TOPアメリカン・プロレスChikaraChikara 2011年 →Chikara:Young Lions Cup IX 8/27/11

Chikara:Young Lions Cup IX 8/27/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

2枚、約3時間20分です。

@準々決勝イリミネーション・マッチ:グリーン・アントvs.コバルドvs.ロビー・イーグルスvs.ウィル・オ・ウィスプII
 コバルドはChikaraのオリジナル・レスラーのようで
 序盤で活躍する機会を多く与えられていますがミスが多く、
 ミスを許容させるだけの身体能力などの魅力はなし。
 続いて出てきたのがジェフのOMEGA時代のギミックを受け継いだウィル・オIIですが、
 動きが一つ一つ止まってしまって駄目。
 無茶なムーブ、斬新なムーブをする訳でもなし。
 終盤で前に出てきたロビーは煽り系。
 他2人と違って溜息こそつかせないが魅力は確立できていない。
 グリーン・アントが勝ち進んだのは当然の面子であり内容でした。
 悪い試合。

A準々決勝イリミネーション・マッチ:グレゴリー・アイアンvs.ヤコブ・ハマーマイアーvs.オバリヨンvs.チェイス・オーウェンズ
 それぞれ役所は適当なのですがバランスが悪いですね。
 アイアンは腕の障害に対して相手が適切に対応できる選手がいないので
 障害のあるかわいそうな選手という良くない見せ方となっています。
 これが勝てば盛り上がりようもあるのだけどヤコブが勝利するのでね。
 そのヤコブは賑やかしなのに出番がやや多すぎる。
 もっと絞った方が試合に迷惑かけないですしキャラのアピールにもなるのだけどなぁ。
 オバリヨンは肉食系でラフに襲いかかっていて悪くない。
 チェイスは外様で余り活躍の機会を与えられなかったが、
 最初のレスリングのテクニカルな要素を見ていると
 1回じっくりと試合を見てみたい選手でしたね。
 悪くない試合。
 
Bマット・ジャクソンvs.ジョニー・ガルガーノ
 マットが試合前、関係者に挨拶していったのは面白い。
 しかし基本的に試合運びは真面目で、
 所々で交えるユーモアは逆にガルガーノがサボる口実となってしまっている。
 この2人にしては特別な試合とは言わないまでも
 もう少し平均点を稼げたのではないか、という気がする。
 平均レベル。

C準々決勝イリミネーション・マッチ:マット・フィチェットvs.MKマッキンナンvs.プロフェッサー・ミル・シゾvs.アーチボールド・ペック
 ペックが技に対して観客を楽しませるリアクションを取ると共に
 試合を動かす展開を創りだし他を圧倒して試合に貢献している。
 エンターテナーとしての素質を感じさせますね。
 他の選手もそのキャラがその人にとって一番のスタイルかは疑問が残るが
 少なからず試合の中で自分の居場所を見つけ仕事をしている。
 特にMKは相手との攻防のチェーンのさせ方は良いですね。
 まあまあ良い試合。
 
D準々決勝イリミネーション・マッチ:ニック・ジャクソンvs.タダスケvs.マーク・アンドリューvs.ショーン・サウス
 初めから只の打ち合いで薄っぺら。
 次第にタダスケのアピール・マッチと化すが
 タフであるからと受け身を、傲慢なヒールであるからと攻防を手抜きしていて
 果たしてこの選手を勝ちあがらせることが正しい選択なのかこの試合だけで納得するのは難しい。
 悪い試合。

E12ラージ・サミット・トーナメント:サラ・デル・レイvs.ハロウィックド
 真剣なレスリング。
 女だからと弱々しい存在とせず、
 その実力をしっかりと認め向かい合っているからこそ
 1つの試合として成立する所を狙えています。
 ただハロウィックドはvs.サラ専用の試合運びを用意してきたものの
 ポテンシャルを最大限に発揮できるか、という面では後一歩踏み込みたい所です。
 まあまあ良い試合。

F12ラージ・サミット・トーナメント:ファイヤー・アントvs.ヴィン・ジェラード
 それぞれ相手のために間隔を開け攻めさせています。
 またジェラードはストンプ系を多用し過去の因縁を持ち出しています。
 入場口に捨てて蔑む様も良いですね。
 だからこそ試合はこの2人ならではの物になりそうな予感があった。
 しかしファイヤー・アントは一般的なハイ・フライヤーの動きの域を出ず
 彼のカラーである耐えしのいで反撃していく姿を見せる事が出来ていません。
 それゆえ目の前で展開されるドラマが少々あざとく映る。
 平均より少し上。

G準決勝:グリーン・アントvs.ヤコブ・ハマーマイアー
 入場してきたグリーン・アントを
 トゥルサスが挑発して乱闘を誘い、1対2でグリーン・アントをぼこぼこにします。
 しかしリングに入ればグリーン・アントが普通に反撃。
 トゥルサスの介入も防いで勝利すると言うもの。
 スキットも同然の内容です。
 試合後トゥルサスがグリーン・アントを再び襲撃。

