TOPアメリカン・プロレスChikaraChikara 2011年 →Chikara:Chikarasaurus Rex: King of Sequel Night Two 7/31/11

Chikara:Chikarasaurus Rex: King of Sequel Night Two 7/31/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

2枚、2時間45分です。

@真琴vs.藤本つかさ
 前日同様真琴は相手とのタイミングが合っているか確認したり、
 相手の技に対して受身の動きに入る動作が早かったり、
 無駄なアピールがあったりと目線が一定しない。
 しかし良い技でアピールできているというのも前日同様。
 藤本も安定した攻防を生み出している。
 という事で前日のトリオ・マッチとほぼ書いている事が同じ。
 それはまだまだ幅が狭い事を意味する。
 藤本x真琴はどちらの日か片方で見れれば十分でしたね。
 真琴xサラ、藤本xデイジーを組むべきだったと思います。
 最後にもう少し凌ぎあいが欲しいもののこのカードならではのミックスは見られた内容。
 平均レベルです。

Aアーチャー・ベックvs.ダッシャー・ハットフィールド
 ベックの映画に出てくるような際物キャラ、表情は楽しい。
 スキットだけではなくプロレスの中でも
 その細長い手足を使って色合いを出しているのはポイント高いですね。
 ただまだまだ相手との関係でより面白くする技量はなく、
 ベックのファン・マッチを超える物ではない。
 悪くない試合。
 
Bデイジー・ヘイズvs.下田美馬
 下田の動き緩すぎでしょう。
 こんなレベルで良く、終始動き回ろうとするものです。
 デイジーのおかげで技の打ち合いに
 どっちが勝つのかというハラハラ感は生まれているから良いもののね。
 下田は試合後に椅子攻撃でリベンジしましたが、
 観客の支持を得てやるのではなく勝手に先走っているのが見てて寒い。
 悪くない試合。
 
Cスペクトラル・エンヴォイvs.チーム3.0le!
 ジェネリコ、前日は攻めで光っていたが、
 この日は受け、相手の技に対する受身への移行の素晴らしさ、が目を引きます。
 3.0はユーモア溢れる試合運びで
 真面目なジェネリコとメリハリをつける。
 エンヴォイもそうですがトリオの中で役割が明確になっているのが良いですね。
 最後はドンストが乱入、威嚇しあう中、
 リングに残ったマンティスがジェネリコにマンティス・ボムを決め決着。
 ストーリーには関わらないとはいえ好調のジェネリコを普通に寝かせたのは勿体無い。
 まあまあ良い試合でした。

◆FISTの相手を抽選で選ぶ。
ビア・マニー、バーナード&アンダーソンが出てくるも当然会場にはいない。
続いてはアトランティス、ブカネロ。これも当然ないと思いきやサプライズ登場。

Dアトランティス、レイ・ブカネロvs.FIST(チャック・テイラー、ジョニー・ガルガーノ)
 最初のレスリングから大きくずれている。
 ずれている所からその原因と相手の呼吸を探っていけるのが
 レスリングなのにどうしよう、どうしよう、と言うばかりで何も行動しない。
 中盤以降も1本勝負になれていないからと滅茶苦茶な行動。
 これではFISTも構築する要所のポイントを見出せません。
 アトランティスのファンだけど、やる気もなく、出来る気もないなら仕事を受けるな、と思います。
 悪い試合。

E12ラージ・トーナメント:ジグソウvs.エディ・キングストン
 格式高く入りこれがトーナメント戦という位置づけである事を思い出させます。
 キングストンが腕狙い。
 叩きつけと締め上げをちゃんと組み合わせていますね。
 またトペで脚を痛めて伏線を引いたのも手馴れています。
 それに乗ってジグソウが脚攻めと試合は進んでいきます。
 スローなのでどういう風に試合を作ろうとしているのか
 その裏事情がちょっと前に見えすぎな気がしますね。
 しかしそれである程度観客の中に試合のイメージが浮かでいたからこそ、
 ジグソウの激しいラッシュに新鮮な驚きがあったのも事実です。
 ヴィン・ジェラードの介入を阻止して終盤へ。
 バランスの良い攻防からジグソウがダイビング・ダブル・ストンプを打つなど特別な技が飛び出します。
 また両者必殺技を返して大盛り上がり。
 必殺技を返しあった後の攻防に特に良いアイディアがなかったのは残念ですが、
 特別な激戦を最初から最後まで高いレベルで実現しました。
 中々良い試合。
 
