AEW:Best of AEW TV Matches 2021 part.7の分析
名勝負 | ブライアン・ダニエルソンvs.鈴木みのる(Rampage 10/15/21) |
好勝負 | AEW世界王座#1コンテンダーズ・カジノ・ラダー・マッチ:アダム・ペイジvs.アンドレード・エル・イドロvs.ジョン・モクスリーvs.ランス・アーチャーvs.マット・ハーディvs.オレンジ・キャシディーvs.Pac(Dynamite 10/6/21) |
@アダム・コールvs.ジャングル・ボーイ(Dynamite 9/29/21)
Jボーイは真っすぐな所を残しつつ
能動的に自分のアピールを生み出す力強さがあります。
優秀なアンダードッグの一人から次のステージにレベル・アップしましたね。
コールもJボーイと親和性の高い試合の組み立て。
もう少しコールらしいあくの強さを出しても良かった所ですが、
終盤になるとコールの表情が表に出て来て改善されます。
素晴らしい攻防でPPVレベルといっても過言ではありません。
好勝負に少し届かず。
Aブライアン・ダニエルソンvs.ニック・ジャクソン(Rapage 10/1/21)
ニックの生意気な態度に
ブライアンの挑発的な試合運び。
外して、のせて、フェイスvs.ヒールならではの
感情の起伏を楽しめる内容となっています。
攻防には流れがあり不足がないので見応え十分。
その上でエプロンや場外スポットなど過激な見せ場に
マット介入などの演出も加わりました。
普通にPPVでも良いレベルの内容でしたね。
好勝負に少し届かず。
(執筆日:10/?/21)
Bザ・エリート(アダム・コール、ケニー・オメガ、ヤング・バックス)vs.ブライアン・ダニエルソン、クリスチャン・ケイジ、ジュラシック・エクスプレス(Dynamite 10/6/21)
豪華オープニングですね。
ただの賑やかしではなくしっかり中身も伴っています。
このメンツの中で飛び切りの仕事をしているのがジャングル・ボーイ。
主軸を担っていましたね。
ヤング・バックスも相変わらず鉄板です。
一方でクリスチャンは場外でスパイク・パイル・ドライバーを食らい脱落する役回りでしたが、
主張が弱く脱落した意味合いを余り感じなかったのは残念。
そんな物足りなさはあるものの
お膳立てをされた上で、ブライアンvs.オメガを迎える等
最高の盛り上がりを見せてこの週もDynamiteはロケット・スタートを切りました。
ベストワークでなくてもPPVレベルと言える内容。
好勝負に届かずも中々良い試合。
CAEW世界王座#1コンテンダーズ・カジノ・ラダー・マッチ:アダム・ペイジvs.アンドレード・エル・イドロvs.ジョン・モクスリーvs.ランス・アーチャーvs.マット・ハーディvs.オレンジ・キャシディーvs.Pac(Dynamite 10/6/21)
一定時間ごとに参加者が加わる形式。
Pac対オレンジからスタート。
Pacの戦闘狂、オレンジのコミカル・キャラの対比で盛り上げます。
特に全員揃わずとも上空のチップを取りに行って良いようで
派手なスポットがコンスタントに飛び出てきます。
他に比べて下り坂のマットも流石にラダー使いには安定感があるし、
何故かCMと被り小さな画面だったのは可哀そうながら
アーチャーもビッグ・マンとして存在感を示しました。
アーチャーとモクスリーが乱闘を繰り広げる等
適切に人間関係も絡めながら進めて迎えた最後のサプライズ枠。
ここで期待通りにペイジが現れ爆発的盛り上がりです。
しっかり観客の期待感に応えたハード・スポットで盛り上げ、
最後の見せ場も勝つならこの2人のどちらかだろう、という
観客の見方と完全一致していてストレートにのれましたね。
ぎりぎり好勝負。
DCMパンクvs.ダニエル・ガルシア(Rmpage 10/8/21)
パンクは観客に働きかけて、
その反応を含めた試合運び。
ガルシアはヒール側に立って
間抜けな面や攻撃的な面、色々な面を披露します。
現役最前線のガルシアを前にすると
パンクの形式的な所が一部目立ちますが
元からその弱みはあるし
当人もわかった上で装飾的技やダメージ・コントロールに逆に生かしています。
終盤のガルシアのセカンドを巻き込んでからのまとめ方は
まさにプロレスならではの演目芸という盛り上げ方でしたね。
好勝負に少し届かず。
Eブライアン・ダニエルソンvs.鈴木みのる(Rampage 10/15/21)
技術に裏打ちされつつも
それ自体で魅せるのではなく
感じ方、伝え方で物語を生み出すレスリング。
打撃戦の中でアッパーカートに打たれて後ずされば
その三歩に間作りの意味があり、仕草に演技がある。
観る者の視線と思考を意図的に混ぜ込んで、
三者でのドラマ作りが大変巧みです。
サブミッションの怖さを
段階的な見せ方で持って作り上げたりと
2人のやり取りはハード・ヒットを仮想的に織り上げます。
身体能力がピークのレスラーのそれには敵わないとしても本物中の本物です。
終盤はこの試合の代表的な打撃戦を展開。
両者ダウンを挟んでもう1回見せて、あのまとめ方。
本当にうまいな、と笑ってしまう攻防でした。
ニア・フォールの激戦ではないし試合時間も20分切るものの
プロレスの匠によるドリーム・マッチは夢のような時間を作り上げました。
文句なしに名勝負。
(執筆日:10/?/21)
注目試合の詳細
なし試合結果
@アダム・コールvs.ジャングル・ボーイ(Dynamite 9/29/21)Aブライアン・ダニエルソンvs.ニック・ジャクソン(Rapage 10/1/21)
Bザ・エリート(アダム・コール、ケニー・オメガ、ヤング・バックス)vs.ブライアン・ダニエルソン、クリスチャン・ケイジ、ジュラシック・エクスプレス(Dynamite 10/6/21)
CAEW世界王座#1コンテンダーズ・カジノ・ラダー・マッチ:アダム・ペイジvs.アンドレード・エル・イドロvs.ジョン・モクスリーvs.ランス・アーチャーvs.マット・ハーディvs.オレンジ・キャシディーvs.Pac(Dynamite 10/6/21)
DCMパンクvs.ダニエル・ガルシア(Rmpage 10/8/21)
Eブライアン・ダニエルソンvs.鈴木みのる(Rampage 10/15/21)