H準決勝:アーチボールド・ペックvs.タダスケ
 ペックはベビーフェイス扱いですね。
 準々決勝を見る限りフェイス・ターンした気配はありませんし、
 タダスケが相手という事での例外的措置でしょう。
 そのため最初は違和感を覚えたものの
 試合の中で技を組み合わせて流れを生む働きを担っており、
 それはまさにベビーフェイスとしての仕事ですから自然と受け入れる事が出来ました。
 タダスケはマイ・ペースに重い技を叩き込んでいくだけですが、
 技の配置はよく、グー・パンチからのフィニッシャーで上手く締めましたね。
 只受けのダメージ表現がなく、タフな攻め合いでしか魅せれない、
 小さい高山というべきレスラーなんだろうな、という印象です。
 まあまあ良い試合。

Iピンキー・サンチェスvs.ウルトラマンティス・ブラック
 場外乱闘を繰り広げた後、マンティスがマンティス・ボムにより5分で仕留める。
 前者は楽しいし、後者はアーレスにメッセージを送るというストーリーを表現するのに適切。
 問題なのは相変わらずピンキーが雑魚って事。
 本人が望んでそうなっている節がありブッカーのせいには出来ませんけどね。
 悪くない試合。

Jクラウディオ・カスタニョーリvs.イカルス
 トリッキーな者同士の対決という事で
 レフェリーの隙をついて両者張り手を打ったりしています。
 ただそれをコンセプトとしたために過剰に行っていて茶番に見える事は否めません。
 CCが支配した所から安定すると思われましたが、
 線の細いイカルスでは反撃に至る道筋、勝利の可能性が見えませんでしたね。
 だからこそ、このコンセプトになった気もしますが、
 もう少し配分を考え、要所では王道で行わなければいけません。
 平均より少し上。 

Kヤング・バックスvs.バティリ
 素早い攻防にバティリがついていけてないですね。
 その力量差を埋めるべきバティリは握手から襲撃していますが、
 戦略的であってはいけないんですよ。
 他のタッグ屋程の完成度の高さをもったいないのだから
 そのキャラを活かした野性味で勝負して欲しかったですね。
 Yバックスが10分越えの試合を見せた以上の物を感じない内容。
 悪くない試合。

L決勝:グリーン・アントvs.タダスケ
 グリーン・アントは先ほどの暴行により脇腹を痛めている設定です。
 しかしタダスケにそんな器用な事は出来ないので、
 一応被るとはいえ凡庸な腰攻めで対応する事になっています。
 また意思疎通も取れていない場面も目立ちましたね。
 ジャイアントキラーとしてのカラーが定まりつつあるグリーン・アントとのカードは決して間違いではなく、
 最後粘るアントに連続して技を叩き込んで潰したエンディングは様になっていたけれども、
 再戦がChikaraで行われるとも考えにくいですし決勝としては今一つ。
 平均レベル。

総評
 本トーナメントは友好関係にある大阪プロのタダスケを
 次回以降使う予定もないのにプッシュし、本来戴冠すべきペックが準決勝落ち。
 12ラージ・サミットは良い試合を生むも今一歩届かない。
 そして大会として見ても無駄にボリュームが多いですね。
 話題性はあるが中身はいまいちです。
DVD Rating:☆☆☆☆☆
 (執筆日:9/2/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@準々決勝イリミネーション・マッチ:グリーン・アントvs.コバルドvs.ロビー・イーグルスvs.ウィル・オ・ウィスプII
A準々決勝イリミネーション・マッチ:グレゴリー・アイアンvs.ヤコブ・ハマーマイアーvs.オバリヨンvs.チェイス・オーウェンズ
Bマット・ジャクソンvs.ジョニー・ガルガーノ
C準々決勝イリミネーション・マッチ:マット・フィチェットvs.MKマッキンナンvs.プロフェッサー・ミル・シゾvs.アーチボールド・ペック
D準々決勝イリミネーション・マッチ:ニック・ジャクソンvs.タダスケvs.マーク・アンドリューvs.ショーン・サウス
E12ラージ・サミット・トーナメント:サラ・デル・レイvs.ハロウィックド
F12ラージ・サミット・トーナメント:ファイヤー・アントvs.ヴィン・ジェラード
G準決勝:グリーン・アントvs.ヤコブ・ハマーマイアー
H準決勝:アーチボールド・ペックvs.タダスケ
Iピンキー・サンチェスvs.ウルトラマンティス・ブラック
J12ラージ・サミット・トーナメント:クラウディオ・カスタニョーリvs.イカルス
Kヤング・バックスvs.バティリ
L決勝:グリーン・アントvs.タダスケ(優勝!)