Fマイク・クァッケンブッシュ、ジョニー・セイントvs.コルト・カバナ、ジョニー・キッド
 技術を見せる、という事を観客も本人も楽しんでいます。
 一日目で書いたようにレスリングには差異を超越する力がある。
 だからこそセイントxカバナもクァックxキッドも面白い攻防を見せてくれます。
 昨夜を見た後でも、これからどんな切り返しを見せてくれるのかワクワクしましたね。
 試合の中でやる事は余り変わり映えしないので
 この試合もR制にした方が良かったですね。
 またタッグという事で控えで休めるかと思いましたが、
 流石に70歳になると体力回復も遅いらしく、
 ラストでセイントが前日以上に動きが落ちていたのは残念でした。
 まあまあ良い試合。

豊田、アジャ参戦でJoshimaniaを開く事をアナウンス。

G12ラージ・トーナメント:サラ・デル・レイvs.クラウディオ・カスタニョーリ
 初代Shimmerチャンピオンと間違ってアナウンスされているが
 今のサラにはそれを信じさせるだけの風格がある。
 そのサラを見下し、CCは寝るように要求するも
 サラは正々堂々戦いたい、といって反抗する流れ。
 それぞれのセコンドにデイジーとトゥルサス、
 レフェリーがBdKレフェリーのサバド、と
 このリングにBdK内にある関係性を全て持ち込んで豊かなストーリーが語られます。
 一方でBdK関係なしの部分レスラーとしてのサラvs.CCはどうだったか。
 サラの攻めにCCは倒れないながらも揺らぎ、
 CCの攻めにサラは敵わないが耐え忍ぶ姿を見せる。
 それは男vs.女の超えられない力関係でありながら
 一般的なものではなく独自に設定したバランスになっている。
 だからその力関係は仕方ない、とした後のそこからどう表現していくかまで切り込めたはず。
 しかし残念ながらバランス、関係性は発展していかなかった。
 攻守の切り替えは安直にかわして自爆させる方法論がほとんどで、
 ベースはサラの耐え忍ぶ姿+CCの繋がりのあるゆったりした攻めで満足していた。
 試合時間も内容にフィットした13分という値。
 これは紛れもなくプロレス史の男女対決で紛れもなくトップにランクされるが、
 それ以上の既存の常識をぶち破る所までいけるような気がしている。
 試合後まさかの敗北を喫したCCが八つ当たりし、
 サバドはCCに忠誠を誓いなおし、サラ、デイジーが離反する流れとなっていたので
 きっとあるであろうリマッチにその期待は持ち越しとしましょう。
 中々良い試合でした。

Stun BushがChikara関連イベントで"Dare"を演奏したときのビデオ、
大阪プロ参戦のハイライトが特典として収録されています。

総評
 前日に比べるとファン・マッチの色合いが強いですね。
 しかしこれらゲストを呼べる所、
 そしてメインとEで立派な内容になるのは今のChikaraならでは。
 ややあっさり目ながら良質な大会。
 (執筆日:9/2/11)
DVD Rating:★★☆☆☆
(執筆日:6/11/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@真琴vs.藤本つかさ
Aアーチャー・ベックvs.ダッシャー・ハットフィールド
Bデイジー・ヘイズvs.下田美馬
Cスペクトラル・エンヴォイvs.チーム3.0le!
Dアトランティス、レイ・ブカネロvs.FIST(チャック・テイラー、ジョニー・ガルガーノ)(DQ)
E12ラージ・トーナメント:ジグソウvs.エディ・キングストン
Fマイク・クァッケンブッシュ、ジョニー・セイントvs.コルト・カバナ、ジョニー・キッド
G12ラージ・トーナメント:サラ・デル・レイvs.クラウディオ・カスタニョーリ