Chikara:Small but Mighty 10/7/11の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | なし |
2枚、約2時間35分です。
@ジグソウvs.オバリヨン
バティリは所々で野生アピールを出しています。
ジグソウが自己主張を控えめに、すっきり動くので
バティリのアピールがそのまま伝わってきて試合としては
軽いテイストながらまとまってはいます。
平均レベル。
A12ラージ・サミット・トーナメント:イカルスvs.ハロウィックド
ハロウィックドは長身が映えるゆったりした佇まいを醸していますね。
そんなくせしてイカルスとジャケットを着さる、脱ぐ、着せる、というしょうもない攻防をする。
ただ案外ギャップとなってこれが楽しかったりするのですよ。
観客も只チャックを上げ下げするだけでBooo↓Yeah↑と声をあげていましたね。
イカルスがこのキャラを作り出したのは
やっぱりガルガーノ加入によって危機感が生まれたからかな。
後半の真面目な攻防もイカルスは自信を前面に押し出して
スケールの大きな動きでハロウィックドのクイックな大技に対抗していたし、
良い刺激を与えているようですね。
まあまあ良い試合でした。
B華名vs.ジェシー・マッケイ
華名の蹴りは海外勢よりもしっかりしていて魅力的です。
ただ調整するためにマッケイが大技を序盤から出している事に思う所はないのでしょうか。
乗れない方が悪いのだ、と思っていそうな気がしますね。
華名が強さをアピールする中、
マッケイもカウンターの一発一発を主に据え試合を安定させました。
ただ折角形が出来たというのに華名は平気で流れをリセットしてきますね。
終盤ではこの試合においてはまったく求められていない
危険な蹴りとアーム・バー・フィニッシュで締めました。
ファンとしてはマッケイが華名の尻拭いをさせられたのは残念でならないが
翌日にサラ戦がメインを控えている事を考えるとこれが仕事というものだと納得せざるをえない。
平均より少し上。
Cエディ・キングストンvs.コバルド
エディがダウン・ベースで得意の形で構築してて流れは決して悪くありません。
しかしコバルドの打撃がひどすぎます。
子供が打っているような弱々しさで、
これはもうリアリティーが致命的にかけています。
コダマの介入などスパイスも加えられているのだけどねぇ。
少し悪い試合。
D12ラージ・サミット・トーナメント:サラ・デル・レイvs.マイク・クァッケンブッシュ
クァックの男女差の埋め方が素晴らしかったですね。
攻防で言えば表向きは装飾付けでより印象に残そうとしつつ
ロープ・ワークで余計に走ったりして感覚を合わせている。
サラの打撃に対する受け身も素晴らしい。
アーレスみたいに過剰にするとサラの蹴りが重くても
絶対差を埋めるレベルにない事が際立つし、
軽くても男性より劣る女性という印象を与えてしまう。
どちらの欠点も生まれないジャストのバランスを取っていました。
またフィニッシュにまで持って行こうとする本格的な脚攻め戦略。
これは勿論キングストン対策としての意味合いがありますが、
それ以上にレスリング要素に卓越したサラにとってやりやすいというメリットがある。
それぞれ得意な技の種類を設定し、
それをベースにお互いが輝く試合を実現しています。
ウィール・キック直後のロイヤル・バタフライでサラがカウント3取っていても
まったく不自然さもフロックも感じなかったでしょう。
良い意味で男女対決にならなかった素晴らしい試合。
好勝負に少し届かず。
Eザ・コロニー、オフィディアンvs.BdK(デリリウス、ティム・ドンスト、トゥルサス、ヤコブ・ハマーマイアー)
いきなり入り乱れてスタートさせると
ヤコブ弄りやオフィディアンが憑依するように乗り移ってサブミッションを決める
ファン・マッチ的見せ場へとつないでいきます。
中盤はオフィディアンの孤立。
BdKがバランスよく技を叩き込んでいきましたね。
タッチ成功後はコロニーが良く律した動きを見せていて
一定密度を保ったままじっくりと終盤を盛り上げました。
8人という事でまんべんなく参加する必要がありそこがネックになった印象。
まあまあ良い試合でした。
Fウルトラマンティス・ブラックvs.アーチボールド・ペック
元々マンティスvs.ジェラードのトーナメント戦でしたが
固打つトラブルによりジェラードが欠場しマンティスの不戦勝。
そこに現れたペックと試合をすることになりました。
試合は適度なペースで一進一退となっています。
ペックのセコンドの着ぐるみバニー、コルトカバニーが良い味出していますね。
ほんわかムードが魅力だったのに
後半はマンティスがエプロンでマンティス・ドライバーを狙ったり、
場外技を繰り出してこのカードならではの良さを壊してしまいました。
元のジェラード戦でやる予定だったものをそのまま出してきたのかもしれないですね。
平均レベル。
Gタッグ王座戦、3本勝負:FIST(チャック・テイラー、ジョニー・ガルガーノ)vs.桃の青春タッグ(原田大輔、小峠篤)
レスリングはやや素っ気ないというかライト・テイストですね。
ハンマー・ロックに戻す攻防を10連続ぐらい行っています。
KoTの時と違って桃の青春タッグ名義で参加しているためでしょうか。
大阪プロの試合を見ていないのでこれが本来の持ち味なのかは分かりませんが。
1本目後半になってもスピードは控えめ。
それよりも手を重ねた事を利用して複雑に入り混じっています。
フェイク・ロー・ブローのネタからまずは1本。
2本目は1-1に追いつこうと桃の青春タッグが飛ばすのに対し、
FISTがカウンターで椅子をぶつけ原田を孤立、逆に長期戦に持ち込む形。
3本勝負として良質なストーリーが展開されています。
ガルガーノの絶妙なダメージ表現が光りながら決着。
3本目は連続で畳み掛けていくやり方で
これまでKoTでやってきた見せ方と同じですね。
観客を盛り上げることに成功していましたが、
原田のエルボーとガルガーノのスーパー・キックを同列に位置づける工夫は効果的ではないし、
FISTの卑怯な戦略ももう少し積極的に織り交ぜないと最後のチープ・フィニッシュはがっかりきます。
好勝負に少し届かず。
総評
華名のカードは2日目のための顔見せに過ぎなかったが
注目のカード2試合は成功し、平均点も高い。
良好な大会内容です。
DVD Rating:★★☆☆☆
(執筆日:9/2/11)
注目試合の詳細
なし試合結果
@ジグソウvs.オバリヨンA12ラージ・サミット・トーナメント:イカルスvs.ハロウィックド
B華名vs.ジェシー・マッケイ
Cエディ・キングストンvs.コバルド
D12ラージ・サミット・トーナメント:サラ・デル・レイvs.マイク・クァッケンブッシュ
Eザ・コロニー、オフィディアンvs.BdK(デリリウス、ティム・ドンスト、トゥルサス、ヤコブ・ハマーマイアー)
Fウルトラマンティス・ブラックvs.アーチボールド・ペック
Gタッグ王座戦、3本勝負:FIST(チャック・テイラー、ジョニー・ガルガーノ)vs.桃の青春タッグ(原田大輔、小峠篤)(2-1)