Chikara:Best of 2008 Disc Twoの分析
名勝負 | なし |
好勝負 | 決勝:ヴィン・ジェラードvs.ファイヤー・アント(YLC Night Three 6/15/08) |
@ジョージ・リベラvs.エル・パンテラ(Aniversarioma 5/23/08)
技をかけて逃れられるとそこで開きが出来るのが良くないですね。
スポーツ・ライクな、「俺はこんな事ができるがお前はどうだ。」という
競い合いではあるのだけどそこでチェインと仕切りを使えるかで印象は変わってきます。
両者動きが鈍くなってきていて移動によるリフレッシュも使いにくいですしねぇ。
それでも両者のテクニックは出し切った内容だと思いますし
終盤にはある程度改善されています。
中々良い試合。
Aマイク・クァッケンブッシュ、シェイン・ストームvs.オシリアン・ポータル(Aniversarioct 5/24/08)
ポータルが単なる色物から脱却しようと
頑張りを見せてそれが結果として出てきた頃でしょうね。
ポータルがトリッキーな動きで観客の心を掴むと
ライトニング・ストームもハイ・フライングな連携で応え
かなり熱の入った一進一退の攻防となりました。
また仕切り直しを使ってバランスの良い構築だったと思います。
好勝負に少し届かず。
Bスーパー・スマッシュ・ブラザーズvs.チーチ&クラウディー(Aniversarioct 5/24/08)
07年に比べて機会に恵まれないチーチ&クラウディーですが
この試合で本領発揮しましたね。
いつものダイナミックな攻防に加えて
更なる攻防を開発しています。
SSBもいつもより安定していて最後までテンションをきらすことなく見せ場を作りました。
好勝負に少し届かず。
C準決勝、4コーナー・エリミネーション・マッチ:ファイヤー・アントvs.リンセ・ドラドvs.シェイン・ホークvs.オフィディアンvs.マルシェ・ロケットvs.ティム・ドンスト(YLC IV Night Two 6/14/08)
コメディーとハイ・フライで盛り上げると
後は入れ替わり立ち代りでの技の打ち合いですが
面子を考えると脱落で勢いをつけていくべきでしたね。
またホークを最後に残すには役不足だった事は否めません。
まあまあ良い試合。
D決勝:ヴィン・ジェラードvs.ファイヤー・アント(YLC Night Three 6/15/08)
到底信じられないでしょうね。
しかしこの試合は文句なしに好勝負なんです。
全てがアントの応援という1つの事象に向かってつながっていて魔法の時が流れました。
中央で相対し、ジェラードが張り手を打つ。
これに対してアントは耐えてコーナーに離れる、
そしてゴングが鳴るなり突進する。
これは最初の1シーンだけどフル・マスクのアントから雄弁に感情が伝わってくる。
アントはトペの後にマウント・パンチを繰り出したり感情表現が素晴らしかった。
またジェラードも相手の後頭部をリングに叩きつける等憎しみを基準にヒール・ムーブを揃えている。
そして感情表現の延長として選択したのがアイリッシュ・ウィップだ。
この実は最も動きのある技に2人共注目したのは偉いし、
これを何度も繰り返しての使用は構築でも重要な役割を果たしている。
また得意技の方も使い方は完璧でした。
アント。
ダイブはこの早めの位置で良いし
持ち技のファイヤーマンズ・キャリーの@サミングで防がれる、A3連発、B場外への一発
という変化、打つタイミングも良い。
一方のジェラードは特に終盤のSTFによる盛り上げが素晴らしかった。
追い込みを表現できるこの必殺技を
上手く変化させて2回も、3回も使ったら当然試合はうなぎのぼり。
流石にその余りにど真ん中ストレート過ぎる内容に
この3回目の「場外でSTF、解いてカウントアウトを狙う」辺りで
ちょっとやりすぎだろう、という疑念がわくはず。
しかしアントがリングに戻った次の手が
スタンディング・シューティング・プレスなんですね。
カバー、投げ、丸め込み、飛び技、他のどの技でも駄目だった。
クイック且つ自爆により一気に状況を変えれるこの技しか無かったですよ。
そしてこの後アントの怒涛の連続攻撃によるエンドでもはや疑念は忘れ去られている。
最高ですね。
アント、ジェラード以外もこの試合には関わっていました。
それは仲間のソルジャー・アント、ワーカー・アントであり他のベビーフェイスです。
彼らが途中で応援に駆けつけるんですね。
しかも徐々に増えてくる。
同じ行動をする人間が舞台に出てくると当然見る者の移入度は高まる訳で
アントへの応援という性質を持っている。
そして彼らは応援する時にリングを叩くのだからたまらないですね。
また上記の場外カウントアウトになるんじゃないか、というシーンは
敢えて手を貸さない彼らによって一層ドラマチックになっている。
ついでに言えばこれはオルブライトvs.ピアースとはちょっと違う。
オルブライトvs.ピアースが観念的なベビーフェイス、ヒールへの感情を呼び起こしたのに対し、
この試合は等身大のアントとジェラードに対しての感情が詰まっている。
それはとってもChikara的で、またYLC的です。
Chikaraは1つのマスター・ピースを築きましたよ。
改めて言います、信じられる事にこの試合は文句なしに好勝負です。
Eマイク・クァッケンブッシュvs.シェイン・ストーム(Tragedy & Triumph 7/13/08)
STIGMA変身前なんでしょうね、
クァックが柄にも無くチョップで突っかかっていくと
エプロンでの技など激しい攻防が披露されます。
