AEW:Best of AEW TV Matches 2022 part.12の分析
名勝負 | なし |
好勝負 | ROH世界王座戦:クリス・ジェリコ(ch)vs.石井智弘(Dynamite Thanksgiving Eve 11/23/22) ブライアン・ダニエルソンvs.ダックス・ハーウッド(Dynamite 11/30/22) |
@オール・アトランティック王座戦:オレンジ・キャシディー(ch)vs.柴田勝頼(Rampage 11/4/22)
柴田が遂に本格試合復帰。
それもAEWで、とは驚きましたね。
しかし身体上の不安を抱える中で
ハード・ファイト以外の評価軸もある
USで再スタートを切るのは理に適っていますね。
柴田の硬派なスタイルとキャシディーの無気力スタイルが交錯しつつも
心理戦を交えてお互いの領域に踏み込んでいきます。
柴田の攻め比率が多めで身体的負荷の配慮はあるものの
こんなにちゃんと王座戦の体裁に仕上げてくるとは天晴でしたね。
好勝負に届かずも中々良い試合。
(執筆日:11/?/22)
A3本勝負:ブライアン・ダニエルソンvs.サミー・ゲヴァラ(Dynamite 11/9/22)
劣勢のサミーが椅子攻撃。
反則を取られるものそこで一気に優勢に立ちマイクで煽ります。
ブライアンも流血しサミーの生意気キャラを存分に出しました。
最初の2本をストーリーに振り切っているので、頭打ち感はありますね。
表現を攻防の意味合いにどこまで繋げられるか。
ブライアンが反撃の機運を作り、
その方向性は性格なのですが、
ストーリーから入った割にはまどろっこしさを感じる展開でしたね。
これまでの攻防を利用して次のステージへ発展させていきましたが、
甘い部分もあり思った程試合の完成度は高くならなかった印象が残りました。
中々良い試合。
Bトリオス王座戦、7番勝負第2戦:デス・トライアングル(Pac、ペンタ・エル0M、レイ・フェニックス)(ch)(1)vs.ザ・エリート(ケニー・オメガ、ヤング・バックス)(Dynamite Thanksgiving Eve 11/23/22)
PPVで敗北を喫したエリートが不意打ち。
パックはこの前の試合を受けフェイスガードをしての参加ですね。
単調にならないよう細かな反撃を入れていますが、
基本はこのパックを孤立させる展開に直結させたショートカット展開。
派手なスポットを定期的に配置し、しっかりクオリティを満たしていきます。
ニックがトンカチを手にするも
背後に忍び寄ったペンタがトンカチで一撃。
連勝するもフェニックスとの亀裂が広がり、と
ストーリーとして先に進める色が強く、箸休めですが、
それでもクオリティはかなりのものです。
好勝負に少し届かず。
CROH世界王座戦:クリス・ジェリコ(ch)vs.石井智弘(Dynamite Thanksgiving Eve 11/23/22)
こんなカードが実現するとは思ってもみませんでしたね。
どんな試合になるのかと思ったら、いきなり張り手の打ち合い。
エルボーやチョップも打ち合って
石井ISMばりばりの打撃戦でした。
打撃戦に割り切っている攻防は
みのるを彷彿とさせましたね。
ジェリコは真っ赤に胸を晴らすどころか出血していましたが、
それでも怯んで辞めるという選択肢を取らなかった覚悟には脱帽。
しかも終盤の技使いはこのブルータルの打撃戦の延長で普段とは違う見せ方をしていて
根性だけではない上手さもちゃんと演出して試合を仕上げました。
ぎりぎり好勝負。
Dブライアン・ダニエルソンvs.ダックス・ハーウッド(Dynamite 11/30/22)
スライディング、体の反転。
両者惚れ惚れする動きの交錯ですね。
ダックスの荒々しいストンプ一発に魅了されます。
シンプルで雄弁に語りました。
ブライアンがトペを決めれば
ダックスも観客席でブレーン・バスター。
ダメージ感の見せ方が上質で
複雑なことはせずとも王道に魅せ切りました。
天晴。
ぎりぎり好勝負。
(執筆日:11/?/22)