TOPアメリカン・プロレスChikaraChikara 2011年 →Chikara:Klunk in Love 10/8/11

Chikara:Klunk in Love 10/8/11の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

・ティム・ドンストのミュージック・ビデオ。

@アーチボールド・ペックvs.チェイス・オーウェンズ
 YLCで基本的な素養を見せたチェイス。
 良い動きを見せていますが味気なさが課題。
 しかしこの試合においてはエンターテイメント性をペックが存分に補っている。
 今回はただ楽しいという事を維持しているだけでなく攻めの組み立ても良かったですね。
 セカンド・ロープにのった所で脚を払うという無茶なスポットは派手で
 サード・ロープが壊れた際のアドリブも良い。
 コルト・カバニーも良い味出していてペックに隙なし。
 オープニングに打ってつけのまあまあ良い試合でした。
 
・この後はサード・ロープを外して行われることに。

A12ラージ・サミット・トーナメント:オフィディアンvs.ハロウィックド
 オフィディアンがくっついて離れないレスリングを見せています。
 ここまで緊密なのを出来るようになったのはまさに成長の証。
 腕攻めもかなり変則的で印象的になっています。
 これに対しハロウィックドも早い段階から痛みを繊細に描きました。
 このレベルなら戦いの焦点を絞っていても通用していますね。
 後半ハロウィックドは破壊された左腕をまったく使わず
 長身が映えるニーを中心に戦っていました。
 縛りがある中での交わり方は一部に粗さこそあるものの基本的に冴えていて
 カウンターの中には気持ちが込められトーナメントらしい発展を見せている。
 中々良い試合。

BFIST(チャック・テイラー、イカルス、ジョニー・ガルガーノ)vs.バティリ、コダマ
 普通に力量差があり過ぎるのですが、
 FISTがバティリに適当に攻めさせており、
 ファン・マッチとして色々楽しませています。
 ヒール同士なのでそういう見せ方になるのも必然か。
 特に語るべき内容をもたず最後は順当にコダマがやられました。
 悪くない試合。

Cザ・コロニーvs.小峠篤、原田大輔
 それぞれが個性を出しています。
 小峠は観客を楽しませる雰囲気に合わせているのだろうけどちょっと雑ですね。
 中盤交錯するスポットを所々で加えていますが
 スポット自体は良いとしてそれを入れ込むタイミングとしては適切な場所から外れている印象です。
 ダイブ連発で大きく盛り上げると
 終盤は原田とソルジャーのエルボーの打ち合いなど
 より特別な印象を与える攻防も見せました。
 平均的な良試合。

・サード・ロープが復活。

D12ラージ・サミット・トーナメント:ジグソウvs.ウルトラマンティス・ブラック
 マンティスは叫び声をあげたりとコミカルなキャラだったけれども
 最近のストーリーに伴ってシリアスになってからは格好良さを醸すようになりましたね。
 次期エース候補として主導権を譲らないジグソウの厳しい攻めを
 マンティスが耐えしのぐ内容ですが、試合を進める上でお互い気を緩める事はありませんでした。
 ジグソウがエプロンへのパワー・ボムで追い込むが
 マンティスもぎりぎりで迫力あるカウンターを見せ、
 終盤はカウント3寸前の攻防で見応えがありました。
 平均的な良試合。 

Eティム・ドンスト、トゥルサス、ヤコブ・ハマーマイアー、デリリウスvs.マイク・クァッケンブッシュ、エディ・キングストン、グリーン・アント、シュガー・ダンカートン
 いきなりドンストが控え陣を落としてスタート。
 リングにいるのは2人だけながらトルネード戦のような雰囲気でしたね。
 BdKのルチャ・ルールを使った
 クイックな入れ替わりによる相手の甚振りは面白い。
 トゥルサスが巨人役というよりエースとして働いていたのも
 CC離脱後のBdKにとっては嬉しい希望です。
 このトゥルサスとキングストン、グリーン・アントの攻防が見所ですが
 8人タッグという事が影響して後半は無色の攻防が多かったのは残念。
 この試合ではトゥルサスがロープに倒れこんだ際、
 セカンド・ロープが壊れるというアクシデントがありました。
 まあまあ良い試合。

・応急処置でサード・ロープをセカンド・ロープに移し替えています。

Fサラ・デル・レイvs.華名
 蹴りにしてもMMAサブミッションにしても捕らえる事に主眼が置かれていますね。
 それぞれのスタイルは違うものの
 お互いの土俵に良い塩梅で踏み込み、
 主張し合いながら交わっています。
 この交わりという点が華名vs.朱里なんかにはなかったものですね。
 その重厚な試合には良い意味でも悪い意味でも未来がない。
 ただ後者に関して言えばグラウンド・ヘッド・シザースなどで
 終わらないことは経験則で分かるから大きな問題ではない。
 試合進行は強引に一致させているし、
 それまでの流れをリセットする事が所々で見られるが荒々しい魅力が詰まった内容。
 完全に合致していない事を考えると
 最後はMMAサブミッションで終えた方がより締りが良かったでしょうが、
 Chikaraのメインとして恥じない所か大抵のメインより上を行っている。
 好勝負に少し届かず。

総評
 オープニング、トーナメント、ゲスト・マッチ。
 全てが一定のレベルを満たしており充実した内容。
 特にメインの成功はChikaraが女子アメプロのトップ・リーダーになりえる可能性を示しました。
DVD Rating:★★★☆☆
 (執筆日:9/2/11)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@アーチボールド・ペックvs.チェイス・オーウェンズ
A12ラージ・サミット・トーナメント:オフィディアンvs.ハロウィックド
BFIST(チャック・テイラー、イカルス、ジョニー・ガルガーノ)vs.バティリ、コダマ
Cザ・コロニーvs.小峠篤、原田大輔
D12ラージ・サミット・トーナメント:ジグソウvs.ウルトラマンティス・ブラック
Eティム・ドンスト、トゥルサス、ヤコブ・ハマーマイアー、デリリウスvs.マイク・クァッケンブッシュ、エディ・キングストン、グリーン・アント、シュガー・ダンカートン
Fサラ・デル・レイvs.華名