それに加えてストームが良い脚攻めを行う内容です。
新鮮な一方そういう見せ方は普段していないので改善の余地はまだまだありますね。
またクァックがCHIKARAスペシャルを決めてタップさせるも
離さずにDQを食らうというフィニッシュは
どちらがヒール・ターンする選手か分かりませんね。
まあまあ良い試合。
(執筆日:6/21/09)
DVD Rating:★★★★☆
注目試合の詳細
D決勝:ヴィン・ジェラードvs.ファイヤー・アント(YLC Night Three 6/15/08)ジェラードがアントの顔に張り手。
ゴングが鳴るなりアントが突進しドロップ・キック。
チョップを浴びせアイリッシュ・ウィップ。
ニー・ストライクにアイリッシュ・ウィップ。
ウィール・キックを決め背中に担ごうとする。
ジェラードが慌てて場外に逃げる。
アントがトペ・スイシーダで追撃しマウント・パンチ。
チョップを浴びせる。
ファイヤーマンズ・キャリーを狙う。
ジェラードがサミングで防いで蹴り。
腰から鉄柱にぶつける。
リングに戻すと後頭部をマットに叩きつける。
角を持って起こすとブレーン・バスター。
そのままフロント・ヘッド・ロック。
起き上がったアントを殴りつけ投げようとする。
アントがインサイド・クレイドルに切り返す。
ジェラードがカウント2で返しクローズラインへ。
アントは受け止めると丸め込み。カウント2。
ボディ・シザースの丸め込みへ。
ジェラードは耐えるとジャーマン。
カバーするもカウント2。
ジェラードに脚を痛めつけられたか、松葉杖をついたワーカー・アントがリング・サイドに現れる。
ジェラードはアントの喉をロープに押し付け踏みつける。
チョークを決める。
アントがダウンした状態で蹴りつける。
ジェラードは蹴り返すと踏みまくる。
ソルジャー・アント、ドラドも応援に駆けつける。
アントが腹にパンチ。
ジェラードはエルボーを打ち込むとロープに振ろうとする。
アントは振り返すとファイヤーマンズ・キャリー。
2発。
3発。
ジェラードをコーナーに振ろうとする。
振り返されるも回転してコーナーにつかまる。
そこにジェラードがニー・ストライク。
アントの後頭部をターン・バックルにぶつけるとランニング・ニー・ストライク。
カバーするもカウントは2。
アイリッシュ・ウィップ。
アイリッシュ・ウィップ。
アントが耐える。
ジェラードは3発目。
それでもアントは耐えて起き上がる。
突進してきたジェラードに蹴り。
もう1発。
コーナー上へ。
ジェラードがレフェリーをロープに突き飛ばしアントの体勢を崩す。
ジェラードはエプロンでアントにブレーン・バスターを狙う。
アントは防ぐと場外へのファイヤーマンズ・キャリー。
カウント7でアントがリングに戻る。
ジェラードがカウント18でリングに戻る。
アントがすぐにカバーするもカウント2。
アントがチョップを連発。
ロープに走りボディ・シザースで飛びつくとスタナー。
コーナー上から飛び延髄切り。
そしてダイビング・セントーン。
カバーするもカウントは2。
コーナーに振ろうとする。
ジェラードは振り返すと突進。
カウンターの蹴りを受け止めるとフェイス・バスターからSTF。
アントは裏返しにして何とか逃れる。
ジェラードがパワー・ボム。
持ち上げて2発目。カウントは2。
ならばとCHIKARAスペシャルに捕らえようとする。
アントがスクール・ボーイに切り返す。カウントは2。
ジェラードは蹴りを入れるとパワー・ボムを狙う。
アントは耐えるとリバース・スープレックスのようにドライバー。
ジャックナイフ固めを決めるもカウントは2。
ジェラードを起こすとコーナーに乗せチョップ。
雪崩式技を狙う。
ジェラードが後ろに逃れパワー・ボム。
ロープに脚をかけるもカウントは2。
ならばとSTFに捕らえる。
アントが裏返そうとする。
ジェラードが元に戻す。
アントが裏返そうとする。
ジェラードが元に戻す。
レフェリー・チェックが入る。
3度目で腕が上がる。
ジェラードは離すとクラブ・ストンプ。
2発。
3発。
そしてSTF。
レフェリー・チェックが入る。
アントは腕を上げると回転してそのまま場外に落ちる。
ジェラードが場外でSTFを決めなおす。
カウント10で離すとアントを引きずってリングから離す。
そしてカウント13でリングに入る。
アントが這いながらもリングに近づいていく。
カウント19で滑り込む。
ジェラードがスタンディング・シューティング・プレスへ。
アントは避けるとハイ・キック。
もう1発。
そしてバーニング・ハンマー。
気合で起き上がったジェラードにビーチ・ブレークを決め1,2,3!
アントが優勝!
試合結果
@ジョージ・リベラvs.エル・パンテラ(ダブル・ピン)(Aniversarioma 5/23/08)Aマイク・クァッケンブッシュ、シェイン・ストームvs.オシリアン・ポータル(Aniversarioct 5/24/08)
Bスーパー・スマッシュ・ブラザーズvs.チーチ&クラウディー(Aniversarioct 5/24/08)
C準決勝、4コーナー・イリミネーション・マッチ:ファイヤー・アントvs.リンセ・ドラドvs.シェイン・ホークvs.オフィディアンvs.マルシェ・ロケットvs.ティム・ドンスト(YLC IV Night Two 6/14/08)
D決勝:ヴィン・ジェラードvs.ファイヤー・アント(優勝!)(YLC Night Three 6/15/08)
Eマイク・クァッケンブッシュvs.シェイン・ストーム(DQ)(Tragedy & Triumph 7/13/08)