェリーに暴行し、TJにフェイス・ウォッシュ。
 TJは去ろうとするゲイジにそんなにやりたいなら試合してやると言う。
 ゲイジはリングに上がりかけるも退散。
 ハイドがTJにトロフィーを贈りエンドです。

総評
 問題はあるし時期上CODへのストーリーが絡んでいるけれど、
 トーナメント参加者全員が
 デス・マッチというものへの思いを示した
 (脳挫傷だって痩せたのはある種の表明です)
 気持ちの良い大会で往年のTODと肩を並べたっていい。
 近年の中でベストのデス・マッチ大会です。
 (執筆日:11/26/09)
DVD Rating:★★★★☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@1回戦、UVU王座戦、カリビアン・ピッツ・オブ・デス:ダニー・ハボック(ch)vs.サミ・カリハン(新チャンピオン!)
A1回戦、4コーナーズ・オブ・ファン・ドッグ・カラー・マッチ:ジョン・モクスリーvs.サムタック・ジャック
B1回戦、ニュー・テキサス・デス・マッチ:ブレイン・ダメージvs.MASADA
C1回戦、ペイン・イン・ザ・グラス:ザンディグvs.ニック・ゲイジ
Dリッチ・スワンvs.グレッグ・エクセレントvs.スコッティ・ヴォルテックス
E準決勝、UVU王座戦、トランシルバニア・デス・マッチ:サミ・カリハン(ch)vs.サムタック・ジャック(新チャンピオン!)
F準決勝、ホームラン・ダービー:ニック・ゲイジvs.MASADA
Gデヴォン・ムーアvs.xOMGx
H決勝、UVU王座戦、ハウス・オブ・ペイン:サムタック・ジャック(ch)(優勝!)vs.MASADA