TOPアメリカン・プロレスChikaraChikara 2006年 →Chikara:Once in A Lifetime 9/22/06

Chikara:Once in A Lifetime 9/22/06の分析


名勝負 なし
好勝負 タッグ王座戦、3本勝負:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.ノース・スター・エクスプレス

2枚、約3時間20分です。

@ロス・アイスクリームス、ハイドラvs.ザ・コロニー、イクイノックス
 小さいものの緩い笑いの量は十分。
 最後は6人がリングに入って動いて締める。
 オープニングとしてはこういう内容で許容される。
 悪くない試合。
 
AYLC:エリック・キャノン(th)vs.ランス・スティール
 スティールが下手すぎて醜い内容。
 エリックは事あるごとにOh Yeahと口にするだけで取り繕う気なし。
 ひどい試合。

Bシェイン・ストーム、ジグソウvs.クロスボーンズ、ロスシャー
 やりたいと頭で考えている事と動きにずれがあるのは
 反復練習が足りない事の表れです。
 何とかプロレスの形にはなっている。
 少し悪い試合。

Cグラン・アクマvs.レックレス・ユース
 ユースは確かにテクニシャンですけれども
 アクマがその分野で何もできない、という設定は良くありません。
 対比にもなっていないし、
 ユースは演舞レベルで満足している事があるから
 平気で噛み合わないシーンや変な間を生み出している。
 少し悪い試合。

Dハロウィックドvs.ウルトラマンティス・ブラック
 マンティスについているハイドラが積極的に試合に介入しますが
 試合の流れを考えていません。
 ヒートを生もうとする仕掛けが中途半端な内容。
 少し悪い試合です。

Eラリー・スウィニー、デイジー・ヘイズvs.エディ・キングストン
 抽選でパートナーが選ばれる予定でしたが
 キングストンが必要ないといってハンデ戦に変更となりました。
 ほとんどはスウィニー、デイジーによる脚攻め。
 デイジーでさえ楽々キングストンを黙らせれるので
 男女タッグの意味もハンデ戦の意味も全くないですね。
 スウィニーが殴り方とこういう試合のヒールの演じ方を知っているので見所はあるが手抜き。
 悪くない試合。

Fマイク・クァッケンブッシュvs.イカルス
 ようやく身体に言語が伴ったプロレスラーの登場です。
 クァックは前回敗れている事実を押さえた気持ちの出し方で
 腰攻めのテクニックも見応えがあります。
 イカルスはしっかりヒール・キャラで作っていますが
 終盤になってもキャラに頼り技が単発になっているのは頂けない。
 クァックが攻防を誘導していたから良かったですけどね。
 平均的な良試合。

Gタッグ王座戦、3本勝負:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.ノース・スター・エクスプレス
 先ほど身体性言語について触れました。
 一般的にメジャー選手はこれを持っていてインディー選手(一流どころは除く)は持っていないものです。
 インディー選手はプロレスだけで食っていけず
 トレーニングに欠ける時間がどうしても少なくなりますからね。
 その代わり自由度の高さが武器ですが語る言葉を持たないがゆえに
 手っ取り早く切り返しやムーブに走ります。
 ですから名も知れぬどインディー選手なんてのは大抵スポット・フェストやみっともない試合をしています。
 
 NSEはそこには属しておらず、ムーブと共に連携などのタッグ力を持ち合わせています。
 しかしそれを売りにできるまでに高められず、コメディーを交える事で食っていっているのは何故か。
 それは絶対的な体格の無さですね。
 X級よりも一回り小さく、鍛錬や実績でどうにかできるレベルではありません。
 これは大きい要素です。
 容姿は想像以上にプロレスを規定します。
 
 試合の中で不足分のステージをどうあげていくか。
 定型の答えを与えるならアンダードッグとして振舞う事です。
 しかし”一生に一度”を得るためには
 身長の低さ、体格の無さを欠点と考えない事、肯定し受け入れる事です。
 そしてそれを実現したのはレスリングでした。
 技も仕掛けも豊富になった21世紀ですがクラシカルなレスリングにその答えはあったのです。

 NSEはテクニカルではないものの気持ちと一致した動きで
 タイミングの合ったオールドスクールの形を作り上げました。
 随所にヘッド・シザース系をタッチで加えて彩りも加えていますが重みは変わりません。
 一方のKOWも自身に相当の自信を持ちながら、
 相応の実力も持っている、といううってつけの態度で試合を運びます。
 これならNSEを下げず、実質的に対等です。
 身体的に恵まれていなくてもレスリングを大事にすれば勝負できる事を証明した、
 濃厚な10分間のレスリングでこの試合の成功は確約されました。

