TOPアメリカン・プロレスChikaraChikara 2011年 →Chikara:King of Trios Night Two 4/16/11

Chikara:King of Trios Night Two 4/16/11の分析


名勝負 なし
好勝負 2回戦:FIST vs.チーム大阪プロ

2枚、3時間10分です。
@オープン・チャレンジ:アーチバールド・ペックvs.コルト・カバナ
 ハイ・テンション・キャラの際物ペックを
 反復的にカバナが甚振るコメディーです。
 楽しめる内容ですがその楽しさは例え試合が1分に短縮されても同じだと思う。
 悪い試合。

A2回戦:FIST vs.チーム大阪プロ
 テイラーのタイミング取りと煽り、ガルガーノの打撃力、
 大阪プロの独創的なスポットと個々が自分の魅力を提示。
 イカルスが目立てず乗り遅れているとか
 大阪プロレスがスポット単発に頼りすぎとか
 問題点はあったもののルチャ・ルールで加速して終盤に突入すると
 そんな事は忘れてしまうほどの激戦模様に。
 数珠のような単純な打ち合いの中に
 織り交ぜられるFISTの変化が重要なエッセンスになっていますね。
 スポットの組み合わせといい美しく配置された攻防でした。
 完璧且つ大ボリュームなクライマックスで
 去年の試合に引き続きショーをスティールしました。
 ぎりぎり好勝負。

Bレイ・デ・ヴォラドレス準決勝エリミネーション・マッチ:ザック・セイバーJr vs.ピンキー・サンチェスvs.マルシェ・ロケットvs.エル・ジェネリコ
 マルシェはチョップをベースにして粗が隠れるファイト。
 ジェネリは受身も攻めの入り方も優れていて気合が入っています。
 セイバーはアーム・ロックから指を取りに行ったりと
 相手の体を破壊する事に焦点を当てたレスリングを行っており、
 より明確なテーマの中で魅力が出ています。
 ピンキーはヘタレ・キャラにBdKレフェリーがついていますし、
 参加者4人共魅力的な状況で面白くならない訳ないですね。
 脱落方法だけがちょっと残念でしたね。
 ストーリー・テリングを押さえる上で誰かがBdKレフェリーの犠牲にならなければいけませんでした。
 そしてマルシェが犠牲になるのは尤もなのだけど
 セイバーもまたやられたのは勿体無い。
 セイバー自体2日目だけの参加なのですから
 最後まで力を出し切らせてあげたかったですね。
 またラスト1対1もコミッショナーがBdKレフェリーに警告を与えるという
 戦いとは関係ない演出によって短くまとめあげてしまいました。
 後半は良質ながら机上のストーリー・テリングが支配的になってしまいました。
 ジェネリコ自身が単独で非常に充実感に満ちていたので良かったものの
 そうでなければ移入感を殺がれていた可能性もあった事は見逃してはならない。
 中々良い試合。

C2回戦:オシリアン・ポータルvs.チーム・ドラゴンゲート
 スピードで押すかと思いきやゆったりペース。
 トリオとして意思疎通が取れている面をアピールし、
 相手を適切に追い込んでいきます。
 アマシスのぐったりとした受けが加わり、
 トーナメントらしい真剣味のある内容となっています。
 終盤も過剰さではなく技巧でボリュームを生み出し盛り上げている。
 特筆すべき程ではないがしっかりした仕事内容。
 平均的な良試合。

Dエリック・キャノンvs.エディ・キングストン
 序盤でエディがいきなり投げを放つという大雑把なスタート。
 以前と比べて観客の支持も落ちている様子ですね。
 しかしこういう飛ばすスタイルにはエリックも対応できますから
 場外の投げ、リングに戻って根性論での打撃戦と綺麗につなげてきました。
 10分いかなかったけれどこれ以上続けてもマイナスにしかならないので
 上手く試合時間に合わせて特異的な内容に仕上げた、と評価すべきなのでしょう。
 まあまあ良い試合でした。

