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AEW:Best of AEW TV Matches 2022 part.9の分析


名勝負 3本勝負:ブライアン・ダニエルソンvs.ダニエル・ガルシア(Dynamite House of the Dragon 8/17/22)
好勝負 ROH世界王座戦:クラウディオ・キャスタニョーリ(ch)vs.竹下幸之助(Battle of the Belts III 8/5/22)

AEW暫定世界王座戦:ジョン・モクスリー(ch)vs.クリス・ジェリコ(Dynamite Quake by the Lake 8/10/22)

ザ・エリート(ケニー・オメガ、ヤング・バックス)vs.アンドレード・エル・イドロ、ドラゴン・リー、ルーシュ(Dynamite House of the Dragon 8/17/22)

トリオス王座トーナメント1回戦:ユナイテッド・エンパイア(ウィル・オスプレイ、カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)vs.デス・トライアングル(Pac、ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(Dynamite 8/24/22)

@ROH世界王座戦:クラウディオ・キャスタニョーリ(ch)vs.竹下幸之助(Battle of the Belts III 8/5/22)
 スケール感のある者同士の対決。
 モンキーフリップの高さにどよめき歓声が起こります。
 一発で観客の期待感が高まりましたね。

 とはいっても前半は控えめ。
 セザーロがほぼ攻めに回る展開です。

 竹下が負けがこんでいる戦績からすると自然ではありますが、
 そういう見方をする竹下ファンは少ないはずで、
 竹下ならではのハードな打撃で前半からもう少し攻め合って欲しかった所。

 しかし終盤の攻防は最高の一言で、緩急も素晴らしく、
 竹下vs.遠藤ばりに何度も実現して欲しいと思わされるレベルでした。

 文句なしに好勝負。

AAEW暫定世界王座戦:ジョン・モクスリー(ch)vs.クリス・ジェリコ(Dynamite Quake by the Lake 8/10/22)
モクスリーに挑発さジェリコはライオンハートとして登場。
 入場曲を変え、髭も剃っていましたね。

 そしてそれは単なる見栄えを変えるだけのネタではなく
 試合スタイルもちゃんとオーソドックス・スタイルに戻しており、
 そしてそれが今王座戦をする上で大きな助けになっているのがポイントですね。

 モクスリーもピアス剥ぎ取られる所からの流血で盛り上げ、
 アクションも細かな微調整を利かせました。

 ウォール・オブ・ジェリコを受け、
 トペではなくダイビング・ダブル・アックスを放ったり、
 クライマックスをサブミッション・ベースにしたりと
 地味な部分で上手さが光りました。

 ジェリコが今更王座挑戦しても、と思ってましたが、
 予想を覆す充実の一戦でした。

 ぎりぎり好勝負。
 試合後パンクが復帰、登場しモクスリーとの対決に期待が高まります。

B3本勝負:ブライアン・ダニエルソンvs.ダニエル・ガルシア(Dynamite House of the Dragon 8/17/22)
 序盤のグラウンド。
 引っ掛かりを作りつつも、それはわざとらしくなくリアル感があります。

 お互いヒールホールドをかけたり、
 ローキックでの牽制しあいなど
 端的な絵作りでありながら、そこ自体が目的ではなく意図をもって配置しています。

 攻撃性という概念的なものを
 見事なまでにブライアンが表現し、
 3本の中の1本でありつつ満足度は既に最高レベル。

 ガルシアがチョップで胸を真っ赤に染め上げて
 ヒールでありながらも旬のレスラーとして
 内心応援したくなる今を生きるファイト。
 このストーリー・テリングの精度には唸らされましたね。

 ブライアンがスパイダー・ジャーマンからミサイル・キックにトペ。
 この終盤の一連のムーブ。
 ムーブの鋭さ、気迫が伝わる表情、テンポ感、間、
 全てが最高レベルであることが詰まった象徴的なシーンだったと思います。