 中盤。
 NSEは流れを継いだレスリング戦術が見事。
 これに対するKOWのアンサー、コービンへの腕攻めも素晴らしい。
 只一発で交代が成功したりとKOWは余り溜めが上手くいっていないのが惜しまれます。

 終盤は会場の外に閉め出す、という面白い仕掛けが飛び出しました。
 1人抜けて1対2になる構図は後にChikaraの売りとなる見せ方ですね。
 只演出としてはまだ荒削り。
 試合不可になる程のダメージを受けた訳でもなく姿も映りませんし
 戻ってき方もドラマチックではありません。
 またKOWが余裕を持って痛めつけに入るにしても
 2本目をもう少し早めに終わらせて後をなくし盛り上げる事は可能でした。
 しかして見事な腰攻めで
 2対2になってからの攻防も対等に張り合って高めあっている。
 KOWの得意技を防ぐという形から変形でNSEのフィニッシュ・ムーブに持っていったのには感心、王座移動かと思いましたからね。
 NSEの、という修飾がつくものの確かに”一生に一度の”試合でした。
 文句なしに好勝負。

 ポッドキャスト#13〜#16を収録。

総評。
 06年だけにセミまでは退屈ですがセミとメインは素晴らしい。
 カード的にChikaraファン以外には魅力にやや欠けるのが問題か。  
 (執筆日:10/24/09)
DVD Rating:★★☆☆☆