E2回戦:BdK vs.ザ・コロニー
 デリリウスは連続攻撃でクレイジーさをアピール。
 ドンストは調整役として素晴らしい働きを見せています。
 攻撃力がないために調整しているシーンにリアリティーがないのが悩み所ですけどね。
 この2人が前日に比べ調子がよかったので
 ヤコブとの落差が大きくなり試合に緩急が生まれています。
 まずまずの内容ながら終盤はBdKが関わる試合にふさわしい内容。
 終盤の吊り上げスピアーからのスポット群はどれも素晴らしかったです。
 まあまあ良い試合。

Fレイ・デ・ヴォラドレス準決勝エリミネーション・マッチ:1-2-3キッドvs.アメージング・レッドvs.フライトメアvs.オバリヨン
 レッド、フライトメアは安定していますから問題は残りの2人。
 まずオバリヨンですが危険技という形ではあるものの自己を確立していましたね。
 もう1方のキッドですが…
 観客の支持があるからこそ見れるレベル。
 そのキッドにこれをやる事は出来ないだろう、といった制限を前提に
 試合が組み立てられているのでブックから上手く内容に繋げたといえば聞こえが良いが、
 キッドのせいでクオリティが上がらなかったともいえる。
 まあまあ良い試合。

G2回戦:マイク・クァッケンブッシュ、豊田真奈美、ジグソウvs.チームみちのくプロ
 参加チームが発表された際に実現して欲しいと思ったカードですね。
 内容はというと…
 若くて柔軟に発想できるジグソウと、
 歳を取っても尚、実体の伴った構築が出来る東郷が受けに回って、
 後のスターは気持ちよく自分の個性を発揮するというもの。
 しかし豊田が普通に女子扱いされていたり、
 サスケがここぞで自爆芸を繰り出したりしているように
 相手と深く関わる創造的な仕事ぶりとは縁遠いものです。
 これには少々がっかりです。
 只一方でそのような関係性を築かなくても勝負できるカードである事も確かです。
 豊田とみちのくプロが同じリングで相対している様は
 見ているだけで面白いと感じてしまいますからね。
 その特別感に思わずMatch of the Yearと叫んでしまった
 観客の心理は十分に理解できるものです。
 中々良い試合。

総評
 2日目で好カードが実現し非常にクオリティの高い内容になっています。
 特に日本人ゲスト目当てならこの2日目がベスト。
DVD Rating:★★★★☆
(執筆日:6/11/11)