 鉄柱を挟んで両腕を取ってのぶつけ合い等極北のハード・ヒッティングの末に
 最後は敢えて髪で攻め側の表情を見えなくして終えるというのがまたたまらないですね。

 憑依系天才レスラーの2人がMOTYCを作り上げました。

 文句なしに名勝負。

Cザ・エリート(ケニー・オメガ、ヤング・バックス)vs.アンドレード・エル・イドロ、ドラゴン・リー、ルーシュ(Dynamite House of the Dragon 8/17/22)
 オメガが復帰。
 完全回復とはいかない状態ですが、
 試運転という見せ方でリアルのネックを
 ストーリーに織り込んだのは上手かったですね。

 ルチャ側はトリオのファン要素を人為的にポイントで織り込みつつも
 ルーシュがカオスに独立して動くのが面白かったですね。
 これこそがルーシュの良さで
 このトリオは是非継続して活動していって欲しいと思います。
 ルーシュはアメリカでは十分に活躍できていないですからね。

 オメガは上述の通り完璧な状態ではありませんが、
 観客をどう盛り上げるかの当て感は鈍っておらず
 良い形で最後を締めくくりました。

 ぎりぎり好勝負。

DAEW世界王座&暫定世界王座統一戦:CMパンク(ch)vs.ジョン・モクスリー(暫定 ch)(Dynamite 8/24/22)
 抗争としての熱は高まっているものの
 試合できる状態にはまだ早かったか
 アクシデンタルな演出と制裁的な演出で即座に決着。中々難しい所ですね。
 PPVでちゃんとリマッチは出来るのでしょうか。

Eトリオス王座トーナメント1回戦:ユナイテッド・エンパイア(ウィル・オスプレイ、カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)vs.デス・トライアングル(Pac、ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(Dynamite 8/24/22)
 オスプレイとフェニックスがまずは速攻演舞
 演舞に寄せつつも荒々しさを織り込んで形式的にさせ過ぎないバランス感はGood。
 そこらへんは弁えていますね。

 とはいってもリーダーのオスプレイが最初の孤立役を務めるのはやや違和感。
 トライアングル側の攻めもオスプレイの受けも良いものの
 もう少しトライアングル側にアクション以外の見せ方が欲しかった。

 しかし受け表現で劣勢に自分を追い込みながら
 1ムーブで状況をひっくり返して納得させられたので
 これもオスプレイの掌の上で転がされた印象か。

 オージー・オープンは完全にサポートに回っており、
 もう少し主張強めでもトリオの形にはなるのではないかと不満点もありますが、
 ちょっとした欠点なんて圧倒する程シンプルに凄い攻防です。
 
 オスプレイとPacのシングルにフィーチャーして
 雪崩式垂直落下式ブレーン・バスターまで出る激闘ぶりです。

 そしてオスプレイの気合受けのポージングっぷりはジョジョの境地にありました。

 最後はPacのストーカーのセイビアン乱入からフィニッシュも
 トリオ・トーナメントの成功を早くも確信させる内容でした。

 ぎりぎり好勝負。
 (執筆日:8/?/22)

注目試合の詳細

なし

試合結果

@ROH世界王座戦:クラウディオ・キャスタニョーリ(ch)vs.竹下幸之助(Battle of the Belts III 8/5/22)
AAEW暫定世界王座戦:ジョン・モクスリー(ch)vs.クリス・ジェリコ(Dynamite Quake by the Lake 8/10/22)
B3本勝負:ブライアン・ダニエルソンvs.ダニエル・ガルシア(2-1)(Dynamite House of the Dragon 8/17/22)
Cザ・エリート(ケニー・オメガ、ヤング・バックス)vs.アンドレード・エル・イドロ、ドラゴン・リー、ルーシュ(Dynamite House of the Dragon 8/17/22)
DAEW世界王座&暫定世界王座統一戦:CMパンク(ch)vs.ジョン・モクスリー(暫定 ch)(新チャンピオン!)(Dynamite 8/24/22)
Eトリオス王座トーナメント1回戦:ユナイテッド・エンパイア(ウィル・オスプレイ、カイル・フレッチャー、マーク・デイヴィス)vs.デス・トライアングル(Pac、ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(Dynamite 8/24/22)