注目試合の詳細

Gタッグ王座戦、3本勝負:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.ノース・スター・エクスプレス
  ヒーロー対クルーズで試合開始。
  ヒーローが腕を取る。
  クルーズが取り返す。
  ヒーローが前転するも倒される。
  回転してひねる。
  クルーズを倒す。
  クルーズは起き上がると前転から飛び起き腕を取る。
  ヒーローは腕を取り返すと脚を取って倒しレッグ・ロック。
  バタフライ・ロック。
  クルーズは回転すると両脚でヒーローの頭を挟み丸め込む。
  ヒーローはカウント2で返すと両足を取りマットに押しつける。
  クルーシーフィックス。
  クルーズはカウント2で返すとバックを取り締め付ける。
  ヒーローは脚をかけて倒すと蹴りつけうつ伏せにする。
  レッグ・ロック。
  クルーズが回転して逃れフロント・ヘッド・ロック。
  ヒーローが逃れレッグ・ロック。
  クルーズは反転するとヘッド・シザースに返す。
  ヒーローは場外に出て間を置く。
  リングに戻る。
  クルーズの胸を突く。
  クルーズが突き返す。
  ヒーローが言葉をかけると同時にヘッド・ロック。
  ロープに振られショルダー・タックル。
  ロープに走る。
  伏せたクルーズを前転で飛び越えるとアピール。
  クルーズが振り向いたヒーローにチョップ。
  ヒーローは痛がりながらもニー。
  背中を殴りつける。
  ロープに振り持ち上げようとする。
  クルーズがヘッド・シザースに切り返す。
  チョップ。
  ヒーローはクルーズをコーナーに押し込みチョップを放つも避けられターン・バックルに誤爆。
  クルーズがコーナーにもたれる位置に戻り誘導。
  張り手を避ける。
  蹴りを避けるとそのままコーナーに座り蹴り飛ばす。
  突進してきたヒーローにヘッド・シザース。
  ヘッド・シザースを決めカバー。カウント2。
  フロント・ヘッド・ロックを決めるとコービンにタッチ。
  その隙を突いてヒーローが場外に逃れる。
  CC対クルーズ。
  CCが握手を求める。
  警戒しながらも応じようとしたコービンをロープに押し込み腕を取る。
  コービンがヘッド・ロック。
  CCは脚をかけて倒す。
  両脚を持って起こそうとする。
  コービンが着地しアーム・ドラッグ。
  コービンが握手を求めて挑発。
  CCは怒って詰め寄る振りしてヘッド・ロック。
  コービンがヘッド・ロックに返す。
  CCがバタフライ・ロックに返す。
  コービンがミュール・キックに切り返す。
  起き上がると同時にヘッド・シザースを狙う。
  CCがロックを外して防ぎ起こそうとする。
  コービンがアーム・ドラッグに切り返す。
  仕切りなおし。
  組むとCCがバックを取って倒しフロント・ヘッド・ロック。
  コービンが逃れフロント・ヘッド・ロック。
  CCが腕を取って起き上がる。
  コービンが前転で倒れ両脚でCCの首を挟む。
  回転して倒す。
  起き上がったCCを回転して倒す。  
  CCは片足をコービンのもう片方に脚に絡めて外す。
  そのまま脚を引っ張る。
  コービンは反転するとヘッド・ロック。
  ロープに振られる。
  ボディ・シザースからのフェイス・バスターを狙う。
  CCがその動きを利用して肩に担ぐ。
  コービンがアーム・ドラッグに切り返す。
  アーム・ドラッグ。
  起き上がるとクルーズとタッチ。
  クルーズが腕を取る。
  CCはサミングで逃れるとヒーローにタッチ。
  クルーズは入ってきたヒーローにドロップ・トー・ホールドからレッグ・ロック。
  ヒーローがすぐロープを掴む。
  フロント・ヘッド・ロックを決めタッチ。
  2人でヒーローをロープに振るとガット・バスターからドロップ・キックの挟み撃ち。
  コービンがカバー。カウント2。
  フロント・ヘッド・ロック。
  交代したクルーズは腕をひねり倒す。
  ヒーローは起き上がるとボディ・スラム。
  CCにタッチ。
  クルーズは入ってきたCCにアーム・ドラッグ。
  起き上がられた所で腕をひねり自陣へ。
  交代したコービンが腕を取る。
  ロープに振る。
  ヒーローがブラインド・タッチ。
  CCはロープを掴んでタイミングを外すと不用意に放ってきたコービンの蹴りを受け止める。
  ヒーローが入ってきてコービンの後ろに立つ。
  CCは脚を回してヒーローに渡す。
  背中にアッパーカート。
  合体のバスターを決める。
  ヒーローがカバー。カウント2。
  ヒーローは控えのクルーズを殴り落とす。
  バック・ブリーカーを決め締め上げる。
  タッチしたCCはそれを食らっているコービンにドロップ・キック。
  カバーするもカウント2。
  アーム・ロック。
  起き上がられた所で腕をひねるとヒーローが出した足にぶつける。
  CCがコービンの腕を固定するとヒーローが蹴り飛ばす。
  ヒーローはコービンの腕を取ると蹴り上げる。
  アーム・ロック。
  マットに叩きつける。
  交代したCCが腕にニー・ドロップ。
  控えのクルーズを殴りつける。
  コービンの腕を持って持ち上げる。
  倒すとニーを落とす。
  殴りつけてきたコービンにニーを落とす。
  腕をひねる。
  コービンがグラウンド・ヘッド・シザースに返そうとするも無理。
  CCは腕を押さえつけヒーローにタッチ。
  ヒーローがコービンの腕をマットに叩き杖蹴る。
  腹にヘッド・バッドをしてきたコービンを起こすと勢いをつけて腕をひねる。
  腕にニー。
  交代したCCがストンピング。
  腕をひねって倒そうとする。
  コービンは前転して防ぐとハリケーン・ラナへ。
  耐えられるも持ち上げられた所でハリケーン・ラナ。
  飛んでクルーズにタッチ。
  CCもヒーローにタッチ。
  クルーズがフォア・アームズ。
  ロープに振りニール・キック。
  スラムを決めるがカウント2。
  ロープに振ろうとする。
  ヒーローが防いで張り手。
  呼び寄せたCCに担がせる。
  ロープに走る。
  場外のコービンがヒーローの脚を掴んで倒す。
  クルーズは逃れるとCCを押し飛ばし場外への巴投げ。
  コービンがコーナーのヒーローにスピアー。
  クルーズがコードブレイカーを狙う。
  耐えるヒーローにコービンが延髄切りを決めコードブレイカー炸裂。
  コービンが入ろうとしたCCにドロップ・キックを決め落とす。
  コービンはクルーズの巴投げの補佐を受けてスピアー。
  コービンがクルーズを肩車するとヒーローに叩きつけ1,2,3!
  NSEが先取(20分)!

