TOPアメリカン・プロレスChikaraChikara 2009年 →Chikara:Three-Fisted Tales 11/22/09

Chikara:Three-Fisted Tales 11/22/09の分析


名勝負 なし
好勝負 なし

2枚、約3時間10分。

09年を振り返るビデオ。
 
@ブロディ・リー、アンステイブルvs.スロウバックス、グリーン・アント、カーペンター・アント
 温いアピール・マッチ。コメディーとも言い切れぬ。
 リーが1人のらずにぶち壊す形ですが、その仕掛け含めてどうでも良い。
 悪い試合。

A櫛田雄二郎vs.ヘリオス
 櫛田は自分の考えている事と同じ行動が出来ている。
 レスリングから試合構築まで安定した仕事を見せました。
 ただヘリオスの能力を最大限に引き出そうという意図は見られないし、
 タジリばりに動き回る割に少々体の重さが目に付く。
 また最後に日本旗で一ネタかましていますが、
 観客は見ていないしヒール発現のつもりだったのか意図不明。
 平均より少し上。

Bプレイヤー・ウノvs.ティム・ドンスト
 技を綺麗に打つ、という事は必ずしも重要ではないけれど
 それにしたってウノの素人にも避けれそうな鈍さ、
 快感を生み出さない技のインパクトといったら無いね。
 ドンストも鉄柱に脚をぶつける割りに微妙な投げスタイルで攻めたりと意味不明。
 ひどい試合。

Cインコアレンスvs.ウルトラマンティス・ブラック、デリリウス
 元インコアレンスのデリリウスが中心。
 それぞれとの絡み、フライトメアを孤立と言う形で前半に、
 ハロウィックドとの絡みは後半にと、分けて配置し遺恨試合を適切に構築しました。
 またブラックは完全に補佐役に回っていましたね。
 只そこまでガチガチに分けていくのはフライトメア以外の本来の魅力とはずれている気がします。
 まあまあ良い試合。
 
DFISTvs.マイク・クァッケンブッシュ、ホルヘ・リベラ
 ホルヘの接待。
 FISTが意図的に自身の温さを出してホルヘを扱えるフィールドを作り出しています。
 クァックも実効力無視で格好をつける形で盛り上げている。
 勿論クオリティは高くないが、接待にしてはそこそこ稼いでいる。
 平均レベル。

EYLC:プレイヤー・ドス(th)vs.リンセ・ドラド
 丸め込みの応酬からそれぞれがダイブを決め、
 ドラドが打撃、および技の当たりをハードに・・・と
 確かに展開上は過激化していく内容なのだけど
 攻防が流れの中に前提条件なしに存在しているので
 期待していた程、実質的な高まりが得られません。
 それ故に最後のエプロンから鉄階段へのジャーマンは激しすぎる印象を与える事になる。
 またこれでドラドが完全にKOするアクシデントが起こり、
 ドスがプロ根性を理由に予定通りフロッグ・スプラッシュに持っていってましたが、
 それを決めるのは基本的にアクシデントを食らった側だからね。
 ドラドが意思表示できない今回の場合、次に決定権が回ってくるのはスタッフ、ブッカーであってドスではありません。
 まあまあ良い試合。

Fリスペクト・マッチ:クラウディオ・カスタニョーリvs.エディ・キングストン
 いきなりそれぞれが必殺技を決めて返す展開。
 確かにリアルな気持ちが存在しているけど、
 そのスポットと空きを受け入れる器は無く空虚です。
 後半は両者が良い投げを見せて立て直しましたね。
 CCがスタッフを使った攻撃、エプロンへのウォーター・スライドから追い込んで行く
 クライマックスは熱狂するに値する物がありました。
 しかしキングストンがまったく反撃せずに終わるなら試合後にキングストンがリスペクトを拒否するという筋書きは無い様に思うけどなぁ。
 ライガーvs.佐野を思いおこさせる内容でしたね。
 私的にこういう試合を高く評価する感覚が理解できないので、
 この試合も平均的な良試合程度という評価です。

Gタッグ王座戦、3本勝負:ザ・コロニー(ch)vs.オシリアン・ポータル
 1本目はポータルがクイックを多用して試合を運びます。
 土台としては凄く良いのに双方個人レベルでも攻防レベルでもスピードにかけますね。
 また中途半端に技レベルを上げて1本目を終えましたが、
 これなら技レベルは抑えたままテンポのみ上げて締めるべきです。
 2本目はファイヤーの孤立。
 しかしファイヤーが得意のやられっぷりを強調せず。
 1本目と同じく、もやもやする内容でしたね。
 3本目、流れを無視していきなりトペ。
 しかしこれで彼らも観客も上手くリセットする事が出来ましたね。
 動きに輝きが戻り、攻防の一発一発には反応が起こる価値があります。
 そして実際観客からも良い反応が返っていました。
 まあまあ良い試合。

 試合後、白装束の男が巨人を連れて登場。
 クァックらChikaraのルチャドールが現われ対峙。
 男は本当の力を持った奴に用があるのだ、とマンティスを呼び出す。
 マンティスがお前らなぞ知らない、もううんざりだ、と言うと、男が覆面を取る。
 その正体はアーレス。
 CCがいきなりクァックに襲いかかったのを皮切りに乱闘勃発。
 デイジー、カーぺンター・アント、サラもアーレス側に寝返り、混乱したChikara軍を叩きのめす。
 カーペンターがマスクを取るとその正体はピンキー・サンチェス。
 ヴォコーダーもマスクを取る。その正体はティム・ドンスト。
 アーレス軍は号令と共にポーズをとる。
 トゥルサスがリモコンのスイッチを押すと会場の照明が消える。

ポッドキャスト177-180が特典としてついています。

総評
 各試合にちょっとした問題があり、クオリティが年末興行にふさわしいラインにもう1歩届かなかった印象です。
 しかし最後のNexusばりの乱闘、BdK結成の名シーンはそれだけのために手に入れる価値がある。
 (執筆日:8/15/10)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ブロディ・リー、アンステイブルvs.スロウバックス、グリーン・アント、カーペンター・アント
A櫛田雄二郎vs.ヘリオス
Bプレイヤー・ウノvs.ティム・ドンスト
Cインコアレンスvs.ウルトラマンティス・ブラック、デリリウス
DFISTvs.マイク・クァッケンブッシュ、ホルヘ・リベラ
EYLC:プレイヤー・ドス(th)vs.リンセ・ドラド
Fリスペクト・マッチ:クラウディオ・カスタニョーリvs.エディ・キングストン
Gタッグ王座戦、3本勝負:ザ・コロニー(ch)vs.オシリアン・ポータル(2−1)