注目試合の詳細

A2回戦:FIST vs.チーム大阪プロ
 原田対イカルスで試合開始。
 軽いレスリング後原田が握手を求める。
 顔を突いてきたイカルスに強烈なエルボー。
 イカルスはたまらず場外へ。
 ガルガーノがスパイダーにドロップ・キック。
 スパイダーがヘッド・シザース。
 カウンターでレッグ・ラリアット。
 ガルガーノは場外に避難。
 小峠がクローズラインをかわしながらロープに走りジャンピング・キック。
 ヴィクトリー・ロールから首4の字。
 原田が4の字も決める。
 スパイダーがイカルス、ガルガーノをリングに入らせずテイラーにボディ・プレス。
 テイラーはコーナーを使って裏に回るとパワー・スラム。カウント2。
 ガルガーノが打撃を叩き込む。
 イカルスがサブミッション。
 テイラー、ガルガーノがステップを踏んでストンピング。
 スパイダーがテイラーのジャブをかわすために伏せる。
 読まれるもカウンターでドロップ・キック。
 ようやく原田にタッチ成功。
 すかさずイカルス、ガルガーノが入ってきて止めようとする。
 原田は2人をコーナーに振りニー。
 ガルガーノにベリー・トゥー・ベリーを決めコーナーのイカルスにぶつける。
 小峠が入りガルガーノに突進。
 ガルガーノがガードするも小峠はその上を越えて場外のイカルスにトペコン。
 原田がガルガーノにダイビング・ダブル・ストンプ。カウント2。
 ガルガーノが原田を転がし蹴り。
 ネック・ブリーカー。
 カバーするも小峠がカット。
 テイラーが小峠にビッグ・ブーツ。
 パワー・ボム。カウント2。
 ドロップ・トー・ホールドでロープにもたれさせ蹴り。
 スプリングボード式ムーンサルトへ。
 逃げられるも着地しスーパー・キック。
 カバーするもイカルスがレフェリーを突き飛ばしカウントを邪魔する。
 スパイダーがイカルスにフェイス・バスター。
 技を狙う。
 イカルスが逃れタイガー・スープレックス。カウント2。
 イカルスのスプラッシュをかわすとエース・クラッシャー。
 ドロップ・キック。
 両者ダウン。
 タッチし他4人が入る。
 テイラー、ガルガーノが原田、小峠を振りぶつけようとする。
 原田、小峠は腕を組んで激突を避けると2人に連続攻撃。
 テイラーにダブル延髄切り。
 ダブル・アーム・スープレックスからスプリングボード式ボディ・プレス。カウント2。
 コーナーに振り3人で打撃を叩き込んでいく。
 担いでスーパー・キック。
 デス・バレー・ドライバーにスワントーン・ボム。
 カバーするもイカルスがカット。
 イカルスが原田にカウンターでDDT。
 カウント2で小峠がカット。
 原田が横から入りイカルスにカウンターでG2S。
 小峠がスーパー・キックにつなげカバー。
 ガルガーノがカット。
 ガルガーノは原田のG2Sを防ぐとスーパー・キック。
 担いでターン・バックルにぶつける。 
 スーパー・キック。
 小峠がエース・クラッシャー。
 テイラーが小峠にチョーク・スラム。
 スパイダーがテイラーにミサイル・キック。
 イカルスがスパイダーにスライス・ブレッド#2。
 コーナー上へ。
 原田が駆け上がり雪崩式ベリー・トゥー・ベリー。
 カバーにいくもテイラーがカット。
 原田がテイラーに突進。
 テイラーがかわすと同時に裏のエプロンにいたガルガーノがロープ越しにスピアー。
 テイラーがすかさずラ・ケプラーダ。
 カウント2で小峠がカット。
 ガルガーノにソバットをきめロープに走る。
 テイラーがガルガーノをどけ小峠を担ぐ。
 レイザーズ・エッジへ。
 ガルガーノがエース・クラッシャーで合体させる。
 カバーするもスパイダーがカット。
 テイラーがスパイダーを振り返すとドロップ・キックへ。
 両エプロンにいたガルガーノ、イカルスが同時に延髄切り。
 イカルス、ガルガーノはそこからトペ・アトミコ。
 テイラーがスパイダーの腕を取り後ろに倒れて蹴りつける。
 テイラー、ガルガーノがスパイダーを持ち上げるとイカルスがダイビング・ダブル・ストンプ。
 ガルガーノがフェイス・バスターにつなげるもカウント2で原田がカット。
 ガルガーノ、イカルスが原田をロープに振りクローズラインを狙う。
 原田はかわすとガルガーノを押してイカルスにぶつける。
 小峠が2人にスプリングボード式ドロップ・キック。
 場外に落ちた2人にプランチャ。
 そしてスパイダーがテイラーにダイブを狙う。
 テイラーはエプロンに上がると飛びつきスクール・ボーイ。
 タイツを掴んでカウント3!
 FISTの勝利!

試合結果

@オープン・チャレンジ:アーチバールド・ペックvs.コルト・カバナ
A2回戦:FIST vs.チーム大阪プロ
Bレイ・デ・ヴォラドレス準決勝エリミネーション・マッチ:ザック・セイバーJr vs.ピンキー・サンチェスvs.マルシェ・ロケットvs.エル・ジェネリコ
C2回戦:オシリアン・ポータルvs.チーム・ドラゴンゲート
Dエリック・キャノンvs.エディ・キングストン
E2回戦:BdK vs.ザ・コロニー
Fレイ・デ・ヴォラドレス準決勝エリミネーション・マッチ:1-2-3キッドvs.アメージング・レッドvs.フライトメアvs.オバリヨン
G2回戦:マイク・クァッケンブッシュ、豊田真奈美、ジグソウvs.チームみちのくプロ