  ヒーローは何故カットしなかったと責める。
  CCが弁明して胸を突き返すとヒーローは場外に出て行く。
  クルーズがCCの背後からスクール・ボーイ。カウント2。
  アッパーカートを受け止めバック・スライド。カウント2。
  ロープに振ろうとする。
  CCが振り返しクローズラインへ。
  避けられるもバック・ブリーカー。
  場外のヒーローが控えのコービンに殴りかかりバーのテーブルに叩きつける。
  リングではCCがクルーズを担ぎターン・バックルに背中からぶつける。
  ヒーローはコービンを連れて外に出ると壁にぶつける。
  トラックの荷台に寝かせるとシャッターを落としてぶつける。
  リングではCCがクルーズにバック・ブリーカー。
  ヒーローは1人で戻ってくると扉につっかえ棒を差し入れ開かないようにする。
  CCがカバー。カウント2。
  タッチすると羽交い絞め。
  ヒーローがチョップ。
  背中を殴りつけ喉の上を歩く。
  髪を踏みつけ引っ張りあげる。
  あせらず痛めつけようと言う気らしい。
  交代したCCはクルーズを肩に担ぐとそこから持ち上げてのバック・ブリーカー。
  カバーするもカウント2。
  バタフライ・ロック。
  コービンが扉を叩く音がする。
  ヒーローは相手陣のコーナーにたってクルーズを応援してみせる。
  クルーズがCCの腹を殴りつけロープに走る。
  CCがカウンターでクローズライン。
  アイリッシュ・ウィップ。
  交代したヒーローが胸に張り手。
  肩にかついでバック・ブリーカー。
  ストロング・ホールドを決める。
  ボストン・クラブに移行。
  クルーズがロープを掴む。
  交代したCCはタッチすると2人でクルーズをロープに振りビッグ・ブーツ。
  クルーズは耐えると2人にフォア・アームズを決めていく。
  ロープに走る。
  CC、ヒーローがカウンターでビッグ・ブーツ。
  2人はクルーズの両脚を持つと回転させてマットに落とす。
  カバーし1,2,3!
  これで1−1(6分)!
  
  レスト・ピリオドになるもヒーローがレフェリーの注意をそらしている隙にCCがエルボー・ドロップ。
  3本目開始。
  CCがボディ・スラム。
  スナップ・メア。
  ロープに走り背中へのアッパーカート。
  カバーするもカウント2。
  腕を取る。
  クルーズが腹にパンチ。
  起き上がり殴りつけていく。
  CCがクルーズにニー。  
  タッチすると2人でクルーズをコーナーにたたきつける。
  キャメル・クラッチ。
  クルーズは起き上がりコーナーに押し込むもそこは相手人。
  CCがタッチして入り背中を殴りつける。
  アッパーカート。
  タッチすると2人でロープに振る。
  ヒーローがクローズラインを狙う。
  クルーズは避けるとCCにヘッド・シザースを狙う。
  ヒーローに渡されるもそこからDDTを決める。
  CCのエルボー・ドロップを避けると延髄切り。
  3人ともダウン。
  コービンが別の場所から入ってきたようで姿を現す。
  交代したコービンが2人に打撃を入れていく。
  CCにDDTを決めると同時にヒーローにスタナー。
  ヒーローをカバーするもカウント2。
  ヒーローをロープに振ろうとする。
  ヒーローは防ぐとバック・ドロップ。
  コービンは気合で起き上がるとシャイニング・ウィザード。
  CCがコービンにアッパーカート。
  クルーズがCCにスーパー・キック。
  ボムを決めるもカウント2。
  ロープに走りネック・ブリーカー・ドロップへ。
  CCは受け止めるとおろしてリコーラ・ボムの体勢から担ぐ。
  近づいてきたコービンを蹴り飛ばす。
  ヒーローが入ってきてクルーズにビッグ・ブーツ。
その衝撃を利用してマットに叩きつける。
  ヒーローがカバーするもコービンがカット。
  CCがクルーズを背に宙吊りの形で持つ。
  ヒーローがコービンを持ちCCにかけようとする。
  コービンはCCを蹴り飛ばして防ぐとヒーローにRKO。
  CCにドロップ・キックを決めるとクルーズがヒーローに叩きつけられる。カウントは2。
  クルーズはCCをロープに振ろうとする。
  CCが振り返す。
  ヒーローがロープを下げクルーズを落とす。
  コービンがCCにネック・ブリーカーを狙う。
  CCが逃れ背中にアッパーカート。
  ヒーローと共にKOS1を決め1,2,3!
  2−1でKOWの防衛(6分)!

試合結果

@ロス・アイスクリームス、ハイドラvs.ザ・コロニー、イクイノックス
AYLC:エリック・キャノン(th)vs.ランス・スティール
Bシェイン・ストーム、ジグソウvs.クロスボーンズ、ロスシャー
Cグラン・アクマvs.レックレス・ユース
Dハロウィックドvs.ウルトラマンティス・ブラック
Eラリー・スウィニー、デイジー・ヘイズvs.エディ・キングストン
Fマイク・クァッケンブッシュvs.イカルス
Gタッグ王座戦、3本勝負:キングス・オブ・レスリング(ch)vs.ノース・スター・エクスプレス(2-1)